ハチマル

週刊少年ジャンプで連載中の『サムライ8 八丸伝』を考察するブログです。

『サムライ8 八丸伝』の打ち切りに寄せて(200321)

今週号の感想を書き上げる前に『サムライ8 八丸伝』打ち切りが決定してしまいました!!今週号の最終ページに『岸本先生と大久保先生の次回作に…』というアオリがなかったのですが…いきなり来ましたかー!!まーお話のグダグダさからそんなに長く…一周年を迎えて「そ~れではッ!!お別~れしまーしょッ!!さ~よならッ…バイバイバイバッ!!」(ヒップアップ風)となるんじゃないかと思ってたので突然の最終回には焦りました。それ以来、心にポッカリと穴が空いたようで、何かしていても気もそぞろで集中できませんでした。大切な友達が遠くの街に引っ越しを告げられた感じ?で、とてもとても切なかった。

サムライ8 八丸伝 最終話、すごく良かったよー!!

折しも、それが3月20日少し前からバズって各所で話題になっていた『100日後に死ぬワニ』(きくちゆうき先生)の100日目最終話のその日でした。僕はそれまでこの作品に興味がなかったんですが、これだけ話題になった作品の最終話をどんな風におまとめになるのだろう?というところに興味があって、ツイッターというお手軽なメディアも手伝って今か今かと19時その瞬間を待っておりました。殆ど今日がお初のニワカもニワカですので細かい論評は失礼ですんで致しません。きっとこの最後の光景は最初から決まっていたんだろうなーと思いました。この美しい光景から逆算した100日間の物語の構成だったのかな…と。

死ぬ事が決まったワニ君100日間約束の100日目に突然絶たれる最終ページに描かれた静寂こそがワニ君の有り触れた「生」際立たせたのです。僕はこの作品を見て『サムライ8 八丸伝』を思い出していました。それは似ていたからではなく、全く違う真逆の作品だったからです。『100日後に死ぬワニ』には死んでしまうからこその生の尊さが描かれていました。突然、あっさりと無くなってしまうから1日一日しっかりと生きなければ…そう思わせてくれる作品でありました。それに対して『サムライ8 八丸伝』はと申しますと…死なない侍のお話で、そこで何を感じたかは胸に手を当ててよーく考えてみて下さい(笑)。

結局のところ、侍が死なないという設定侍の「生」そのもの否定していたんだなと思います。だから僕はこの世界の侍達憧れませんでした。ま…頭がパカっと割れて背骨が出てくるのも嫌でしたけど、その前に人としてどーなの!?っていう侍ばかりで、斯く在りたいと思えるキャラには出会えなかった…。それはきっと一生懸命生きている人がいなかったからだと思うのです。少年少女にも「八丸みたいになりたくなかったら勉強頑張るんだよー!!」としか言えないし(笑)。この物語から教えられたのは「漫画作品でこれやっちゃ駄目」というのと「死なないのは生きていないのと同じ」ですかねー(笑)。

ま…ここまでよく引っ張りましたよー。本当は洋犬(ウミガメちゃん)で宇宙に出たところでスパッと辞めとくベキでした。あそこで切らなかったから傷口大きくなったと思います。「不完全でいい(完全でなくてもいい)」「ありのままでいい」というメッセージは間違いとは思いません。しかし、それは「頑張らないでいい」「何もしないでいい」というメッセージであってはならないと思っています。出来ない自分出来る誰か比べる必要はないけれど、昨日の自分今日の自分比べるベキだとも思います。人は昨日よりも今日、今日よりも明日…常に自分を超えていけるように…研鑽に励み努力を重ねるベキなのです。

侍が死なないのは生きていないのと同じでした。生きていないから死なないだけなのです。そうではなくて、少年少女にはその一生を懸命に生きて欲しいと僕は思います。願います。祈ります。間違っても八丸のようにはなって欲しくはありません。僕らは明日死ぬかも知れない。もっとズーッと先かも知れない。でも、誰だっていつか死ぬのです。だからこそ、今日という一日が大切なのです。大切だと感じて欲しいのです。今ある自分が、自分の時間が大切なのだと感じられれば、自然と自分がやるべき事、やってはいけない事が分かろうかと思います。同時にそれが自分以外の他の人達にも等しく存在する事にも気付けると思うんですよ。

それは自分以外の誰かも大切だと感じられるという事です。皆んな、一生を懸命に生きる仲間だという事に気付くべきなのです。そうやって誰かの気持ちが分かる子になって行けばいいのです。少年少女には自分の中の優しさを育て、誰かを思い遣れる子になって欲しいです。それでこそハチマルの読者さんですよ。僕は皆さんのこれからを…いろんな出会いと別れを…嬉しい事も辛い事も楽しい事も悲しい事も…ちゃんと見守っているので負けずに歩んで欲しいと思います。昨日よりも今日、今日よりも明日…。出来る誰か比べるんではなく昨日の自分今日の自分超えられるように努力を重ねて下さい。明日の自分を夢見て…。

僕は少年少女そう思える物語岸本先生描いていただければ…と思っておりました。悲しいかな結果はその真逆になってしまったけど、人生に失敗は付き物です。失敗したってまたやり直せばいいのです。何度でも何度でも。それは少年少女も同じ。昨日の自分が今日の自分を超えられなくてもいいのです。そんなのよくある事だから。でも、それで諦めちゃいけない。何度でもやり直して欲しいです。皆さんは生きているんですから!!その一生を懸命に生きているんですから!!負けずに諦めずにへこたれず努力を重ね死ぬまで生きて欲しいです。僕はそんな少年少女を見守ろうと独りで勝手に約束しましたッ!!僕も一生懸命です。

忘れないで!!

 ハチマル ケルベロス