サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想⑥
「どうだろう達麻
かつてのわだかまりを捨て
手を組まないか?」(花一)
「!」(達麻)
「……」(達麻)
「2人で……
箱の鍵を集めるのだ」(花一)
「……
敵だったお前をどう信用しろと?」(達麻)
<スッ>「私の侍魂を
お前に預ける」(花一)
「!師匠!
己の侍魂を手離すなど
死なぬ侍が死んだも同じ!!
刀を持たぬ侍は――」(五空)
「武士道とは死ぬ事と見つけたり
お前の協力なくして鍵は集まらん
カーラにこの銀河は渡さぬ……
私の「義」だ!」(花一)
「……」(達麻)
「曇りのない侍魂…
言葉に偽りはないな」(達麻)
<ガチャ>「今の拙者は
心眼で侍魂の純度を見定めできる
ひとまず情報共有だ」(達麻)
「相変わらず
話が早くて助かる」<ガチャ>(花一)
「かたじけない<カチ>
互いに手を組むなどないと
思っていたが今は――」(花一)
「私にとって名誉な事だ」(花一)
八丸と五空…弟子同士は水面下の鍔迫(つばぜり)り合いでお忙しそうですが、師匠同士はいきなりマッタリとお茶なんか啜って、「敵だったお前をどう信用しろと?」の達麻なんてほぼほぼ「嫌い嫌いも好きな内」の乙女(ネコ)じゃーないですか(笑)。ところで、ホントは…達麻と花一さんは好敵手(ライバル)→金剛夜叉流と烏枢沙魔流はそれぞれ「箱の鍵」(天然物)を探していた→達麻が猫侍になるイベントで花一さんは巻き込まれて犬侍になった…という経緯があったようですが、達麻って猫侍になってから「パンドラの箱」と「7つの鍵」を探しなさいと第1話の冒頭部分で夜叉さんに命令されたんじゃーなかったっけ?
当初は達麻は目が見えない猫の姿に偶然なってて…っていう流れだったんだけど後に烏枢沙魔流に無理やり猫に封じ込まれた…みたいな設定に変わりますが、もう面倒臭いのでスルーしています(笑)。そのイベントで何故だか花一さんも巻き込まれて犬侍になっちゃったみたいなので、きっと本性とは真逆の容姿に変貌するウィルソソフトを散布したんじゃーないでしょうか?それで花一さんは本性が猫だったから犬の姿に変わって、達麻は本性が犬だったから猫侍になってしまったようなんですが、自分らで散布したウィルスソフトに感染してしまって、それが原因でかは定かではないけど失脚までした花一さんって(笑)。
紆余曲折があって花一さんは烏枢沙魔流を離反し師匠のカーラさんも今はもう呼び捨て状態で、「箱の鍵」をコンプして「パンドラの箱」をカーラさんよりも先に開いてその力でカーラさんを倒そうとしてるようです。しかし、しかしですよ!!そういう花一さんの変節が達麻には知れてない筈なのに、何で達麻は千ちゃんと五空の交戦を止めたのが分からんのです!!敵のキーホルダーの腹の中でお茶を啜り和むご一行といい、何のすり合わせもなくここまで分かり合えるなんて、この子らみんなニュータイプなのかな?(宇宙空間で覚醒しちゃったんかなー?)…と思うしかないのでしょうか!?(笑)
ま…作者の岸本先生がこの世界の神様なのですから(キッ神の思うまま…というアレです)、お好きにして宜しいかと思われますが、余りにも不自然過ぎてリアリティが感じられません(汗)。やはり、ここは達麻が花一さんの話しを聞いてみようと思うに足るイベントが不可欠だったように思います。それに達麻と花一さんは敵同士の頃から剣士として侍として通じ合う何かがあった…という背景も全く描かれていませんし、岸本先生の頭の中にある情報だけが未来に伝搬してて我々読者に伝わっていない=描写がないのであります。どんなに巻いてもそれ描かなきゃダメでしょ!!っていうのが悉く抜け落ちています。
結局、花一さんって達麻が配布した侍ゲーのムービーに登場した「不動明王の試練」だったんですよね。そして、そこで交わされた達麻と花一さんの会話が今話の邂逅でリフレインしておる訳ですが、「武士道とは死ぬ事と見つけたり」とか「義を見てせざるは勇なきなり」で出てくる「武士」「義」「勇」などという用語がリアル(論語?)と作中とで全く違うものなので、もう何を言ってるのか分からない…っていうか、言葉の真意ではなく上っ面のみ(恐らく響き)で使われているので何の感慨も湧きません。そもそも、これらのセリフが物語の根幹に何ら関わっていないんですから、それでどう感動しろと仰るのか?!
「Zガンダム」でアムロとシャア(クワトロ)が邂逅した件(くだり)で僕はワンワンと泣きました。声を枯らすくらい泣きました。それはアムロとシャアがファーストで魂をぶつけ合うようにお互いを否定し合う様を嫌という程見せつけられたからです。そういう二人が時を経て大人になり昂ぶる感情を抑え、お互いを尊重し合える心の余裕が持てるようになったからあんなに静かに…席を同じくできたから、僕らは納得した…それが自然に感じられた訳です。それに至る二人の歩みがしっかりと描かれていたから僕らは感動できたのです。最初と最後だけポッと描いて、同じセリフをそれに重ねたところでダメなのですよ!!!!
少なくとも達麻と花一さんが同じソファーに腰掛けて茶を啜る前に二人の心の成長(変節)が示されないとダメですよ。岸本先生の頭の中でお話が進んで、その結果だけがここでポッと提示されても伝わりっこないのですよ。岸本先生もお忙しいとは思いますが、「機動戦士ガンダム」のファーストから「Z」までを一気に観て頂いてレポート(原稿用紙20枚)を提出して頂けますか?ホント…『サムライ8 八丸伝』って言葉の上っ面だけを扱ってる感じがして、言葉の芯(本質)が伴っていないんですよ。「大切なものほど目に見えるところにはないものです」を真に描きたいのであればご自身がそれを実践するべきだと、僕は思うのであります。
続きまーす!!(言ってる事とやってる事が真逆っていう…皮肉)
サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想⑤
<ズズ>(達麻)
「ふむ…ちょうど良い湯かげん
よい箱の鍵侍を見つけたな
八丸にも見習わせたいものだ
この体になって心眼が開花した
少しだけ本物を見定められる」(達麻)
(何だよ…師匠まで!)(八丸)
「しかし
お前の方もよい鍵侍を見つけたな
八丸のおかげでアタを足止めできている
その子の感謝しなくては」(花一)
「君がアン姫の運命の侍だね
お茶を…」(五空)
「確かに!
