ハチマル

週刊少年ジャンプで連載中の『サムライ8 八丸伝』を考察するブログです。

サムライ8 八丸伝 第3話「戦車入刀」感想①

「そっちの生存者は?」(狼・侍)

「ダメだ
駆けつけるのが遅すぎた」(猪・侍)

「!」(侍・侍)

<ガバッ>(村人)

<ガッ>「ぐあっ!!!」(村人)

「誰だ!?」(猪・侍)

<ガシャ>「く…
お前らこそ…!!」(村人)

<ガッ>(村人)

<サッ>「!!」(村人)

<ザッ><ザッ>(狼・侍)

<カチャ><カチャ>「!?」(村人)

(抜けない…!)(村人)

「生体認証のID付きだ
安全装置がかけられている
その刀はオレにしか抜く事はできない」(狼・侍)

<プル><プル>「…アンタ達
赤木城の武士隊か?」(村人)

「ああ
ここから連絡があり来た
いったい何があった?」(猪・侍)

「盗賊の戦車だ!
そいつが急にーー!」(村人)

「戦車?どんなだ?」(狼・侍)

「…どんなって
……そう…まるでーー

でかいケーキみてーな
戦車だ!!」(村人)

戦車に乗った豚さん達が荒らし回って被害が出た村(?)に黒い狼のホルダーを連れた大きな猪(これはイノシシちゃんだと思うんですけど別の何かだったらごめんなさい!!)のホルダーに乗ったが駆けつけます。二人とも半纏だか何かの上着着用で左胸に「忠」の文字。これは夜叉流忠道場所属を意味するものと考えていいでしょう。二人とも目につく武器としては大刀をそれぞれ二本ずつ装備しています。狼・侍の背中の大刀は特に長いです。

  • 赤木城の武士隊の二人が(サイボーグの身体)なのか武士(人間)なのか読みきれないので(第2話で「オオカミの侍」という件があった)一応、侍でいこうかと思います(笑)。侍じゃなくてもホルダーは所有できる筈だし、義体が可能な世界観でサイボーグの身体人間の明確な分別(=描き分け)が見出しにくいので。あといきなり八丸が侍になれたのもあって侍の希少性がいまいち実感できてない…っていうのもあって、この辺りの吟味はもう少し時間が欲しいです。

刀はどんなに鍛えても刃こぼれや刃についたなどで切れ味が鈍ってしまう為、戦場においては消耗品と考えるべきでメインサブ二本所持するのはなかなか理にかなっていると、僕は考えています。二刀流というのもありますが、両手に二刀持って戦うのはどちらかと言うと特殊で、一刀で戦いながら鍔迫り合いの最中にもう一刀で攻撃するというのがホントのところだったんじゃーないかな。武蔵二天一流はかなり特殊な存在(武蔵は特別にフィジカルが強かった?)で一般的ではなかったと思います。

ま…少年誌的には文句なしにカッコいいですけどねーッ!!ホントは僕的には二刀流は好きなんです。忘れもしない幻の週ジャン作品コマンダーゼロ」(何で打ち切りになっちゃったんだか未だに謎で今からでも遅くないから連載再開して欲しいくらいです!!)に登場したアルゴンガスレザーブレード使いのコマンダー・レオ!!未だに彼を超える二刀使いにお目にかかっていません。週ジャンハガキシステムの功罪って昔からあったんですよー。僕みたいな層はハガキ出しませんしね(汗)。

戦場にあれもこれも持っていくのは弊害も多くて、狼さん猪さんのかなり抑えた装備にはケルベロスとしては大いに好感が持てます。特に刃で戦うスタイルにおいては格闘中に自分の刃で自分を傷付けてしまう自傷の危険性や、格闘中に敵に自分の武器を奪われてやられてしまう危険性があったり、装備品の多さが機動性を損なうなどの理由と合わせて合理性がありません。また、両手で気合を込めた一本剣(いっぽんけん)の強さが一対一の戦闘では最も有効なんじゃないでしょうか。

『サムライ8 八丸伝』では義体高度なテクノロジーが加わるので未だ予断を許しませんが、侍が人型(五体満足)の形態であり、侍魂・宝刀や通常の刀剣主たる武器とする世界観から類推するにこれまで永きに渡り培われて来た剣術理論は大いに尊重されて然るべきかと思います。少年誌的活劇ではある程度理に叶った部分とんでも技術融合していい塩梅になる必要があって難しいんですけど、今のところ『サムライ8 八丸伝』の描写はケルベロス好みなのであります(笑)。

それで冒頭の赤木城の武士隊に瓦礫の中から襲いかかった村人(?)とのやりとりですが、村人が大斧で襲ってきたので、狼さんは刀を鞘から抜かずに鞘の部分で応戦したんだと、僕は考えています。これは訓練の行き届いた兵士であるなら、攻撃対象が敵か否かを瞬時に判断して攻撃方法を選別するのは当然で、この場合も村人が攻撃対象でないと咄嗟に判断した狼さんが自分の刀を鞘にしまったまま投げて間合いを一度切ったのだと、僕は考えています。鞘に守られた刀は刃こぼれしませんから。

そして、刀を鞘ごと投げた…っていうのが今回のお話の大きな複線でありまして、この世界の日本刀には須(すべか)らく「生体認証ロック」がかかっている様です。多分、八丸脇差模造刀にはないシステム(笑)。狼さんの投げた刀は狼さんにしか抜けないので迷わず村人に向かって投げたんじゃないですかね。そうすれば村人その刀を奪い攻撃するだろうと考えて…。それは村人に抜けない刀より遥かに驚異の高い大斧放棄させる為。大斧と刃を交えて刀の刃を痛めない為。それらから狼さんはかなり訓練された兵士だと言えるでしょう。

このやり取りで村を襲われ興奮した村人落ち着かせる暇(いとま)を生み出すことができ、村人を傷付けることなく落ち着かせることに成功しています。冒頭の僅かなスペースで、狼さん兵士としての練度の高さや一方的に村を蹂躙された村人のやり場のない怒りとか、この世界の武器や戦闘のあり方などを説明くさくない自然さでサラッと描かれておられる。その上、今回のエピソードのオチと申しますか大きな伏線を提示するなんて岸本先生のネームはやっぱり凄いなー…と僕は思うのです。

しかし、豚さん達の戦車「ケーキ」意識してたのには驚かされました(笑)。ボスの豚さんがホークにショートケーキ刺してそうなのが気持ち悪かったけど、この背の高い戦車がまさか…!!(笑)おっと…時間と相成りまして、細切れで申し訳ありませんがアップさせていただきます。いろいろとケルベロスも事情がありまして昔みたいに一気に一話分上げ切れなくなってしもーて(汗)。それを言えない岸本先生大久保先生には申し訳ありませんが、何卒ご容赦を(汗)。

 

 続きまーす!!