サムライ8 八丸伝 第37話 好敵手(ライバル) 感想④
「…!」(八丸)
「!」(三打)
「お…お茶なら私が入れますよ」(アン)
「!」(五空)
「わ…私はこう見えて
さ…侍の姫で修行中の身ですから
それに…侍様たちの大事な
お…お話に参加された方が…」(アン)
「気を遣ってくれてありがとう
でもゆっくり座っていて下さい」(五空)
「で…でもこういう役まわりは…」(アン)
「侍が座って姫がお茶を出す決まりなんて
あってないようなものです
その逆があってもいいとボクは思いますがね」(五空)
「で…でも」(アン)
「銀河を色々回ったので
いいお茶が手に入って…
おいしいですよ」(五空)
「あ…ありがとうございます
えっと…」(アン)
「五空です
さしつかえなければ姫の…
お名も」(五空)
「!」(アン)
「…!」(八丸)
「わ…私の…
な…名前は…ア…
ア…ア…
……
ア…アンです」(アン)
「アン姫
…姫にぴったりのよい名ですね」(五空)
「気のきくアン姫のような方を姫に持つ
そんな侍様がうらやましいです
ボクには運命の姫がいないので」(五空)
「あ…ありがとうございます!」(アン)
「……」(八丸)
「侍としてはどうだか分かんねーが
男としては負けだな…八丸」(三打)
「うっさいよ三打!」(八丸)
「……」(八丸)
一方、良さげな雰囲気で交流するアンちゃんと五空が気になる様子の八丸と三打。八丸の卑しく敵意に満ちた表情がゴロツキのようですね(笑)。しかし、出会う前から「運命」で繋がっていて強く惹かれ合う二人…これこそ「恋」の偽らざる真実でありまして、五空がどんなにいい感じのイケメンでもアンちゃんと八丸の関係を突き崩す事は不可能です。でも、ま…しかし、それはこの世界の「運命」というものが担保する関係性でありまして、僕らのリアルにおきましてはそんなもの…女の子の胸先三寸で決まる所謂、※(ただしイケメンに限る)です。その主導権は極少数の※と女子の手に握られております(笑)。
そういう悲しいリアルの現実をこの世界に当て嵌めれば五空とアンちゃんのNTRは充分成立すると思われます。八丸は対人経験が希薄ですから突然登場したバブル時代の3高(高身長、高学歴、高身長の略)に相当すると思われる五空にアンちゃんを掻っ攫われそうで怖いのです。しかし、その不安ですらこれまで八丸がアンちゃんに対して行ってきた非道への反省としてフィードバックされる事もなく五空に対する単なる敵意としてしか感じられない幼児性に八丸の本当の問題があるように思います。まるで…興味がなくなって放ったらかしにしてたおもちゃなのに誰かが遊び始めた途端にその所有権を主張する意地汚いクソガキです(笑)。
しかし、八丸が「箱の鍵」としての運命を付与され、それに番う姫としてアンちゃんが発生する定め(プログラム)がある以上、五空は蚊帳の外確定なんだけど、それを八丸に教えてしまったら今以上にアンちゃんを大切にしなくなるので黙っておきましょう。八丸が侍化できた時点である種…安泰な将来が約束されてしまっているんですよ。これまでのお話の中でも八丸は努力なんかしてませんし、後方支援の掛け声要員程度の存在感しか示さなくても姫持ちの侍様ですからね(笑)。師匠のクレカで高額の買い物をしてみたりアンちゃんに理不尽なオーダーを出しておきながら外食で済ませるクズでも侍は侍なのです。
何の苦労もせず、運命というアドバンテージに寄りかかって惰眠を貪る…それが八丸の本性なのだと思います。そして、それに類する驕(おご)りが侍には少なからずあると思います。侍は皆、侍化した段階で四苦(生老病死)から解放された特権階級なのですから、積極的に社会を良くしようとか、倫理観や意識を高める努力が個人にも組織にも根付かない環境があるように思います。そもそもが侍の、侍による、侍の為の社会で、侍に非ずんば人に非ず…と思われ、そんな世の中を存続させようと活動する達麻や花一さんに正義があるとは思えません。どちらかと言うと既得権益にしがみ付く老害じゃないですか?
これ程までに子供達を大切にしない社会に異を唱えた者はここまで登場した侍で誰一人居ませんでした。逆に子供達が間違った事をしていても叱る大人が皆無に近い。それは師弟関係であっても同じでした。唯一、アタさんが言葉遣いの悪い八丸を本気で叱っただけじゃないですかね。その意味ではアタさんが一番まともな大人だったかも知れません。そして、斯様なデストピアを構築したのが不動明王でありまして、僕だったらこの世界を一からやり直してもらいますけどね(笑)。もしかして、それをカーラさん以下、烏枢沙魔流がやろうとしているんでしたら、僕は断然、烏枢沙魔流の行動を支持します!!!
続きまーす!!