…いい心眼を持っているようだな
お前の師匠は」(八丸)
「お互いに」(五空)
「オレ…心眼もってないけど」(三打)
「お茶を……」(五空)
「この二人がこの先
ややこしい事になりそうだってのは
分かるよ」(三打)
「大丈夫…
そんな風にはならない
差がありすぎるの」(苺)
「?」(三打)
しかし、いきなり白兎(仮)なんて敵さんの鑑の中に召喚されてチャンバラが始まりかけたのに何故だかそれに達麻が割って入って止めちゃって、円形のソファーに着席してお茶なんか啜り始めたからね(笑)。敵のホルダーの腹の中でこんなに和めるって神経太ッ!!(笑)ところで冒頭部分で達麻が千ちゃんと五空の間に入って止めた理由は未だに分からないし、もしかしたら一生分からないかも知れません(笑)。そこからの達麻の行動の全てが不可解であり、これはもう心眼に未来を予知する能力があって、それによって未来を改変できるとしか思えないけど、そんな便利な能力があるのにここまで50年…っていうのも難儀なんですわ(笑)。
ところで、八丸の(何だよ…師匠まで!)の次のコマでお茶を啜りながら花一さんが「しかしお前の方も…」と達麻に投げかけているセリフですが、吹き出しが繋がっているので「八丸のおかげでアタを足止めできている」と「その子に感謝しなくては」というセリフも花一さんのものですよね。初見でここが達麻のセリフだと思ってたんですけど、花一さんが喋ってるんですね。八丸の名前はその直前に達麻が「八丸にも見習わせたいものだ」と言ってるので、それを拾ったとして…。でも、八丸がアタさんの足止めをしてる…っていう意味は僕もここまでで薄々勘付いていたんだけど、それが花一さんに分かったのかがダークな雰囲気を醸し出しています。
これも心眼の為せる技なんですかね。ちなみに、八丸=アタさんの足止め…っていうのは、「合鍵計画」は八丸の能力を還元しないと完了できないので烏枢沙魔流は八丸をバラしてでも持ち帰ってそれを再生させて八丸が「合鍵計画」の他の7人から奪ったとされる能力を還元しなきゃーなんないんですね。一方、達麻としては八丸が「パンドラの箱の鍵」(微妙に八丸が「パンドラの箱」そのものの可能性もあるけど…)であると共に他の「箱の鍵」を見つけ出すレーダーになるからこんなにクズなクソガキであろうと連れ回す必要があるのです。しかし、それも苺ちゃんという心眼持ちが登場した事でやや揺らいでいます。
しかも、八丸は元はと言えば烏枢沙魔流が人工的に「マンダラの箱の鍵」として発生させたデザインチャイルドであり、それが何らかの理由により「パンドラの箱の鍵」でもあったかなり特殊な存在なんです。一個前の感想でそこんところを掘り下げてあるので参照して下さい。それでハチマル的には八丸は天然物の「パンドラの箱の鍵」であると一応FAしたんですが、この世界の何処かに存在するかも知れない他の「箱の鍵」と同じように自然発生した八丸のポジションの天然物の「箱の鍵」を否定はし切れていません。つまり、八丸以外に八丸と同等の「箱の鍵」の天然物が存在する可能性が残っている訳です。
こうして達麻と花一さんが邂逅(かいこう)し情報交換する中で八丸に付帯する情報がそこまで詳(つまび)らかになったという点には大いに注目すべきでしょう。そして、それが花一さんの口から出た点にも。達麻がそれを否定も肯定もせず受けているのも達麻のダークサイドを見せられたような気がして非常に興味深かったー。ぶっちゃけ、花一さんが「八丸=アタさんの足止め」としたのは達麻が八丸を候剣で斬り刻めば烏枢沙魔流の「合鍵計画」を完璧に頓挫させらる事を意味してると思います。フルタ博士が亡くなってしまいましたから、新たな「合鍵」を製造する事が困難になった可能性もありますね。
達麻はアタさんが押し込んで来れば、八丸を再生できないように候剣で微塵斬りにすればよし、アタさんが手を拱(こまね)いてる内は八丸を「箱の鍵」のレーダーとして使い倒せばいい訳です。それが「足止め」の真意であると僕は考えます。しかし、今となっては花一さんが確保した苺ちゃんが居ますし、探せばホントの天然物の八丸のポジション(鍵穴)の「箱の鍵」だって存在するのかも知れませんから、八丸の存在意義というものが薄れて来たのです。恐らく今後は人質とも言える八丸を前面に押し出しアタさんを牽制しつつ苺ちゃんを可能な限り秘匿して「箱の鍵」を探す事になるのではないかと僕は考えています。
やはり「7つの鍵」なのに8番目の八丸はいろんな意味で尻の座りが悪いです(笑)。しかし、免許のダウンロードで不動明王まで現れて「箱の中ものもを見ている」なんて言っちゃうんだから騒ついちゃったり、八丸自身が「パンドラの箱」の可能性も取り沙汰されて辛うじてその存在を繋ぎ止めてますけど、必要ならば達麻が八丸を斬り刻むダークなエンディングが僕はあると思っています。八丸を消去してしまえば烏枢沙魔流の「合鍵計画」は水の泡なんだから最高の人質です。同じように達麻側は二角〜七角までの一人でも消し去ってしまえば少なくとも「合鍵計画」を止められるのでかなり有利ではあるんですけどね。
続きまーす!!(苺ちゃんの意味深発言は次で書く書く!!)
サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想④
「…!」(八丸)
「!」(三打)
「お…お茶なら私が入れますよ」(アン)
「!」(五空)
「わ…私はこう見えて
さ…侍の姫で修行中の身ですから
それに…侍様たちの大事な
お…お話に参加された方が…」(アン)
「気を遣ってくれてありがとう
でもゆっくり座っていて下さい」(五空)
「で…でもこういう役まわりは…」(アン)
「侍が座って姫がお茶を出す決まりなんて
あってないようなものです
その逆があってもいいとボクは思いますがね」(五空)
「で…でも」(アン)
「銀河を色々回ったので
いいお茶が手に入って…
おいしいですよ」(五空)
「あ…ありがとうございます
えっと…」(アン)
「五空です
さしつかえなければ姫の…
お名も」(五空)
「!」(アン)
「…!」(八丸)
「わ…私の…
な…名前は…ア…
ア…ア…
……
ア…アンです」(アン)
「アン姫
…姫にぴったりのよい名ですね」(五空)
「気のきくアン姫のような方を姫に持つ
そんな侍様がうらやましいです
ボクには運命の姫がいないので」(五空)
「あ…ありがとうございます!」(アン)
「……」(八丸)
「侍としてはどうだか分かんねーが
男としては負けだな…八丸」(三打)
「うっさいよ三打!」(八丸)
「……」(八丸)
一方、良さげな雰囲気で交流するアンちゃんと五空が気になる様子の八丸と三打。八丸の卑しく敵意に満ちた表情がゴロツキのようですね(笑)。しかし、出会う前から「運命」で繋がっていて強く惹かれ合う二人…これこそ「恋」の偽らざる真実でありまして、五空がどんなにいい感じのイケメンでもアンちゃんと八丸の関係を突き崩す事は不可能です。でも、ま…しかし、それはこの世界の「運命」というものが担保する関係性でありまして、僕らのリアルにおきましてはそんなもの…女の子の胸先三寸で決まる所謂、※(ただしイケメンに限る)です。その主導権は極少数の※と女子の手に握られております(笑)。
そういう悲しいリアルの現実をこの世界に当て嵌めれば五空とアンちゃんのNTRは充分成立すると思われます。八丸は対人経験が希薄ですから突然登場したバブル時代の3高(高身長、高学歴、高身長の略)に相当すると思われる五空にアンちゃんを掻っ攫われそうで怖いのです。しかし、その不安ですらこれまで八丸がアンちゃんに対して行ってきた非道への反省としてフィードバックされる事もなく五空に対する単なる敵意としてしか感じられない幼児性に八丸の本当の問題があるように思います。まるで…興味がなくなって放ったらかしにしてたおもちゃなのに誰かが遊び始めた途端にその所有権を主張する意地汚いクソガキです(笑)。
しかし、八丸が「箱の鍵」としての運命を付与され、それに番う姫としてアンちゃんが発生する定め(プログラム)がある以上、五空は蚊帳の外確定なんだけど、それを八丸に教えてしまったら今以上にアンちゃんを大切にしなくなるので黙っておきましょう。八丸が侍化できた時点である種…安泰な将来が約束されてしまっているんですよ。これまでのお話の中でも八丸は努力なんかしてませんし、後方支援の掛け声要員程度の存在感しか示さなくても姫持ちの侍様ですからね(笑)。師匠のクレカで高額の買い物をしてみたりアンちゃんに理不尽なオーダーを出しておきながら外食で済ませるクズでも侍は侍なのです。
何の苦労もせず、運命というアドバンテージに寄りかかって惰眠を貪る…それが八丸の本性なのだと思います。そして、それに類する驕(おご)りが侍には少なからずあると思います。侍は皆、侍化した段階で四苦(生老病死)から解放された特権階級なのですから、積極的に社会を良くしようとか、倫理観や意識を高める努力が個人にも組織にも根付かない環境があるように思います。そもそもが侍の、侍による、侍の為の社会で、侍に非ずんば人に非ず…と思われ、そんな世の中を存続させようと活動する達麻や花一さんに正義があるとは思えません。どちらかと言うと既得権益にしがみ付く老害じゃないですか?
これ程までに子供達を大切にしない社会に異を唱えた者はここまで登場した侍で誰一人居ませんでした。逆に子供達が間違った事をしていても叱る大人が皆無に近い。それは師弟関係であっても同じでした。唯一、アタさんが言葉遣いの悪い八丸を本気で叱っただけじゃないですかね。その意味ではアタさんが一番まともな大人だったかも知れません。そして、斯様なデストピアを構築したのが不動明王でありまして、僕だったらこの世界を一からやり直してもらいますけどね(笑)。もしかして、それをカーラさん以下、烏枢沙魔流がやろうとしているんでしたら、僕は断然、烏枢沙魔流の行動を支持します!!!
