サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想⑥
(お父さんには報告したよう
これから私たちは他の仲間を探しに行くね)(アン)
「ニャン!」<スッ…>(早太郎)
「!」(アン)
(八丸くんの刀……)(アン)
「アン姫
それって……?」(五空)
<ギュッ>「どう見える?」(アン)
「さらに美人になった
可憐な姫!………って感じかな」(三打)
「誰がだ?」(竜)
「ううん…姉様
凛々しい侍に見える!」(苺)
「…まるで八丸くんみたい」(七志)
「そろそろ行こう」(花一)
「さあ…次なる旅へ
出発だ」(達麻)
「いざっ!!」(アン)
<ゴオオオオオオ>
始まりの地…とうとう星の名前は最後まで明かされませんでしたが、八丸が8パパと暮らしていた星。アンちゃんが生まれた星にパーティは戻って来たようです。8パパの墓前。アンちゃんにはいろいろと報告があったことでしょう。パーティのメンツは達麻、花一、七志、苺、竜(仮名)、三打、五空で、「箱の鍵」は苺ちゃんも数えてるようなので既に「5つ」まで揃った事になりますね。竜は麻雀の数え方が「イー、リャン、サン、スー、ウー、リュウ(ロー)、チー、パー、チュウ(キュウ)」なので「六」(リュウ)かな…と思うので、「1、3、5、6、7」の「鍵」が揃っていると思われます。残る「鍵」は「2、4」の2つですかねー。
それが見開きの痣の女剣士と鬼侍なのでしょう。それでアンちゃんはというと、このパーティのリーダー的な存在になったようで、年の頃も八丸の覚醒(=時空超越)で一気に最年長のお姉さんになっちゃってまして、その分の寿命は?内的な成長は?とかいろいろと気になりますが、超高密度の時間進行の中で外的にも内的にも正常な成長を遂げた…という風に考えるとしましょう。アンちゃんの吃音も、それに伴う自信なさげな雰囲気も霧散しています。そばかすだって薄くなって快活でキレーなお姉さんです。長い髪をひっつめて早太郎が持って来た八丸の鈍(なまくら)を背中に担げば凛々しい女侍の一丁上がりであります。
ところで、早太郎が咥えて来た八丸の鈍(なまくら)ですが、きっと八丸の生家から早太郎が見つけ出したんではないでしょうか?八丸の遺品ですな。しかし、それだと模造刀だと思うので、アンちゃんが女侍になる…というのではなく、八丸の遺志を継ぐ心構えを示したのだと思います。しかし、八丸の事を口にしたのが七志だけって、八丸の存在感が希薄過ぎて辛いです(笑)。七志も八丸の散体を目の当たりにしたのにノーダメージみたいで何よりです(笑)。七志の「義」は「八丸を一生守り続ける」だったから、それがなくなってしまって散体しちゃうかも!?と思ってたので。今は「八丸=パンドラの箱」なんですよね。
このパーティでは「八丸の鍵」を所有しています。その中(内なる宇宙)には「パンドラの箱」が保存されている。「パンドラの箱」とは「データ」だった訳です。しかし、それには強力なプロテクトが掛かっていて使用できない状態で、そのプロテクトを外すのが「7つの鍵」という訳です。最終的には7人の鍵侍が頭をカパッと開いて「鍵」を出し八丸の「鍵」に接続して「パンドラの箱」を開く…という絵面になるのでしょう。あと2人だし、居場所は八丸の「鍵」にある「パンドラの箱」が座標を示すのでサクッと見つかるでしょう。ところで、残された「二」と「四」って侍なのかな?苺ちゃんと三打がまだ人のままだしね。
人であろうと侍であろうと既に「箱の鍵」として感知(認識)されているのでよく分からん。完璧に侍として認定できるのは「五空、竜(六?)、七志」だけだもんね。しかし、苺ちゃんの「切腹の儀」とか見たくねー(笑)。幼女の切腹ですもんね。でも、苺ちゃんが侍にならないと「パンドラの箱」を開ける「鍵」が揃いません。僕はもう一方の「箱」である「マンダラの箱」が「棘星」(達麻やアタさんのいた星)で、それが不動明王のロッカーボールでもある…という提示があった時から、苺ちゃんが「棘星」の何処かに突き出ている「切腹刀」を見つけ出して、それで「切腹の儀」を執り行うのではないかと期待していました。
何たって苺ちゃんは「銀河一強い侍になる娘」(花一)でありますから、ロッカーボールも『ベルセルク』の「覇王の卵」(赤いベヘリット)よろしく特別性なんじゃないかと思います。非常に余談ですが、物語に登場する横綱級キーホルダー(親方級を含む)はそのような巨大なロッカーボールで「切腹の儀」を果たした侍が作り出したものなんじゃーないでしょうか?ロッカーボールがある程度大きくないと横綱級(親方級)キーホルダーを作るにはリソースが足りませんもの。ちなみに侍は散体してもキーホルダーは遺るので現存する横綱・親方級キーホルダーと特別製のロッカーボールは必ずしも同数でなくてもよく、極端な話、「棘星」だけ…というのもアリです。
だから、もしかしたら義常の鬼若丸(親方級キーホルダー)は「棘星」(みたいな巨大なロッカーボール)によって製造された可能性があります。でも、不動明王の遺した「箱」の一方である「マンダラの箱」が苺ちゃんに占有されてしまったら、「マンダラの箱」を開ける楽しみがなくなってしまいます(笑)。…って言うか、「パンドラの箱」がデータ=ソフトウェアであるから、当然それを走らせるハードウエアとして「マンダラの箱」があるのだと思うのですが、その辺は不動明王に訊いてみないと…でも思いっきりはぐらかされて終わりなんだろうな(笑)。しかし、「マンダラの箱」の「鍵」って「合鍵計画」の頓挫で降り出しに戻りましたよね。
そもそも「合鍵計画」のデザインチャイルドが「マンダラの箱」の「鍵」の筈が実は「パンドラの箱」でした…っていうんだから、ここには不動明王の情報操作や介入があったと思われ、「マンダラの箱」を開けるのに本当に「7つの鍵」が必要なのか?から怪しいです。もしかしたら「パンドラの箱」の「7つの鍵」がそのまま「マンダラの箱」の「合鍵」になってて、それに「パンドラの箱」に格納されたデータをインストールして不動明王自身が受肉する…みたいなオチが待ってたのかな?苺ちゃんの「切腹の儀」がそれを唯一阻止する手段ならちょっと面白そうだけど、悲しいけど…これ、打ち切りなのよね(スレッガー中尉風)。
このお話は世界を救う為に「パンドラの箱」を開くというクエスト(冒険)だったと思うんですが、この世界が救うに足る存在だったのかが甚だ疑問でした(笑)。アンちゃんと亡兄の回想においては「こんなにも子供を大切にしない世界なら滅びてしまえ!!」と思いましたもの。師匠の達麻にしても弟子の八丸を正しく導こうという気配すらありませんでした。結果的に読者にもこのお話が「何を守ろうとしているのか?」が見え辛くなっていたように思います。このお話は最終回ですが、ここで生きたキャラの魂が読者の心の中でどうか報われますように…。新しい冒険の中でそれぞれがその一生を懸命に生きれますように…心の底から僕は祈っております。
原作の岸本斉史先生。作画の大久保彰先生。43話(最終話)まで誠にお疲れ様でした!!最期の最後まで読者としてこのケルベロス…作品と添い遂げさせて頂きました。連載中は苦言どころか罵詈雑言を投げつけてしまいまして、大変失礼いたしました。前作の『NARUTO -ナルト-』に対する想い入れや新作に対する期待があった故の…害意ではなく誠意でありました。その中でもこうして最終回まで僕が活動したのは少年少女に「何か一つ事を最後までやり抜く」という事の大切さを伝えたかったからであります。それは漫画を愛する者として最期の最後まで自身の「愛」を貫くという事でもありました。もし先生方が雑音を感じていたなら心から詫びたいです。
こうして『サムライ8 八丸伝』は終わってしまいましたが、岸本先生も大久保先生も今後また何か作品を描かれるのであれば、僕は心から楽しみにしております。人生は何度でもやり直せます。先生方のその行いがきっと少年少女に勇気と希望を与えてくれると思います。僕も何度も失敗して失敗だらけの人生ですが、こうして少年少女に何かを伝えられたらと願い書いております。先生達の修羅場とは比べ物にならないような甘々な活動ですが…。こうしてハチマルの活動を続けられたのはハチマルを読んでくれた皆さんのお陰です。誠にありがとうございました。本当に本当に僕にとっても幸せな時間でした!!
ありがとうございました!!
サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想⑤
「そうか……
オレがまだ人型のままでいるのも
お前が成長した姿なのも
別時空にいたからか…」(達麻)
「時空超越…
つまり八丸は完全なH粒子に
なったって事か」(花一)
「ああ…」(達麻)
「これ…八丸くんの鍵です
もしかしたらまだこの中に…」(アン)
<ガチャ>(達麻)
<カチ>
<フッ>「!
これは…」(達麻)
「……
穴が7つ
キューブ型の…
!!
まさか…
そうか!そういう事か!
この内なる宇宙に…
あったのか!
八丸……
お前が――
パンドラの箱だったんだ!!」(達麻)
「!
