サムライ8 八丸伝 第5話「出発」感想④
「すげェ…!!
これが…侍の戦い方…!」(八丸)
「さっきはすまぬ
ここを護る門番ホルダーを
停止させる前に寝落ちして
しまっていた」<タッ>(達麻)
「早太郎!
オレにもあんなふうに
出来るか!?」(八丸)
「ニャン……」(早太郎)
「早太郎はまだ
ただのホルダーで
『キーホルダー』には
なっておらん
柄骨を渡しておらんからな」(達麻)
<カチャ>「柄骨?」(八丸)
いきなり余談ですが(汗)、八丸のメガネがテンプルレス(つる無し)になっています。八丸が侍になった時にブリッジで割れて頭に乗っかってたのは分かったんですが、これが<カチャ>とくっついてメガネとして使えるとは思いませんでした。だって侍の身体になって近視だって治ったと思っていましたから!!何せ今まで歩くことすらできなかった子が…いやいや…生命維持装置がなければ数分と持たなかった子が飛んだり跳ねたりしてるのに、近視くらいチョチョイのチョイだとフツー思うでしょ(笑)。
いやしかし、伊達眼なのか?ま、まさかガラスが入ってないなんちゃって!?(笑)ここは普通に眼球を守る防護スクリーンと考えるのが自然かな…と思います。何でこのメガネが元服した八丸に残ったのかと申しますと、それはパパが八丸を大切に想う証…父ちゃんがくれた…オレを支えるもんのひとつだ…と、第1話の終いの方で八丸が言ってたように、パパが八丸の為に造り与えた大切なものだからです。本来の八丸を再現する為にメガネや仕込みの杖などは不可欠な品だったと判断された訳です。
ちなみにテンプル(つる=耳にかけてメガネを支える部分)がないのにメガネを掛けられるのは侍の鎧とか盾が既に好き勝手に浮かんでますからスルーすべきでしょう(笑)。それと眼球を守る為のスクリーンとしてだけ機能するのも勿体なく思えるので、ここはスカウター風に戦闘支援の情報が映し出されるGoogleグラスのようなAR(拡張現実)を応用したヘッドマウントディスプレーになってたらいいなと思います。レーダーのロックオンとか後方の接敵を知らせるとか、いろいろ使い道はあると思います。
ま…そんな回りくどいことしなくても内部的にできるだろー…なんですが、八丸が愛用していたメガネだってパパ謹製か八丸に似合うデザインのメガネを探して探して探しまくって…なんだ、その、つまり、八丸の為にパパが東奔西走したであろう気配や、パパがシコシコと夜なべして作った仕込みの杖の持つ意味を八丸は八丸なりに理解していたから、ロッカーボールはその意を酌(く)みとり、侍・八丸を再構築した訳です。余計だけど、それと何処かの何某の「忖度」なんかと一緒くたにしちゃーいけやせん。
きっとロッカーボールはそういう人の心の奥底を吟味しているのだとも思います。ここで、少年少女もよーく自分の周りを見て欲しいと思います。そして感じて欲しいんです。一生懸命に生きるあなた達の成長を喜ばしく見守る人々の気持ちというものを。今は解らないかも知れない。気付けないかも知れない。でもいつかきっと同じように皆さんが誰かにそれを与えたくなる時がやって来ますから!!忘れないで!!皆さんを形作る大切なものの数々を。でも…沢山あって、あり過ぎて気付けない!!それはまるで空気や水のように皆さんの周りに溢れているから…。
よく考えると、僕らは誰一人として空気や水がないと生きていけません。当たり前ですが、当たり前だからこそ、それを感じ難くなっているのです。僕らは自然によって生かされている存在なのです。それをもっと拡張して考えると、食べたり飲んだり寝たり遊んだり…何人もたった一人で生きるなんて叶わないのです。どんな人だって誰かの助けがあるから生きていられる。その当たり前を当たり前ではなく、有り難いと感じ、大切に思える人に、少年少女にはなって欲しいと、僕は願うのであります。
すっごい横道で申し訳ないけど、僕は八丸が鍵侍になってもメガネや仕込みの杖を無くさずに連れて来てくれたのがすごく嬉しかったのです。ここで何でそれらのアイテムが八丸に残ったのかをズバリ書くことも出来るんですけど、やっぱ…ここは気付いて欲しいなー…と思ったので回りっくどく書いてしまいましたー。まったくこのオヤジは何を訳の分からんことを…と、お叱りの声もなく(人生航路師匠風←もう死んでまっせ)…お付き合いいただき(←アホな事、言うなー!!)。どうか、少年少女の心の片隅に置いておいて頂ければ、僕はとても幸せです。本当に幸せです。
…ありがと。
…って<カチャ>からどんだけ引っ張んだよッ!!(←仕方ないので自分で突っ込む)
<タン>「これを
引き抜け八丸」<ガチャ>(達麻)
「見えるか?