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想③
「しかし花一よ…
まだ鍵集めをしていたとはな」(達麻)
「お前を封印したとき…
巻き込まれてこの体になったわけだが——…
それと同じくしてカーラは鍵集めを
他の者に託した
かつてのお前の弟子アタにだ
私は用済みにされた…が
訳あって鍵探しは続けている」(花一)
「…今のアナタがどうであろうと
烏枢沙魔流は野放しに出来ない」(千)
「球連邦の君も含めて聞いてくれ
状況は大きく変わった
それについて話がしたい」(花一)
「拙者も知った…
アタの鍵集めは我々と違う
箱の合鍵を無理やり作ろうとしている
なぜ烏枢沙魔流はまだ箱の本物の鍵を
集めようとする?」(達麻)
「私はもう烏枢沙魔流ではない」(花一)
「!」(達麻)
「我が元師カーラより先に箱を開け
その力でカーラを倒すためだ
師は私を裏切った
奴の創る世界など信用できん」(花一)
烏枢沙魔流も「箱の鍵」を探していた→担当者が花一さんからアタさんに変わった→花一さんは烏枢沙魔流を離れ独自に「箱の鍵」を探している…という事のようです。花一さんが担当の頃(烏枢沙魔流に所属)は天然物の「箱の鍵」を探していたようなのですが、それは「パンドラの箱」の方と思われます。それに対してアタさんの代になってからは「合鍵計画」に鍵探しが変質したようです(多分、このタイミングで「マンダラの箱」が手に入った)。アタさんが八丸と童子斬高綱を回収に来た時に八丸を「合鍵計画」の一部と認識していました。「合鍵計画」とは「マンダラの箱の鍵」を人工的に製造(=養殖)するもので「パンドラの箱」は関係ありません。
烏枢沙魔流(アタさん)の「合鍵計画」ではデザインチャイルドを7体製造して、それを侍化(ロッカーボールの儀式)させ「箱の鍵」とするものと思われます。しかし、偶発的に8つ目の個体である八丸が発生してしまった為に本来あるべき「7つの鍵」が機能不全に陥ってしまい「マンダラの箱」を開けられなくなってしまった。それでアタさんは八丸を回収して八丸に分配されてしまった本来の「7つの鍵」の能力を還元して完全な状態に戻し「マンダラの箱」を開けようとしている訳です。しかし、八丸が侍化(ロッカーボールの儀式)した時に達麻は心眼で「白く輝く刃」を手にした八丸の将来像を見て彼を「箱の鍵」を確信しています。
この場合の「箱の鍵」とは達麻が探し求める「パンドラの箱」であり「マンダラの箱」ではないと思われます。しかし、八丸は烏枢沙魔流によって人工的に製造されたデザインチャイルドでありますので、金剛夜叉流(達麻)や花一さんが探す「天然物」(自然発生)の「箱の鍵」ではありません。しかし、達麻の心眼で八丸は「パンドラの箱の鍵」に認定され、事実八丸の引力によって他の「箱の鍵」が感知されたり吸い寄せられて集まっていますから、八丸が烏枢沙魔流によって生み出された養殖物の「マンダラの箱の鍵」(の一部)ではありますが、天然物の「パンドラの箱の鍵」としての要件が偶然割り当てられたのでしょう。
天然物の「箱の鍵」がどのようなロジックで発生するかが分かりませんので、取り敢えず偶発的に発生すると考えるしかありませんが、侍化(ロッカーボールの儀式)の適正も何らかの遺伝的因子に依るので、それによって発生するキーユニット(鍵)が「箱の鍵」…「パンドラの箱」の鍵穴にハマる条件もまた遺伝的因子に依って決定される筈ですから、DNAの塩基配列が偶々一致して「箱の鍵」が決定すると考えるべきでしょう。だから、八丸が人工的に生み出された養殖物の「マンダラの箱の鍵」(の一部分)であっても、偶然、「パンドラの箱の鍵」としての遺伝的因子を獲得してしまったと考える以外ないように思います。
つまり、八丸は養殖物の「マンダラの箱の鍵」ではあるけれど、偶々…天然物の「パンドラの箱の鍵」でもあった訳です。偶然…というのは多分、この世界を創った不動明王の遺した何らかのプログラムの結果であると受け入れればいいと思います。不動明王はこの世界の行く末を後世に託しその手段を「パンドラの箱」と「マンダラの箱」に分けて不動明王自身にすら開けられないように「鍵」を掛けたのです。だから万が一にも後世の有志が「箱の鍵」を逸してしまわないように幾重にも配慮したと思います。八丸の発生も誰かが「鍵」を不正に取得しようとした場合にそれを阻止する為に発動するルーチンなのだと思います。
そう考えれば偶然が偶然でもなくなります。そもそもが不動明王が自然というものを創造して、そこで起こる全ての事象のルールをお決めになった(=プログラムした)のですから!!だから「7つの鍵」がきっかり7つでダブってないのも偶然ではなくて必然なのであります。恐らく「マンダラの箱の鍵」の天然物も存在するんでしょうけど、それを探し始めたらまた新しい説明が追加される事態になるので考えないようにしましょう(笑)。そういう訳で、八丸は養殖物の「マンダラの箱の鍵」(の一部分)であり、且つ、天然物の「パンドラの箱の鍵」という事でハチマルではFA(ファイナルアンサー)です(笑)。
さて、横道に逸れまくりですが、花一さんの「烏枢沙魔流 花一と申す」と「私はもう烏枢沙魔流ではない」が矛盾しててワロター(笑)。これはまあ…言葉足らずで、昔は烏枢沙魔流に所属して剣士として修行を積んだ(から烏枢沙魔流の剣術を使いまーす!!)という意味と、今はもう烏枢沙魔流で任務に就いてはいませんよー!!という意味なのだろうなとは思います…けど、ここに登場する誰もこの矛盾に突っ込まないから、ここで発生する交々の感情が「笑い」などのエネルギーに昇華されなくて居心地が悪いのだと思います。簡単に言うと、この世界の情緒が僕らのそれとはかなり違うようです(笑)。
これももしかしたら不動明王の組んだプログラムの所為かも知れませんが、僕だったら速攻デバッグ(debug)しますけど…(笑)。不動明王としてはシュール路線だったのかなー(笑)。昔はこんな時に「シラケドリ」(ふ、ふ、古ッ!!)が飛んだもんだけどね(笑)。でも、ここで一発、誰かが突っ込めばそれこそ<ドッ>っと受けるのに勿体無い!!(笑)案外、それを新加入の苺ちゃんが担ってくれそうな気がしてるんですが、今はまだママを失った悲しみから立ち直れていないのでもう少し時間が必要かも知れません(笑)。仕方ないのでそれまではハチマルがツッコミ担当としてボーボボのビューティちゃんのコラでお茶を濁します(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想②
「やっと起きたか」(花一)
「その声…花一か!
こんな所で会うとはな」(達麻)
「知り合いですか!?」(千)
「我々と同じく
烏枢沙魔流も箱の鍵である
7人を探していたのだ
花一は拙者と目的が被った
好敵手…!!」(達麻)
「どうやらやっと1人…
いや…2人…見つけたか
強い引力を感じる」(達麻)
「じゃあ後ろのかわいい女の子も!?
オレの地図には載ってなかったけど…!」(八丸)
「まだ侍になってないが…
お前と近い引力を持っている」(達麻)
今回、いろいろとセリフがおかしいです(笑)。五空と千ちゃんの間に割って入った達麻に花一さんが「やっと起きたか」と言ってますけど、花一さんは達麻がいつから寝てるかを知らない訳ですから「やっと」と言えるのは達麻が長く眠っていたのを知っている…達麻が眠っていて困った…大変だったと思う洋犬のクルーだけです。それをいきなり現れて達麻のスリープモードを見た花一さんが言うのは違います。作品を俯瞰する読者と同レベルの知見が登場キャラにあるのはおかしいのです。これは作者(=ネームを書いている)である岸本先生の知識であり、それが意図せずしてキャラに伝播してしまっているのです。
僕なんかがサラッと読んで直ぐに気が付くような違和感であれば校正時に担当の編集者なり校正の担当者なりが指摘して差し上げるべきだと、僕は思います。自分の作品を客観視する事は凄く難しいと思えます。また、岸本先生もそういうフィードバックを大切にすべきだとも思います。大方の意見としては岸本先生が編集に対して聞く耳を持たない…今作の立ち上げにおいて矢作さんの担当編集就任を拒んだという情報があったりで、そんな感じに思ってる人が多い(僕もほぼほぼ…笑)と思いますが、ホントのところは当事者にしか分かりませんけど、常識的に考えられる作り方でオKだと思うんですよー。
そもそも何で達麻が五空と千ちゃんの間に割って入って二人の争いを止めるのか?僕には分かりません。この時点で花一さんが烏枢沙魔流の「箱の鍵」の収集で達麻の好敵手(ライバル)であるなら、当然千ちゃんに肩入れして五空の虚を突くなり、花一さんに斬り込むなりすると思うんですよ。何で達麻が止めんの?まだ花一さんの弁明が始まる前の段階ですから、ここで達麻は花一さんの変節は知らない筈なんです。だったらこの行動はこの時点でなはいです。なのに、この流れ…いきなり共闘に傾いてるとしか思えなくて、僕が江戸川コナン君だったら「あれれー…!?」ってなって眼鏡クイッ(←想像の産物)となるなー(笑)。
それとねー…「引力」なんですけど、達麻が五空と苺ちゃんを前にして感じてる引力が侍のステータスにおける普遍的な引力なのか?それとも「箱の鍵」だけが持ち得る特殊な引力なのか?良く分からんのです。引力そのものが漠然としてて良く分からんのにこんな風に謎に謎を被されたらもっと分からん(笑)。ものすごく手前味噌な要求、要望で申し訳ないんですが、読者がこんな風に悩まないで済むように考えて貰うっていうのはできないんですかね。例えば、ここで達麻が感じた引力は苺ちゃんに限定されていて、五空のそれとは違うというようなエクスキューズが盛り込まれればサラッと流せたと思います。
何て書け(言え)ばいいのか?迷うんですけど、引力ひとつ取り上げてみてもその意味合いがそれぞれの描写で一貫してないんですよ。漠然としてて、その癖、ステータスでは数値化されてるし…どれがホントの引力なんですかー?って「夏休み子供電話相談室」(2月ですけど)に電話して訊きたくなる(笑)。もしかして…その場その場の気分とかやり易さでお座なりに処理しちゃってるんでしょうか?それだとお話の整合性が維持できなくなるんです。この作品では一話の中ですら辻褄が合わない状況が多々ありまして、その辺は商業印刷の最低条件として是非ともクリアして頂きたいものだと切に願うのであります。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想①
「どこだここ!?」(三打)
「こ…ここ
亀のホルダーじゃないです!」(アン)
「一体どうやって!?」(鶴姫)
<ズズ><ガチャ>(千)
<サッ>「……」(五空)
「達麻は?」(花一)
「…なんだ鍵を出しっぱなしで寝てるのか
その体…相変わらずだな」(花一)
「で…箱の鍵は…そこの2人だな」(花一)
<ガチャ>「侍の…犬!?」(八丸)
「何者だ?」(千)
「烏枢沙魔流 花一と申す
急に呼び出しして申し訳ないが…
争う気はない」(花一)
「…花一
アナタがあの猫侍か!?」(千)
「…猫侍?