……仲間の場所だな
ありがとう…八丸」(達麻)
アンちゃんは生身の人間ですが、体をオーラでガードしてるから宇宙空間でもオKのようです。ま…極々短時間で成長してお姉ちゃんになっちゃったんだから、その程度のチート設定はありでしょう。願わくば、このオーラに防刃効果やその他の攻撃に対する耐性が備わってて欲しいです。何せ姫は生身のまま侍と共に戦うから危なっかしいです。そこは「侍の意地」によってお互いの姫は狙わないという紳士協定が存在して欲しかったんだけど、真っ先に「姫を潰す!!」(ムジンさんのサ姫なんかアタさんに滅多刺し食らってましたから)つー侍の民度の低さに辟易としていましたので、自分の身は自分で守るのがよろしいかと。
しかし、別時空にいたから達麻や花一さんがスリープモードに入らなかったとしてますけど、屍界に入る前と屍界から出た後の時間を足せば何ぼなんでももう10分は経過してますよね。こんな設定は正直要らんかった…。未だに達麻や花一さんが敢えて猫や犬の姿になっていた必然性・必要性が感じられないです。…かと言って、人型に戻った達麻や花一さんが役に立ったかと申しますと極めて怪しい(笑)。今回もアタさんの「屍界トラップ」にまんまとハマって蚊帳の外にいましたし、今までだって猫でも人でもほぼほぼ役立たずでしたよね(笑)。説明も長い割には分かりにくいし、設定に設定を重ねて、まーよく分かりません(笑)。
特に達麻はいろいろと戦犯です。八丸が「この子で間違いない」と「1つめの鍵」に認定してたのに、それが「パンドラの箱」だったってどんだけ間違ってんだよ!!(笑)「箱」と「鍵」だぜ…(笑)。達麻が八丸は「パンドラの箱の鍵」だと言うから、「7つの鍵」を探すのに名前が「八丸」でも仕方なく飲み込んでました(笑)。普通、「一」から「七」にしますもんね。どこか抜けてたら気持ち悪いじゃない(笑)。だから「苺ちゃん」なんだー!!と思ってた(二~八)のに、今更、八丸は「(鍵ではなくて)パンドラの箱(の方)」でしたって、えらいテキトーだなッ!!(笑)その目は節穴…おっと達麻は目が見えないんだっ(ry
ところで、烏枢沙魔流の「合鍵計画」で○角シリーズが製造されたんですよね。それは「マンダラの箱」の「鍵」を人為的に製造する計画だった筈だけど、何で○角(八丸まで)寄せ集まって「パンドラの箱」になっちゃったんだろう?と考えてたんですが、もしかしたら不動明王がハッキングして計画を捻じ曲げたのかも。精神体(H粒子)になってしまった不動明王もネットワーク経由では物質世界に干渉できる描写(○角や竜騎の乗っ取り)がありましたから…(震え声)。でも、それなら「侍システム」が普及して人類(鬼族を含む)が何かしらの形でネットワークに繋がる状況で不動明王が社会に対してもっと働きかけていいと思うんです。
不動明王にはカーラさんみたいな敵ではなく夜叉さん以下味方が多そうだから、ネットへの接続などの物理的な支援も得られた筈なのに。そもそも「侍システム」とは知的生命体(人や鬼)を「侍」という…ある種、電脳化された躯体に嵌め込んで画一化する為の仕組みだもんね。それは精神体(H粒子)であるが為に物質世界に関わり辛い不動明王が何かと関与するのに便利なのです。そういう状況にありながら、カーラさんみたいな不穏分子を一掃せずに放置しているのって変だな…と、僕は考えるのであります。おまけに「パンドラの箱」と「マンダラの箱」なんて余計なものを残して…それが世界の争いの火種になっています。
「侍システム」がネットワーク経由で不動明王が世界を統べるシステムであるとするならば、不動明王が全てを一気に鎮めちゃえば済むお話です。不動明王はそれが充分できる筈なのに敢えて放置してる。それは不動明王がその状態を望んでいるからとしか思えません。もしかしたら、カーラさんみたいな存在が世界をかき回して、人々が右往左往する様を見て不動明王は娯楽として楽しんでいるんじゃーないでしょうか?あの「上層次元」ですけど、なーんもなくて殺風景でしたし、不動明王の友達も見当たりませんでしからきっと暇してて、あんまり暇過ぎて所謂…「神々の悪戯(いたずら)」というヤツで、ちょうどいい塩梅の混乱を残しているように見えます…。
余談が長いのでこのくらいにしますが、このパートで何が悲しいって達麻が八丸の不在を1ミリも悲しまないっていうのが怒髪天です(笑)。自分の弟子が「鍵」だけになって…ぶっちゃけ散体しちゃったのに、何で達麻は悲しまないの!!「散体は死ではない」っていうのは解脱者だけの認識だよね。そんなの達麻は知らないんだし、肉体を失って精神体になるって、「お星様になる」のと一緒で、普通はそれを「死んだ!!」って言うんだよ!!このクソ猫ーッ!!(笑)しかも、八丸の「内なる宇宙」に浮かぶ「キューブ型」と「穴が7つ」って思いっきり見えてんじゃねーか!!粗画像ってか!?眠てー事、言ってんじゃーねーぞ!!(笑)
達麻にとって「パンドラの箱」であろうが「鍵」であろうが、八丸は便利な道具に過ぎなかったんですね。おまけに「箱」と分かった今も「仲間の位置」も指し示してくれていて、その上、もう何も喋らないので達麻には都合が良すぎるんでしょう(笑)。ホントは小躍りして喜ぶところなんだけど、アンちゃんの手前、これでも気を遣ってるんだよー。ここまで読み込んでも八丸は熟(つくづく)可哀想な子だなと思います。こんなに子供を大切に思わない大人がいる世の中にしちゃダメだー…。自分がその子の親であろうとなかろうと、自分の近くにいる子供を愛せない大人であってはいけない!!…僕は本心でそう思えるオトナでありたい。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想④
<ガッ><ガッ>
「見えたぞ!
お前の最期が」(夜叉)
「最期だと!?」(カーラ)
「まだ見えていないようだな
カーラよ」(夜叉)
「お前の心眼など
当てになるものか」(カーラ)
「確かに……
まだ発展途中だ
お前には認知できないのも
仕方あるまい」(夜叉)
<ズズズズズ>
「!!」(達麻)
「だが…
本当の鍵の七人は
もうじき揃う!」(夜叉)
「今はまだバラバラな
7つの小さな点だが
いつか繋がり線となって
見えてくるだろう
この銀河にいる
皆の願いを託された
長い長い
流れ星のようにな」(夜叉)
非常に細かい話から入って恐縮ですが…久々に登場した夜叉さんのセリフで「本当の鍵の七人は」というのと、すぐその後に「バラバラの7つの」というセリフの表記が統一されていません。他にも「オレ」と「俺」や「たち」と「達」とか…もう数えたらキリがない。この作品は表記に統一感がないですねー。普通は校正の時に「あれ?」と思って修正するもんです。昔は校正専門で食ってる物書き崩れ記者崩れのおっちゃんが居て、こういう細かいミスを引っ掛けて潰してくれたんだけど、今はもう出張校正室の主みたいな人も居ないんでしょう。…てか、今は出張校正なんてないよね。PDFで原稿校了なのかな?知らんけど…。
表記のバラツキなんて物語の内容やその深みとは関係ありませんけど、作り手の拘りが感じられんのです。例えば、編集さんとか校正される方が、この作品を「我が子」だと思って手塩にかけてたら、出がけに玄関で身だしなみを整えるように見守ると思うんです。口の横にご飯粒がついてたら取ってあげるし、忘れ物がないかいちいち訊くと思うんですよ。まー明らかな矛盾がそのまま右から左に製本されちゃってるので、表記なんてハナクソみたいなものですかね(笑)。でも、我が子の顔にハナクソがついてたら、僕だったら取りますけどね(笑)。そういう部分…作り手の「愛」が感じられんのです。それが僕は…すごく悲しいです。
アタさんは八丸の流星剣に吹っ飛ばされちゃったみたいですね(笑)。場面は「夜叉さんVSカーラさん」にスイッチします。夜叉さんのシロナガスクジラのキーホルダーが見えます。鯨ちゃんの名前もズラした全く別の動物の名前(ウミガメ=洋犬で、白兎=猫又だもんね)なのでしょう。多分、横綱級のキーホルダーだと思うけど、夜叉さんもカーラさんもMS/MAみたいな侍の鎧を纏って戦ってますが、ここは逆張りして生身(男は黙って…「生身…」クールポコ風)の夜叉さんとカーラさんのチャンバラが見たかったです。これまでズラしにズラして来たのに、何でここは順当なのかと(笑)。結局、夜叉さんやカーラさんが刀振ってるシーンがなかったんじゃないですか?
もー夜叉さんとカーラさんが何やってるのか分かんないもんね。打ち切りでカツカツでここからお話を広げる必要はないんだから、夜叉さんのキレーな構えとか太刀筋をストレートに描いてくれるだけでよかったんです。しかし、ここまで50年近く二人は戦い続けているのですよね。ズーッとチャンチャンバラバラやってたんなら流石にボロボロの筈だから、ここに至る睨み合いで大部分の時間を費やしたのでしょう。それか、アタさんの「屍界」の上位互換の異空間を拵えてて、そこの1分がこっちの50年に匹敵する浦島太郎みたいな状況かも知れません。「パンドラの箱」を開けたら煙が出て二人とも老人になるオチがありそう(笑)。
一方、夜叉さんとカーラさんとは別に達麻と花一さんも屍界から解放されています。「だが…」のカットでアタさんの龍のキーホルダーの残骸が宇宙空間に浮かんでるところにアタさんの「屍界」が解かれて洋犬(鎧)と猫又(鎧)が現れました。これは八丸の流星剣の影響なのでしょう。二人は遠くではなく位相した空間に幽閉されてたみたいです。そもそも流星剣がどんな剣技でどんな効果があるのか示されていないので考えようがありませんが、アタさんを退け、無能師匠が幽閉を解かれたので空間に干渉する系の剣技なのかなと思います。夜叉さんの心眼にインスピレーションを与えたのも流星剣の波動だったと思います。
夜叉さんの心眼には「本当の鍵の七人」が見えたんですね。既にいる苺ちゃん、三打、五空、竜(麻雀でリュウって「六」じゃなかったっけ?)、七志とは別に獅子舞だか天狗のお面の痣の女剣士さんと明らかに鬼さんの二人が追加されています。いやーしかし…新規の二人はこれまでにワンカットでもいいから描いとくベキだと思いました(笑)。道を歩いててすれ違うだけでもいいのに。その時、苺ちゃんが何か感じるとか、八丸が引力で転ぶとか、何かできたと思うんですよー。ここでこんな風に出されても「あー…」ってなるだけ(笑)。そうなるとバトロワの四華丸もボツですねー。スピンオフで「四華丸伝」を期待して(ry
まー…この作品は打ち切りなので「丸投げ」は仕方ないんですけど、これだけのリソースをドブに捨てたかと思うと勿体無いですね。でも、最終回に誰一人としてまともに戦ってなくて、違和感しかなかったんだけど、それは誰一人として一生懸命に生きていなかったという事の裏返しでもあり、それこそが「死んだその日が誕生日」の侍が『ど根性ガエル』になりきれなかった理由でありましょう。ゾンビだってやる時はやるのにね(笑)。ここまで心が熱くなれないのはこの最終回がこの作品の「お葬式」だからなんだなーと思います。ここまで43話…自分が死んでる事に気付けなかったのねー(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想③
「アン…
オレはこれで消える
今は時の流れをズラして…
この次元にある
一角達の侍魂を借りることで
存在出来てるんだ」(八丸)
「……」(アン)
「さみしいよ……
私との…約束は?」(アン)
「…オレは
宇宙で漂う波になるだけ
いつも君を守ってる」(八丸)
「…また会える?」(アン)
「アンが
オレを見ようとしてくれた時
オレはいつでもアンの前——
ただ一点に居るよ」(八丸)
<スッ>(八丸)
「いざ…」(八丸)
(金剛夜叉流——)(八丸)
(う…うそだ!こんな奴が
流星をくり出すあの大技を!!?)(アタ)
(流星剣)(八丸)
散体した後に悟りを開き「上層次元」に行く=不動明王になる…という事は「物質世界」から消える=宇宙を漂う波になる…という事でFA。FA……?!(笑)それって…もしかして、普通に人が死んで居なくなるのと同じ…?「お母さんはね…あのお星様になったんだよ」っていうヤツと同じ…じゃないとですか?「散体は死ではない」と不動明王は仰ったけれど、八丸が消えちゃうんだし、そんなのアンちゃんにしてみれば死んだも同じ…だと思いました。散体とはやはり…侍の「死」でありますまいか。勇を失う。義を失う。不動明王に見放される。諦めたらそこでゲームセットなんだよ…の散体とは侍にとっての「死」なのであります。
アンちゃんが見ようとした時に八丸はそこに居る…というのは相手がどう見るかの問題であります。そしてそれは生きてる人が死んだ人をどう想うか?ぶっちゃけ、忘れないか?と同じであります。斉藤由貴さんの「卒業」に「守れそうにない約束はしない方がいい」というフレーズがありますが、それでも約束してくれる人が一人でも居れば安心して死ねるな…と僕は思いました。八丸はまさにその心境なのでしょう。八丸の生き様を見続けた僕にしてみればアンちゃんの対応は些か厚遇に思えますが、アンちゃんがそれを善しとする以上、余人がどうこう申しますまい。少年少女もこんな風に思える…思って貰える誰かと出会えたらいいですね。
恐らく、精神体(不動明王)となった八丸は「物質世界」には関われないのでしょう。…という事はこの「流星剣」が最後の一振り?!なのに…なのに…何故、それを描いてあげないの!?大気剣で無雲を粉々にした「星砕き」ではしっかり描いたのに(第16話「星砕き」)。これじゃー八丸が成仏できないよ!!これから星になる八丸をしっかりと描いてあげるのが親心なんじゃないの!?まさか「散体して死ぬのに!?意味ないよ」なんでしょうか(笑)。それにしてもこの「流星剣」には余りにも情けがない。余りにも「愛」がないよー!!!これが週ジャンの…岸本先生のやり方かァ!!??(おかずクラブ風)
まーきっと、八丸の生き方にも問題あったんだろうね。僕も彼には好感を持っていませんし(笑)。やっぱ、普段の行いだと思いますよ。人は見てないようで見てるし、見てるようで見てないもんだけど、その人がどんな風に生きてるかをある程度は評価しているものです。これで八丸が誠実(な性格)で、ちゃんと修行してるとかあればもっと違ったと思うけど、八丸は何もして来なかったし、達麻だって何も教えなかったじゃない。どっちもどっちだけど少なくとも八丸は「愛されるべきキャラ」ではなかったように思います。それがこの物語の主人公だったんだから打ち切りも納得ですが、僕らはそこから大いに学ぶべきなのであります。
僕が親だったら自分の子に「八丸みたいになりたくなかったら学校でちゃんと勉強しなさい!!」って言ったと思います(笑)。実際、八丸の問題の多くはファンダメンタルな教育が不足していたところに起因していましたから、8パパ亡き後の保護者である師匠の達麻が何で八丸に教育を与えないのか甚だ疑問でした。だから、八丸の不出来さとは八丸だけの問題ではなくその環境に多くの問題を孕んでおりました。誰かがそれに気付いて八丸に教育を与えていたならもう少し違った未来があったように思います。もしそうして八丸が自分で考える足場や手掛かりを得られていたら八丸はもっと違った行動が出来たと、僕は思うのであります。
八丸は一生懸命に生きていなかった…生きられなかったのだと僕は思います。それは教育がなかったから。自分の置かれた状態に疑問を持ちそれを改善して行く知恵がなかったから。それは周囲の大人(=環境)の罪なので、八丸を責められません。有り体に申し上げれば、八丸はものすごく可哀想な子なのであります。だからこそ、少年少女は八丸から大いに学んで欲しいのです。皆さんが何でガッコで勉強するのか?こんなの社会に出たら必要ないよー(意味ないよー)!!と思うような学問(の入り口なんですが…)に向き合っているのか?全ては八丸のようにならない為…おっと失礼!!…問題を見つけ出しそれを解決に導く思考を養う為なのであります。
それを「論理的思考」と呼ぶのですが、皆さんがボールを追いかけたり鬼ごっこしたりして知らぬ間に体を強くしているように、教室で黒板と教科書に向き合って取り組む勉強によって皆さんの脳(=心)が鍛えらるのであります。皆さんは考える事を学んでいるのです。それはまだ「学問」と呼ぶのも烏滸(おこ)がましい程の「学びの学び」であります。そして、その意味すら分からないくらい皆さんは「無学」なのであります。だから先生方も教えるすべがない。少年少女はそういう難しいお年頃なのであります。でも、今僕が書いてる事。八丸がどんな子だったか…くらいは覚えておいて欲しいです。あの時、変なおっちゃんが何か叫んでたなー…くらいでいいので(笑)。
人生とは後悔の集積体です(笑)。僕くらいのおっちゃんともなれば「もっと勉強したらよかった…」は定期であります。しかし、それに気付けるのは時間がかかるのじゃ(笑)。だから、取り敢えず…でいいので、勉強して下さい。そして、皆さんが「考える力」を身に付けられれば、自分と自分を取り巻く環境の問題点というものが見えてきます。そうしたら、それをどうして解決していけばいいか?を考えられるでしょう。そうなればしめたものです。どんどん自分をプロデュースできるようになる。同時にそうして備わった理解力が皆さんを誠実に変えて行く…。その好循環の中で自分(の人生)にとって何が重要なのかが見えてくると、僕は信じています。僕はそれをズーッと見守っています。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想②
「ずいぶん成長したな」(アタ)
「実力もだ
今のオレは武神不動明王だからな」(八丸)
「武神の名を軽々しく
口にするなと言ったはずだ!
