サムライ8 八丸伝 第28話 免許皆伝 達麻 感想①
「どーなってんだ!?
でっけーの居るし!
師匠は光り出すし!?」(八丸)
「ニャン」(早太郎)
「!!」(八丸)
「この人…」(八丸)
「弁形
お前の言った通り秘密は無しだ
そもそも…
猫を被るのは嫌いなんだよ(I hate hiding in a cat's body.)
本性を隠して
大人しくはできねータチでな!」(達麻)
僕は北野武監督の暴力描写が好きです。北野監督自身が言ってた事ですが、例えば拳銃を撃つ時に決して「撃つぞ!!」と言わせないそうです(笑)。これから相手の命を取ろうとしてる時にいちいち説明は要らないからです。そんな事してる間に相手が撃って来ますもん。殺らなきゃ殺られる。よく考えたら当たり前ですが、実際にそんな場に居たらどっちも命懸けですからベチャクチャと余計な喋りは必要ない…というか出来ません(笑)。相手の気配を感じたら兎に角撃つ。刀を持ってるんなら突くか斬りかかる。大脳で考えるんではなくて小脳で動いてる…みたいな動物っぽい演出がそこから生まれるんだろうと、僕は考えています。
『サムライ8 八丸伝』の場合は、諦めない限り(武神に見放されない限り?)死なないので、真剣で練習試合が成立する世界観ですが、その所為か緊張感が削がれているように思います。それで侍がやけに喋るのね(笑)。それは第1話の侍ゲーのムービーからいきなり訳分からん喋りが飛び出して以来、歌舞伎の見栄切りの様なやりとりがしばしばあります。岸本先生はお笑いで言う所の「天丼」のように戦いの前にお決まりのしゃべくりを置いて行きたいのですよね。これがやりたかったのですよね…そういうお気持ちは痛いほど分かるんですが、僕らは今日のこの日を今か今かと一週間待ってたんですよ。
達麻が本来の姿になったー!!さーどんな風に戦うんだろう!?と、一週間もの長きに渡ってワクワクしなが待ち焦がれて来た訳です。それがいきなりしゃべくりが始まって冒頭部分から6頁めでやっと戦闘に入るとか…もうこれは嫌がらせと同じです(笑)。それに週刊誌の限られた頁数で5頁ってデカイですよー。ただでさえ戦闘シーンが分かり難いのに、こんなしゃべくりなんか削っちゃって、そのスペースでもっと丁寧に戦闘シーンを描いて欲しいと思います罠。岸本先生のお気持ちもとても大切だと思いますけど、読者の気持ちも少しは汲んで頂けたらと、不遜ながら僕は思うのであります。
ウミガメちゃんが合流するまでの時間稼ぎ…というのもあるだろうし、八丸に対する説明も多少必要でしょうけど、それを敵の弁形が黙って見て居る…というのが合理性に欠けます。僕が弁形だったら達麻の体勢が整う前に仕掛けますもんね。やっぱ、そういうキャラのちょっとした動き方が積もり積もって作品の持つリアリティに少なからず影響を与えているんではないでしょうか?そもそも侍の不死設定が緊張感を台無しにしてる感は否めない…という根本的な問題はあるにせよ、不要なシャベリを省いて戦闘シーンを充実させるだけでもかなり変わると、僕は思うのですが…。
続きまーす!!(ちょっとずつ行きますねー)