サムライ8 八丸伝 第31話 話が違う!! 感想⑧
「骨河…」(弁形)
「お前はどっちにつくんだ!?」(弁形)
「お前が母を…!!
それに父まで…」(三打)
「だからどうした?」(弁形)
「!!」(三打)
「悔しかったら
オレを殺せばいい
それだけの事
弱いお前が出来ればの
話だが」(弁形)
「何だよ
その言い草は!!」(八丸)
<ズシ><ズシ>
「!」(三打)
<ガシャ>
「!?」(三打)
「チャンスをやろう
オレの仲間でいたいなら…
こいつらの首を一人ずつハネろ
生かしてやる
だがためらえばお前も殺す」(弁形)
「……」(三打)
「……」(竜)
<スッ>(三打)
「!」(アン)
「コツガ!!」(八丸)
<ニヤリ>(弁形)
<スッ>(三打)
『角弾頭発射まであと2分です』(解析AI)←お好きにどうぞー!!
弁形はあくまでも三打ではなく骨河と呼ぶ…のですね。ここで弁形は骨河(現・三打)に真剣化した侍魂を渡します。ちなみにこの剣はガイコツ侍が持っていたものです。千ちゃんからの鹵獲(ろかく)品はつばの形が違います。千ちゃんの侍魂と柄骨は是非とも弁形が使用して千ちゃん…いやさ…軍荼利流に一泡吹かせて欲しいものです。余談ですが、柄骨にセットした侍魂は使用者の手から離れようとも真剣化が維持されるのですね。しかも人間がそれを扱っても効果が継続される…とな。それにこの描写だと普通に投げられるので重し代わりに自分の腕を斬って飛ばす必要はない罠。
それで弁形は骨河に竜を筆頭に今の仲間を切り捨てろと言うのです。骨河を試してるんですね。でも、ちょっとおかしいなー…と僕は思うんですよ。弁形も骨河も言ってたけど二人は「金」で繋がってる関係なんですよね。そしたら骨河にとんでもない大金をあげるからこいつらを殺せと言えば骨河は納得すると弁形は考える筈ですが、何でここで骨河を「金」で動かさないのか?僕はそれがすごく気になりました。弁形の手下と思しきNPC相当のチンピラ侍達もモチベーションが「金」だったのに驚いたけど、弁形の行動原理がブレてなかったのでそれはそれで何とか納得できたのに、骨河と「金」で交渉しないのは竜や八丸と骨河の繋がり方が弁形にも理解できたからなのでしょう。
弁形は骨河に八丸達に付くか?弁形に付くか?を選択させようとしてるんです。そして、その指標として「金」を持ち出していない。これは弁形が表層で骨河との繋がりを「金」とはしていましたが、本当はそうじゃなくてもっと違う何かで繋がってると思ってた…って事なんじゃーないかな?と僕は思うのです。否…僕が思った…のではなく、弁形がそう思いたかった…それを確かめたい…のではないかと、僕は思いました。弁形自身は本当は「金」じゃない何かで骨河と繋がっていたと願ってるんじゃないですかね。何もできない子供の頃の骨河なんて「金」が目当てだったら絶対に引き取らないものね。
それが将来への投資だというならそれまでだけど、人型ホルダー部隊とか最低でも750人ものNPC系モブ侍が配下にいるんだから、その中でも骨河は生身の人間で特に強くもなく(むしろ弱い)傑出した能力もない…かなり特殊な存在なんですよ。それをここで殊更取り上げて自分(弁形)を選べと促す…弁形のモチベーションって何?それに侍の首を刎ねても死ぬとは限りません。そういう設定ですんで(笑)。ぶっちゃけ弁形が八丸や竜にやっかんでるように見えませんか?それが出来ないなら…アタシを殺せば!?みたいな事も言ってるし(笑)。弁形が本当に斬らせたいものって、八丸や竜らと骨河の繋がりなんですよね。
ところで、弁形が今…発射しょようとしてる角弾頭って禁忌の兵器なんですよね。所持しただけで流派破門どころか300年の禁錮刑になるような(それが軽いか重いかを知る由は今のところありませんが…)。それを持ってたのは義常パパですよ。そして角弾頭が義常の鍵がないと動かない事から、義常がいつかどこかで使おうとして烏枢沙魔流から(地下取引で)購入した筈。そんなモノを手に入れて何かおっ始めようとしてたんです…義常って。それにちょっと唆しただけで愛息子を殺そうとしちゃうバカ親ですよ。それを見た弁形は骨河を義常なんかに任せないと実感したんじゃないですかね。
考えようによっては弁形は骨河をバカ親から救い出した児相(児童相談所)みたいなもんじゃないでしょうか?弁形はめんこい骨河を放って置けなくてバカ親で凶悪テロリストの義常から救出したとは考えられませんか?だから、ここに来て「金」ではなく骨河の心情に訴えています。弁形は本心では「金」ではなく「心」で骨河と繋がっていたんだと、それを確かめようと骨河に竜や八丸…今の仲間を殺めさせようとしてるのではないでしょうか?弁形は骨河に対して「金」という言葉を一度も発していません。それは弁形が骨河と「愛」で結ばれていたと考えているから。骨河にそれを証明して欲しいと思ってるから…。
…だと、僕は思うのです。岸本先生がそんな事を全く考えてなくて骨河が結構いい金蔓(かねづる)だから弁形が切れない…ってなるのはちょっと切ないけどね(笑)。ところで、解析AIが『あと2分』を告げていますが、八丸達が鬼若丸艦内にいる時点で被害ゼロですし、見下星に残ったモブ侍達にしたって角弾頭を撃たれてもその後弁形に回収されなければ散体しない限り再生できます。もっとやる気のあるモブだったらとっくにキーホルダーに飛び乗ってバリアの隙間から逃げ出してますって(笑)。だから誰も困りません。虎の子の一発…撃ちたいならば撃てばいいじゃない!!(笑)
それと竜に侍魂を振り翳す骨河(現・三打)ですが、少し前にやってた例の意味ありげなウィンクの意味が次号で分かればいいなと思いました。あんだけウィンクしてて何も意味ないとか有り得ないし、それがキッカケで竜が記憶を取り戻す…イベント発生とか!?ファンタスティックな何かが起これば楽しいなーと思います。ところで、何も知らない八丸が「何だよその言い草」と弁形の物言いに噛み付くのは、自分が親を殺された感情に根差してて、その想いを勝手に骨河に自分を重ねてるだけ。つくづく自分勝手なヤローだな…と思いました。骨河は竜ではなくて八丸の首から刎ねたらいいのにね(笑)。
それからね…今話のタイトルの「話が違う!!」っていうのは岸本先生は自虐系ギャグとお考えなのでしょうが、寧ろこれは読者の言いたいセリフです。勝手に期待して勝手に楽しみにしてたのはこっちの問題だけど、ここまで酷い作品で、それが何らかの大人の事情があって打ち切られずに生き恥を晒すように連載が続いているのは読者にとっても「話が違う!!」なのですよ。それを少しも感じずにこのタイトルにご自分の気持ちだけを載せて悦に浸っていらっしゃるんだとしたら、それこそ八丸と同じでmjd「おまゆう」ですよー(笑)。編集部も自戒されよー(笑)。
サムライ8 八丸伝 第31話 話が違う! ハチマル ケルベロス 了