サムライ8 八丸伝 第5話「出発」感想②
「おお———何ここ!!
まさかここがアジト!?」(八丸)
「石像が見えるか?
そのスキ間の奥がそうだ」(達麻)
<ドカッ>「ニャン」(早太郎)
「うわぁああああ!!!」<タッ>(八丸)
「ぐぁっ!!」<バシャーン>(八丸)
「ニャン!」(早太郎)
<バシャッ>(八丸)
「何だ!?」(八丸)
「ニャン!ニャン!」(早太郎)
「え!?
石像が動いている!?
どーゆー事だこれ!?
ダルマ師匠!!」(八丸)
「スー…ピー…」<コクッ>(達麻)
「かんじんかなめで寝る
そのキャラ付けは一番いらねーの!!?
ダルマ師匠改めダメな師匠!!
そう呼ぶ!!!」(八丸)
達麻の案内でアジトに到着しましたがいきなり門番の攻撃で戦闘に突入してしまいます。石像の大きな掌に阻まれ墜落する八丸と早太郎。高速で衝突した割にはダメージは少なそうです。…っていうか、損傷は自己修復で解決するのでしたね。やはりこれはロッカーボール…三輪身の力の恩恵でありましょう。また、描写的には石像の掌に衝突する直前に二人は<タッ>と反応しているようにも見えるので常人とは別次元の反応速度を既に授かっているのでしょう。何たって八丸は鍵侍なのですから!!
ま…後で分かるんですが達麻のアジトの門番ホルダーで通行パスを提示する前に達麻が寝落ちした為に二人は侵入者として排除されそうになったようです。この世界のテクノロジーは非常に高く小さなことから大きなことまで任せられるロボットが存在し、それをホルダーと呼んでいます。それと鍵侍が使役するキーホルダーは別物と考えるべきですが、鍵侍の生死とキーホルダーの存続は関係ないので、この門番ホルダーも過去に存在した鍵侍のキーホルダーである可能性もあります。
もしかしたら、この門番ホルダーの首の付け根に柄骨の安置場所があって、それを達麻が受け取っていたならばこの子らもまたキーホルダー…つまり鍵侍由来…ロッカーボールの恩恵に預かる自己修復能力のオプションを持つ早太郎や馬侍の馬と同じ能力を保有する筈です。が、寝落ちした達麻が目を覚ましても攻撃の手を緩めなかったので、単純に二人の門番は隙間を通る侵入者を排除するようにプログラムされた任務を粛々とこなすこの世界の一般的なホルダーなのでしょう。
第1話の達麻のネトゲのムービーで「小結級ホルダー」とするかなりガタイの大きなホルダーが描かれていましたから、それと比較すると大関とか横綱クラスの大きさでしょうか?それか番付が大きさじゃなくて強さの指標かも知れませんが、早太郎と八丸のやり取りで自然に門番を「ホルダー」と受け入れているので、門番のように巨大なホルダーも存在する世界観であると考えられます。動力(エネルギー)や可動部分の説明がありませんが、この世界では比較的平易な技術なのでしょう。
それはそれで受け入れるとして、やはり気になるのは達麻のナルコレプシー(居眠り病)でしょう(笑)。もう既に八丸にすら「ダメな師匠」と諦められていますから!!(笑)多分、達麻の場合は単純な疾病ではなくて、拠ん所無い事情があるのでしょう。しかも、これが『NARUTO -ナルト-』だったら第1部と第2部の間の繋ぎで「戦場のボーイズラブ」…じゃなかった!!…「戦場のボーイズライフ」としてスピンアウト企画が組まれるレベルの大ネタも大ネタ!!
きっと、イケメンの好男子で、その上「犬派」である筈の達麻が、その信条(猫を被るのは…の口上)に反して猫を被らされてしまう!!なんて酷い仕打ちのダルマに似た招き猫キャラにならざるを得なかった…それは重い重いストーリーがある筈です。或いは眠っているのではなくて別の仕事にアクセスしてて、例えばネトゲでの情報収集とか、有力な鍵候補の報告メールを受信してる可能性はありますが、如何せん達麻の行き当たりばったりの態度が目立つので上手く入って来ません(笑)。
確か、八丸んちに早太郎が咥えてきた達麻もスリープモードに入ってて、それを八丸が解除したんですよね。眠りは生き物にとって一番の癒しですから、しょっちゅう眠りに落ちる達麻はそれに相当する深いダメージを負っているのでしょうか?何せこれまで50年間、達麻は鍵侍を探してこの銀河を彷徨っていたのですから!!そりゃもういろんな辛いことがあったのでしょう。いやー、猫侍になったのはこの任務の前だし…。でも、これで単なる疾病で薬とか飲んでたらコラーッ!!が全国各地で(笑)。
<ガッ>(達麻)
「!!?」(八丸)
「ダメな師匠!!」(八丸)
「勝手に名を変えるな!!」<グイ>(達麻)
[金剛夜叉流・剣腕](達麻)
「え!?」(八丸)
<ズシ>
「!!
ダメな…じゃなかった
ダルマ師匠
!!後ろ!!後ろ!!」(八丸)
<バッ>
<チン>「黙ってよく見ていろ」(達麻)
<ガチャ>「侍はこう戦う!!」(達麻)
<スッ><パシィ><ズボッ>(達麻)
<ズッ…>(達麻)
<ゾクッ>「!?
