サムライ8 八丸伝 最終話 パンドラの箱 感想⑥
(お父さんには報告したよう
これから私たちは他の仲間を探しに行くね)(アン)
「ニャン!」<スッ…>(早太郎)
「!」(アン)
(八丸くんの刀……)(アン)
「アン姫
それって……?」(五空)
<ギュッ>「どう見える?」(アン)
「さらに美人になった
可憐な姫!………って感じかな」(三打)
「誰がだ?」(竜)
「ううん…姉様
凛々しい侍に見える!」(苺)
「…まるで八丸くんみたい」(七志)
「そろそろ行こう」(花一)
「さあ…次なる旅へ
出発だ」(達麻)
「いざっ!!」(アン)
<ゴオオオオオオ>
始まりの地…とうとう星の名前は最後まで明かされませんでしたが、八丸が8パパと暮らしていた星。アンちゃんが生まれた星にパーティは戻って来たようです。8パパの墓前。アンちゃんにはいろいろと報告があったことでしょう。パーティのメンツは達麻、花一、七志、苺、竜(仮名)、三打、五空で、「箱の鍵」は苺ちゃんも数えてるようなので既に「5つ」まで揃った事になりますね。竜は麻雀の数え方が「イー、リャン、サン、スー、ウー、リュウ(ロー)、チー、パー、チュウ(キュウ)」なので「六」(リュウ)かな…と思うので、「1、3、5、6、7」の「鍵」が揃っていると思われます。残る「鍵」は「2、4」の2つですかねー。
それが見開きの痣の女剣士と鬼侍なのでしょう。それでアンちゃんはというと、このパーティのリーダー的な存在になったようで、年の頃も八丸の覚醒(=時空超越)で一気に最年長のお姉さんになっちゃってまして、その分の寿命は?内的な成長は?とかいろいろと気になりますが、超高密度の時間進行の中で外的にも内的にも正常な成長を遂げた…という風に考えるとしましょう。アンちゃんの吃音も、それに伴う自信なさげな雰囲気も霧散しています。そばかすだって薄くなって快活でキレーなお姉さんです。長い髪をひっつめて早太郎が持って来た八丸の鈍(なまくら)を背中に担げば凛々しい女侍の一丁上がりであります。
ところで、早太郎が咥えて来た八丸の鈍(なまくら)ですが、きっと八丸の生家から早太郎が見つけ出したんではないでしょうか?八丸の遺品ですな。しかし、それだと模造刀だと思うので、アンちゃんが女侍になる…というのではなく、八丸の遺志を継ぐ心構えを示したのだと思います。しかし、八丸の事を口にしたのが七志だけって、八丸の存在感が希薄過ぎて辛いです(笑)。七志も八丸の散体を目の当たりにしたのにノーダメージみたいで何よりです(笑)。七志の「義」は「八丸を一生守り続ける」だったから、それがなくなってしまって散体しちゃうかも!?と思ってたので。今は「八丸=パンドラの箱」なんですよね。
このパーティでは「八丸の鍵」を所有しています。その中(内なる宇宙)には「パンドラの箱」が保存されている。「パンドラの箱」とは「データ」だった訳です。しかし、それには強力なプロテクトが掛かっていて使用できない状態で、そのプロテクトを外すのが「7つの鍵」という訳です。最終的には7人の鍵侍が頭をカパッと開いて「鍵」を出し八丸の「鍵」に接続して「パンドラの箱」を開く…という絵面になるのでしょう。あと2人だし、居場所は八丸の「鍵」にある「パンドラの箱」が座標を示すのでサクッと見つかるでしょう。ところで、残された「二」と「四」って侍なのかな?苺ちゃんと三打がまだ人のままだしね。
人であろうと侍であろうと既に「箱の鍵」として感知(認識)されているのでよく分からん。完璧に侍として認定できるのは「五空、竜(六?)、七志」だけだもんね。しかし、苺ちゃんの「切腹の儀」とか見たくねー(笑)。幼女の切腹ですもんね。でも、苺ちゃんが侍にならないと「パンドラの箱」を開ける「鍵」が揃いません。僕はもう一方の「箱」である「マンダラの箱」が「棘星」(達麻やアタさんのいた星)で、それが不動明王のロッカーボールでもある…という提示があった時から、苺ちゃんが「棘星」の何処かに突き出ている「切腹刀」を見つけ出して、それで「切腹の儀」を執り行うのではないかと期待していました。
