サムライ8 八丸伝 第22話 アンと兄 感想③
「こ…この城下街じゃ親のいない孤児は
全員———「名無し」って呼ばれるけど…
オ…オレはただの「名無し」じゃ終わらない
な…七つの強い志を持つ男!!その名も…
七志——と名乗る!
ま…まず武士になる!
そして——金持ちになる!
い…いい家に住む!
満を持してさ…侍になる!
アンがオレの姫になる!
星位大将軍になる!
ぎ…銀河最強の兄妹になる!
最後の志…
ア…アンを死んでも守り抜く!
…あ!
は…8個になっちまった!
こ…これだと1番大切なのが
8番目になっちゃうなーー…
まっ…いっか!
い…1個増えるくらい」(七志)
(「アン」…兄が付けてくれた名前)
<ニコ>(アン)
(話すのは苦手だった…特に自分の名前)
「あ!明日
忠道場にい…一緒に行ってみようぜ!」(七志)
岸本先生は「侍×SF」と言ってたと思うんですが、この「SF」って「サイエンス・フィクション」(Science Fiction)の事ですよね。まさか「スペース・ファンタジー」(Space Fantasy)なんですかね。ま…どっちにしても未来の先進的な世界のお話だと思うんです。少なくとも乗り物が普通に飛んで、個人レベルで宇宙に出て行ける高度な科学が存在します。しかし、その割には社会の仕組みが成熟していないのは何故なんですかね?七志とアンちゃんみたいな孤児が存在して、その子らが貧しさの中で生きなきゃならないって、どんだけ無知な社会なんでしょうか?
また、この世界にはふつうに「AI」(artificial intelligence/人工知能)が登場してますから、瑣末な判断などは当然それまかせで合理的に世の中が回ってそうな気がしますが、人々の暮らしは原始時代っぽくないですか?そもそもクソガキといえども拉致誘拐の類いや暴行等の明らかな犯罪行為を行っているのに、それを咎める仕組みが世の中に備わってないのが不思議です。ぶっちゃけ治安という概念が存在していません。七志とアンちゃんの生活を福祉的にサポートする描写もないし、司法や行政が存在しないんでしょうか?テクノロジーと知性のバランスがメチャクチャですね。
もしかして自分の身は自分で守る…みたいな社会なんですかね。社会を「法」ではなく「力」が管理してるとしたら、銀河の命運の前にこの社会構造を何とかすべきじゃないかと思います。あの悪ガキ達はアンちゃん目掛けて来てますから、ぶっちゃけ性的搾取が目的だと思うんですよ。そんなの放置してる社会が、ここまでのテクノロジーと共存してるのが信じられない…っていうか有り得ません。明らかにリアリティがないんです。僕が七志だったら、あのクソガキ共にここでは書けないような地獄を味わわせますけどね。でも虐められる方って心がすでに負けちゃってるんだよな。
でも、人間に使役するホルダーが数多く存在して、科学技術がとんでもなく発達してるんだから、社会的なインフラは簡単に整備できる筈なのに、何でそれが実現してないんだろうか?と考えてみたんですが、もしかして、この世界の科学技術ってロッカーボールテクノロジーのみで構成されてるんじゃーないですかね。ホルダーも乗り物も機械と思しき物品は全て侍由来の遺物で、その資源のみで社会が回ってるとしたら、ここまで致命的に知性に乏しい社会が存在できる可能性があるかも知れません。エネルギーも侍魂で賄えるのだろうし、そりゃ血眼になってロッカーボール探す罠(笑)。
きっと武術ではなくて物産を生業(なりわい)にする侍が存在して必要な機器を生産するラインみたいのが存在して、いろんな物を社会に供給してるんじゃないでしょうか?つまり、武力だけでなく経済…つーか全てを侍に依存しているではないでしょうか?だから、ここまで社会が歪なんじゃないですかね。侍の斬った貼ったは素粒子間の引力をコントロールする…言わば「錬金術」だから、侍は「打ち出の小槌」みたいなものなのでしょう。でも、余りにも知性がなくて社会インフラが乏しくて、こんな世界に生まれたら不幸すら感じられずに不幸の中にいるんだろうな…と鬱な気持ちになりますた(笑)。
続きまーす!!