若輩者の戯れ言など認めん!!」(アタ)
「若輩者ね…
時間は相対的なもんだ
お前とオレが
同じ速度で生きてると思うな
それに武士…侍・流派
武神…そんなものはもう
どーだっていい
そんなもん
人生の小さな変化の一部についた
長ったらしいただの肩書きだ
それを全部ひっくるめて
オレをどう見るかだろ?
それでもどう見るかは人による
元金剛夜叉流で
達麻師匠の弟子…
裏切り者で烏枢沙魔流
無比力のアタ
アンタにももっと別の
長い大層な肩書きが
あるんだろーが
オレから見れば
アンタは——
親の仇だ」<スッ>(八丸)
八丸が別時空で猛烈な成長を遂げた事になっておりますが、そんな八丸に対するアタさんの反応が僕には極めて真っ当に感じられます。八丸が何をしたと言うの?何を成し遂げたの?散体して偶々悟りを開いて不動明王のいる「上層次元」に入り込めたのにしても、あれって八丸の勘違いで偶然そうなっちゃっただけですよね。八丸は自分を救いに来たナナシ君が偶然「七志」を名乗っていて、それがアンちゃんの亡兄の元服名だった事から、自分が散体しても誰かと(気持ちが)繋がってれば消えないかも知れない!!という半ば荒唐無稽な思い込みで散体してみたら上手く行っただけでこれを「悟り」と評価してはいけません!!
そもそも八丸が自分と繋がってると思い込んでいるアンちゃんの亡兄には一度も会った事もなければ、心が通じ合うエピソードもありません。八丸はアンちゃんからその存在を知らされただけで、カスりもしてないキャラです。しかも、切腹の儀に失敗して亡くなってしまったから散体すらしていないので、「上層次元」で不動明王のネットワークの一部になる「精神体」の要件を満たしていません。それは8パパも同じ。その二人の精神体(イメージ)が八丸(一角)が散体したロッカーキューブに手を押し当てて祈ってましたけど、じゃー「精神体」とか「上層次元」の意味ないじゃん!!と、何だかもーめちゃくちゃなお話(笑)。
人が「切腹の儀」でロッカーボールの承認を受けてキーユニット(鍵)と侍魂にメタモルフォーゼして、それがロッカーボールに入って侍になるんだよね。そして、その侍が散体して悟りを開いた者だけが「上層次元」に達して不動明王になる…というのが不動明王が考え出した「侍システム」だと思うんだけど、それを八丸は全く無視してるだけなんだよね。不動明王がそんな八丸に何も言わないから八丸は「これでいいのだ!!」と思ってるんでしょうが、それにしてもイキリ杉。実際、八丸が修行熱心で達麻に師事してしっかりと修行を積んでいた…とか、これまでのミッションで大いに活躍して武功を挙げた…とかでもありません。
主人公でありながら声援や合いの手を入れる程度のモブでしかない八丸が、いきなり「不動明王だ」とか「実力もだ」とか言っても、もしここにミルコが居たら「おまえは何を言っているんだ」と睨みつけられて震え上がったんじゃーないでしょうーか(笑)。回し蹴りで頭破られるよ!?(笑)岸本先生は何か思い違いをされているのではないですかね?取り敢えずテキトーに(何の考えもなく)何かをやっていればそれがいつか(偶然に)繋がって役に立つと真剣に考えてませんか?それを第23話「それが何の役に立つ!」感想⑤でも指摘したけれど、僕はそれは絶対に間違いだと思うし、少年少女には見習って欲しくありません。
『NARUTO -ナルト-』が空前の大ヒットを遂げたのはお話と画が素晴らしかったからだと思いますが、実は編集さんがほぼほぼ作っていて岸本先生は言われるがままお描きになってただけだった…とか?だから、「他人の手が入り過ぎて自分の作品だと思えない」というようなコメントが残っている?そして、今度こそは自分のアイデアだけで作品を作ってヒットさせたい!!と思って『サムライ8 八丸伝』を始められた。岸本先生は『NARUTO -ナルト-』のノウハウと仰るが…あの頃、編集さんにボツにされたネタ?!で、結果…一年持たず打ち切りの憂き目。それは別にどうでもいい。先生が描きたいものを描けたのですもの。
これは岸本先生の作品であります。岸本先生の描きたいように描けばいいのです。それが面白いか面白くないかは読者が判断する事。結果、面白くなかったから打ち切られただけです。そこから分かるのは岸本先生が『NARUTO -ナルト-』の成功において何も学べなかったのだという事。そこで成功の法則…と申しますか、面白い作品を作る為に何が必要か?という事…要するに「ノウハウ」を学ばれなかったんだろうと『サムライ8 八丸伝』をしっかりと読ませて頂いた者としては感じています。『NARUTO -ナルト-』の世界的な大ヒットと八丸が散体時、悟りを開いて偶々不動明王になった『サムライ8 八丸伝』の相似形…。
どちらも偶然だったという事。何も考えずにやってた事が偶々繋がって大したものになった。岸本先生にはそれが当たり前なのではないですか?だから、『サムライ8 八丸伝』で八丸に考えさせようとしないし、学びも努力も要求しない。そんな事をしなくても気付いたら成功してるから!!みたいな人生観が岸本先生にはあるんじゃないですか?現に八丸も自分だけの時空でみるみる成長して、目を瞑ってジッとしてるだけで金剛夜叉流の全てを習得して、ステータスも「∞」になりました。免許はダウンロード。修行はボチボチ。悟りは偶然。知らない間に不動明王になってました…そんなのアタさんじゃなくても怒りますって(笑)。
そして、一番頭に来るのが、アタさんの「肩書き」を八丸がつらつら論(あげつら)うところ。「大層な肩書きが…」とかまあ…利いた風な口を叩いてますが、偶然手にした「不動明王」という「肩書き」に寄っかかってんのは八丸じゃーないの!?八丸は(偶々)不動明王になったから修行も努力もオミットして金剛夜叉流の全てを習得しちゃったのにね。ただそれだけの奴が二つの流派で免許皆伝まで成し遂げた先輩をこき下ろせるメンタリティが僕には理解できない。そして、これが岸本先生の思考そのものなら、岸本先生が『NARUTO -ナルト-』の作者という「肩書き」に寄りかかってる姿は僕には一番…八丸らしく見えるよ(笑)。
少年少女は心して聞いて欲しいです。偶々成功する…という人生もあるでしょう。でも、何も学ばずに成功したところで、その成功においても何も学べないから、ラッキーが永遠に続かない限り、次のチャンスで必ず失敗します。事実、『サムライ8 八丸伝』は歴史的な駄作であります。少年少女の教育においては「有害図書」と言われても仕方ないくらいの代物です(笑)。少年少女はこれをどう見るか?どう考えるか?であります。少年少女にはただ無為に事物をばら撒くのではなく、常に学び、常に考え、努力を惜しまず、精進を忘れず、自分の目的に向かって邁進して欲しいです。行動して欲しいです。一生を懸命に生きて欲しいです。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想①
<ガッ>「!?」(アタ)
「何だ!?」(刀が…届かん!)(アタ)
<ファアアア>
<ガチャ>
<ファアアアアア>
「何だ
この空間は!?」(アタ)
『アタ 下がれ』(カーラ)
『H粒子が
停止しかけている』(カーラ)
「カーラ様」(アタ)
『奴の周りが
不動に近づき時空が
ズレ始めたのだ
気をつけろ』(カーラ)
(こいつらの周りだけ…
時間が進んでいるのか!?)(アタ)
「!!?」(ニリ姫)
<カッ>
<バキ>
「!!」(達麻)
「どなってる!?」(花一)
「!
こ……これは…」(達麻)
「金剛夜叉流の全てを
習得したぞ!!」(八丸)
「うん!」(アン)
先週、一角を乗っ取った八丸がアタさんの黒刀で斬られて散体…となったところからの続きですが、一角の体が散体してロッカーキューブになったものにアンちゃんが祈っています。それを邪魔しようとアタさんが斬りつけたようですが何故だか刃が立たないようです。そうしていると、竜騎に繋いだ八丸のオリジナルの鍵(キーユニット)の周りに8つの侍魂が集まって人型を作り始めます。この侍魂は恐らくは○角シリーズのもので、八丸の侍魂も一角に渡っていましたから都合8つで一応計算は合いますね。それでページを捲ると八丸だけじゃなくてアンちゃんも覚醒の時を迎えています。二人ともちょっと大人っぽく仕上がってますね。
しかし、何で今なのか?…と。八丸はオリジナルの散体で「上層次元」で不動明王と接見を果たし、不動明王のネットワークの一部に組み込まれた事で「無限の可能性」を得た筈。だから○角シリーズを乗っ取れたんですよね。竜騎だってそのコントロール権を奪って沈黙させています。そこまで出来たのに少なくとも一角に乗っ取った個体は以前の八丸のままで変わりませんでした。それでサクッとアタさんの手に掛かり再び散体する羽目になってしまいます。八丸は既に悟りを開き「精神体」として不動明王のネットワークの一部になっているのに再び悟り直せねばならないオプションがあるようで、ここで再度悟り直しております。
もー説明しててもよく分かりませんが、一度、「情報体」に転生すると物質世界に干渉する為には何らかのデバイス(=肉体)が必要で、それを得る為に八丸はオリジナルの鍵(キーユニット)と侍魂、それと○角シリーズの侍魂を使ったようです。八丸は自分の鍵を起点にアタさんや七志が作った自性輪身を応用して受肉(肉体を得た)したのでしょう。そして、自分を取り巻く空間の時間を年単位で進ませてステータスを「∞」までアップした…と、まあ、そんなところでしょうが、これが出来るんなら○角シリーズを乗っ取った時にやっとけやー!!と思います(笑)。不動明王になったから好き勝手できてるのに何で悟り直さないといけないの?