見た感じ犬だよな…
達麻師匠と逆だな」(三打)
(烏枢沙魔流!…アタと同じ流派だ!)(八丸)
「やっと見つけたぞ!!
球連邦の要請によりアナタを捕える!」<ダッ>(千)
<ヒュゥーーーー>(悟空)
<ギン>(達麻)
さて…今話の『サムライ8 八丸伝』ですが掲載順はブービー賞でドベが『ZIPMAN!!』でした。今週号の週ジャンは『ワンピース』と『ハイキュー!!』が休載だったんんですね。それと一応、『HUNTER×HUNTER』も休載扱いでした(笑)。巻頭カラーの『鬼滅の刃』がものすごく元気があっていいですね。ラスボスの鬼舞辻無惨と主人公の竈門炭治郎君がサシで殺り合ってて大詰めです。僕は深夜アニメから入ったクチなので『サムライ8 八丸伝』が始まってまた週ジャンを毎週購読するようになって読み始めたけど、その頃から確実にバズっててブーム感がハンパ無いです。人気と実力の均整が取れてると思います。
『鬼滅の刃』も剣士物ですが、生身の人間が特殊な呼吸法で各種パラメーター(ステータス)をブーストして敵である鬼と戦う物語で、『サムライ8 八丸伝』ともいろいろと被り気味で好敵手(ライバル)の筈なんですが、それ言うとバールのようなもので殴られても仕方ないくらい差があります(笑)。『サムライ8 八丸伝』が唯一『鬼滅の刃』に勝ってるものがあるとしたら、作画くらいかなー。これは好き嫌いの要素が多いから一概には比べられませんが、僕は岸本先生や大久保先生の画風が好きです。僕は漫画作品は画(絵)が気に入らないと基本的に読まないので個人的には非常に大きなウェイトを占めています。
そんな『鬼滅の刃』が今まさにラスボス戦の真っ最中で絶好調に盛り上がってまして、いろいろとお寒い『サムライ8 八丸伝』とでは比べようがない。週ジャンの看板作品とドベで彷徨いてる打ち切り候補ですからね。これまで奇跡的にこの二つの作品が意図せずにシンクロした回(八丸が竜との対戦で自分で首を刎ねたアレ)があって、それが単なる『サムライ8 八丸伝』の悪目立ちでしかなかったのが、今話のタイトルの「好敵手(ライバル)」でも危惧される…と申しますか、ワンピやハイキューが居ない週ジャンで孤軍奮闘、『鬼滅の刃』が巻頭カラーで気を吐いてるところで、寧ろ避けて通るべきワードだったと思いました。
ま…誰かと自分を比べてる内は幸せにはなれないので、今話の感想と考察を粛々と行う事に致します(笑)。花一さんが洋犬を見た時の反応から充分に予見できましたけど、やはり花一さんと達麻は旧知の仲でしたね。花一さんは猫侍の達麻の事もよく分かってるだけじゃなく、スリープ状態も知ってましたね。それに対して精鋭特務隊隊長の千ちゃんが自分が探している(指名手配者?)対象の容姿を知らないって有り得ないんですけど(笑)。千ちゃんはどんな風に銀河球連邦から要請を受けたのか知らんけど、もしかして「花一」と言う名前と「猫侍」というザックリとした情報しかなかったんですかね。
普通は資料を手渡されるとか、似顔絵とか、防犯ビデオの動画とかあるでしょーッ!?と思いますが、千ちゃんの反応を見る限り、花一さんが自分で名乗るまで気付いてないもんね(笑)。この世界ってネットがないわけじゃないものね。侍ゲーなんてネットなきゃできないもんね。そしたらGoogle先生に聞けるのに千ちゃんはなーんもして来なかったって事になります。しかし、この広い宇宙でどうやって花一さんと五空を探すつもりだったのか?全くの無策!?そうだとしたらダウンロードが終わった八丸を労うでもなく花一さんの居場所がこれでやっと分かる!!と千ちゃんだけでなく鶴姫までも目を輝かせてたのがしっくり来る(笑)。
それで千ちゃんがやっと見つけた花一さんに襲いかかる訳ですが、かなり上出来そうに見える五空がそれを受けて立つのですが、それを復活した達麻が<ギン>と止めちゃうのね。達麻が二刀(五空を止めた侍魂は童子斬高綱・血吸だよね)でカッコ良かったんだけど、ここは構成的には千ちゃんと五空をある程度闘わせて欲しかったです。花一さんが烏枢沙魔流という事が既に分かってますから、その弟子の五空も烏枢沙魔流を使う可能性が高いので、烏枢沙魔流の剣技と共に未知数の五空の紹介が一遍にできるチャンスだったし、千ちゃんの本気も見たいし、それと五空を対比できれば五空の剣士としてのポテンシャルが一目瞭然です。
何より侍のお話の筈の『サムライ8 八丸伝』で殆どチャンバラが拝めてない!!っていう現状をもっと真剣に考えた方が宜しいかと(笑)。案の定、この後の展開が詰まんないお喋りに終始してまして、お話に緩急がないからテンポが生まれないんだし、それを冗長な説明が逆撫でしちゃうっていうmjdこれ少年誌で絶対やっちゃ駄目…の集積体と化しているのを岸本先生に誰か教えて差し上げて!!ここは千ちゃんと五空のチャンバラに数頁割いていいとこ。そこで八丸に「おおッ!!」と合いの手入れさせるとこ(笑)。これじゃーバッターボックスに入ったのにバット振らない「見逃しの三振」ですよ!!一番悔しいやつ!!
こんな事してるから駄目なのよー。「好敵手(ライバル)」って言うのは力が拮抗してるからライバルたり得るんです。今話でそういう話題が後の方で出るけども、全くレベルが違うのはライバルじゃーないのね。『サムライ8 八丸伝』と『鬼滅の刃』が正にそれですわ。こんなん比べたら相手が怒りますわ。ドベはドベなりにもっと本気出さなきゃ!!他の作品押しのけて週ジャンに居座るんなら、どんな約束があるかは知らんけどもバッターボックスに入ったらバットを振れや!!空振りしてもいいからバットは振れや!!見逃しなんてしてんじゃねーよ!!と剣士物を野球で例える不義理を許して(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑨
<フッ>
「ん?」(八丸)
<フッ>(白兎)
「!? アレは!!」(花一)
「…洋犬!!
——そうか!そういう事だったか!」(花一)
「五空 構えろ!
奴らを呼ぶ!!」(花一)
「気をつけて下さい!」(五空)
<スッ>(烏枢沙魔流)(花一)
「あれ!?さらにもう一つ光が」(八丸)
(猫招き)(花一)
「めちゃくちゃ近いぞ!!
