サムライ8 八丸伝 第16話 星砕き 感想④
「この星は…
師匠と会って
侍になった場所で…
友達が出来た場所で…
アンと出会えた場所で…
なにより父ちゃんと
一緒に生きてた場所……
父ちゃんとの約束の場所
この場所はオレの――
ふるさとだ!」(八丸)
「ならいくぞ!」(達麻)
「いざっ!!」(八丸)
<フッ>(八丸)
<ズオ>
<ヒュガ>
「大気の刃……
これが…本当の星砕き…か…
伝説…通りだ!」(葉芽道)
葉芽道のいう「伝説」から想像するに、金剛夜叉流・大気剣で過去にこんな感じに星を砕いたんじゃーないかと、僕は思いました。例えばアタさんがやったようにその星の衛星を落としたか、どこからか巨大な遊星なり、小惑星を跳ばして攻撃した時に達麻がそれを大気剣で喰ってしまった…という伝説です。恐らく、大気剣は大気がないと剣技を発動できないと思うので、機動性にやや乏しいですが、自然を利用しているので核爆発のように汚染物質を残さないので、防御技としては打って付けでしょう。しかし、これだけ膨大な量の大気を租借して対象を攻撃するのですから地上は大荒れになってもいいのに、そうでもないようです(笑)。
それに、巨大な大気の渦でミキサーにかけるように無雲ほどの巨大な質量の物体を粉々に粉砕したのでしょうが、その粉塵は何処に行ったのでしょうか?リアルの隕石の衝突でも衝突時の莫大なエネルギーがその星の生態系すら破壊してしまうんですが、巻きあがった粉塵が太陽光を遮蔽して氷河期みたいな冬の時代が訪れて恐竜が絶滅した説すらあるほどですから、それが無雲ともなると全くもって冗談じゃありません!!(笑)。でも、描写では巨大な剣が無雲を飲み込んだ次のカットで地球(仮)の周りに三本のリングが漂ってますんで、いい感じに宇宙空間に放出しちゃったんでしょう。めでたし、めでたしです!!(笑)
これをもっとスマートに実行するならブラックホールでも作り出す剣技があればいいと思いました。侍魂の鋒(きっさき)に強力な重力場を作って相手に打(ぶ)つけるとか、相手を空間ごと切り取っちゃうとか!!実は石川賢先生の『虚無戦記』で、既にそのようなアイデアは使われていまして、「暗黒洞」(あんこくどう)だっけかな…球を投げつけたり、自分自身をブラックホールに変える「暗黒劫洞」(あんこくごうどう)なんてのもありました。ちなみに弥勒王(無幻弥勒)の「虚空斬破」は空間そのものを斬って相手に打つけたり、空間を斬ったところから異空間に入り込み突然現空間を斬り裂いて出るオッタマゲもありました。
ある意味、『サムライ8 八丸伝』と『虚無戦記』は似てる部分があります。特に『虚無戦記・MIROKU』は忍者や武士が登場して共通点が多いです。他にも『虚無戦記』には統合されない(であろうと思われる)作品ですが、『魔界転生』という作品があって、それには数々の剣豪が登場してすごく面白いです。原作は山田風太郎大先生で、実写映画化もされてたんじゃないかな。でも石川賢先生の漫画の方が何百億倍面白いので、騙されたと思って読んでみてください。僕は石川先生の作品は大好きで単行本もかなり蔵書があります。その中でも特に侍物は大好物で、また『虚無戦記・MIROKU』を読みたくなりましたー!!
…という事で、『サムライ8 八丸伝』の『SF✖️侍』も極端に斬新な訳でもなく、似たような切り口の作品は少なからず存在します。おまけに、それを大先生が描かれているので面白いし、よく考えられた造りなので、岸本先生も差別化には気を使ってるんじゃないかと思います。『サムライ8 八丸伝』も宇宙を舞台に侍が戦うわけですが、できれば『虚無戦記』に統合される方向には進んで欲しくないものだと、僕は考えています。だって、『虚無戦記』もお話が大きくなり過ぎて、生まれ落ちた細胞の産声か何かで何十億の同胞(だっけか?)が飲み込まれて消滅したりするんですよ。侍とか刀とかもう関係なくなってるし(汗)。
とんでもなく壮大なお話なんですー!!宇宙の始めと終わりが戦うレベルで、もうオチどころじゃなくて、誌面も狭すぎるのか最後の方は見開きが何発か並んで最終頁も一コマ一発で「なんたらかんたら…そして!!」で終わっちゃうっていう…かなり淡白なのね(笑)。それに『ゲッターロボ』や『魔獣戦線』なんかも続々と『虚無戦記』に統合されてきて、先生!!それもですか!!??みたいになっちゃうので、岸本先生はそれとは違う路線で『SF✖️侍』を邁進して欲しい!!と、老婆心ながら、僕は考えているのであります。でも、既に星砕いちゃったからなー(笑)。アタさんも無雲ぶった斬っちゃったしなー(笑)。
「消えたぞ!」
「ウォーー!!」
「助かった!」
「助かったんだ!!」
(…君はやっぱりすごいよ八丸
君なら本当に次の流れ星に…)(ナナシ)
あー…それで、ナナシくんだ。こうして人前に出て来れるようにはなったんですね。普通に道場の子らと一緒に居れるみたいで引き籠りは脱したようですね。僕は八丸と戦車を真っ二つに割った勢いで、そのまま不動明王像の下に安置されているロッカーボールで儀式を執り行っちゃうんじゃと期待してたんですが、まだそこまでは踏み切れていないようです。でも、ここは先にアンちゃんが感知して八丸と早太郎が掘り出したロッカーボールがあったじゃないですか?!あれは葉芽道が赤木城に持ち帰ったと思うんですよ。特にそれに関する言及や描写はありませんでしたけど、なんたって星の防衛の要ですからね。