出てきた時にここまで出来ないのは悟ってないって事じゃーないの?百歩譲ってアンちゃんのレベルアップが追いついてなくて、土壇場のイベントで整った…にしても、アタさんの「黙斬り」なんて乗っ取った竜騎のインフラ(侍の盾やトラップ)を展開して防げたもんね。ニリ姫も健在だけど、ニリ姫のいるブロックごと竜騎からパージ(切り離し)してアタさんに対するバフがけを止めさせるとか、他にもやれる事一杯あったのに何もせずに無駄にピンチに陥って、そこから見事に復活出来ましたー!!(その上、金剛夜叉流の全てを習得したぞ!!)とか言われても、バカなの!?アホなの!?としか思えません。
しかし、ここまで読んで納得できた読者って居るんですか?悟りを開いて不動明王になった八丸が何でここで悟り直さないといけないのか?時間を進めただけで何でステータスがマックス(∞)になるのか?(←特にこれは「8」を横に倒して「∞」ってしたかっただけだもんね)が全く意味不明に成立しています。見た目がお兄ちゃんとお姉ちゃんになっただけで。「全て習得したぞ!!」とか強引過ぎて、そんなのお前が言ってるだけだろーッ!!ってツッコミしか浮かばないです(笑)。扉絵の白い刃の侍と髪の長い姫って、達麻の心眼が見た未来ですよね。でも、ここに至る苦難が全く描かれてないから何の感慨も湧いてきません。
これって八丸の切腹の儀で達麻が心眼で予知した八丸の未来ですよね。それが再び使われるって、ホントは最高潮に盛り上がるところなんだけど、全く盛り上がらない。誰か、盛り上がってるっていう人がいるなら教えて欲しいです。全部詰め込んで終わらせる為に尺を割り振った結果なんでしょうが、もう少し何とかならんかったんでしょうか?何とかならんかったから打ち切りなのか?打ち切りだから何ともならんのか?物語の出来は「結び」で決まるんです。長い小説だって最終ページが楽しみだから読めるんだから。僕だって最終話にこんな事を書きたくはないけど、これしか書きようがない。ホント…すみません!!
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想⑥
<ギン>
<チラ>(アタ)
「!!」(アン)
<ズバッ>(アタ)
(アレは…黙斬り…か!)<ズズ>(八丸)
「は…八丸くん!!」(アン)
「ニャン!!」(早太郎)
<ズズ…>(そう――…)(八丸)
「やだ……!!」(アン)
(こんなオレに力を貸してくれて…
優しく心配してくれるアンが…
いつから好きになったんだ)(八丸)
「アン…
オレは…君を死んでも守るって
言ったけど…」<ズズズ…>(八丸)
「…うん…」(アン)
(アンは兄さんとオレを
重ね合わせてただけかもしれない
今にして思えばそれでもやっぱり…
オレはそれが嬉しかったんと思う)(八丸)
「…こんなオレでも…
まだ信じて…祈ってくれる?」(八丸)
「……いいよ…」(アン)
「それは…
どっちのいいよ?」(八丸)
<ニコ…>(アン)
(ありがとう)「分かった…
やってみるよオレ」(八丸)
(オレがアンを好きになったのも
アンの中に消えない兄さんの想いや…
父さんの死の間際での約束があった
からこそなのかも…なら――…)(八丸)
「やってみるんじゃない…
やるんだ!」(八丸)
(その繋がった力
全部で――)(八丸)
「君を守る」(八丸)
さて…次週で打ち切りが決まったけれど、最期の最後まで気を抜かずに行きますよーッ!!(もう遅いけど…)『サムライ8 八丸伝』のチャンバラが一撃必殺で、チャンチャンバラバラになってないのが残念ですが、それは剣技において斬撃の有効範囲がデタラメな為に「間合い」(の取り合い)に意味がないからです。その為、剣術の基礎である「足捌き」や「体捌き」といった「捌き」や「踏み込み」が不要になり、身体の効率的な動きを各流派の剣技特性に最適化した「型」ですら最早、プログラム発動の詠唱と同等の意味合いしかなく、ぶっちゃけ先に剣技を当てるか相手より出力の大きな剣技を出せば勝ちというのが何とも…(笑)。
ちな…斬撃の有効範囲がデタラメ…というのは、斬撃が飛ばせたり、明らかに実体剣(刃)の長さよりも大きなものが斬れてしまうという事でありまして、ナナシ君と八丸が「戦車入刀!!」でケーキ戦車を真っ二つにした時から危惧してました(笑)。こんな事してたら「間合い」とか関係ないじゃん!!ですから、殺陣(たて)で何が面白いかって、「間合いの取り合い」なもんで、これじゃー「刀」で戦う意味すらない(笑)。何で自分で自分の存在意義をかき消しちゃうかなー…って、僕はズーッと思ってましたもの。そんな事してるから打ち切りの憂き目を見る事になったんじゃん。これは誰が何たって残当な結果ですよ!!
…っていうかねー。この作品は自分の言ってる事を言ってる尻から自分で否定しますよねー。今回だって「散体は死ではない(寧ろ悟りだよ)」としたその直後に悟った筈の八丸のコピーが黒刀で強制散体させられて「悟るヒマも無しかよ」とか言ってたかと思うと、最後に残った一角はなかなか散体せずにゴニョゴニョやって「君を守る」(8→∞)でしょ。「悟るヒマなし」は何処行ったんだよー!!舐めてんのかよッ!!だもんね(笑)。こんな茶番見て誰も何も言わんのか!?直接言えないならコソっとラインでも飛ばせよ!!(笑)「先生、自己矛盾してますよー」って。「武士の情け」だろーよ(笑)。
まー…そんな訳で作品が散体した訳ですが、この前フリとして「散体は死ではない」としたんなら大したもんですよ!!全盛期の長州力を怒らせるより難しいーよ(笑)。でも、いろんな設定が刀で斬り合う戦闘スタイルそのものを陳腐化させ、剣戟を描き難くしてた…大技一発の淡白なやり取りしか描けない事実は消せないのさ。それがまともな「殺陣」が一度も描かれなかった理由なんですわー。連載一年を目前に「打ち切り」を食らった岸本先生も傷付いてるでしょーが、読者も随分と悔しい想いをした。大久保先生はこんなクズネームの清書は大変だったでしょうが、作画の練習になったんじゃーないですか!?
さて…最後のパートのアタさんと八丸のやり取りですけど(やっと書けるー)、ここはなかなかいいんですよ。先ずアタさんがアンちゃんに<ブン>と「黙斬り」を飛ばしてますよね。これは斬撃に見えないようにアタさんが演技しています。ちなみに…剣技の詠唱すらないのとモーションが小さいので斬撃としても弱くて一角の強制散体が弱かった…という風にも考えられますが、それは黒刀の剣圧や剣勢が強制散体に影響する提示…具体的にはアタさんがアンちゃんを庇って黒刀を浴びた一角に(浅かったか…)ぐらいに悔しがる演出が必須です。だから描写が自己矛盾だと取られちゃうんだけど、それは自業自得であります。
厳しい指摘はこの辺で、アタさんがその後、突っ込んできた八丸(一角)の刃を受けた後、視線をアンちゃんに向けてますよね。この描写はアタさんの目の動きで八丸がアンちゃんへの斬撃を察知したのではなく、これこそアタさんの「誘い」なのであります。「誘い」とはボクシングなどの「フェイント」みたいなもので、もっと上級者になると「殺気」だけで相手に自分の攻撃意図を考えさせ、相手の次の行動を誘導できるのです。この場合はアタさんが八丸に(アンちゃんに)「黙斬りを飛ばしたよー!!」的な不安を煽り、八丸にアンちゃんを庇わせようしたんです。だからアタさんはワザと八丸に分かるように視線を動かして八丸を誘導したのであります。
もし、ホントにアタさんが八丸をバフる(祈る)姫が目障りで殺しちゃおうと思ってたなら「黙斬り」で時間差を設ける必要もないし、ましてたその意図を八丸なんて初心者にあからさまに分かる動きも要らないです。鈍(なまくら)を飛ばすとか、普通も斬撃を飛ばせば済む事です。それなのに「黙斬り」をアンちゃんに飛ばして目で八丸に「誘い」を入れたのは八丸に黒刀の斬撃を浴びせる為です。アタさんは八丸が「候剣」を持っている最悪の可能性すら見越して最善手としてアンちゃんをデコイ(おとり)にして八丸を取りに行ったのです。それがアタさんの目の「誘い」の真意であります。初歩的な詰将棋(三手詰み程度)ですが(笑)。
アタさんはここで普通に斬撃をアンちゃんに飛ばして八丸の注意をアンちゃんに向けて、その隙を突いて八丸に黒刀をぶち込む手もありましたが、それだとアンちゃんが傷付いてしまいます。アタさんはアンちゃんが怪我したり死んでしまったりするのは避けたかったのかなー…と僕は思います。何故なら、アタさんはこの後、八丸とアンちゃんの会話を邪魔しないように見守っております。僕だったら往生際の悪い八丸に黒刀でもう一発入れとくけど、それだとアンちゃんが怪我するかも知れないし(笑)。これ見ると、案外、アタさんっていい人だよねーと思います(笑)。早太郎が何の役に立ってないのはもう見ちゃダメだよー(笑)。
しかし、どう考えても変だなーと思うのは八丸です。八丸は散体後に悟りを開いて不動明王化(精神体化)して「上層次元」に到達して不動明王のネットワークの一部に組み込まれた筈ですよね。だから、○角シリーズを乗っ取って『マトリックス』のスミスみたいに動かせたんだし、竜騎のコントロール権も奪えたんですよね。それなのに何でステータス値が前のままなんですかね。巨大ネットワークのデータを使い放題で無双できるんじゃーないの?ネットワークだけなの!?二角〜七角なんてアタさんに瞬殺されちゃったし、髪の色が変わっておでこに太極図まで刻んだに…八丸の不動明王化って大した事なさ杉ーッ!!(笑)
それに先にも書いたけど、二角〜七角までが瞬殺の強制散体なのに、何で一角だけ死ぬまでに猶予(=悟るヒマ)があって、何でそれをアタさんが黙って見てんの!?仲良しかッ!?いちいち描写に整合性がなくて、ここなんか直前の描写とですら矛盾があるのに、登場人物の一人としてそれをフォローしようとしないって、もう学芸会以下なー。おまけに二度目の散体する八丸のロッカーキューブを祈ってるのがアンちゃんなのはまー分かるけど、8パパとアン兄は普通の人間だし、アン兄なんて八丸と何の面識もない人。それが八丸を応援するんだとしても…たった3人だけって、えらく少ない人間関係で草。何でこれで「∞」になれんの?!
大体、八丸みたいに何の学びもなく、何の努力もなく、散体しても勘違いで不動明王化して、解脱しちゃたー!!って簡単杉ませんか?そんなら不動明王だらけになってないとおかしーだろーよ(笑)。その前に、普通に考えて八丸みたいなアンポンタンに世界を救われたいと思わないんですけど…。こんなのに救われる世界が可哀想です(笑)。ホントならここ…もうサイコーに胸熱展開なのに主人公が人としてどうかしてるので応援できません!!もしかしてそれで八丸を応援するのがアンちゃんと8パパとアン兄の三人だけなの?!それはそれで整合性があるけど、ここはもっと盛るとこでしょーと、打ち切り作品に鞭打つケルベロスであります(笑)。
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 ハチマル ケルベロス 了
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想⑤
『計画は破棄だ
切り渡した私の侍魂を使え』(カーラ)
(ええい…!!)<ガチャ>(アタ)
「!!」(○丸)
<ズババババ>(アタ)
「ぐああ!!」(○丸)
<ズズズズズズ>(○丸)
「何だ!?」(八丸)
「ロ…ロッカーキューブ!
