サムライ8 八丸伝 第34話 免許ダウンロード 感想④
「今日も天気いいね」
「おはよう!」
「おはよう!」
「ママ私の端末は?」
「ホラ!早く!
もう行かないと遅刻よ!」「今日をボク達にとって
最高の日にしよう」「ずっとアナタと一緒よ」
昼下がりのカフェテラスでお茶を楽しむ老夫婦。早朝、登校する子供達や家で携帯を探す女子。今まさに結婚式の真っ最中の新婚カップル…これは縁起物は早い内に…との習わしから午前中かな(笑)。これがこの星の日常の風景なのでしょう。いろんな人が暮らしていて、いろんな幸せがある…それをどう描くかは難しい作業だったろうなーと思います。漫画家さんによっても様々なアイデアがあって、岸本先生はこういう情景を描く事でこれから失われてしまうこの星の大切な時間を切り出したのだと思います。そして、その時間の中に苺ちゃんも居る…このペラを読者がどう受け取るか?ですかね。
僕はこの表現は無駄ではないと考えます。意味不明で噛み合わない苺ちゃんと苺ママの会話。でも苺ちゃんとしては苺ママと生き延びたかったから「宇宙船(を)買って」なんて言ってた訳で、苺ママだって只々苺ちゃんを精一杯に育ててた…二人とも愛し合ってた訳です。そういう個と個の繋がりが平穏で幸せに満ちた日常を形成している様をここで見事に表現されていると思います。こういう提示があるからこれからこの星に訪れる悲運も際立ち、唯一人助け出された苺ちゃんの涙の意味が僕らに伝わるのです。苺ちゃん登場の2.5頁のこのペラ部分が僕は嫌いじゃないよー。
「誰…?」(苺)
「見つけました」(五空)
「撃て」(アタ)
『了解』(解析AI)
…っと、上げた直後に下げるのもアレですが、五空の「見つけました」とアタさんの「撃て」がシンクロしているけど、全く関係のない描写です(笑)。初見で五空がアタさんの手先?に見えたのですが、よく読み込むと五空は花一さんに報告してるんですね。アタさんは自分の艦(=龍ちゃん)に命じてて、それにちゃんと解析AIが『了解』と答えています。それで龍ちゃん(←これも横綱級キーホールダーなんでしょうね)は角弾頭を3発も一気に発射してますもん。でも、この表現にどんな意味があるかというとあまりない…先の苺ちゃんの住む星の状況をうまーく表現した描写と比べるとよく分かります。
これは読者を惑わせるだけの薄っぺらい仕掛けに過ぎません。外連味があると言えばいいのでしょうか?岸本先生が「僕はこんな表現ができるんだぞ!!」っていう自己提示をしてる風にしか僕には映らんのです。これは技術云々のみに関わる表現なのですよ。僕はこの表現は無駄だったと思います。読んでて流れを阻害されたという意味においては邪魔(余計)ですらある。岸本先生はこういう表現のテクニックに拘り過ぎなんじゃないでしょうか?これだと「おばけだぞ~ッ!!怖いぞ~ゥ!!」と弄られる子供の気分で、僕が大蛇丸だったら「ガキをあやすような物言いは止めなさい…」と窘めたいとこですわ(笑)。
<ドドド>
「急げ五空!!」(花一)
「キャ!!ママッ!!」(苺)
「苺!!」(苺ママ)
「助けてェ!!」(苺)
「乗ったらすぐ飛んで下さい!!」(五空)
白兎に搭乗してるのは花一さんで、苺ちゃんを連れ出したのが五空。これが千ちゃんが捕まえるって言ってた「猫侍と箱の鍵の侍」だと思います。けど、フードを被ってて五空の体がどうなってるのかがよく見えないんだけど、見えるとこからは侍っぽくないんですよねー。若干、おデコに墨筆でいたずら書きしたようなモンモン(タトゥー)が入ってるようですが、普通に色黒の青年です罠。この色黒がアタさんのそれとシンクロして烏枢沙魔流をミスリードさせちゃう仕掛けだからタチが悪い(笑)。ま…でも竜だって頭ガチャガチャ開けないし顎に変な線入ってないけど侍なので五空もきっと侍なんだよー(適当)。
それに五空で数字持ちだから「箱の鍵」としての最低要件は満たしてますわー…って僕が勝手に決めたルールですません(笑)。でも八丸に三打…と来てて、それに鹿侍の「四華丸(仮)」(しかまる)も姫持ちで登場して「四」を埋めてるし(仮)、LGBTQのナナシもきっと「七」の空席を埋めてくれると思ういます。そこに五空と来たらビンゴ(笑)。微妙に苺ちゃんが元服可能で実は「一護」で「一」をコンプしちゃったらどうしようか!?と(笑)。これで竜の本当の名前が「六残」(むざん)とか「二玄」(じげん)だったりしたらテンパイですもんね!?「箱の鍵=ナンバーズ」が前提でアレなお話ですが(笑)。
しかし、烏枢沙魔流が角弾頭を通常配備してるんだったら、攻撃される側はそれを踏まえて防空監視体制を敷いてないとマズイですね。具体的には鬼若丸が見下星で使用したステルスフィールドを展開するシステムとか、広範囲過ぎて無理なら急速展開できる盾を衛星軌道に配備するとかしてないと撃たれたらお終いですよね。バトルロイヤル編でも角弾頭をモブさん達も知る極々一般的な兵器でしたから、角弾頭を想定した防衛構想がないのはおかしいと思います。襲われた苺ちゃんの住む星が辺境で平和な星だったのかな?それにしてもやはり銀河の危機が迫ってる雰囲気はないですよね。
ところで、苺ちゃんの存在が世界とどのような関係があるのか?不明ですけど、少なくとも花一さん達は苺ちゃんだけを狙い撃って救出しています。そして、それが結果的にではありましたが烏枢沙魔流の意向に半目する行動でありました。これだけ見ると花一さん達って反・烏枢沙魔で親・金剛夜叉のように思えます。しかし、そんな花一さん達を千ちゃんが捕まえたい!!っていう事は千ちゃんってもしかして烏枢沙魔寄りの勢力だったりしませんかね。千ちゃんは銀河球連邦の精鋭特務隊長とされていますが、それもモブさん達が吹聴してただけで正式に身分を証明した訳ではありません。
何と言っても三打が弁形からガメた10億円を千ちゃんがスルーしてるのも何だか変だなーと思えます。警察機構に関係のある人がそれを見逃す筈はないッーつーの(笑)。あと、達麻と接触したのに千ちゃんが達麻にグイグイ行かないのも、白く輝く刃を覚醒した八丸に淡白(銀河球連邦が「箱の鍵」に消極的なのも解せませんけど…)なのも不自然です。そしてその千ちゃんが八丸達の艦(ふね)に乗って旅を始めるって何か不安でしかない!!でも裁判官や判事らと対面してたからなー。花一さん達を捕まえようとしてる罪状(根拠)が分かればもう少しスッキリするかも知れませんね。これは様子見だなー。
続きまーす!!