って——え!!?」(八丸)
「!?」(千)
八丸が金剛夜叉流のマップ(外の宇宙)に「箱の鍵」の場所を指し示す「光の線」を説明してると突然、接近する新たな「星」が現れたかと思うと、花一さんの『烏枢沙魔流・猫招き』によって八丸達は白兎の艦内に瞬間移動される…と、まあ…こんな感じにドタバタの急展開なのですが、今話にあって花一さんの登場するシーンは非常にテンポが良く動きが感じられて好きです。若干、花一さんの幼女に対する雑で優しさに欠けた対応が気にはなりましたが、セリフ回しに勢いがあって物語にグイグイ引き込まれました。弟子の五空の短切な口調とさっぱりした応答がそれに拍車をかけていていいコンビだと思います。
漫画の「テンポがいい」というのはバトルロイヤル編でやったダイジェストみたいな端折りではなくて、今話の花一さんの登場するシーンのようにセリフと画で読者を乗せちゃう表現だと僕は思います。また、漫画作品ではどう転んでも画は動きませんが、それがあたかも動いているかのように味わわせてテンポや躍動感を生み出す事も可能です。それが漫画家さんの腕の見せ所でもある訳ですが…。今話の花一さんの描写では静止画であるはずの花一さんが誌面上で充分に躍動しているように見えました。それは偏に大久保先生の画力の賜物でありましょうが、岸本先生の見事な「セリフ運び」(ネーム)が上手く絡み合ってスピード感や説得力が生まれたのだと思います。
止まった画が動いているかのうように感じられる…画の技術やアイデアを考えてみましょう。例えば花一さんが「この距離なら飛べる!」という時に、鈍(なまくら)を片手に身構えているでしょ。両足を深く折り曲げて力を溜めています。その姿は今にも大空高く飛び立ちそうに感じさせられます。またそれが同時に切迫した雰囲気や緊張感の演出にも一役買っているのも見逃せない。鈍(なまくら)の存在だってこれから起こるであろう闘いを充分予感させます。そういった細かな演出(ノンバーバルコミュニケーション)が読者の想像力を掻き立てるのです。もうそうなったらしめたもんで、読者の脳内では花一さんがまんまと躍動しちゃうんですよ。そして、それに花一さんのセリフ(回し)が絶妙なスピード感を与えているのです。
こういう表現を見せられるとやはり漫画作品においては「説明」は必要最小限に…と言うよりは無い方がいいと思わせられます。花一さんの具体的なセリフは「目標を捕捉→この距離なら飛べる→洋犬じゃん!!→奴らを呼ぶ!!」だけなんだけど、足りない部分はかなり都合よく読者の脳内で補完できているのです。何で白兎が瞬間移動できるんだろう?とか花一さんの『猫招き』って何ッ!?といった疑問に説明してから結果を見せられるんではなくて、取り敢えずお話を小気味好く進行させながら何とかして読者を納得させて行けばいいんですよ。全ての設定を説明してからお話に入ろうとするからテンポも勢いも削がれる…というか有ったものじゃないっていうね(笑)。
これまで苦言ばっかでしたけど、今話の一連の花一さんのシーンは大久保先生の作画がキレッキレで素晴らしいだけではなく、岸本先生のコマ割りからセリフ回し(セリフの運び)、お話のテンポも何もかも素晴らしいです。僕はこういう表現ができる岸本先生の手腕に惚れた読者の一人として非常に誇らしいです。ホントに花一さん関連はすごく良かったよー。…と、僕なんかそこら辺に転がってる有象無象のおっちゃんでしかない者が不遜にも偉そうなご高説を垂れて申し訳ないと思いながら、作品に対する批判に終始する日々が続いていましたが、今話では本来の岸本先生の作品に再会できた気がしてすごくすごく嬉しかったです。
泣いちゃいそうなのでお話に戻ると(笑)、花一さんって烏枢沙魔流の剣士さんだったんですね。これ見た瞬間、「あー…敵だったのね」と思ってしまいましたが、苺ちゃんの星を爆破したアタさん達とは連携ししてるようでもなかった(ともそうとも言えるけど)ですし、アタさんが金剛夜叉流を裏切って烏枢沙魔流に行ったように、花一さんが烏枢沙魔流から離反しても問題ないと思うので、まだ花一さんが八丸達の敵であるとは断定できないなーと思います。…ってか、できたら花一さんが達麻と旧知の仲だったらいいなーと思っています。花一さんは洋犬=達麻っぽい反応を示してまして、八丸達をいきなり自分の艦に招待(召喚)しちゃったんだもん。猫招き…つーのは烏枢沙魔流の剣技(金剛夜叉流にも『犬掻き』があるからね)だと思うんですよ。問題はその発動条件で何でもかんでも瞬間移動できるようだと無双過ぎてお話が成立しません(汗)。例えば…面識が必要だとか、こそっとマーキング(飛雷神の術っぽく)してるとかの制限でもないと最強過ぎて無理です。それが可能だったら自分の前にとんでもないトラップ(バイオハザードの人間サイコロステーキみたいの)を作っといて敵を呼び込めば最強だもの。それに闘う為に呼び込むにしても、その前に相手の戦力を吟味する必要があると思うんです。でないと逆に花一さんが殺られる可能性だってあるんだから。
つまり、闘わないで話し合う可能性もあるし、僕はそっちの可能性の方が高いと考えています。ここで戦闘に突入したら苺ちゃんも危険に晒される訳ですし、その前にこんなに急いで戦闘に突入する理由が花一さんらに見当たりません。ま…急いで話し合いに入る理由も無いっちゃー無いんですけど(笑)。それと千ちゃんが花一さんと五空を逮捕しないといけないのも気になりますね。千ちゃんはどっちかと言うと善人っぽいし、どのような罪状で花一さん達を追ってるのかも分かりませんから、そこら辺は次週以降で明かされるのかな。戦闘としては「千ちゃんVS花一さん」はあるでしょうね。八丸はまた掛け声専門で後方待機かな(笑)。
でもこの場に達麻(スリープ中)も居ますから、ちょうど達麻の印籠付きの鍵が露出してるのでこの際、この鍵を弁形みたいに八丸の鍵に接続して達麻のサポートを受けながら八丸が戦えれば、それは見てみたいと思います。鍵を抜かれた達麻の体は一定時間を過ぎると塵になって消えてしまうので、そうなる前に戻す…時限設定ミッションというのも面白いじゃないですか。それかこのまま達麻は弁形の義常(ガイコツ?)のように八丸の体に仕舞われちゃうっていうのでもいいかと思います。八丸なんて全てがスカスカなので達麻の鍵くらい簡単に仕舞えますよ(笑)。その時は達麻の侍魂もお忘れなきよう…(笑)。
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 ハチマル ケルベロス 了
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑧
「え~~~~~~~~~!!!」(八丸)
「わっ!」(アン)←数少ないセリフがこれ!!
「急に起きんなよ!
ダウンロードってのは終わったのかよ?」(三打)
<ガチャ><コクン>(八丸)
「ではこれで箱の鍵を持つ
侍の居場所が分かるのですね」(鶴姫)
「そう
我々の追っている奴らの居場所もな」(千)
「…竜…お前」(八丸)
「!
何だ?」(竜)
「お前も箱の鍵だったんだよ!!
竜ッ!!」(八丸)
「何が?」(竜)
<バッ>「だからお前が!!」(八丸)
「え~~~~~~!!!」(アン・三打)
「……
そう…なのか?」(千)
「ホラ!
地図でもオレの真横で光ってるのが竜だよ!」(八丸)
八丸が免許をダウンロードしてる最中、他のメンバーは八丸と一緒にソファーで寛いでいたようです。みんなお茶してたみたいね。八丸は向こうの世界に行ってて見た目は眠ったような感じだったのかな。それが突然目覚めて騒ぎ始めた…と。ここで千ちゃんの反応が目を覚ました(=ダウンロードが完了した)八丸を労(ねぎら)うでもなく、他流派の免許のダウンロードとは言え何処もそんなにやる事は変わらんのでしょうから、異例に早期に終了したのが分かるだろうから何か問題あったか?と心配してもいいと思うんですが、全く何もなし。千ちゃんだけでなく鶴姫までもが花一と五空の居場所に食い付いててアレ?っと思いました。
千ちゃんだって軍荼利流の免許をダウンロードした経験があるんでしょうから、八丸に「ダウンロードはどうだった?」くらいの声かけするよな普通。それに八丸が目を覚ました途端に大声出して騒いでるんだからそれに全く気に留めずお茶啜ってるとか落ち着き過ぎ(笑)。ホントに八丸に関心がないんだなーってのがよく分かります。微妙に他流派の免許関係のイベントだから意識して見ないようにしてる可能性もありますが、もしそうだとしたら千ちゃんは相当な善人なんですかね。でもそれだったらもう少し八丸の体に変調がないか?とかを気にしてもいいと思いますが…。ズーッと八丸の寝顔見てて安心してるんですかね?
それはそうと八丸が驚いて飛び起きたのは八丸の「箱の鍵レーダー」が竜を指し示していたからそれを本人に教えたかったからなのですよね。読者としては竜が「箱の鍵」なんだろうな…というのは既定路線ではありましたが、八丸はそんな事は知らなかった筈なので驚くのは仕方ない。しかし、竜の間近にした心眼持ちの達麻が何も感じなかったんですかね?素性の全く分からない謎の侍…竜と実際に手合わせで剣を交えた仲なのにノーマークだったなんて、これまで達麻はどうやって「箱の鍵」を探してたのでしょう?八丸が侍になった瞬間には明確なビジョンが心眼で見えたような事を達麻は言ってたのにね。何だったんだろ〜ね(笑)。
でも、ま…これで「箱の鍵」が1つ見つかりましたね。確定が八丸、五空、竜の3つですね。これに当確の三打を入れると4つで残りの鍵が3つ。「光の線」が5本でその内の2本が竜と五空なので残り3本が残りの3つと符合しますね。三打が「箱の鍵」であれば苺ちゃんは「箱の鍵」からは除外されるでしょう。ナンバーズ(数字持ち)の考え方から追い込むと③三打⑤五空⑧八丸が埋まるので①②④⑥⑦の何れかに竜がハマる事になります。竜の本当の名前は何なんですかね。約束通りに三打がそれを見つけてくれたら僕はすごく嬉しいです。竜(龍)に関係する数字なんかもググってみたけど目ぼしいネタは見つかりませんでしたー。
①②④⑥⑦の内の1つは欠番(3つ確定で残り4つ)。④⑦は作中で匂わせキャラ既出。…という事で①②⑥の何れかに竜がハマるとこになりそうです。そもそも「7つの鍵」を探すのにいきなり⑧の八丸が確定して物語が始まったのが変と言えば変なんだけど(笑)。
不動明王の回で八丸が「お前はすでに箱の中のものを見ている」と告げられて、「パンドラの箱」はh粒子由来の創造物→侍かキーホルダー→素性が不明→竜…という風に絞り込んでみたんですが、竜が「箱の鍵」なんだから「パンドラの箱」じゃない。そしたら八丸が見た「箱の中のもの」っていうのが分からなくなりました。僕はてっきり八丸が目覚めたらその辺の謎が全て紐解けて八丸が何でもお見通しの「マトリックス」の覚醒したネオみたいになってると予想してたのに八丸が前のままでなーんも変わってなくてがっかりだよ!!(笑)逆に速攻お話が終了で「次号、感動の最終回!!」も心配しなくて良くなりましたけどね。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑦
「……」(花一)
「力を貸して欲しいのだ
約束する」<ガチャ>(花一)
<サッ>「!!」(苺)
「決して傷付けたりしない」<ズズ…>(花一)
<カチャ><カチャ>
「……!」(苺)
「!!」(——…感じる!!