キューブ宇宙域ではロッカーボールじゃなくて
し…四角柱なんです!」(アン)
※説明はこんな感じに流れの中で誰かが解説すればいいと思いました。今までだったらいちいち流れを切って達麻がウンチクを垂れてましたよね。こういう感じに簡潔に必要な情報を提示すれば何ページも要らない。一コマで充分なのだよ!!こういうので良いんだよ!!ってアンちゃんの説明シーンで図らずも思ってしまいますた(笑)。
<ズズ>
「じゃあこれ…!
散体してるって事か!?」(八丸)
「カーラ様の黒刀だ」<ズズ…>(アタ)
「斬った者を
全て強制的に散体させる
次はお前だ」(アタ)
「えげつねーな…
悟るヒマも無しかよ」(八丸)
<ズズ…>(アタ)
「!?」(竜騎が言うことを聞かない?)(アタ)
「!」(アタ)
(何かあったようだな…)<ブン>(アタ)
※この周辺の描写がスピード感があっていいです!!アタさんの思索にカーラさんとの関係性も見え隠れして非常に多くの示唆を含んでいるように感じます。情報量が多い描写ですね。それとアタさんはここで「黙斬り」を出してるんです。僕はこういう高度な剣戟を待ち望んでいました…が時期遅しでしょうか。ここでのアタさんと八丸のやり取りに関しては次の感想で熱くまとめてみますね(笑)。
「アン」(八丸)
「う…うん!」(アン)
「また一から計画をやり直しだ
お前らは斬る」(アタ)
カーラさんは八丸の不動明王化(精神体となって不動明王の一部になった)を察知して「合鍵計画」そのものを破棄してしまいます…が、何故だかカーラさんはアタさんに「八丸が不動明王になっちゃったよー!!」というように具体的にその危険性を伝えないんです。それが僕はすごく気になっています。事実、八丸によって○角シリーズはあっさりと乗っ取られてしまって、竜騎にもアタさんは拒絶されます。それは八丸が○角シリーズや龍騎をハッキングしてコントロール権を奪ったからで、八丸の鍵を一瞥したアタさんにもネットワークにおける八丸の優位をアタさんも気付いていくんです。ここでの温度差の描き方がすごく興味深いです。
カーラさんとアタさんに情報量の差がある…と申しますか、カーラさんからアタさんに対する情報統制が存在している…。ついさっきまで壁にチューブで繋がれ、四肢ばかりか鍵や侍魂まで奪われて本当に転がっていた八丸が突然「本質が不動明王(のそれ)」になっていますが、普通は「何で!?」と疑問に思いそうだけど、アタさんはカーラさんに指示されるまま行動して、自分で考えている感じがありません。それでも竜騎にアクセスするも拒絶されたところでやっと(何かあったようだな…)という程度に異変を感じていて、咄嗟に「合鍵計画」の破棄を決めたカーラさんとアタさんの危機感がまるで違います。
八丸があっさり悟りを開いて不動明王になっちゃった…というのが突飛過ぎるんですが、散体しても意識を残して「精神体」となり「上層次元」に移行する=解脱(?)は実はすごく簡単です。アタさんくらい優秀ならそのノウハウさえあれば簡単に解脱できちゃうんじゃないでしょうか?カーラさんはそれが分かっている…つまりカーラさんも不動明王化しているから、八丸がどのようにして不動明王化(精神体化)したのかに触れないようにしているのではないか?と僕は疑っています。カーラさんは何らかの理由があってアタさんには不動明王化して欲しくないと考えているのではないでしょうか。
ところで、不動明王化ですけど、これは仏教の「阿頼耶識」(あらやしき)という考え方(感じ方?)を当て嵌めると理解しやすいかも知れません。ざっくり言うと「一つの命が一つの宇宙の中で転生を繰り返す」というような考え方があって、「行い」が「業」(ごう)として蓄積され「阿頼耶識」という「識」(=意識、心、生命力…「阿頼耶識」は「八識」あるうちの最深層)を形成していると考えられています。それぞれの「阿頼耶識」が存在し、それぞれに時間も法則も個別…別々の宇宙という考え方で、それらを八丸の不動明王化に適用すると、不動明王(オリジナル)と八丸の明らかな見識の相違、齟齬がフラットになります。
人間だろうが侍だろうが知ってる人だろが知らない人だろうが身内だろうが他人だろうが、死んでも想い(志)は残り繋がっている…というのが八丸が考えた世界の法則…その結果が「阿頼耶識」であります。それが勘違い、或いは思い込みであろうと、散体してハードウェア(=肉体)を失ってもH粒子に精神が保持されて「精神体」として転生が許される…というルールを不動明王(オリジナル)が定めてまして、それによって八丸は転生を果たし自分の「阿頼耶識」を固定できたのです。データ保存する為には必ずハードウェアが必要になります。「肉体」という拠り所(ハードウェア)が「H粒子」に変わっただけなのですが…。
不動明王と繋がる事で情報集積体に蓄積された知識を扱えますし、逆に不動明王は新しい知識を得るメリットがありウィンウィンの関係です。また八丸の様子を観察すると意識に関しては解脱前後でほぼ変化していません。それは不動明王のネットワークの一部になったとしても八丸の「自我」が保持されているとう事です。つまり、防壁を介して両者は繋がっているのです。あるいは不動明王が八丸の自我を尊重している可能性もあります。多分、不動明王も八丸と並列して存在する「阿頼耶識」の一つなのだと思います。それと不動明王は言及していませんが、不動明王と繋がる義務も本当のところはないものと思われます。
それがカーラさんの不動明王に対する認識やそれに起因する危機感とフィットします。僕はカーラさんもまた転生者であると考えます。しかし、カーラさんは防壁を固め不動明王とは繋がらなかった…。同じ理由でカーラさんはアタさんにも転生して欲しくないのだと思います。ところで、不動明王とカーラさんや八丸との違いは物質世界に関わる為のデバイスの違いでしょう。八丸は自分の鍵を起点にそれと接続していた○角シリーズの鍵を侵食しました。カーラさんも散体(転生)後、自分が残した鍵を起点に再度受肉した筈。それに対して不動明王はH粒子(彼の三輪身の一つ)として宇宙全体を満たした為に再び受肉する術がないのでしょう。
不動明王がこの宇宙に来てすぐに創ったカーラさんは人間族や鬼族よりも上位の生命体であろうかと思います。転生後の受肉方法に関しては更なる描写が必要です。さて、ここでアタさんが一角以外の○角シリーズを黒刀によって散体させてしまいました。八丸が「悟るヒマも無しかよ」とボヤいてるように、八丸が乗っ取った個体は「情報体」として固定されずに消失したようです。○角は個別に行動できているのでそれぞれに八丸のコピーがインストールされていた筈ですから個々に転生が可能だったのでしょう。しかし、できなかった…つまり、一度悟りを開いても散体毎に悟る(意識を保ったまま死ぬ?)必要があるのです。
状況から判断するなら、八丸の場合は今乗っ取りに成功している○角シリーズが一掃されてしまえば、再び受肉する為には八丸の残された鍵を再びロッカーボールに差し込むなどの物理的な支援が必要になるでしょう。そして、残された八丸の転生の依代(よりしろ)は一角1体のみなので八丸は何気に大ピンチであります。カーラさんがアタさんに虎の子の自分の侍魂を切り渡したのは恐らくこの局面を想定していたからだと思います。ところで童子斬高綱も赤い侍魂でしたけど、黒刀とは違う何かしらの能力があったのかも知れませんね。烏枢沙魔流はそれをマストで回収しようとしてました。童子斬高綱・血吸が今は達麻の手にある…というのも何か意味がありそうです。
ちなみに「転生(不動明王化)」とは明晰夢(めいせきむ)のようなものなのでしょう。夢を見ながら「これは自分の夢だ」というアレです。「眠り」と「死」はとてもよく似ています。例えば赤ちゃんが眠り際に泣いてお母さんを困らせるのは「眠り」が怖いからです。それをお母さんが抱っこして赤ちゃんの背中をトントン叩いて子守唄を歌いながら歩き回ると寝てしまいます。あれは寝る事そのものを忘れさせるテクニックです。より原始的な命にとって「眠り」とは「死」そのものなのであります。自分が眠っている事を意識しながら眠る事は難しいです。同じように自分が死んだという認識を持ち死んでも尚意識を繋ぐのも難しいです。
しかし、この世界ではそれさえできれば「散体」しても「死」が「死」ではなくなり、意識は「情報体」として転生を遂げられるのです。「転生(不動明王化)」とは「阿頼耶識」を知覚する事なのであります。ホントにちょっとしたノウハウなので、これを何で不動明王は広く告知しなかったんだろうと思いますが、それは不動明王もカーラさんで懲りていて、八丸のようなどうしようもないアンポンタンの方が御し易いので人選に気を遣っているのかも知れません(笑)。そう考えると不動明王の目的とは情報集積体の定期的なアップデートという極めて保守的(?)で世界の安寧とはかけ離れたチンケな欲求に思えて悲しいです(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想④
「やっと……完成したな
これからお前には大きな役目がある」(不動明王)
「?」(八丸)
「行け
私の代わりに皆の夢を叶えるのだ
今のお前は全てとつながっている
お前の可能性も——
宇宙の無限と等しく広がっている」(不動明王)
「!!」(○角)
「何だ…
このステータスは?」(○角)
『オレのだ
いや…オレ達のだ』(八丸)
<ガチャ>(○丸)
「!」(アタ)
<ガチャ><スゥーーー…>(○丸)
「髪が…白く…!?
