サムライ8 八丸伝 第18話 ご利用は計画的に 感想②
「気を抜くなと言ったはずだ
体が直ったばかりの八丸はアンを守れ…
こいつは——拙者が対処する」(達麻)
<サッ>「わ…わかりました!」(八丸)
「仕切り直しだ!
うやれ竜!」(コツガ)
<ダッ>(リュウ)
「!!?」(達麻)
<バッ><ピタ>(リュウ)
<ズザッ>(達麻)
(止まった…?)「!?」(達麻)
「今度は何だ!?」(八丸)
「!?」(コツガ)
「猫…お前
オスかメスか
どっちだ?」(リュウ)
「え?」(八丸)
「ハァ…」(コツガ)
「どちらでもない」(達麻)
「…?」(リュウ)
「漢だ」(達麻)
リュウはコツガの命令である「女以外は全部斬れ」を忠実に守ろうとしています。恐らくいつかの時点でリュウはコツガの指示で自分は動くのだ…と納得したのでしょう。この…納得…というのはリュウにとってはとても大切なプロセスで、おおよそ全ての自分の行動に対して数々の拘りがリュウにはあって、それを守らないといけない!!という半ば強迫めいた感情に支配されているのだと思います。例えば靴下はどっちから履くとか、家を出る時はどっちの足から…とか、それはもう他人には言えない儀式の数々が彼にはある筈です(笑)。
この場合はリュウは直前のコツガの命令を一言一句守らねばならない…という強迫があった訳で、リュウの短期記憶…とりわけワーキングメモリーが不全になっているのではなく、そういったリュウの拘りが彼の行動に強く影響しているように感じます。例えば、リュウは自分の名前を覚えていないような描写がありましたが、あれはきっと「リュウ」という名に納得できていないのかも知れないです。たまにリュウの名前の表記が「竜」という漢字になってる時がありますが、まさかリュウが「漢字(表記)にして!!」と思ってるとか?でもどう聞き分ける!?(笑)
それは冗談としても、リュウのような子は数々の拘りがあります。そして、その一つずつをちゃんとクリアして納得したいのです。だから、一足一刀の間合いの内で達麻を制し、達麻の性別を確認したのです。この描写(←止まった…?の達麻)、別にリュウが何かの力で達麻を止めたのではなくて、達麻がリュウの動きを伺ってたからで、もしも一刀両断にするつもりであれば、達麻の侍魂はリュウを真っ二つにしていたのでしょうが、僕はそんな達麻を見て端っからこの子らを手にかけるつもりはないのだな…と思いました。
アンちゃんもコツガとリュウのやり取りを目の当たりにして、「ほほえましい」とまで言ってましたけど、達麻も二人の話を聞いてみるべきだと思ったのではないかと思います。それでか…自分の性別をリュウに問われて「漢だ」としたのかな?とも思います。「漢」とは社会における立場役割を表す言葉です。また、それはジェンダーな表現とも言えるでしょう。それはまさしく達麻の拘りである訳です。達麻はそれをリュウに伝える事で、リュウが自分の中に抱える「拘り」を理解したと、リュウに伝えようとしたのではないでしょうか?
果たしてリュウに達麻のメッセージは伝わるか!?と思ってましたが、リュウが容赦無く上段を振り下ろしたので焦りました(笑)。あくまでもリュウは我が道を行くのですね(汗)。でも、それをしっかり受け止め、この後、次から次へとリュウの手の内を達麻は引き出して行きます。それはまるで入社試験の面接のようにも感じられ、その意味で達麻は腕のいい面接官のようです。是非とも、コツガとリュウはこの機会を逃さず、逆に達麻がどんだけ強者だと分かっても決して逃げ出さずに頑張って欲しいです(笑)。
続きまーす!!(はてなのサーバー、ちょっとおかしいぞーッ!!)