サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想④
<ガッ><ガッ>
「見えたぞ!
お前の最期が」(夜叉)
「最期だと!?」(カーラ)
「まだ見えていないようだな
カーラよ」(夜叉)
「お前の心眼など
当てになるものか」(カーラ)
「確かに……
まだ発展途中だ
お前には認知できないのも
仕方あるまい」(夜叉)
<ズズズズズ>
「!!」(達麻)
「だが…
本当の鍵の七人は
もうじき揃う!」(夜叉)
「今はまだバラバラな
7つの小さな点だが
いつか繋がり線となって
見えてくるだろう
この銀河にいる
皆の願いを託された
長い長い
流れ星のようにな」(夜叉)
非常に細かい話から入って恐縮ですが…久々に登場した夜叉さんのセリフで「本当の鍵の七人は」というのと、すぐその後に「バラバラの7つの」というセリフの表記が統一されていません。他にも「オレ」と「俺」や「たち」と「達」とか…もう数えたらキリがない。この作品は表記に統一感がないですねー。普通は校正の時に「あれ?」と思って修正するもんです。昔は校正専門で食ってる物書き崩れ記者崩れのおっちゃんが居て、こういう細かいミスを引っ掛けて潰してくれたんだけど、今はもう出張校正室の主みたいな人も居ないんでしょう。…てか、今は出張校正なんてないよね。PDFで原稿校了なのかな?知らんけど…。
表記のバラツキなんて物語の内容やその深みとは関係ありませんけど、作り手の拘りが感じられんのです。例えば、編集さんとか校正される方が、この作品を「我が子」だと思って手塩にかけてたら、出がけに玄関で身だしなみを整えるように見守ると思うんです。口の横にご飯粒がついてたら取ってあげるし、忘れ物がないかいちいち訊くと思うんですよ。まー明らかな矛盾がそのまま右から左に製本されちゃってるので、表記なんてハナクソみたいなものですかね(笑)。でも、我が子の顔にハナクソがついてたら、僕だったら取りますけどね(笑)。そういう部分…作り手の「愛」が感じられんのです。それが僕は…すごく悲しいです。
アタさんは八丸の流星剣に吹っ飛ばされちゃったみたいですね(笑)。場面は「夜叉さんVSカーラさん」にスイッチします。夜叉さんのシロナガスクジラのキーホルダーが見えます。鯨ちゃんの名前もズラした全く別の動物の名前(ウミガメ=洋犬で、白兎=猫又だもんね)なのでしょう。多分、横綱級のキーホルダーだと思うけど、夜叉さんもカーラさんもMS/MAみたいな侍の鎧を纏って戦ってますが、ここは逆張りして生身(男は黙って…「生身…」クールポコ風)の夜叉さんとカーラさんのチャンバラが見たかったです。これまでズラしにズラして来たのに、何でここは順当なのかと(笑)。結局、夜叉さんやカーラさんが刀振ってるシーンがなかったんじゃないですか?
もー夜叉さんとカーラさんが何やってるのか分かんないもんね。打ち切りでカツカツでここからお話を広げる必要はないんだから、夜叉さんのキレーな構えとか太刀筋をストレートに描いてくれるだけでよかったんです。しかし、ここまで50年近く二人は戦い続けているのですよね。ズーッとチャンチャンバラバラやってたんなら流石にボロボロの筈だから、ここに至る睨み合いで大部分の時間を費やしたのでしょう。それか、アタさんの「屍界」の上位互換の異空間を拵えてて、そこの1分がこっちの50年に匹敵する浦島太郎みたいな状況かも知れません。「パンドラの箱」を開けたら煙が出て二人とも老人になるオチがありそう(笑)。
一方、夜叉さんとカーラさんとは別に達麻と花一さんも屍界から解放されています。「だが…」のカットでアタさんの龍のキーホルダーの残骸が宇宙空間に浮かんでるところにアタさんの「屍界」が解かれて洋犬(鎧)と猫又(鎧)が現れました。これは八丸の流星剣の影響なのでしょう。二人は遠くではなく位相した空間に幽閉されてたみたいです。そもそも流星剣がどんな剣技でどんな効果があるのか示されていないので考えようがありませんが、アタさんを退け、無能師匠が幽閉を解かれたので空間に干渉する系の剣技なのかなと思います。夜叉さんの心眼にインスピレーションを与えたのも流星剣の波動だったと思います。
夜叉さんの心眼には「本当の鍵の七人」が見えたんですね。既にいる苺ちゃん、三打、五空、竜(麻雀でリュウって「六」じゃなかったっけ?)、七志とは別に獅子舞だか天狗のお面の痣の女剣士さんと明らかに鬼さんの二人が追加されています。いやーしかし…新規の二人はこれまでにワンカットでもいいから描いとくベキだと思いました(笑)。道を歩いててすれ違うだけでもいいのに。その時、苺ちゃんが何か感じるとか、八丸が引力で転ぶとか、何かできたと思うんですよー。ここでこんな風に出されても「あー…」ってなるだけ(笑)。そうなるとバトロワの四華丸もボツですねー。スピンオフで「四華丸伝」を期待して(ry
まー…この作品は打ち切りなので「丸投げ」は仕方ないんですけど、これだけのリソースをドブに捨てたかと思うと勿体無いですね。でも、最終回に誰一人としてまともに戦ってなくて、違和感しかなかったんだけど、それは誰一人として一生懸命に生きていなかったという事の裏返しでもあり、それこそが「死んだその日が誕生日」の侍が『ど根性ガエル』になりきれなかった理由でありましょう。ゾンビだってやる時はやるのにね(笑)。ここまで心が熱くなれないのはこの最終回がこの作品の「お葬式」だからなんだなーと思います。ここまで43話…自分が死んでる事に気付けなかったのねー(笑)。
続きまーす!!