とてつもない引力だ!!)(花一)
「いたぞ!!
すでに2つ揃っているようだ!!」(花一)
「座標を確認した!
この距離なら一気に飛べる!」(花一)
「!?」(苺)
<ズズッ>
「飛ぶぞ!」(花一)
「ハイ!」(五空)
<フッ…>
花一さんの鑑…白兎(仮)ですが、角弾頭の爆発から逃れる際にも感じたのですが、瞬間移動(時空間移動)してますよね。今話でそれに関する描写がでまして、どうやらそれは白兎(横綱級キーホルダー)の能力ではなく、鑑と接続した花一さんの特殊能力のようでした。花一さんが苺ちゃんの了解もないまま苺ちゃんの脳にアクセスしたかと思うと、即座に八丸達の座標を補足して、その座標に白兎(仮)ごと跳んだ訳ですが、その時、白兎のデッキからニョキニョキと生えた触手を自分に繋げています。角弾頭の爆発から逃れる時もきっとこんな風に白兎と繋がって適当な場所に跳んだのだと思います。
僕が気になるのは、この能力が花一さん単体で実現可能か?というところです。微妙に「白兎+花一さん」で実現可能の能力である可能性があります。この場合は瞬間移動のエンジンが白兎に搭載されていて花一さんの能力がそれに合わさって機能しているのだと思います。しかし、これが花一さん単独で実現可能となると、ちょうど『NARUTO -ナルト-』のトビさん(オビト)の神威空間を利用した瞬身と似たスキルという事になって花一さんがいきなりめっちゃ厄介な敵に昇格してしまいます(汗)。余談ですが…僕の好きな漫画で石川賢大先生の『虚無戦記MIROKU』では無幻弥勒も似たような移動スキルで好みの芸風です(笑)。
ところで花一さんが右腕から触手を出して苺ちゃんの脳にハッキングしましたけど、そこで苺ちゃんの”内なる宇宙”と自分の”外の宇宙”(のマップ)と重ねたんだと思います。恐らく花一さんの脳内には八丸が展開するようなマップが広がっているんでしょう。しかし、これが可能になるという事は苺ちゃんが「箱の鍵」である必要があると思うんですよ。自分の星から出た「光の線」が仲間?の他の「箱の鍵」に繋がる筈なんです。少なくとも八丸ではそういう風に描かれてました。しかし、苺ちゃんはまだ侍ではなく下手したら年齢が一桁の単なる幼女です。花一さんは一体どんな映像(マップ)を見たんでしょうか?
少なくとも苺ちゃんの「強い引力」が花一さんは必要だったんですよね。だから苺ちゃんを拐(かどわ)かし、強引(事案確定の犯罪ですよ!!)に苺ちゃんの脳にハッキングした訳です。それで八丸を含む2つの「箱の鍵」の座標を確認しました。…という事は、苺ちゃんの「強い引力」は八丸のそれと同種の力であるべきです。そうなれば苺ちゃんもまた「箱の鍵」である可能性が高いです。苺ちゃんは花一さんが喉から手が出るほど(実際は腕から触手が出る程でしたが…)欲しがる「特別」ですから、侍ではありませんが、幼女のままで侍化した「箱の鍵」と同様の能力を既に獲得しているのかも知れません。
そうなると、困るのがハチマルの「ナンバーズ仮説」です(笑)。「箱の鍵」の侍はその名前に「数字」が入っている…というものです。しかも八丸、三打、五空…といった具合に名前の先頭に数字がある(…なので花一さんは除外です・笑)。で、苺ちゃんがどう見ても「数字持ち」(ナンバーズ)じゃない件(笑)。「苺」だから「一護」とか「一期」と読み換えるアクロバットというのもあまり好きじゃないのでハチマルの考察では苺ちゃんは「箱の鍵」から外してたんですが、こうなってくると②〜⑦(③は三打が鉄板で⑤は既に確定)してるので②④⑥⑦の何れかが欠番になる必要が出てきて悩ましいです。
ここ!!…この感想を書き終えてからやっぱそういう事だと気付いたので書き残しておきますね。光の線が5本あるから「箱の鍵」の侍が既に5人存在してるって事ですよね。そして八丸が既に居て、そこに三打が侍化して滑り込んだら苺ちゃんはやっぱ「箱の鍵」じゃーない罠(5+1+1)。それなのに何で「箱の鍵」の引力が苺ちゃんに備わっているのかという別の疑問だけが残りますな。二番目に近いところは五空な。苺ちゃんと三打はまだ人間(非侍)で非表示。残った3本の光の線が誰なのか?という事だわ。
僕は④には見下星のバトルロイヤルに参加してた姫持ちの鹿侍が来て欲しいと思ってますし、⑦には勿論、赤木城のLGBTQのナナシくんが見事に元服して入って貰いたいです。しかし微妙にアンちゃんの死んだお兄さんが「七志」と名乗ってたのが足枷でここが欠番になる可能性もありそうです。ここは大外一気で死んだ筈の七志が実は死んでなくて侍になっちゃってまーした!!(カツ八風)でアンちゃんと涙の再会(泣けないと思いますが…)するのもいいけど、じゃーナナシくんが何であそこで登場したんだよッ!!??(冷やかしかよ!!)ってなる(笑)。鹿侍も同じ意味で笑えないのでちゃんと活用して欲しいと思っています。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑥
「アナタ達は何者なの?」(苺)
「ボクらは侍だ
家族の事は気の毒だったな」(花一)
「何で…アタシだけ?」(苺)
「やっと君のような存在を見つけた
君は特別なんだ」(花一)
「特別…?」(苺)
「君はこの銀河一強い侍になる娘だ」<スッ…>(花一)
「!?」(苺)
「侍?
アタシは女なの……
それに子供……」(苺)
「人は見かけでは分からない
君の本当の力は誰よりも特別だ」(花一)
「…なら
何が特別なの?」(苺)
「君はまだ侍でもないのに
強い引力を持っている
そしてすでに心眼を持っているね?」(花一)
「君はこの日が来るのを
知っていたんじゃないかい?
自分の居た星が崩れ
母と別れる日が来る事も…
だから今 冷静でいられる」(花一)
<ギロリ…>「人は見かけじゃ分からない…
今のアタシは冷静なんかじゃない!」(苺)
やっと前半の説明パートが終わりましたけど、ホント…今話はここからで良かった。無駄な11頁ですた。さて、白兎艦内。編笠を被った大っきなお猿さんのキーホルダーでしょうか?五空の隣に控えています。名前はまだ分かりません。『NARUTO -ナルト-』では口寄せ動物がいて忍者はそれと血の契約して一緒に戦いましたね。猿系では三代目火影・猿飛ヒルゼンが猿猴王・猿魔を口寄せしてました。口寄せ動物は人間の言葉を喋り知性が非常に高かったです。一方、キーホルダーは意志の疎通こそあるものの言語によるコミュニケーションがなく、口寄せ動物と比べるとキーホルダーはどうしても物足りない感じが否めません。
僕は大っきめの犬さん達3頭と暮らして居ますが、この子らが人間の言葉を喋れたらどんなにいいだろうといつも思っています。だから、八丸のキーホルダーの早太郎(白い大型犬)が喋れたらいいのになー…と早太郎が登場してからズーッとそう思っていました。例えばキーホルダーが人間の言葉を喋れたらもっと存在感がアップするんじゃないでしょうか。現状、キーホルダーは乗り物と侍の鎧を提供する程度の道具っぽい存在で、これが口寄せ動物のように時に侍を叱るような関係になれれば、注意力が散漫でその上経験値が低い八丸にとっては頼もしい相棒になれると思うので後付けで解析AIを搭載して喋り始める…と言うのもアリにしませんかね(笑)。
一方、苺ちゃんは泣きはらしたんでしょうね。自分の故郷の星やお母さんまで一瞬で失ってしまったんですから。それに対して淡々と語る花一さんもどうかなーとは思いますが、これが逆に気を使い過ぎていても苺ちゃんが余計に切なくなるからの配慮なのかも知れないなーと一瞬思いもしたんですが、その直後に花一さんが苺ちゃんの能力(才能)に注目しているだけのようで、この無機質な態度が花一さんの素だったのだ…と分かってこの世界の大人はどいつもこいつも心のないヤツばかりで悲しいです(笑)。しかし、苺ちゃん…女の子だけど侍になれるんですね。そう言えば達麻の師匠の夜叉さんも女性っぽかったような希ガス。
別に男性だけが侍になれる…みたいな条件は提示されてませんでしたね。「侍は男性で姫は女性」というのは僕(ら)の思い込みですもんねー。でも侍になるって事は苺ちゃんも切腹しないといけないのね。しかし、苺ちゃんは花一さんの仰る通りかなり異例で侍でもないのに「強い引力」と「心眼」をお持ちです。だから苺ちゃんは自分の住んでる星がアタさんの角弾頭で破壊されるのを予見して「爆発して死ぬのに?意味ないよ」の名語録が残せたんですね。しかし「心眼」とは「物事の本質を見抜く(眼)力」という風に僕は理解していたんですが、未来に起こる事を予知する事もできるんですね。
逆に、花一さんの「君はまだ侍でもないのに」も思い込みの域を出てないと申しますか…侍だけが「強い引力」や「心眼」を持てる…というような提示もこれまでなかったように思います。リアルでも僕なんかキレーなオネーサンに絶えず引き寄せられますからね。あれは立派な(相当強力な)引力だし、勿論キレーなオネーサンは侍じゃないし、どっちかつーとキレーなお姫様(いい匂いがするのよー)なので、人間に「強い引力」があるのは不思議でも何でもないと思います。それ言うんだったら「心眼」こそ…持ってる人、沢山居ますって(笑)。それが分からない花一さんの「心眼」が逆に疑われますよね。
もし、ここに不動明王が居たら「まだまだ心眼が足らぬ」って言うかもね(笑)。苺ちゃんって小学校の低学年くらいですかね。下手したら年齢も一桁ですよね。それでもおっきなお猿さんとちょっとイケメンの青年と人間の言葉を喋る犬侍を前に堂々としたもんだし、ちゃんとコミュニケーションができています。そして花一さんの不用意な一言に対して<ギロリ…>と睨みつけ威圧すらする気持ちの強さはやはり規格外です。子供だとバカにしてると火傷しますね。これはやはりいろんな「思い込み」を廃して考えてみませんか?というこの作品からの提案ではないかと思います。そしてそれが「心眼」の入り口なのですよ…きっと。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑤
「だが…
技より先に箱の鍵の仲間だ」(達麻)
「!!そうでした!