何だ!?何が起きてる!?」(アタ)
<バッ>(○丸)
「!?」(アタ)
<ズパッ>(○丸)
「キャ!!」(アン)
<ザッ>(○丸)
「!!」(アタ)
「お前達……!」(アタ)
<ガッ>
「まさか!」(アタ)
<スパッ>
「ニャン!」(早太郎)
「え…え!?」(アン)
「アン!オレだよ
八丸!助けに来た!」(八丸)
「ど…どういう事?」(アン)
「オレ達全員
八丸って事!」(八丸)
『そいつらは八角に見えるが
本質は不動明王のそれだ』(カーラ)
「カーラ様!?」(アタ)
不動明王の太鼓判(完成したな)が八丸に捺されたので、八丸の認識がどうであろうが八丸が何事も決めたという意義において八丸は不動明王と同等の存在になった…という風に無理矢理にでも思い込まないといけない雰囲気ですね(笑)。それはそれでいいとしまして、不動明王が言う「皆の夢」って何ですかね?そんなのこれまでに提示がありましたっけ?「皆」っていうのはこの世界の住人だと思いますけど、宇宙の総意というか?皆が夢見るような目標ってそんなの何処で決められたのか?誰かわかる人居ますか?僕も相当注意深くこの作品を読み込んだ積りですけど「皆の夢」って言われましても…何の事やらです(笑)。
そもそも達麻が夜叉さんの勅命を受けて「パンドラの箱」とそれを開ける為の「7つの鍵」を探してたんですよね。そこで50年かけてやっと八丸という「1つめの鍵」が見つかりました。しかし、八丸は烏枢沙魔流の「合鍵計画」にも関係していてアタさんに狙われる羽目になって八丸が捕まって切り刻まれてしまった…。それを侍・七志が助けに来たところでいきなり八丸が悟りを開いて不動明王になってしまった…のですが、その中で「皆の夢」が示された覚えはございません。百歩譲ってそれが「パンドラの箱」だとしても、この世界に住んでる人は「パンドラの箱」の存在すら知らないですよね。葉芽道も知らなかったと思いますよ。
やっぱこれも不動明王が決めた「皆の夢」なんでしょうか。それか死んだらそれを自覚していようがしていまいが関係なく全ての生命は「精神体」として不動明王に繋がってネットワークの一部となっていて不動明王に筒抜けなのでしょうか?しかし、それだと八丸が自性輪身として完成して不動明王(=精神体=情報の塊)になったというのが反故にされますまいか?やはり、不動明王の言う「精神体」とはH粒子で構成されていて散体しても尚、死んだと思い込まずに意識を消さずに「上層次元」に移行できた侍が「不動明王」(=精神体)となってネットワークの一部になれる…普通の人間の死とは一線を画す特別な存在であるべきです。
まー細かい事はいいとしまして(←エーッ!!??)…全てと繋がって可能性が無限大の八丸が○角シリーズを乗っ取っちゃうんですけど、その時、○角らの髪が「白く」なっちゃうんですけど、八丸の髪ってカラー頁だと「茶髪」ですよね。それなのに何で「白く」なのかなー?と思ったのですが、これは不動明王化した八丸の髪の色なのですよね。○角のおでこの白抜きの巴文様(八丸は黒ベタの巴文様でした)も不動明王化した八丸と同じ太極図に変わっています。しかし眼球はネガポジ反転はなくて虹彩も通常で、不動明王化された八丸と完全一致ではありませんが、7体の○角にはそれぞれ八丸の意思が通っているようです。
○角シリーズは八丸の鍵の能力を自らの鍵に還元する為に鍵同士を繋げていましたから、八丸は自分の鍵に対して不動明王のネットワークからネゴシエートして、その鍵と有線接続していた○角シリーズにハックしたのでしょう。恐らく侍は基本、スタンドアローンの筈ですので如何に不動明王の巨大なネットワークであっても誰彼構わずハックできる訳ではないと思います。それができるならアタさんやカーラさんを乗っ取っちゃえば詰みですからね(笑)。しかし、八丸が○角シリーズを乗っ取るにしても当然○角側からの抵抗があったかと思うのですが、そこは上位のネットワークの強みで防壁を突破できたんだと思います。
それが心配になって助言するカーラさんの『八角に見えるが本質は不動明王のそれ』という事なのだと思います。今や八丸は不動明王のネットワークの一部でありますから、もしかしたら全ての流派の免許すら使用可能かも知れません。八丸にどこまでの権限が与えられているか?が分かりませんが、カーラさん的には危険度が高いから注意した方がいいよ…というニュアンスがあったと思います。ただ、免許が皆伝されていたとしてもステータスが要件を満たさないと剣技は使用できません。八丸のステータスが唐突に現れていますが、これは八丸の免許がダウンロードされた時と同じで1ミリも進歩してないのがよく分かります(笑)。
これだと使用可能な金剛夜叉流の剣技は「剣腕」くらいじゃなかったっけ。そんなんで何ができんの?ってお話ですが、一応、「勇」のステータス数値の倍数でステータス(パラメーター)の底上げが可能というルールがありまして、八丸は「8倍」だったんですよね。それでこの「8」がきっと横に倒れて「∞」になるんだよー(棒)と言われてましたが、その場合も「カリスマ」の「0」がが足を引っ張っています(笑)。「0」には何を掛けても「0」でガッコで習っているので不動明王が何と言おうとそこだけは譲れません。八丸が不動明王化した事で「カリスマ」だけでもドンと跳ね上がっていたらよかったのに何故だかそのままでした。
もしかしたら、「カリスマ」の「0」も実は「0.000001」みたいな数値で限りなく「0」に近いけども数値としては「0」ではない…という逃げ道を残している可能性があるのかも知れません。どうせ「∞倍」になるんだからどんなに小さな数値でも問題ありませんから!!でも、そんなセコイッ!!(笑)大気剣の会得条件の「カリスマ=0」でオKというのも取って付けた感が半端なかったけど、折角時間を掛けて説明された設定の数々なのに子供騙し過ぎて痛い…痛いです!!しかし、本当に怖いのはそんな生易しいのではなくて、岸本先生が「実はそこまで考えていませんでした!!」って事なんですよねー…(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想③
「精神体はH粒子から構成され
記憶・想い・予感・「義」を宿し宇宙と繋がり
そのネットワークの一部となる
つまりお前も
情報集積体の一部となったのだ
だが散体した大抵の者は
己が死んだと思い込み意識は消える
肉体から離れ上層次元に
移行している事に気付く者は少ない
記憶・想い・予感・「義」も消える事なく
そこにあり続けるのに…
だがお前は散体の前に悟ったようだな」(不動明王)
「そこまで大げさなもんじゃねーけど
七志って友達が気付かせてくれたんだ
アンの兄さんは死んだそうだけど…
志は生きてたんだって
七志となって現れ
兄さんと同じ「義」を持つオレを助けた
アンを助けるために…
感じたんだ
兄さんは死んでるはずなのに
その志は生きているように思えた」(八丸)
「ア…アナタはまるで兄さんだった…
兄さんが私の側に戻って来てくれた気がした…
し…死んでもまだ…じ…自分の「義」守ろうと
してくれてるって…」(アン)
「アンもそれを感じてた
だから散体したって死ぬわけじゃないって
そう見る事が出来た
オレの全部が誰かに繋がってて消えないんだって」(八丸)
一個前のパートで不動明王は「完成された自性輪身は肉体を捨て精神体だけとなる」と言っていました。なので、ここで取り上げる「精神体」とは散体した侍の精神を意味していて、侍になれずに死んだ…普通に死んだ人間は除外すべきかと思います。つまり、アンちゃんの亡兄・七志は「精神体」としては存在していないと考えるべきです。何だか八丸と不動明王のやり取りを見ているとその辺が曖昧で人間も侍も死んだら皆んな「精神体」として「上層次元」に移行する…くらいに八丸は思い込んでいるんじゃないかと不安になります。アンちゃんの亡兄・七志の「志」は同じナナシだった現・七志に乗り移ったと八丸が感じただけなのですよね。
偶々、同じ街で暮らす孤児・ナナシだったので、八丸を救いに来た七志に「志は生きているように思えた」と自分の想いを一方的に重ねただけだよね。それはアンちゃんが八丸に兄を重ねたのと同じで、皆んないいように解釈してるだけで、不動明王が八丸に説明する「精神体」が「記憶・想い・予感・「義」」を継承するのとは次元が違うお話であります。そして、それが「悟り」を開いたとされる八丸の見解っていうんだから、そんな自分勝手な解釈で「完全された自性輪身」になれるっておかしくないですか!?と僕は思います。テストで「答えは(偶々)合ってた」けど「思考過程がまるで分かってない」みたいな感じですわ。
これは「マークシート形式」なら問題ないけど「記述形式」だったらアウト!!ですよね(笑)。それでアンちゃんの亡兄・七志のようにたとえ死んでも「志」は残るから散体しても死ぬ訳ない!!というような説明を八丸はしてますけど、それ自体がもう日本語として意味が分からないし、第41話「侍・七志」で八丸は「自分がどうあるかは自分で決める」と言って散体したんじゃないですか!?それとも整合性が保てなくて、本当に大丈夫なんですか!?と心配になっています。多分、たとえ死んでも想いは誰かが引き継ぐ!!みたいな精神論を言ってると思うんだけど、それと「侍システム」の「精神体」は全く違うものですからね。
侍ではない普通の人間の死であっても「志」が残るんだから、八丸の全てもきっと誰かに繋がってる筈!!だから散体しても死なない!!という思い込み以外の何物でもない理由をドヤ顔で説明するのを不動明王が「そこ…ちょっと違うんだけど…」と、何で訂正しないの!?(笑)もうやってる事も言ってる事もめちゃくちゃ!!(笑)それと八丸の言葉遣いですけども、やっぱりバカは死んでも治らんのですかね(笑)。僕が神様だったらこんなに救われない魂は永遠に生まれ変わらないように輪廻の輪から解き放ってあげ…って、そのお積りで不動明王が八丸を「上層次元」に解脱させたんならGJなんですけどー(笑)。
不動明王が八丸に対して寛容なのは、八丸の真贋(しんがん)に興味がないからなのではないかと、僕は考えています。「侍システム」とは完成された自性輪身=精神体(H粒子から成る情報の塊)を「上層次元」に取り込む罠(トラップ)みたいなもんじゃないですか?それで散体した後、偶~に八丸のように「上層次元」に現れた精神体を不動明王のネットワークに繋がって情報をアップデートしてる…それは人が飯を喰らうのと一緒で、情報集積体としての欲求が「情報の収集」として発露してるんではないでしょうか?不動明王は内容は兎も角、より多くの情報が欲しいだけで、八丸の真贋を含めた品質に関して興味がまるでないのです。
リアルのインターネットでもその情報は玉石混交です。ファクトチェックは利用者が行い必要なデータを使用しています。それに不動明王は得られた情報を何に使っているのか明かしていませんが、例えば不動明王が僕らのグーグル先生の成れの果てみたいな存在であったなら、利用者が存在しない情報ネットワークにあって、それでも稼働していられるのは情報を集める事自体が目的、或いは自らの存在理由になっている可能性があるでしょう。それだと八丸がめちゃくちゃな悟りを自慢しようともスルーできると思います。不動明王にしてみれば八丸であっても偶にしか手に入らない貴重な情報の塊なのですから。
ところで、八丸の外見が不動明王に寄せられてますね(笑)。それとアタさんの候剣で失われた四肢は復活し、顔の傷も失せています。また背中にサンゴが生い茂って、眼球がネガポジ反転してまして、虹彩が「パンドラの箱」と「マンダラの箱」になっています。おでこの巴紋文様も陰陽(インヤン)がしっかりと絡み合ったデザインになっています。また体の両脇に無くしたはずの「鍵」(キーユニット)と侍魂が浮かんでいますね。不動明王の両脇にはそれがないので、両者は完璧には一致していないのでしょう。まーでも…この作品は説明が多いねー。その説明が納得できるならまだいいけど矛盾ばかりで滅入りますわー。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想②
「八丸!
何でなの!?
どうして……」(七志)
「!!」(七志)
「……」(この感じは……!)(七志)
「気付いたか
この次元に来た者は
そう多くない」(不動明王)
「これって……」(八丸)
「完成された自性輪身は
肉体を捨て精神体だけとなる」(不動明王)
「……
精神体?」(八丸)
「その者が持つ情報の塊だ
散体は死ではない
本来 自性輪身として完成し
情報の塊…
つまり不動明王となる事だ」(不動明王)
「……じゃあ!オレって これ…
本当に——
不動明王になったって事!?」(八丸)
それで…八丸の方はと申しますと、やはり散体しちゃったみたいです(笑)。ここで八丸が還元されたローッカーボールを前に途方に暮れる七志が何をか感じています。これは七志が「免許のDL」で感じた気配…不動明王を示唆しているのではないかと、僕は思います。七志は明らかにナンバーズ(=名前に漢数字を冠するパンドラの箱の鍵侍)ですから、その免許のダウンロードに際して不動明王との接見がプログラムされています。そこまで七志が短期間で達する為に彼には優秀な師匠がいなければならないと僕は考察(第41話「侍・七志」)しました。この時、七志は八丸のロッカーボールに不動明王の存在を感じているのです。
それで久々に不動明王の登場です。不動明王の口が変な形に曲がっていますが、これは左右一本ずつ突き出た「牙」を象徴したデザインで不動明王像に共通する意匠です。当然宗教的な意味もあろうかと思います。それと余談ですが、「H粒子」の「H」が不動明王の「H」だと僕は思ってたんだけど、外国の方々にとっては「Fudo Myo-o」(バリエーションあり)で「F」なんですよね(笑)。ま…多分、岸本先生は「Hudou Myouou」のお積りだと思いますが仕方ないですね(笑)。それと海外での『サムライ8 八丸伝』の評価をツイッターでちょこっと調査してみまたんですが、「面白い!!」とか「最高!!」が多くてびっくりしました。
僕が接触したツイートが偏ってる可能性も否めませんが、海外ではそこまで漫画作品に対して深い心理描写や人間の成長を求めていないんではないかと感じました。この作品をポジティブに評価した人達にはアミューズメント(=気晴らし?)としての嗜好が強いのかなー…と。和風のデザインの侍のSF剣劇…その割にはチャンバラシーンが少ないけど(笑)…それだけで充分に面白いと感じているのかなー?もしかして僕が作品に対して求め過ぎなのかなー…と不安になったけど(笑)、僕は岸本先生の『NARUTO -ナルト-』を骨の髄までしゃぶった者としてやはりそれと同等のクオリティを期待したいと思います。
A Perfected incarnate body leaves the flesh behind...
