サムライ8 八丸伝 第16話 星砕き 感想②
「!!」
「流星だ!!」
「武神よ…
どうか我々をお守り下さい!」
————————————(←場面が変わっている)
<グラ><グラグラ>
<ゴオオオオ>
「達麻様のキーホルダーだ! ←コレッ!!
このまま星砕きをやっていただく!
巻き添えにならぬよう
退がれとの事!」<ブゥウッゥン>(葉芽道)
「何っ!!?」
「あの…達麻様が駆けつけて
くれたというのか…!?」
<ビッ><ボウ>
<ピッ><ボウ>
<ビッ><ボウ><ボウ>
<ビッ>
<ゴオオオ…>
「!?」(早太郎))
「止まった……」(八丸)
ここまで…よく分からなかった人も多いんじゃないかと思うので、老婆心ながら説明させていただきます。頭上の無雲が今にも落ちてこようと大騒ぎの地上から空に輝く一筋の光…町の人達にはそれが流星に見えたんですね。それが、「流れ星」の二つ名(異名)を持つ不動明王を連想させたんでしょう。そして、その次のコマへ…。ここはよく見るとチョンマゲに甲冑、或いはプロテクターを付けた面々がいます。よく見るとキーホルダーらしき獣もいます。これはきっと地上の描写から宇宙船(ホルダー?)の中…無雲の落下を阻止しようとする侍達…に視点がスイッチしたんですね。
それで、彼らの宇宙船の横を轟音と共に追い抜いていくのが達麻達の乗っているウミガメちゃんで、葉芽道はこれを「達麻様のキーホルダーだ!」と言っていますので、それを重視するならばウミガメちゃんは達麻に柄骨を提供して契約下にある達麻専用のホルダーです。ウミガメちゃんは単なる「ホルダー」ではなく「キーホルダー」で、早太郎などの描写から再生能力(自己修復能力)や侍の要求に応えて支援機器を提供できる立場とその能力を有する事になります。柄骨の複数所持は描写的には第一話「1つ目の鍵」からそれを仄めかす描写がありましたのでバックナンバーをお持ちの方は探して見て下さい。
それで頁を捲って真っ二つに割れた無雲に接近したウミガメちゃんの周りで複数の<ビッ><ボウ>なる擬音がありますが、これは例えばνガンダムのフィンファンネルのようにウミガメちゃんの周りに浮かんでいる球体のビットが無雲の破片を攻撃してる図なのだと思います。先に先行した侍達が無雲を攻撃して無雲本体から剥がれ落ちた破片がありましたから。それが地表に落ちて被害が出始めていましたね。それを達麻は手際よく排除しているようです。この辺はウミガメちゃんの裁量でチャチャッと対処してるのかも知れません。下手したらウミガメちゃんは喋るかもね!?楽しみですね(笑)。
それで、その非常に分かり難いコマの次の八丸の「止まった……」(「!?」は早太郎のセリフと判断しました)ですが、これはウミガメちゃんが止まった…という意味だと、僕は考えます。その前の攻撃で無雲が止まった…とも一瞬思えもしたので、ややこしいなと思いましたが、モニター(窓?)の外の無雲の前面の衝撃波がそのままです。この辺りの表現はアニメになったらすんなり入ると思います。『サムライ8 八丸伝』もきっとアニメ化されると思うんですけど、これまでのいろんな描写もアニメ向きだと、僕は感じていまして、きっとアニメ化を意識したネーム作りになってるのかな…などと邪推が…(笑)。
「八丸どこだ?
拙者の横へ来い!
今回ばかりは急げ!」<サッ>(達麻)
「!」(八丸)
「あ!はい!」<タッ>(八丸)
「アン!」(達麻)
「な…なんですか!?」(アン)
「八丸に力をかしてやってくれぬか
姫の祈りは侍を強くする」(達麻)
「?」(八丸)
「は…はい!
