サムライ8 八丸伝 第36話 花一と五空 感想⑥
「アナタ達は何者なの?」(苺)
「ボクらは侍だ
家族の事は気の毒だったな」(花一)
「何で…アタシだけ?」(苺)
「やっと君のような存在を見つけた
君は特別なんだ」(花一)
「特別…?」(苺)
「君はこの銀河一強い侍になる娘だ」<スッ…>(花一)
「!?」(苺)
「侍?
アタシは女なの……
それに子供……」(苺)
「人は見かけでは分からない
君の本当の力は誰よりも特別だ」(花一)
「…なら
何が特別なの?」(苺)
「君はまだ侍でもないのに
強い引力を持っている
そしてすでに心眼を持っているね?」(花一)
「君はこの日が来るのを
知っていたんじゃないかい?
自分の居た星が崩れ
母と別れる日が来る事も…
だから今 冷静でいられる」(花一)
<ギロリ…>「人は見かけじゃ分からない…
今のアタシは冷静なんかじゃない!」(苺)
やっと前半の説明パートが終わりましたけど、ホント…今話はここからで良かった。無駄な11頁ですた。さて、白兎艦内。編笠を被った大っきなお猿さんのキーホルダーでしょうか?五空の隣に控えています。名前はまだ分かりません。『NARUTO -ナルト-』では口寄せ動物がいて忍者はそれと血の契約して一緒に戦いましたね。猿系では三代目火影・猿飛ヒルゼンが猿猴王・猿魔を口寄せしてました。口寄せ動物は人間の言葉を喋り知性が非常に高かったです。一方、キーホルダーは意志の疎通こそあるものの言語によるコミュニケーションがなく、口寄せ動物と比べるとキーホルダーはどうしても物足りない感じが否めません。
僕は大っきめの犬さん達3頭と暮らして居ますが、この子らが人間の言葉を喋れたらどんなにいいだろうといつも思っています。だから、八丸のキーホルダーの早太郎(白い大型犬)が喋れたらいいのになー…と早太郎が登場してからズーッとそう思っていました。例えばキーホルダーが人間の言葉を喋れたらもっと存在感がアップするんじゃないでしょうか。現状、キーホルダーは乗り物と侍の鎧を提供する程度の道具っぽい存在で、これが口寄せ動物のように時に侍を叱るような関係になれれば、注意力が散漫でその上経験値が低い八丸にとっては頼もしい相棒になれると思うので後付けで解析AIを搭載して喋り始める…と言うのもアリにしませんかね(笑)。
一方、苺ちゃんは泣きはらしたんでしょうね。自分の故郷の星やお母さんまで一瞬で失ってしまったんですから。それに対して淡々と語る花一さんもどうかなーとは思いますが、これが逆に気を使い過ぎていても苺ちゃんが余計に切なくなるからの配慮なのかも知れないなーと一瞬思いもしたんですが、その直後に花一さんが苺ちゃんの能力(才能)に注目しているだけのようで、この無機質な態度が花一さんの素だったのだ…と分かってこの世界の大人はどいつもこいつも心のないヤツばかりで悲しいです(笑)。しかし、苺ちゃん…女の子だけど侍になれるんですね。そう言えば達麻の師匠の夜叉さんも女性っぽかったような希ガス。
別に男性だけが侍になれる…みたいな条件は提示されてませんでしたね。「侍は男性で姫は女性」というのは僕(ら)の思い込みですもんねー。でも侍になるって事は苺ちゃんも切腹しないといけないのね。しかし、苺ちゃんは花一さんの仰る通りかなり異例で侍でもないのに「強い引力」と「心眼」をお持ちです。だから苺ちゃんは自分の住んでる星がアタさんの角弾頭で破壊されるのを予見して「爆発して死ぬのに?意味ないよ」の名語録が残せたんですね。しかし「心眼」とは「物事の本質を見抜く(眼)力」という風に僕は理解していたんですが、未来に起こる事を予知する事もできるんですね。
逆に、花一さんの「君はまだ侍でもないのに」も思い込みの域を出てないと申しますか…侍だけが「強い引力」や「心眼」を持てる…というような提示もこれまでなかったように思います。リアルでも僕なんかキレーなオネーサンに絶えず引き寄せられますからね。あれは立派な(相当強力な)引力だし、勿論キレーなオネーサンは侍じゃないし、どっちかつーとキレーなお姫様(いい匂いがするのよー)なので、人間に「強い引力」があるのは不思議でも何でもないと思います。それ言うんだったら「心眼」こそ…持ってる人、沢山居ますって(笑)。それが分からない花一さんの「心眼」が逆に疑われますよね。
もし、ここに不動明王が居たら「まだまだ心眼が足らぬ」って言うかもね(笑)。苺ちゃんって小学校の低学年くらいですかね。下手したら年齢も一桁ですよね。それでもおっきなお猿さんとちょっとイケメンの青年と人間の言葉を喋る犬侍を前に堂々としたもんだし、ちゃんとコミュニケーションができています。そして花一さんの不用意な一言に対して<ギロリ…>と睨みつけ威圧すらする気持ちの強さはやはり規格外です。子供だとバカにしてると火傷しますね。これはやはりいろんな「思い込み」を廃して考えてみませんか?というこの作品からの提案ではないかと思います。そしてそれが「心眼」の入り口なのですよ…きっと。
続きまーす!!