サムライ8 八丸伝 第40話 支えの喪失 感想③
「久しぶりだな…八角」(アタ)
「アッ アタ!!」(八丸)
「ニャグウウ!!」(早太郎)
「!!」(アン)
「なっ!!?」(三打)
「八丸とアンまで消えたぞ!?」(三打)
「犬の奴もだ」(竜)
「どうなってる!?」(千)
「!!
…直ぐ逃げないと
皆死んじゃう!!」(苺)
<ドッ>
「猫又!どこでもいい!
直ぐにジャンプを!!」(五空)
『了解』(猫又AI)
<カッ>
「み…皆ァ…!」(八丸)
<キッ>「アタ!
お前ェ!!」<ガチャ><ズッ>(八丸)
「今のオレは実体だ
前回とはまるで違うぞ」(アタ)
「アン!祈りを!!」<ダッ>(八丸)
「う…うん!!」(アン)
<キラッ>
(白き刃……
勇による覚醒をなせるようになったか)(アタ)
<スッ…>「候剣
金剛夜叉流———」(アタ)
<ダダッ>(八丸)
「犬犬犬(つむじかぜ)」(アタ)
<スッ…>(アタ)
ここ…苺ちゃんの予知能力がなかったら全滅でしたね。千ちゃんの無能っぷりが際立ちますが、洋犬&猫又のクルーは即死を免れましたー。しかし、どこか遠くの宇宙に飛んじゃってそれが偶々達麻と花一さんが飛ばされた宇宙領域の近くだったら儲けものですかね。ちなみに「宇宙領域」って言うのは八丸達の「球宇宙」(ボール宇宙)やアタさん達の「キューブ(角)宇宙」で星の形で分けているようです。達麻と花一さんが飛ばされたのはH粒子がない「虚界」でしたから、「球(ボール)宇宙」や「キューブ宇宙」とは全く違う別の宇宙でしょうから、もうすっごく遠くだと思うので二人にはもう2度と会えないかもね(笑)。
しかし、花一さんが猫又(侍の鎧)で飛び回って「出口がない」と騒いでいるのが変です。「宇宙」と言うからには「閉ざされた宇宙」になっててどういう風に動き回ろうとも強烈な重力で捻じ曲げられて戻ってくる…裏表のない「クラインの壺」みたいな構造になってると思うんですけど、それにしてもちょっと飛び回って果てが分かる(=出口がない)程度の大きさっていうのが理解できないので、二人が閉じ込められたのは「宇宙」というよりは閉ざされた「小部屋」みたいな感じですね。エヴァでシンジ君が閉じ込められた「クライン空間」(架空)みたいなものでしょうか?そうなるとSF的にはかなり手強いですよー。
何ったって「四次元空間」(以上)が相手ですから!!(笑)これが金剛夜叉流と烏枢沙魔流の2流派で免許皆伝を成したアタさんのオプションなのでしょうか?達麻は師匠としてはダメダメですから、きっと烏枢沙魔流に入門したアタさんの師匠のカーラさんがしっかりと育てたんでしょう。アタさんは考えに筋が通っているからブレがないです。またアタさんと一緒にいる一角〜七角も少なくともガサツではなくて躾がされてるように思います。やはり大人として一緒にいる子供に教育を施さない…教養を与えないというのは罪深いです。教育されていない八丸は本能が剥き出しの状態で、一角〜七角の抑えの効いた感じとは一線を画していて悲しいです(笑)。
だから、八丸は突然目の前に現れた(実際は八丸が呼ばれたんだけど)アタさんに考えなしに突っ込んでいける。これは剣道で竹刀を初めて持った程度の初心者が錬士、範士、教士(武道における称号)に向かっていく以上に無鉄砲でしょう。ぶっちゃけ失礼なんじゃーないですかね。八丸が一生懸命修行に励んでて師匠の達麻が精一杯教えているなら別…って言うか、失礼だからと思いとどまったでしょうね(笑)。八丸は侍(剣士)以前に武士としても、人としても教育されていないんです。そんな子に宇宙の命運を託すなよ!!って思います。実際、達麻は八丸を単なる「鍵」や「レーダー」としての認識してたのが悪辣なのです。
そんな八丸をアタさんが金剛夜叉流・犬犬犬(つむじかぜ)で斬り刻んでくれて一個前の八丸じゃないけど「あ~~~~~!!!なんかスッキリした!!」です(笑)。読者にこんな風に思わせる主人公もどうかと思います(笑)。しかしよーく見るとアタさんは犬犬犬(つむじかぜ)で八丸の鍵(キーユニット)を傷付けないように両手両足を候剣のオプション付きで斬り刻んでいます。それと早太郎も見事なまでに無傷!!(笑)これは一角〜七角までのキーホルダーとして利用する為です。達麻が馬侍の黒馬(仮)の柄骨をコソッと腕(ラゲッジスペース)に仕舞い、自分のキーホルダーとして使い倒したように早太郎も<ガチャ>っとされて終了です。
アンちゃんだってキリク姫が「新たな侍と契(ちぎ)りを交わすだけよ」とドライな感じで言ってたように今後は一角〜七角の姫様として祈りを捧げるんでしょう。そもそもが八丸も一角〜七角も烏枢沙魔流でフルタ博士が拵えたデザインチャイルドですから全てが似ています(ってか一緒!!)ので、アンちゃんの亡き兄・七志の面影をバッチリと拝めるのでアンちゃんが結構やる気になったりしたら辛いです(笑)。それに一角〜七角が知性的でちゃんとしてて性格も良かったりしてアンちゃんが誰も居ないところで「よしっ!!」とかラッキー全開だったら切ないなーと思います。それ程、八丸の人間度が低かったから仕方ないですけど(笑)。
達麻はつまんない説明なんかしてないで、八丸とマンツーマンで熱心に教育を施すべきでした。八丸に最低限の知識と物事を考える姿勢を身に付けさせるベキでした。また途中から加わった仲間との集団生活の中で八丸が間違った事をしたら真剣に叱り、八丸の行いを正して欲しかったです。そうすれば八丸は「社会性」だって身に付けられただろうし、他者を想い遣る気持ちも養えたんじゃーないでしょうか?人は生まれながらにして人ではないのです。知性や想像力も訓練で獲得していくスキルであります。時には褒められ、時には叱られ、成功と失敗を繰り返して…人は人になって行く生き物なのであります。
これまでの『サムライ8 八丸伝』での八丸には教育という概念が存在しません。何より達麻の徹底した八丸への無関心っぷりには「愛」がありません。アタさんが八丸を斬り刻んだのを見て、もしも達麻がここに居たならアタさんが残した八丸のキーユニット(胴体)を達麻は迷わず候剣で斬り刻んだんだろうなーと僕は思いました。達麻にしてみれば八丸は育むべき弟子ではなく単なる道具だった訳です。だから何も教えなかったのだし、アタさんに奪われるくらいなら躊躇なく鍵(=八丸)を切り刻んだでしょう。結局八丸はこうなる運命だった訳で、彼こそこの物語の最大の被害者に思えて非常に胸糞が悪いです。
続きまーす!!