サムライ8 八丸伝 第13話「勇を見た」①
第13話「勇を見た」
<ググ><ググ>(八丸)
「くっ!」(八丸)
「いい男だ
ここの守護侍よりは骨がある
だが…
力が足りぬ…
そして剣技もな」(アタ)
<ググ…>(八丸)
「お前らまとめて
終わりにしよう」(アタ)
『烏枢沙魔流――』(アタ)
「早太郎!!」(八丸)
「ニャン!」(早太郎)
<ズズ><ズズ…>
<ガッ>(八丸)
(両手に……!)(アタ)
<ギュ…><ググッ>(八丸)
(その程度で…!)(アタ)
<ズズズ>
(!?)(アタ)
「いっけーー!!!」(八丸)
<ドウ>
<ガッ>(八丸)
<ゴゴゴ…>
「…!!」(アン)
(飛行用のブーストを利用したか
キーホルダーとよく通じ合っている…)<ガガガガ>(アタ)
さて、遅くなりましたが第13話「勇を見た」の感想を始めますね。アタさんの血吸・童子切高綱が八丸の左胴体にぶっ刺さってまして、八丸がそこから反撃するところですね。八丸の侍魂がアタさんの首を捉えてはいますが押し切れないでいます。これはアタさんが血吸で八丸を押さえつけているから、八丸が身体を使えなくて力が出せないからだと思われます。人型で大きな力を出そうとする時は足裏(基底面)から腰、胴体、両腕…と大きな筋肉を連動させるのですが、体幹の自由がないので力が途切れます。
もっとも、通常だったら胴体を串刺しにされた時点で終わりですが…アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ…。しかし、八丸がアタさんの首に侍魂の刃を押し当ているのでアタさんも踏み込めず、八丸の胴体に刺さった血吸をこれ以上動かせないのも同じです。本来、刃を身体に刺したら、そこから三日月状に刃で弧を描くように骨を避けて内臓を抉って致命傷を与えるのが定石ではありますが、どちらも動けない…将棋の千日手のような状態です。八丸はそういう状況を利用して無くした左腕を再生させています。
これは八丸にしては融通が効いてて八丸らしくない感じもします。でも、ここでアタさんを食い止められなかったら皆やられてしまうので多少のチートは目を瞑りましょうか(笑)。八丸は更に早太郎に指示を出しています。八丸の右腕に纏った侍の鎧の一部を再生した左腕と右腕を渡して、小型ですが飛行用のブースターを発生させます。現状では上体を捻って力を出せないので、八丸はブースターの推力で両腕を推進させる機転を効かせたのです。器用に鎧や武器を錬成する要領でブースターを組み上げたんですね。
多分、侍の鎧のリソースは早太郎の外皮ですから、八丸の権限だけでは動かせないのでしょう。だから、その前に早太郎の名前を呼んで侍の鎧の一部を使用する許可を得なければならなかったのだと思います。一連の動きを見ていたアタさんも八丸と早太郎の連携は高く評価していましたね。八丸は上体が撚れないので腕だけでアタさんの首を斬る為にブースターの推力を利用するアイデアをこの土壇場で絞り出したんです。少しでも動かばアタさんの血吸で深傷必死の状況を一瞬でひっくり返すファンタジスタでした!!
しかし、アタさんも手練れですから、一旦後ろに飛んで八丸の剣圧を殺しています。すばしこくて捉えきれなかった八丸に折角刺さった血吸を抜いてでも後ろに退がらねば自分の首が危なかったのです。もしも、これが八丸の剣圧のみでアタさんが弾き飛ばされたのだとしたら、もっとアタさんの首は被害を受けるか、最悪、首チョンパ(←ふ、ふ、古ッ!!!!ドリフのアレなー)になってたと思います。しかし、アタさんが八丸の剣圧と同等かそれ以上の速度で退いたので斬れなかったのだと、僕は思います。
先の状態が既に千日手で指し直し必至でしたので、いい感じに間合いが切れてよかったです。この状況を作り出したのは八丸です。また一応、飛行用のブースターという事で一回こっきりではなく何度も推力を利用できるはずなので、アタさんが指摘した八丸の非力さをカバーできる駒を八丸は得たという意味ではアタさんの若干の駒損が拭えません。八丸はこれまでのダメージの修復のハンデはありますが、アタさん相手にかなりの善戦だと思います。しかし、サイボーグの身体の八丸が「非力」というのが若干引っかかります。
これまでもいろんな侍が登場していますが、どれも個性豊かでした。僕はサイボーグの身体を与えられた段階で一律、ロッカーボールテクノロジーの恩恵に与(あずか)れると考えていましたが、どうやらそれは承認された人間が上限を規定するようです。ロッカーボールが再現する「本来の姿」とは、その人間の「無意識の姿」なのかな…と思います。そして、その「無意識」がもしも…「魂」を意味するのであれば極端なアップデートは難しいと、僕は考えるのだけど岸本先生はまた別の見解をお持ちなんですよね。
「穢土転生」の時もそうだったんだけど、岸本先生の世界観は「魂」も後天的な記憶とか変化を受け入れているんです。それに対して僕はガチガチの「陰陽論」の信者なので(笑)、「魂」は不変であると考えててかなり食い違います。これまでのお話の中で葉芽道が「素振り」をしてたり、ムジンさんが明らかに歳を重ねて老いたであろう描写も存在しますので、サイボーグの身体であっても努力や精進でアップデート可能なのでしょう。できれば昔のアタさんの…願わくば…色白のヒョロガリ姿を拝みたいです(笑)。
それで、数々の修羅場を乗り越えてアタさんが今みたいにく、く…黒くて、か、硬くて、お、お…おっきく(☆☆)なったのであれば、若干、(よわっちい)インテリ眼鏡くん(かよっ!?)キャラの八丸も体育会系にアプデの可能性があるじゃないですか!!僕は修行の当初から達麻の説明が多くて、その内容も精神論に傾倒してたもんだからフィジカル面が完成してるもんだとばかり思ってたけど、今後の努力や精進で成長していける設定であるなら、それはそれで少年誌らしくて喜ばしいと思うのでバッチコイです!!
続きまーす!!