仲間の地図ですよね!」(八丸)
「この”内なる宇宙”は外の宇宙と重なっている
ステータス画から地図画へ切り変えてみろ」(達麻)
「いざ!!」(八丸)
「お!光の線!」(八丸)
<パッ>
「この光の線の中心がお前の位置だ
光の線の先に仲間が居る」(達麻)
「ん?
オレの星の真横に
アレ?って事は…」(八丸)
確か…「免許皆伝技」っていうのがあって、達麻の「犬掻き」がそうだったような気がします。弁形の解析AIがそんな事を言ってました。それでこれまで達麻が出した金剛夜叉流の剣技って全てが免許皆伝者のみが扱える剣技だと思ってたんですが、「剣腕」は入門者用の剣技だったのですね。ちなみに「剣腕」とは対象を切断するプログラムではなくて寧ろ打撃…衝撃を与える剣技で、侍魂だけではなく模造刀を含む鈍(なまくら)の刃を覆うオーラ(仮)を鈍刀化するプログラムです。一撃で相手に致命傷を与えられない状況で一旦間合いを切りたい時に、丁度徒手格闘の前蹴りのように使えて便利な剣技です。
しかし、ここで折角…八丸が会得可能な剣技があるにも関わらず、達麻が用法を展示してみせたり剣技の扱い方をレクチャーすればいいものを、達麻はそれら一切を見事にスルーして「箱の鍵」の所在を八丸に探らせましたね。八丸の”内なる宇宙”と”外の宇宙”を重ねて八丸の引力があちらこちらに点在する「箱の鍵」の居場所を「光の線」(ネーニングがすご)で一瞬で見出してしまいました。達麻はこれがしたかったのだな…と思いました。八丸の強い引力で他の「箱の鍵」を兎に角見つけ出す。それは八丸の剣士としての成長よりも優先する。ぶっちゃけ…達麻は八丸の剣士(侍)としての成長は全くもって望んでいない…といふ事が白日の下に…(笑)。
サイボーグの体であってもステータス値の向上を目途として何らかの鍛錬が必要なのですが、達麻は一切言及していません。普通に考えて弟子の八丸が少しでも上達するように助言なり稽古をつけるなりして八丸のレベルアップを図るのが師匠だと思うんですが、達麻は八丸に対して極めて無頓着なのです。そういう達麻の態度や八丸の素行に対しても何ら関心を示さない姿勢を鑑みれば、やはり八丸に対する達麻の興味というものが八丸と「箱の鍵」が重なる部分にしか向いていない事がよーく分かります。ところで八丸の”内なる宇宙”と”外の宇宙”の重ったマップに投影された「光の線」ですけど全部で5本なんですよね。非常に興味深い…。
「箱の鍵」は全部で7つです。その内一つは八丸で「光の線」の中心にあります。そこから都合5本の光の線が伸びています。これは八丸以外に5人の「箱の鍵」が現時点で存在しているという提示であります。それに八丸を足して6人。あと一つ足りないと思ったんですが、これは「箱の鍵」を指し示しているのでまだ侍になっていない人間は含まれないのですね。これまでのお話で「箱の鍵」の有力候補と言えば三打と苺なんですけど、三打は兎も角、苺は厳密にはナンバーズ(数字持ち)じゃないですからね。ややこしくなってきたのでここでちょっと落ち着いて「箱の鍵」を整理してみましょうか。
①(最有力候補:苺だけど侍じゃないし、厳密にナンバーズではない)←⭐︎欠番?
②⭐︎
③三打(義常の実子で当確…だけど侍じゃないから⭐︎が灯らない)
④⭐︎
⑤⭐︎五空(花一の弟子で千ちゃんの証言から当確)
⑥⭐︎
⑦⭐︎(最有力候補:LGBTQのナナシくん)
⑧八丸
…で、「⭐︎」が現状…「光の線」の「箱の鍵(候補)」の5+1(=三打)人です。けど、「箱の鍵」は「7つ」なので八丸の⑧が余計です(笑)。でも八丸は達麻の心眼と免許DL時の不動明王の出現イベントで「箱の鍵」確定で、五空も千ちゃんの証言により「箱の鍵」なので残りは5人。つまり「⭐︎」の候補6人の内の一人は不要になる訳です。花一に拐われた苺ちゃんなんてそもそも名前に数字がないナンバーズですらないので除外相当です。それに対して三打は義常の実子であり数字持ち(ナンバーズ)なので「箱の鍵」でお話の流れからしても順当なので、ハチマル的には①が欠番で②〜⑧までの7人を「箱の鍵」に認定しましょ。
そうすれば②④⑤⑥⑦の5つが「光の線」で示されたと考えられます。既に⑤五空は赤ペングリグリで確定ですから、5つの「光の線」は②④⑥⑦と⑤五空の「箱の鍵」の在り処を指し示している事が分かります。そして⑦は「空からの来訪者」で登場したLGBTQのナナシくんがクル〜と僕は考えているので残りは②④⑥に絞られ、④はバトルロイヤル編で見切れた姫持ちの鹿侍・四華丸(仮)が滑り込んで来て(希望)、②⑥残しになってそこに八丸のパーティに居る竜(偽名で実はナンバーズ)がハマれば、一気通貫(一通)のリー棒が立ちます(笑)。ま…四華丸がアリでナナシくんが元服出来たらの仮定の仮定ですが…。
苺ちゃんが何で「箱の鍵」だと僕は思ったのかよく覚えていませんが、これは久保帯人大先生の『BLEACH』の主人公の「一護」のミスリードですよね。まとめ界隈でも「爆発して死ぬのに?意味ないよ」の語録と共に「苺=一護キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」と話題になってて、こりゃ絶対に「苺」は「一護」だ!!みたいな(めっちゃ苦しい)力技が罷り通ってましたからねー。でもよく考えると「苺」は「苺」で「一護」じゃーなかった!!(当たり前ですが)でも①が欠番である事の意味というか理由が必ずある筈で、ちょうどこの後、苺ちゃんの件(くだり)があるので、その辺も合わせて考察してみましょうか?!