達麻達はこのままこの星を離れる事になりましたから、一度、ナナシくんとは縁が切れてしまいます。でも、ナナシくんの八丸に対する想いが本物ならばナナシくんはそれを自分の「義」として精進すべきだと思うんですね。その為にはやはり八丸と同じステージに立ちたいじゃないですか!?だから、何としても侍になって欲しいんです。そして、もしそれがアンちゃんが感知した(見つけた)ロッカーボールであればナナシくんもアンちゃんの加護…祈りを受けられる可能性が生じます。そうなれば、八丸と一緒に旅を続ける…仲間として一緒に戦う口実ができます!!(笑)だから、葉芽道はナナシくんを見つけてあげて欲しいです。
きっと、その為にこの星に葉芽道は残ったんですよね(笑)。二人は八丸で繋がってますからね。もしかしたら、葉芽道がナナシくんの師匠になってくれるかも知れないしね。そうなったら葉芽道もいずれは八丸達に合流できたりして!!葉芽道はね、目が可愛いんですよ!!特に何か食べる時の目が可愛い!!それにナナシくんはまだ達麻には会ってないけど、もしかしたらナナシくんも「パンドラの箱の鍵」かも知れませんしね。ま…その前にアンちゃんの見つけたロッカーボールで儀式しなきゃ!!ですが。元服名は何がいいですかね。やっぱ、ここは数字繋がりで「七」が入るのかな…とか、ありがち過ぎ!?<チラッ>
「やっぱり…アンの生け花って
…センスよかったよねェ!」
「私は分かってたんだけどさ」
「えー!
アンの侍様ってどんな人なんだろ…!?」
「!」(アン)
<ウィィィン>
「す…すごかったよ!
は…八丸く…
!!?」(アン)
<プシュー><プル><プル>(八丸)
「え……え…?」(アン)
「え…?」(八丸)
「…ん…
…え?」(アン)
「…え?」(八丸)
「これから侍八丸の
本当の姿を見せてやろう!」
「わ…私…!
は…八丸くんのために
いっぱいおいしい料理
つ…作ります!!」(アン)
「…え?」(八丸)
「八丸は少し休めば元の体に戻る
我らはこのまま星を出る――」(達麻)
「なかなか帰っては来れぬ
今のうちに己のふるさとを
しっかりとその目に
焼き付けておけ」(達麻)
「残りの鍵は6つ…
さぁ…次なる旅へ――――
出発だ!」<ゴオオオオオ>(達麻)
ここまでで漸く「第1章」が仕舞いのようです。単行本の「第1巻」と「第2巻」の発売が待ち遠しいです。やっぱ、これから烏枢沙魔流の追っ手を退けながら残りの(天然物の)「鍵」を探してゆくのですね。それでドンドン、八丸の仲間が増えてゆく…と。行く先々でアンちゃんがロッカーボールを探して当てて、そのロッカーボールで儀式しちゃえば、やっぱアンちゃんの加護(祈り)の恩恵に与れるんですよね。別に他の姫が増えてもいいしね。そこに、ナナシくんとか葉芽道も加わったら楽しいでしょうね。楽しみだなー。そしたら…アンちゃんの料理をみんなで食べるんですよね。あの<ボコッ><ボコッ>ってやつを(笑)。
しかし、大気剣の反動で痩せちゃうのは八丸も一緒なんですね。今回は達麻は無傷なので、大気剣を出力したのが八丸で確定です。つまり、金剛夜叉流は使用権限を与えられた侍であれば(誰でも)使用できる訳だ。そして、その効果は姫の加護(祈り)を受けた侍に拠ると。アタさんはまだ金剛夜叉流の大技を出してませんので「印籠」持ちかどうかは断定できませんが、葉芽道が恐れおののく「印籠」が金剛夜叉流・免許皆伝の「鍵」と言えそうです。その辺りは今後の八丸の旅の中で修行もあるでしょうし、ダウンロードするというくらいですから、金剛夜叉流のサーバーが存在して、その管理者もいる筈です。
他にも八丸を徹底的に審査する必要だってあります。何と言っても個人に核兵器…否…星を一つ砕いちゃうんでうから、やっぱ「波動砲」か!!??…を付与するようなもんですから、相当厳重な審査があって然るべき!!っていうか、それなかったらアタさんだらけになって収拾つきませんもん(笑)。それと、前回、今回と達麻は八丸の「鍵」(キーユニット)と有線接続しましたけど、これはハッキングやジャミングの危険性を排除してるんだと思います。なので、金剛夜叉流・免許皆伝のダウンロードは無線でなく有線接続する必要が高いと思われますので、免許皆伝のタイミングでサーバーのある場所に行く筈です。
ところで、大気剣の反動で<プシュー>っとやせ細った八丸を見てアンちゃんが若干引いてますけど、人の見た目って重要なのねー。どんなに苦労して勉強して、偉くなったり、大金を稼げるようになても女の子の信任は見た目に左右されちゃうんですよね。これを「ただしイケメンに限る」と申しまして…「※」で済ますこともあり〼が、生まれ持った顔が何よりも重要っていうのは、僕の経験上、かなり正しいです。ちなみに、侍がサイボーグの身体に変態しようとも生前の姿を踏襲するのは、如何にロッカーボールテクノロジーを持ってしてもこの「運命」という名の不条理を覆せない!!という点で整合性があって悔しいです!!(笑)。
第16話 星砕き ハチマル ケルベロス 了