腹から!?アレって…!」(八丸)
「侍の腹に据えた勇の証…
侍の持つ本当の真剣」(達麻)
<ズズ><ズッ>「侍魂だ!!」(達麻)
そんな達麻の不憫さを吹き飛ばすかの如く、達麻が気を吐きます。眠りから醒めたのですね。先にも書いたけど、二人の門番ホルダーが達麻のキーホルダー…柄骨の契約…だったら、ここで攻撃がストップしてる筈なので、普通のホルダーって事ね。注目すべきは達麻の剣技です!!金剛夜叉流・剣腕…達麻は門番の大きな拳を剣先で跳ね飛ばしています。しかも、達麻の持ってる刀って八丸の模造刀でしたよね。パパの秘密のガレージに真剣があった可能性もありますが生体認証コードが存在する為に鞘から抜く事ができません。
これまでも達麻は八丸の模造刀でいろんな物を斬ってきましたし、八丸も見よう見まねで模造刀を扱い戦いました。そして今回は斬るのではなく、達麻の模造刀の切っ先が門番の大きな拳を突き放してるんですよ。本物の侍ならば模造刀でも斬れる…のに!!門番の拳に達麻の切っ先は突き刺さっていません!!もしかしたら、侍は刀で斬るんじゃなくて別の何かで斬ってるんじゃないかと、僕はここで感じました。だとしたら、模造刀で湯呑みを中に入ったお茶すら崩さずに斬れる描写も納得できます。そして、それとは逆に斬らないという選択肢を残すのも上手く説明できます。
金剛夜叉流・剣腕という剣技ですが、これは斬るのではなく打撃技なのだと僕は思います。例えば、鋭い切っ先を侍の何らかのスキルで作って刺突したとしても門番の拳はそのまま達麻に襲い掛かります。しかし、鋭利とは真逆な鈍器を作り出して門番の拳に打つけたとしたらどうでしょう。事実、その衝撃に押されて門番はひっくり返ってしまいましたから、達麻は模造刀の物理的な斬れ味に頼らず、模造刀に纏わせた何かの形状をコントロールしているのではないかと考えられますまいか。
それは八丸も同じで、八丸も模造刀で門番ホルダーと戦ってますが、ケーキ戦車より硬いから斬れないにせよ、刃を弾かれこそすれ折られずにいます。ケーキ戦車だって刀身より遥かに大きかったけど斬れちゃったのも物理的な刀身に依存しない斬れ味を侍スキルが生み出しているに違いありません。きっと達麻は剣腕において、侍スキルで切っ先(鋒・きっさき)をハンマーのように造形しているのです。それにキーホルダーの突進力と練りに練った突きを合わせたッ!!
この描写は重要な提示です。
達麻は馬侍のキーホルダーと契約した柄骨を取り出して自らの侍魂を抜刀します。刃が赤くないので高綱の侍魂・血吸ではありません。恐らく達麻の侍魂です。八丸の反応…<ゾクッ>と全身総毛立つように達麻の一挙一動に見入っています。きっと達麻も八丸に侍の何たるかを見せる為に戦っているのですから、誰かのではなく達麻自身の侍魂を見せたいと思うでしょう。僕ならそうする!!だからカッコいいんですよ!!それが侍魂…侍の持つ本当の真剣…なのだと、僕は思います。
侍魂とは「勇」の証。ロッカーボールはその人間の中の「勇」を見極めます。それで一度果てた人間がキーユニットとして転生するタイミングで侍魂を生成します。普段は球体ですが、一度、柄骨にセットされれば刃を形成し真剣と化します。僕が考えるに…侍とは凡そ、「勇」を扱える人種なのではないでしょうか?侍魂は「勇」の塊で、それを元に刃を形成する。同じように自分の身体の奥底から溢れ出した「勇」を刀剣に纏わせ、その形状をコントロールして斬ったり突き放したりする…。
「勇」がある種のエネルギー体として物理的な存在であり、それを積極的に侍がコントロールできるのであれば刃物としてカミソリのように研ぎ澄ましたり、大きなハンマーのように造形して打撃したりできます。或いは刃の長さを伸ばせば戦車だって両断できます。きっとそこにはイメージ力が要求されて、それを補助するのが如何にも斬れそうな刀剣なんではないでしょうか?八丸が模造刀や仕込みの杖もどきで敵をぶった斬ったのもそうであれば説明できます。
イメージをし易いという点で、模造刀よりも真剣の方が物理的に斬れるし刀工の技(念なのかな?)も乗っかって「勇」の効率が増すとかあって都合が良いのかも知れません。また、実体剣を使用した方が「勇」の消費が抑えられるとかメリットがあって、強力な侍魂を有する侍にあっても実体剣を帯刀する意義がある可能性もあります。この辺りは『NARUTO -ナルト-』の「チャクラ」の概念と似てそうだなー…と思いますが、上記ののように考えればこれまでの描写がいろいろと説明しやすいなと、僕は思います。
ところで、僕は疑い深いのでアレですが、この門番の霍乱(かくらん)も達麻がイケメンなところを八丸に見せる為の演出だった可能性はないでしょうか?達麻はここで侍が如何にして戦うかを見事に八丸に展示しています。僕にだって侍・達麻が…まだ説明はないけど…何で斬っているかが見えましたもの。でも、疑いだしたらキリがないし、ここは猫侍に成り果てようとも意外にイケメンで斬れ味のいい達麻に免じまして、拠ん所無い事情による寝落ちという事で納得すると致しましょう(笑)。
続きまーす!!