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想④
「あれ…この…
負荷って何?……」(八丸)
<ピッ>「技の発動によって
鍵にかかる負荷の値だ
弱い技には弱く強い技には強く
それ相応のダメージが
侍の鍵にのしかかる」(達麻)
「技って
自分にダメージがあるの?」(八丸)
「強い技を
何度も使えるわけじゃない
全てに反動がある
で…鍵のダメージは
侍の身体の中でのみ
自然回復する」(達麻)
「あぁ…あの時ね」(達麻)
「…あの——
一番上の技…すごそう
「流星剣」ってどんなのですか!?」(八丸)
「アレか……流星剣…
未だかつて誰も会得できなかった技だそうだ
不動明王様以外はな」(達麻)
「へーーー…」<スッ>(八丸)
「会得のステータス値はっと…」<ピッ>(八丸)
「?何だこれ?変なマーク?」(八丸)
「無限だ」(達麻)
「全ステータス値を無限にするのが会得条件
つまり会得不可能というわけだ」(達麻)
「……ム…ゲン…」(八丸)
「そんな事より
まずは一番下の技からだ」(八丸)
「だね」(八丸)
「今いけるのは…『剣腕』ぐらいか」(達麻)
達麻と八丸の会話を入力してると八丸のタメ口で騒(ざわ)つきます。それと所々、丁寧な口調が挿入されて神経を逆撫でしてグラグラとなる(笑)。こういうのは少年少女の見てないところで一度キチッと締めて怖いもん教えといた方がいいかと。八丸のタメ口の何がいけないのかを今ここで八丸に分からせて同じことを他所でしないように達麻は八丸に教えるべきだと僕は思います。ここで八丸に教えないと八丸は間違いを間違いと気付かないまま成長してしまいます。何かの時に偶然気付ける可能性もない訳じゃないけど、それが取り返しのつかない結果を招くかも知れません。それならば達麻と二人の時に教えてあげるべきです。
しかし、それは達麻が八丸を愛していればの前提が必要です。八丸がここから先、一般的な常識とか礼節を弁えないで取り返しのつかない過ちを犯さないように達麻が八丸を叱るべきだからです。僕みたいに八丸に嫌悪感だけがあって八丸の馴れ馴れしい態度が頭にきて八丸を怒鳴りつけるのは単に怒ってるだけで、それは僕の感情を吐き出して僕がスッキリする為だけの行為なのです。だからここで達麻がちゃんと自分の中の愛を感じて、八丸を良き方向に導く為に叱るべきだと僕は思うのです。しかし、達麻には全くそんな気配がありません。それはきっと達麻が八丸をそれ程愛してはいないからだと僕には思えるのです。
ぶっちゃけ、八丸が「箱の鍵」であり他の「箱の鍵」を探す為のレーダーだから、「パンドラの箱」を開くまで辛抱すれば済む…くらいに達麻は考えているんだと思います。だから八丸を叱らない(怒りもしない)。これはもう関心がないのです。つまり、愛がない…という事。八丸は達麻にとって「大切な道具」に過ぎないのです。『サムライ8 八丸伝』を読み込んでいて何が悲しいってこんな風に大人が子供を大切に思ってない(ように映る)ところなんです。子供が大人の守るべき対象ではない雰囲気?というんですかね。こんな悲しい世界は嫌だ!!って思うんです。だから一度更にしてやり直した方がいいと思っています(笑)。
ホント…愚痴ばっかですみません。ところで八丸が「負荷って何?」と達麻に質問したのに「鍵にかかる負荷の値だ」と返してますけど答えになってますか?「負荷」は「負荷」だからね。ま…「鍵にかかる…」が答えだったのかな?その後に続けて「相応のダメージが鍵にのしかかる」とフォローはしてますけど、これは不動明王の語録の「そうとも言えるしそうでもないとも言える」に近い返しに思えます(笑)。侍はこういう喋りで罵り合い耐性をつける習わしでもあるのかも知れませんね。相手が考え込むような言葉を投げかけてひるんだ隙に畳み掛ける。義常なんかそれで散体したんだもんね(笑)。
※アナログ(正弦波)とデジタル(矩形波)でどちらが優れてる?新しい?と一概に評価できませんし、この場合、ドット(ピクセル)を矩形波でコントロールしてるから「デジタル表示」とも言えるんだけど、全体や変化の状況を連続的に知る表示方法という意味で鍵ゲージは「アナログ」だと僕は評価したいです。反論もあろうかと思いますが私怨です(笑)。
ところで「鍵ライフ値」ですけど、キーユニットがゲージになってて剣技発動の消耗(ダメージ)が表示される仕組みというのはよく分かるんですけども、この表示方法はどちらかと言うと「アナログ」ですねー(笑)。あんだけデジタル、デジタルと五月蝿かったのに、ゲージって(笑)。こういうの見ると言葉の意味とか本当に理解して使ってないなと思います。それと細かいところですけど、「鍵のダメージは侍の身体の中でのみ自然回復する」というセリフの「身体」も「サイボーグの体」という表記と符合してないのが好きじゃない。つまんないとこだけどもこの作品は内容もそうだけど表記すら統一感がない。校正してて何とも思わないんかね(出張校正室のベテランの校正おじさまとか居ないの?今は)。
何つっても…作り方が雑なんだよね。それはこの物語の中で大人が子供を大切にしない描写とすごく似ていて、編集部やスタッフさん達のこの作品に対する「愛」が感じられいんだなー…。僕はそれがとても悲しいのです。岸本先生の作品もこんな出来損ないの状態で下版しちゃうのも、達麻が八丸を大事にしないのと一緒なのな。どこにも「愛」がないのよ。それは単に八丸が「箱の鍵」で「箱の鍵を探すレーダー」だから達麻が道具を手放さないのと同じで、この作品がアニメ化でヒットすりゃ儲けもの…くらいの出版社の浅ましい考えが透けて見えるのが何ともはや悲しーのよ。悲しい…。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想③
「あの…上の方にある技って…確か
一度教えてもらった——大気剣!」(八丸)
「そこからでいい
手をかざして大気剣の星座に重ねてみろ」(達麻)
「!」(八丸)
<スッ>(八丸)
<ピッ>
「これが「大気剣」会得に必要な
ステータス値だ」(達麻)
「へぇーー」(八丸)
「カリスマ以外全部900……
鍛錬により己のステータス値が
全て900以上に達した時
「大気剣」を初めて会得できる
前にお前が技を発動できたのは
大気剣を会得している
拙者の鍵と繋がっていたからだ
一旦会得したとしても
ステータス値が900を下回ると…
技の威力が弱まったり
発動しない事もある
※ここが多分、達麻の勇が100だけども大気剣を扱えたアンサーになるものと思われます。達麻が大気剣を会得した時には勇が900以上だったんですね。きっとバク姫がまだお元気だったのですよね。だから、達麻が敢えて勇100を拾い上げないのは至極当然な反応だと思います。しかし八丸の体を借りて出力して本来の力が発揮できたというのが説明できていない。
逆に900以上あればさらに威力は増す
今のステータスと比べてみろ」(達麻)
<ピッ>
「ほど遠いなァ……」(八丸)
剣技の星座アイコンはホント要らん(笑)。今週号の『鬼滅の刃』でも剣技に関する描写があったけど、どうしても比べてしまいます。僕はあまり『鬼滅』は気合を入れて読んでないけど、覚醒した主人公が「型」に隠された真意にたどり着き謎を解き明かしていくプロセスに震えました。それを見せられて『サムライ8 八丸伝』の「剣々派」(けんけんぱ)がチラ見してて「ギャグかよッ!!」と突っ込んだ(笑)。ダジャレかよ(笑)。笑えな過ぎて辛いもんね。こんなのダウンロードされても強くなれる気がしません(笑)。そもそもダウンロードで伝授ってのが師弟関係を次の段階に移行させてあんま好きじゃないですし(笑)。
ところでステータス値の「腕力」ですけど翻訳(英語)だと「Strength」になってまね。何で「腕力」にしちゃったのか?脚力とか体幹の力とか剣術なんて総合的な体の力が要求されると思うので、余程「Strength」の方がしっくりきます。ここは「フィジカル」(Physical)が一番フィットするんだけど横文字のカタカナ表記がやだったのかな?でも「センス」とか「カリスマ」なんてのもあるし、よく分からん。でも八丸の貧相なステータス値だとどう転んでも大気剣無理ーですよね。それなのに何で達麻は八丸の体を借りて無雲の落下を止める星砕きが達成できたんだろう?八丸のチートって「引力」だけなんですかね?
例えば状況によってステータス値がべらぼうに跳ね上がる特殊な隠れステータスみたいのが存在して、八丸がそれに恵まれているのであれば、その匂いっていうのかな?何かしらのシコリを達麻が感じてるとか…そういう伏線を貼っておいて欲しいです。読者はそれがあれば細かい設定の説明なんか不要なのに。それに八丸はこの物語の主人公なんだから特権(チート)があっていいんです。…っていうか、一つや二つのチートがなくてどうしますか?これまでも達麻や竜の意味不な「八丸上げ描写」があったけど、それが八丸の特殊なステータスに繋がっていくように何でここで描けないのかな?星と星繋げて星座作るまえにお話を繋げようよ!!
しかし、「カリスマ」というステータスをどうやって鍛えるのか?非常に興味ありますね。でも、カリスマって鍛えられるものなの?きっと長州(小)力を本気で怒らせるくらい難しい(笑)。同じように「技量センス」もどうしたら鍛えられるか?に興味津々なのですが、持って生まれた才能みたいなもんですから、それを鍛えられるんら大したもんですよ(笑)。そう考えてると侍のサイボーグの体を鍛えるってどうすんの?って思います。確か葉芽道は暇があれば木刀の素振りとかしてましたけど、鍛錬したらサイボーグの体であっても発達できるんですかね。もしそういう設定なのならちゃんとお話の中で提示して戴かないと。
そしてその時、大切なのが科学的な根拠であります。それがなくてホワッとしたものを描かれてもSFじゃないしね。まさか設定(S)がフカフカ(F)のSFでーす!!って言ったりしませんよね(笑)。それはそれで痛快だけど世界各地でちゃぶ台が無駄に壊される(笑)。『巨人の星』の星一徹さんも肩グルグルと回してアップ始めてますからね(ウソ)。岸本先生がSF作品をやりたいと仰ったんだから最後まで投げ出さないで欲しい。ネタをただ漠然とばら撒いて偶然繋がるんじゃなく、岸本先生の手腕でお話として紡いで頂きたいのです。神様はサイコロを振らない…それが『NARUTO -ナルト-』で出来たんだから、岸本先生なら…きっと…また。
続きまーす!!