うーん姫からもそう…
そう言われています!」(アン)
「これから侍八丸の
本当の姿をみせてよろう!」
「?」(八丸)
「ち…力いっぱい祈ります!」(アン)
<ウィーン>
「が…がんばって八丸くん!」(アン)
「よく…分かんないけど…
行ってくるよ!」(八丸)
<ズズズ…>
<ゴオオオオ>
<ガコ>
「でかい…!」(八丸)
<スッ>(アン)
<ズズズ>(アン)
「…!?…なんか……
力が…湧いて…くる」(八丸)
「アンだ」(達麻)
過去にアンちゃんがロッカーボールを感知したシーンで、白い球体をイメージしていましたが、この場面ではこの白い球体は八丸なのだと思います。よく考えれば八丸の身体はロッカーボールでできていますので、ロッカーボールへの感受性が高い姫であるアンちゃんからすれば、今も八丸のイメージはこんな感じの白い球体なのだと思います。そして、アンちゃんはその球体に手を添えて祈りに入ります。そうしていると球体が大きくなっていく…。姫と侍はこんな感じに繋がっているという事なのでしょう。しかし、全ての侍に姫がいるわけではなく、その意味で既に八丸は特別な侍であるとも言えそうです。
明らかにアンちゃんの祈りが八丸に力を与えています。達麻も「八丸に力をかしてやってくれぬか。姫の祈りは侍を強くする」と言ってましたね。アンちゃんの場合は姫見習いとしてウーン姫に師事して修行していましたから、「祈り」の作法も習得に励んでいたんですかね。ここであるアン→八丸への力の伝搬(提供)の理屈こそ説明して欲しいところです。これまで「三身一体」とか形式(条件)の説明はありましたが、何でそれが必要なのか?という根拠が明確に示されていません。剣技と同じで、根拠が示されなければ考察ができません。「凄いから凄いんだ!!」では酔っ払いのオッチャン(←ケルベロスの事なー)と同じなので(笑)。
<ガチャ>「…八丸——
鍵を出せ」<ズズズ>(達麻)
<ガチャ>「…はい!」<ズズズ>(八丸)
「このまま拙者の技を
お前にトレースさせる」<ズッ>(達麻)
「本来なら金剛夜叉流の免許を
お前の鍵にダウンロードしてから行うが…
今は時間がない!」(達麻)
アンちゃんの祈りで力が湧いてきた八丸。今度は達麻が鍵(キーユニット)から例の触手を出して八丸と有線接続します。これで達麻の動きを八丸にトレースさせる…んだ!!??そんな事ができるんだ!?と思ってたら、「本来なら金剛夜叉流の免許をお前の鍵にダウンロードしてから行うが…」なんて、大ネタが飛び出しました!!これは予想された事でしたが、剣技に関してはダウンロード(→インストール)できる…それで済みなんですね。もしかしたら、達麻の鍵(キーユニット)の印籠って「ドングル」みたいなもんですかね。言うなれば…ソフトウェアである「金剛夜叉流」を不正に使用されない為の「プロテクトドングル」みたいなもの。
…という事はアタさんの鍵(キーユニット)にも金剛夜叉流の印籠が刺さってて、それに加えて烏枢沙魔流の印籠も刺さってるんですかね。しかし、軍事的にも重要な情報のプロテクトドングルなんですから、もしかしたら敵にそれが渡る可能性も充分に考慮されている筈だから、もっと上位の管理者権限でドングルにアクセスして使用不能にする二次、三次のプロテクトが掛かっててもいいです。実際、鈍(なまくら)にさえ生体認証ロックが掛かってて簡単に他者が扱えないようになってて、柄に爆薬すら実装(アタさんの鈍)してるのに、ましてや金剛夜叉流の免許皆伝などというトップシークレットがねー…とは思いますけどね。
多分、免許皆伝ともなると幾重もの審査があった筈です。そもそも師匠クラスともなると「心眼」が備わっていますから、免許皆伝のダウンロードが許可された段階で、アタさんは正常というか正しき金剛夜叉流の剣士であり、その後も決して変節しない見立てがあった筈なんです。それが単なる「私欲の為」に寝返りますかー!?(ブラジルの人ー聞こえますかー!?)なのであります。ま…あれは正しく達麻の大人の事情というアレだったのかとは思いますが、説明が多い割にそういう核心部分を濁してしまいがちなんですよね。条件は示すけど根拠は示さず…打つ手なしッ!!な状態を何とかして欲しいです(笑)。
八丸の審査とその承認に時間が掛かるから、取り急ぎ達麻の管理下で武式の一部分を第三者に使用させる権限を達麻は所有しているという事なのでしょう。しかし、達麻の「心眼」ですけど、例えば八丸の儀式で「白い侍魂…侍…姫」のイメージが見えたから「この子で大丈夫」=「パンドラの箱の鍵」と認定したようですが、余りにも自身の「心眼」を信用しすぎて失敗してる可能性ってありませんかね。実際、アタさんが離反して敵のNo.2になってしまってますし、八丸は理論的には「マンダラの箱の合鍵(の一部)」の筈なのに「パンドラの箱の鍵」と決めつけてますし、これも間違いじゃーないんですかね。
何たって達麻の立場はこの銀河…全宇宙の趨勢に関わるものなんですから、過去に失敗した実績のある「心眼」のみに頼るのは危険です。それに金剛夜叉流という組織が在って、それに達麻も所属してる訳で、そもそも独りで大切な事を決めるなんてのは有り得ません。もし、それを金剛夜叉流が容認しているならば、それは組織としての欠陥と言わざるを得ません。…というか、それをチェックする第三者機関とか政治組織もないんだったら、こんなのいくらでも崩せます。頑張ったけど失敗しちゃった!!<テヘッ><ペロッ>の達麻でこの物語がFinだったら名作確定ですけど、岸本先生が<ビクッ>っとしてませんよーに!!(笑)
続きまーす!!