...To Become nothing but a Spiritual being. (Fudo Myo-o)......Spiritual? (Hachi maru)
The amalgamation of all information the individual possesses.
To Discorporate is not to die.
In It's Original Sense, It Means to complete one's incarnate body.
To Become a mass of information...
In other words, To become Fudo Myo-o. (Fudo Myo-o)
それと最近は英語訳のセリフを読むようにしてて非常に興味深いので紹介させて下さい。「incarnate」は「転生する」でユーミンさんの楽曲で聞き覚えがありました。完成(Perfected)された自性輪身(incarnate body)は肉体を捨て(leaves the flesh behind)…というところ…とても上手く訳したなーと思いました。この訳し方から難解な「自性輪身」が向かうべき先が見えた気がします。ぶっちゃけ、不動明王は人間を情報集積体に押し上げる為に「侍システム」(ロッカーボール)を創出したという事が今回提示される訳ですが、その意図が英語だとよーく分かります。こういうのを見ると非日本語で作品を楽しむのもアリだと感じます。
「その者が持つ」(the individual possesses)「情報の塊」(The amalgamation of all information)とか唸ったもんね(笑)。週ジャン本誌を見て「ここどう訳すべき?」と考えながら読むんですけど、こういう英訳は先々まで考量しないとこういう風には訳せないです。これは英語の勉強にもなると思います。それに続く「散体は」(To Discorporate)「死ではない」(is not to die)でも「散体」を「Discorporate」としたんだー。「corporate」の反対(Dis-)ですね。バラバラにした…みたいな感じ方ですね。精神と肉体を分ける…解釈でしょうか。この辺は宗教観が絡むのでしっかり考えた事でしょう。
その後に続く「自性輪身として完成し」(It Means to complete one's incarnate body. )「情報の塊…(になるという事は)」(To Become a mass of information... )からは不動明王の目線で「情報集積体」を「A mass of information」と読み取れます。つまり、「不動明王」はいろんな情報が寄せ集められた「状態」を「侍システム」を使って創り出そうとしてるのが分かります。これはこの先をより深く理解する為の大きな気付きになると僕は確信します。それと非常に蛇足ですが「In It's Original Sense, 」(本来の意味では)や「In other words, 」(言い換えると)はよく使うので覚えておくといいなーと思いました(本当に蛇足)。
さて物語の中身に進むと…八丸は本当に散体してしまったんですね。それで不動明王の存在する「次元」…というか、これは「階層」ですよね。そこに到達します。これは一種の「解脱(Liberation)」なのかな…と個人的には思いました。不動明王曰く八丸が「自性輪身として完成した」という事なのですが、えらくやっすい(=簡単な)悟りだなー…(笑)。また「この次元に来た者はそう多くない」と不動明王は言いますが、八丸みたいななーんもやって来なかったアンポンタンでも来れるのに何言ってるのか意味が分かんない!!(笑)日々精進し一生懸命修行を重ねた侍がこれ見たら絶対に怒りますよ!!(笑)
しかし、「そう多くない」って事はここに来た侍は少数だけど他にも居たんだー。それは誰なんだろう?その侍は今、何をしているんでしょうか?それが金剛夜叉流の夜叉さんや烏枢沙魔流のカーラさんだったりして?!でも…もしかしたら、人間の意識を「情報集積体(A mass of information)」…ちなみにこれを第35話「侘び寂び」では「Information aggregation」と訳してて不動明王と新規は違う意味がありそうで興味深いです…に昇華させるのが「侍システム」の目的であって、向こうの世界(八丸達の世界)はどんなに悲惨な状態であれ「侍システム」を維持できればオKだと不動明王が考えて行動してるなら、八丸達にとっての巨悪…倒すべき敵は不動明王だと思えるんだけど…。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第42話 次の流れ星 感想①
<スッ>
「これは…逆だ」(一角)
「逆?」(二角)
「オレ達が
八角に吸収されてるんだ!!」(一角)
一角~七角の「内なる宇宙」において八丸の能力の還元が行われていましたが、一角らのキューブの欠損(黒い穴)が一向に埋まらず、代わりに8個のキューブが寄せ集まり大きなキューブ(正六面体)が組み上がって行きます。一角はそれを見て「八角に吸収される」と焦っているようですが、別に吸収されてないよなー…と僕は思いました(笑)。烏枢沙魔流の「合鍵計画」でフルタ博士(8パパ)が拵えたデザインチャイルドが一角~七角で、その時、アノマリー(anomaly)として八丸が発生しましたが、きっと彼らの原本になる素体(「パンドラの箱の鍵」の素養を備えた剣士)が存在するんだろうと僕は思います。
そもそも彼らは一個の個体だったんですよ。その個体の「箱の鍵」に関わる遺伝子配列を「鍵穴」に合わせて変化させて一角~七角(○角シリーズ)を造る…それが「合鍵計画」の骨子だったのでしょう。この時、烏枢沙魔流は「棘星=マンダラの箱」を確認していて、当然その何処かにある「鍵穴(キーユニットが挿さる穴)」…を確認していたのだと思います。先ず「鍵穴」ありきでないと、その「鍵(=キーユニット)」をデザインできません(汗)。恐らく、烏枢沙魔流は天然の「鍵」である剣士を確保していて、その剣士の遺伝子情報を素体にして○角シリーズを生産したのだと思います。そして、それは○角みたいな少年だった…。
元々、○角シリーズは一個だったと考えれば、今、○角シリーズの「内なる宇宙」で起こっているキューブの集結は八丸による○角シリーズの「吸収」ではなく「統合」であると、僕は思います。一角~八角(八丸)のキューブが寄せ集まる大きなキューブとは一個から一部を改変されて複製された個性の集結を意味していて、これによって歪だった(…と思われる)八丸を含めた○角シリーズの個性(性格や能力)が統合されて、主に八丸にあった問題が解決されていくのではないかと、僕は考えます。また「箱の鍵」としても一本化されて、マスターキー…「全ての鍵穴に適合する鍵」が完成する可能性を感じます。
しかし、「棘星」は「マンダラの箱」であると同時に不動明王の「ロッカーボール」でもある訳です。それをどう解釈するかの問題も残るかと思います。箱の開け方…と申しますか、「7つの鍵」がなければ蓋が開かない「箱」である「棘星」が同時に「ロッカーボール」であるとするならば、その何処かには「切腹刀」が刺さっていて、それによって適合者が切腹したらどうなるか?という疑問であります。僕は「棘星」の何処かに刺さっている「切腹刀」を見つけ出した何者かが「切腹の儀」を行う展開が残されているのではないかと期待しています。そして、それができる可能性が最も高いのは苺ちゃんです!!
苺ちゃんには心眼が備わっていますから、「棘星」の何処かに存在する(かも知れない)「切腹刀」だって見付けられるでしょうし、何より花一さんが「(苺ちゃんは)銀河一強い侍になる娘だ」(第36話「花一と五空」)と太鼓判を捺しています(笑)。明らかに苺ちゃんは花一さんが期待する最終兵器・彼女なのですよ。きっとそうなる為の「覇王の卵」(ベルセルク)が「棘星」(不動明王のロッカーボール)なのだと思います。それに苺ちゃんはまだ生身の人間です。侍の構造から「切腹の儀」は一回こっきりの二度漬け禁止(切腹しても傷口が塞がるから)ですので、苺ちゃんと三打しかその余地がないのでハチマルは一も二もなく…苺ちゃん推しです!!(笑)
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 感想余話
人生とは「川を流される木の葉のようだ」と、僕は常々考えております。ハチマルの記述を「木の葉」で検索したら2件引っかかりました(笑)。どちらも少々お怒り気味で書いてるので、『サムライ8 八丸伝』のお話の中で岸本先生と考え方の相違があったのでしょう(笑)。簡単に説明すると所詮、人は川を流される木の葉みたいに無力で魚のようにスイスイ泳いで好き勝手できる自由なんてないんだよー…っていう救いのない考え方なんですが、木の葉もジタバタすれば若干向きを変えられてジッとしてたら見れない景色を見れたり、川の分かれ目で運が良ければ違う流れが掴めたりもする…その程度の自由はあるというお話です。
逆に言うとそれっぽっちの自由しかないのが人生なのであります。夢と希望に溢れる少年少女には誠に申し訳ありませんが、人生なんて道程も行き先も何もかんも予め決まっててつまらない…とても退屈な物語なのであります。極々稀に流れてる川に橋を架けたりダムを拵えたりするとんでもない木の葉が居たりしますが、そういう人は特別で将来教科書に載るような偉人さんであります。殆どの木の葉たちは何もできずに流れに乗っかっているだけです。でもその中にあってもジタバタ足掻いて自分の向きくらいは変えられます。そしてジタバタと性懲りも無く足掻いた木の葉だけがちょっとだけ違う景色が拝めるのです。
まーでも、僕の知る限り宇宙を飛び回って大冒険してる子も見た事ないですし、よくある週ジャンの主人公みたいな子も当たり前ですが居ません(笑)。そこそこお金を稼げるようになっても住宅ローンや子供らの教育費やらで、帰り道のセンベロ(本来は1000円ちょっとでベロベロに酔えるセットメニューの筈が実際には軽〜く酔った気分になれるセットメニューですかね)が唯一の贅沢だという人が沢山います(笑)。それに人生はなーんもしなくてもそこそこ捗ります。だって川を流されているのですもの(笑)。でもそれで我慢できないのがまた人情で、ちょっとは自分の向きたい方を向いてみたいと思うものなんですよ。
どうにもならない人生であっても、それをどうにかしようとして人は踠(もが)いて足掻(あが)いてジタバタしている訳です(笑)。そうやって僕らは生きているのです。それは自分で考えるという事。今、自分にできる事を必死に考えているんです。それが人の「主体性」であります。人は与えられたほんの少しの自由をどうにかして活かそうと考えるべきなのです。めちゃくちゃ不自由で自由なんてほんの少ししか与えられてないけど人は一生懸命、考えてジタバタする…それが人が生きるという事なのだと、僕は思うのです。「主体性」を持って川の流れに身を任せてこそ、人は生きているのだと僕は思うのです!!