…柄骨だ」(達麻)
「侍にとって真剣の柄となり
持っている限り早太郎は
お前だけのキーホルダーとなる」(達麻)
「これでやっと
侍の訓練をスタートできる!
さっそく始める!
いざっ!!!」(達麻)
あーそれで、鍵侍とキーホルダーの関係だーッ!!達麻が侍の鎧を着用したままだけど、久しぶりで余っ程、嬉しかったんだろうなー(笑)。で、達麻が早太郎を<タン>として<ガチャ>っと柄骨を出したところをみると、ホルダーが積極的に柄骨を侍に渡す機能が備わっていないのではないかと思います。これまでも早太郎は八丸のピンチに臨場してますけど、自分から柄骨を出さなかったもの。ケーキ戦車の時もナナシの真剣が抜けなくて死にそうになったけど、八丸を防護こそすれ柄骨は出しませんでしたっけ…。
また、早太郎を今の形に再生したのは八丸だったけど、八丸も柄骨の存在を露ほども知りませんでした。八丸は早太郎のあるべき姿をイメージしてたので柄骨を意識してませんでしたから、予(あらかじ)めロッカーボールに格納されていたキーホルダーのオプションなのでしょう。鍵侍が生成したホルダーがキーホルダーなので、おそらく生成のタイミングで柄骨を首の付け根の定位置に仕込んで生まれてくるのだと思います。キーホルダーが柄骨を任意でどうこうできない仕組みになっているのは来るものは拒まずの精神なんでしょうか?
簡単に言うと、自動車の鍵みたいなもんですかね。今その鍵を持っている人がドライバー…といった感じの関係。つまり、絶対的に鍵侍がキーホルダーを使役する関係にあるように思えます。ところで今回、黒馬に跨って戦う達麻を見てて思ったんですが、黒馬は明らかに達麻の操作で動いてる…というか、かなり受動的でした。それとは早太郎はちょっと違いませんか?微妙に喋るし、まだ何も分からないで戸惑う八丸への攻撃をほぼ自動で防御し、剰えキーホルダーでもなかった時に侍の盾みたいのまで出してもいました。
もしかしたら、早太郎はキーホルダーとして、ちょっと特殊な存在なのかも知れません。そもそも早太郎は八丸が改造したペットホルダーで、八丸がプログラムを組んだそうですが、その大元にはパパが居る筈です。達麻も疑ってますが、パパは侍に関しても詳しいし、肝も座ってて、謎の資金力とか…もう、いろいろと怪しい!!怪しすぎる人物。それに八丸の移動式の生命維持装置に何故だかロッカーボールを載っけようとして大枚はたいて、その上、危ない橋を渡って死にそうになってるし(笑)。
黒馬だって、その柄骨を所定の位置に戻していて達麻をほくそ笑ませたし…。いろいろ考えるとパパが八丸に元服のチャンスを与えようとしたフシがありますから、パパが八丸に与えたであろう早太郎にいろいろと細工していた可能性は非常に高いです。そして、もしかしたら将来、八丸に訪れるであろう災厄を見据えて早太郎に仕込んだいろいろなものをロッカーボールが承認して、八丸が元服でメガネや仕込みの杖を残したのと同じ理屈で早太郎にでき過ぎた対応力を残したのではないでしょうか。
早太郎が杖を持って来いと指示されているのに模造刀を持って来たり、追いかけたボールと全く大きさが違うスリープ状態の達麻を咥えて来たり…天然のヤラカシにしては都合が良過ぎて!!(笑)いやいや…その前に早太郎には八丸を守りたいと願うパパの想いが宿っているように思うのです。例えば、それがこの世界の高度なテクノロジーが実現するAI技術の成果で片付けられるかも知れないけれど、ロッカーボールが尊重したからには八丸に残ったものと同じ何かがそこにはある筈なので、少年少女には是非とも目をかっぽじって見つけて欲しいでーす!!
第5話「出発」
ケルベロス