何たって苺ちゃんは「銀河一強い侍になる娘」(花一)でありますから、ロッカーボールも『ベルセルク』の「覇王の卵」(赤いベヘリット)よろしく特別性なんじゃないかと思います。非常に余談ですが、物語に登場する横綱級キーホルダー(親方級を含む)はそのような巨大なロッカーボールで「切腹の儀」を果たした侍が作り出したものなんじゃーないでしょうか?ロッカーボールがある程度大きくないと横綱級(親方級)キーホルダーを作るにはリソースが足りませんもの。ちなみに侍は散体してもキーホルダーは遺るので現存する横綱・親方級キーホルダーと特別製のロッカーボールは必ずしも同数でなくてもよく、極端な話、「棘星」だけ…というのもアリです。
だから、もしかしたら義常の鬼若丸(親方級キーホルダー)は「棘星」(みたいな巨大なロッカーボール)によって製造された可能性があります。でも、不動明王の遺した「箱」の一方である「マンダラの箱」が苺ちゃんに占有されてしまったら、「マンダラの箱」を開ける楽しみがなくなってしまいます(笑)。…って言うか、「パンドラの箱」がデータ=ソフトウェアであるから、当然それを走らせるハードウエアとして「マンダラの箱」があるのだと思うのですが、その辺は不動明王に訊いてみないと…でも思いっきりはぐらかされて終わりなんだろうな(笑)。しかし、「マンダラの箱」の「鍵」って「合鍵計画」の頓挫で降り出しに戻りましたよね。
そもそも「合鍵計画」のデザインチャイルドが「マンダラの箱」の「鍵」の筈が実は「パンドラの箱」でした…っていうんだから、ここには不動明王の情報操作や介入があったと思われ、「マンダラの箱」を開けるのに本当に「7つの鍵」が必要なのか?から怪しいです。もしかしたら「パンドラの箱」の「7つの鍵」がそのまま「マンダラの箱」の「合鍵」になってて、それに「パンドラの箱」に格納されたデータをインストールして不動明王自身が受肉する…みたいなオチが待ってたのかな?苺ちゃんの「切腹の儀」がそれを唯一阻止する手段ならちょっと面白そうだけど、悲しいけど…これ、打ち切りなのよね(スレッガー中尉風)。
このお話は世界を救う為に「パンドラの箱」を開くというクエスト(冒険)だったと思うんですが、この世界が救うに足る存在だったのかが甚だ疑問でした(笑)。アンちゃんと亡兄の回想においては「こんなにも子供を大切にしない世界なら滅びてしまえ!!」と思いましたもの。師匠の達麻にしても弟子の八丸を正しく導こうという気配すらありませんでした。結果的に読者にもこのお話が「何を守ろうとしているのか?」が見え辛くなっていたように思います。このお話は最終回ですが、ここで生きたキャラの魂が読者の心の中でどうか報われますように…。新しい冒険の中でそれぞれがその一生を懸命に生きれますように…心の底から僕は祈っております。
原作の岸本斉史先生。作画の大久保彰先生。43話(最終話)まで誠にお疲れ様でした!!最期の最後まで読者としてこのケルベロス…作品と添い遂げさせて頂きました。連載中は苦言どころか罵詈雑言を投げつけてしまいまして、大変失礼いたしました。前作の『NARUTO -ナルト-』に対する想い入れや新作に対する期待があった故の…害意ではなく誠意でありました。その中でもこうして最終回まで僕が活動したのは少年少女に「何か一つ事を最後までやり抜く」という事の大切さを伝えたかったからであります。それは漫画を愛する者として最期の最後まで自身の「愛」を貫くという事でもありました。もし先生方が雑音を感じていたなら心から詫びたいです。
こうして『サムライ8 八丸伝』は終わってしまいましたが、岸本先生も大久保先生も今後また何か作品を描かれるのであれば、僕は心から楽しみにしております。人生は何度でもやり直せます。先生方のその行いがきっと少年少女に勇気と希望を与えてくれると思います。僕も何度も失敗して失敗だらけの人生ですが、こうして少年少女に何かを伝えられたらと願い書いております。先生達の修羅場とは比べ物にならないような甘々な活動ですが…。こうしてハチマルの活動を続けられたのはハチマルを読んでくれた皆さんのお陰です。誠にありがとうございました。本当に本当に僕にとっても幸せな時間でした!!
ありがとうございました!!