不動明王は「侍のシステムを作り後世に託した」としています。そして「パンドラの箱」と「マンダラの箱」に自分の力を封印した…と。これは「後は君らでよろしくやってよ!!」って意味だと思うんですが、そんな事を不動明王自身が言っちゃいけないと僕は思うんですね。もっとジタバタしなきゃ!!って(笑)「私は生きているとも死んでいるとも言えるパラドックスの…」とか言ってるじゃないですか、自分の生死すら分からないのは不動明王がジタバタせずに流されてるだけだからです。つまり、不動明王は既に「主体性」を失っているんです。それは生きてはいないという事。不動明王はもう死んで(い)る…のです(笑)。
そもそも不動明王が作り上げたこの世界も随分です(笑)。間に合ってなくても間に合ったと言い張るし、相手がどう思おうが自分で決めちゃうし、死んでるか生きてるかも、世界の在り方すらも好き勝手に決められるんですよ!!そんなの自由ではなくて秩序がないだけです。強情な方が優位に立てるシステム故に譲れないだけなのですが、そんなの嫌だからカーラさんが御破算にして一からやり直そうとしてるんですよ。それは極めて正常な行動です(笑)。カーラさんのは主体性のあるジタバタです(笑)。まー不動明王が身動きできないから「後は頼んだぞ」なんでしょうが、僕はカーラさんを支持しますね(笑)。
カーラさんがどんな世界を構築したいと考えるのかが示されていないのでもっと酷くなる可能性もありますが、不動明王よりはマシかと思います(笑)。不動明王は「不完全だから美しい」と決めた(=プログラムした)んですよね。だから「そのままでいい」という解釈になるのでしょう?僕はそれが人生においてジタバタしていないのだと思えるんです。価値観(プログラム)の違いなのでしょうが、常識的には「不完全」だからこそ「完全」を目指して自分で考えてジタバタするのだと思います。それが生きるという事なのだと僕は思うのですが、この世界は違うんですよ。何もしないでも世界の方が都合よく変わっちゃう(笑)。
でもそれが八丸だけならギリ…破綻しませんが、もしも「俺も俺も!!」になったらもうめちゃくちゃになります。つまり、このシステムを維持する為にはただ一人の願望のみを世界に反映するしかないのです。前回はそれが不動明王だっただけで、今度はカーラさんがシステムにハックしようとしてるのを不動明王が達麻らを使って阻止しようとしてるだけなんですよね。今ある世界が人々を幸せにしてるんなら何も言いませんがそうじゃないですし、少年少女が「世界(人生)ってこんなにチョロいんだー!!」とか勘違いしたら困るので、僕は全力で否定したいと思います。「侘び寂び」なんて糞食らえ!!だと(笑)。
サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 感想余話 ハチマル ケルベロス
サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 感想⑦
(オレが…不動明王に……)(八丸)
お前の両面を知っていれば
どう見ようとするかはその人によるものだ
大切なものは目に見えぬ
まやかしが本質を曇らせるだが気付いていないのだ
本質をまだ見ぬレベルになければ
認識できない
自分の事をそれこそどう見るかだ「死んだ猫」かはたまた
「生きてる侍」か
お前達が決める事だ
どう見せるかも
今の私は生きているとも
死んでいるとも言える
パラドックスの中にあり
お前の見方次第で決まる思い込みで閉じ込めている
箱のフタを開ける鍵は
己自身が握っているものだ
お前の可能性は
無限と等しく広がっている
「そうか……
そういう事だったんだ…
七志…ありがと
気付かせてくれて」(八丸)
「!!」(七志)
<ズオオオオオ>(八丸)
「八丸!君…
散体してるよ!!」(七志)
「心配すんな
自分がどうあるかは自分で決める
不動明王のように
死んでるか生きてるかも
オレが決める事にすんだからよ…」(八丸)
<ガチャ><ガチャ><ガチャ><ズズ…>
「穴が埋まらない!?
一体どういう事だ!?
合体していくぞ!」(○角)
七志は八丸より短い侍歴において恐らくは非常に濃密なスケジュールで修行に励んだのだと思います。だから、高速で移動する敵艦に気付かれずに接近でき、剰え自性輪身を駆使して敵艦に潜入まで果たせたのであります。若干、侍魂の真剣化は稚拙な部分を残しておりましたが、この短期間にここまで仕上げたのは大したものです。何より、七志が単身(キーホルダーAIのサポートはあるものの)で重大なミッションを遂行しようとしているところに七志の独立自尊の精神が感じられます。これまでほぼほぼ観客の合いの手要員だった八丸とは真逆の上出来さでありまして、読者としても七志の言葉には力を感じます。
八丸はと言うと口では「諦めてなんかねーよ!!」と言っておきながら、その直後に「伝説のオレの師匠ですら勝てなかったような奴だぞ!」と自らを速攻否定するパラドックス状態です(笑)。もうすでに心もポッキリと折れていて、これが義常やムジンさんだったらとっくに散体してるレベルです(笑)。八丸くらい思い込みが激しいと鍵(キーユニット)を抜かれようが、侍魂を奪われようがパカパカ開くハリボテの体のみになっても自我すら保ち続け、決して散体しない…不動明王がプログラムした侍システムの「死なないパラメータ」(←もしあるなら…)において八丸は最強なのです(笑)。
ところで七志の「義」と「勇」に関してですが、八丸なんていうどクズのアンポンタンに依存しているのはハッキリ言って危険です。七志は八丸を「一生助ける事」がその「義」でとしていますから、八丸が「君(←八丸)、散体してるよ!!」<ズオオオオ>となれば一緒に散体してもおかしくないからです(笑)。でも、ま…ここで七志が八丸の散体(?)に引っ張られて後追い散体しなかったところを見ると、七志が八丸を「一生助ける」のもその頭に(自分の為に…)がくっ付くのかも知れません(笑)。七志は先々まで見通して生きているのではなく、今この瞬間を全力で生きているだけ…。
七志には姫は居ませんが、八丸がチラッと七志を見て、「ありがと」の一言でも発してくれればそれこそ「勇」も満タンなのであります(笑)。一個前の感想でも書きましたが、七志の姫は間違いなく八丸なのです。七志にとっては八丸のちょっとした仕草すら「勇」を贈る祈りに相当する…これこそ「恋」の力なのです。そして、もしこの「恋」がなくなってしまたら…なんて先読みは「もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対」なので(笑)、非常に危険ではありますが、七志の「義」と「勇」の在り方につきましては僕も認めざるを得ません。七志なら八丸が居なくなってもきっと大丈夫よ(笑)。
下手したらメンヘラ一直線の七志の「義」と「勇」ではありますが、若い時に斯様な経験を積むのはとても大切です。命懸けの恋なんて!!そんな経験ができる事自体…羨ましいです。七志は命懸けです。だって切腹したんですもん!!八丸と一緒にいる為に、八丸を助ける為に七志は侍になったんですもん!!そして、八丸の大ピンチに合わせていろんな準備を重ねてきっちり仕上げて来たのであります。そしてたった一人で敵陣に果敢に乗り込んで来た!!そんな七志だから読者も納得できるし、一番厄介な八丸ですら納得して散体(笑)…「そういう事だったんだ…」と悟りを開いちゃった訳だ〜ァ!!
でも、でもでもでも…です!!八丸は今まで何して来たんでしょうか!?何もかんも周りの人がやってくれて、週が変わったら八丸が別人化して、問題があっても何故だか相手が謝って無かった事になっちゃって、学びも気付きもなくここまで41週を無為に過ごして来て、ここに来ていきなり悟られて…誰が納得できるかっちゅーの!!(笑)確かに八丸は無知蒙昧(むちもうまい)が故に「死なないパラメータ」がMaxではありますが、思い込みの強さだけで悟りを開かれても、そんなめちゃくちゃな世界に誰も興味ないし、感情移入できませんて(笑)。それこそ他所(別の宇宙)でどうぞ…です(笑)。
八丸は何も為していません。何も為していないから何も学べていません。何も学んでいないから何も気付けていないのです。八丸が七志の言動に感化されたのは七志が何かを為し、何かを学び、何かに気付いて来たからです。それこそが七志にあって八丸にないものなのであります。ここで何も気付いていない八丸がいきなり「宇宙の真理」に目覚めてもパラノイアの発作じゃん!!(笑)こんなの…お薬増やしておきますねーとしか言えんて(笑)。それが如何にも八丸らしくはあるけど…自分が強く念じれば世界の方が変わってくれるとか甘えてんじゃねーよ!!何も為さず、何も学ばず、何も気付かないでも自分の願いだけは成就させて貰おうなんて虫が良すぎるわ!!
サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 ハチマル ケルベロス 了
サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 感想⑥
<ギン><ギン><ギン><ギン><ギン><ギン><ギン>
「何で…俺なんかのために
そこまで……」(八丸)
<ギュッ>(七志)
<スッ>「君は
ボクの最初の友達だ
そしてボクの夢を
侍としての「義」をくれた
君を一生助ける事が
ボクの「義」!」(七志)
「ナナシ…お前…」(八丸)
「…確か君は
流星の不動明王のようになるんでしょ!?
願いを叶える次の流れ星に!」<ギン>(七志)
「…こんな
…こんな今のオレを見ても
まだそんなことを……」(八丸)
「いや…信じてるよ!
だってそう思わせてくれたのが君だから
ボクにとってはもう
侍になる願いを叶えてくれた
不動明王にしか見えないよ」(七志)
『サムライ8 八丸伝』を読んでいて「そうだ」と思える事もあるし「そうでもない」とも思える事があります(笑)。僕は八丸の「師匠がどう思おうが失望されたかどうかはオレが決める事にするよ」というセリフを聞いて「意味わからん!!」(ビューティ風)と思うし、八丸がどんだけ忘れてようが、どんだけ意味も分からず喋っていようとも、それを七志が一言一句拾い上げ、全てを噛む砕き飲み干し五臓六腑に染み渡らせて人生の糧にする様を見て「その通りだ!!頑張れ!!」と思っています。つまり、八丸がやるとダメだけど、七志がやるとオK…になってしまうのだけど、この違いは何なんだろう!?…と。
僕は基本的に八丸みたいに自分勝手でガサツで行儀が悪くて無神経でクズでカスでDQNな子は嫌いです(笑)。だから、八丸が何をしても気にくわない…というのはあるにはあります(笑)。それを充分に自覚した上で物語を俯瞰しつつ公正な立場に立って八丸と七志を比較してみても、やはり八丸の考え方や行動は容認できません。それに対して七志のセリフや行動は物凄く共感できるのであります。これに関しては僕の好き嫌いの感情云々ではなく、二人の行動原理に決定的な違いがあるのではないかと思います。もう一度言います。僕は七志を支持しますけど、八丸は支持できません。そしてそれと好き嫌いは全く関係ありません。
七志は八丸との出会いによって引き籠りを脱っせました。それは何でかと言うと、ぶっちゃけ…八丸を好きになったからです。八丸と出会い、恋に落ちあわよくばケーキ入刀を果たし八丸と結ばれたいと思っています。これは七志の人生のロードマップ…目的であります。それを七志は侍としての「義」に据えているのです。八丸を「一生助ける」と。きっと、八丸に出会うまで七志はそういう風に思える人が居なかったのでしょう。七志が引き籠ってたのは自分の全てを賭けて関わりたいと思える対象が見つからなかったからなんだと思います。僕は七志のこの感情に対してとやかく言う積もりはこれっぽっちもありません。
七志は八丸に出会えたのであります。そして、好きになってしまった。これは七志の恋なのであります。それに理由を求めるのはそれこそ野暮というものです。何故なら、これこそが「運命」だからであります。「運命」に理由などないのです。七志と八丸が出会ってしまった。それだけでいいのです。それだけで七志は八丸を好きになってしまった。理由があるのだとしたらそれは「出会ってしまったから」なのです。これはもう…幾度も恋を重ねて酸いも甘いも噛み分けたおっちゃんとおばちゃんには分かる…分かりますよね。理由なんてないのよ。下手したら意味すらないのよー(笑)。人は理不尽に誰かを愛する生き物なんですよ。
誰が見てもどうしようもない八丸ではありますが、七志にとっては「白馬に乗った王子様」で良いのであります。八丸の存在が七志を支え、何よりも豊かにしているのです。七志が勝手に、一方的に八丸を愛し…尽くしたいと願っているだけ。でも、それが七志の「義」であります。それが七志の「勇」すら構成する…その意味において八丸は七志の「姫」でもある訳です。これはもう誰が何と言おうと余人が口を挟める道理がない…七志が定義する七志の世界なのであります。それ故、七志は八丸を「不動明王」…つまり、「神」だと言っている訳です。これはこれで七志の「オレが決める事にするよ」であり、僕も一応…納得できるんです(次で補足します)。
しかし、それは僕が八丸が嫌いで七志が好きだから…という理由ではなく、七志にはあって八丸にはない何かが分水嶺なっております。この世界の理屈は僕にもよく分かりました。確固たる意識が弱い意識を押し退けて実現する世界です。間に合ってなくとも間に合ったと言い張ればいいし、誰がどう思ってもそれよりも強い意識で上書きすればそれが現実になる。そういうプログラムを不動明王が書き残したのです。でも、七志はそれすら上書きする勢いで人生を歩んでいます。今一度、僕らも侍・七志をよく見るべきなのであります。彼が何を想い、今ここに居るのか?何を訴えているのか?それがとても大切…。
続きまーす!!(ここで気付けるか気付けないかが読者の分水嶺だよ)