サムライ8 八丸伝 第40話 支えの喪失 感想①
<バラ>
「!!?」(達麻/花一)
「何だコレは!?」(花一)
『母艦 洋犬との通信途絶
H粒子ゼロ…虚界です』(洋犬AI)
「アタも星も見当たらぬ!
様子が変だぞ!!」(花一)
『ここは他の宇宙領域です』(洋犬AI)
「!
アタに…そんな力まで!」(達麻)
「くそっ!ハメられた…
別宇宙に閉じ込められたって事か!」(花一)
「侍は断つと繋ぐを制す者
それは宇宙領域とて同じだ」(アタ)
先週の最後で「アタVS達麻&花一」が刃を交えて文字通り…火花を散らしたところで閉じて、この一週間…どんなすごい闘いが繰り広げられるんだろう!!??とワクワクしてたんですが、いきなり決着してしまいました(笑)。この一週間のワクワクは何だったのか?…と(笑)。僕は連載前に「侍物」という事でどんな「殺陣」(たて)が拝めるんだろうと非常に楽しみにしてたんですよー。僕らの世代では「チャンバラ」と申しまして刀で<チャン><チャン><バラ><バラ>と鍔迫り合う剣戟(けんげき)が岸本先生のネーム(作画は大久保先生)で拝めるですから、これが楽しみでなきゃ何なのよ…じゃないですか!?
でも連載が始まったらチャンバラよりも説明が多かった…(笑)。それでも偶ーに出てくる殺陣は素晴らしかったです。やっぱ漫画は「画が命」ですから、画がとんでもなく上手な大久保先生が岸本先生のネームを清書してるんですからカッコいいですもん。だから、今回の最強格同士の一戦は期待してたんです。それがアタさんが余りにも強すぎて取りつく島もない状態で明らかにイキってた達麻と花一さんが別宇宙に飛ばされて終わりとか、ものすごくスッキリしないです。岸本先生は「これが宇宙での侍の闘い方!!」とか「これこそ”侍×SF”の戦闘!!」と考えてらっしゃるのでしょうが…。
何か…こう、釈然としないんです。気持ちよくない…んです。これと似た事が『新世紀エヴァンゲリオン』でもありましたねー。TVアニメではなくて映画版だったかと思いますけど、記憶がかなり怪しいです(汗)。白い量産型のヱヴァが出てたヤツで、シンジ君が怒りと共に覚醒状態に入り「さぁ!!戦うぞ!!」という気持ちに作中も視聴者もなった時にシンジ君のヱヴァが十字架に磔られちゃったんですよ。闘気が最高潮に溢れ出してたのが一瞬で失せて磔(はりつけ)でお終い…(笑)。いやーここは取り敢えず闘うとこでしょーッ!!って僕は思いました。ここに来てシンジ君が折角、男として立った瞬間なのに何で戦わせないかなー。
確かにアタさんとしては目当ての八丸(八角)を回収するのが最優先で、それが成れば「マンダラの箱」が開いて投了でありますから、ここで達麻と花一さんに時間をかけるのは合理的ではありません。また達麻と花一さんの「10分ルール」をアタさんが知ってか知らでかは分かりませんけど、余りにも素っ気ないし、エンタテインメントの「お約束」を守って欲しいです(笑)。これ…週刊誌だからまだイケてますけど、単行本で読むとここの繋ぎでは話が飛んだように感じられる筈です(笑)。頁、二ページ一遍に捲(めく)った?いや、三ページ一緒に捲った?ってなります(1話飛ばした!?)…きっと(笑)。庵野さんも岸本先生もズラしが過ぎるんです(笑)。
やっぱ、やるときはやる!!って言うか、ここぞ!!(←今でしょ!!)という時に全力で行って欲しいんです。こっちはお腹いっぱいになってない…どっちかと言うと飢餓状態にあるから、ここは「アタVS達麻&花一」を一通り描いて〜の…アタさんの「屍界」で幕引き…っていう流れにしないと盛り上がった気持ちが裏返っちゃうんですよ。読んでて全然楽しくないものね。こんなズラしばっかじゃなくて偶にはベタベタな胸熱展開で盛り上がらせて貰いたいもんだわ…と思いました。ま…アタさんの圧倒的な強さはよく伝わりましたし、圧倒的な絶望感もありました。ありましたけど…まー…面白くはなかった…というのが僕の感想です。
それとこれは少し後の描写なんだけど、アタさんの攻撃で白兎と洋犬が大ピンチなって首の皮一枚で難を逃れたところで三打や苺ちゃんが宇宙服で防護されてるカットで何を思ったのか竜まで宇宙服着てるんですよ。三打の横(右手)にいる黒髪の男性は明らかに竜だけど宇宙服姿です(笑)。竜と感じの似た五空は苺ちゃん(猿のキーホルダーの中に収容されてて可愛い!!)と一緒にいて、侍だからそのままの姿です。竜も侍なんだからこれはちょっとねー…と思います。この程度は校正で引っ掛けてあげないとダメですよー。これは…制作スタッフが作品への関心を失ってると思われても仕方ないです。細かいお話でアレですが、全てにおいて「愛」が感じられないのが悲しいです。
続きまーす!!(屍界の理論的な考察は次で行いまーす!!)