サムライ8 八丸伝 第7話「出会い」感想②
「これをただの鈍で斬ったそうだ」(猪侍)
「…子供の侍だったらしい
名は―…「八丸」だそうだ」(猪侍)
「…敵か味方か
どちらにしろ調べる必要があるな…
烏枢沙魔流なら厄介な事になる」(葉芽道)
「どう捜す?」(猪侍)
「城へ行ってくる
ウーン姫の奴なら何か分かるかもしれん」(葉芽道)
八丸は第3話「戦車入刀」で忠道場の門下生の少年たちに「となり村の八丸!よろしくな!」と八丸が告げてたので、そこから名前が割れたのでしょう。黒狼のキーホルダーを連れた侍が赤木城武士隊長の葉芽道。もう一人の「鬢(びん)つけ油」(すき油)の匂いがしそうな猪ホルダーに跨る相棒もきっと侍ですが、名前は未だ分かりません。二人は第3話でナナシの鈍(なまくら)で真っ二つにしたケーキ戦車の残骸の前にいます。葉芽道は「オオカミの侍」(第2話「空からの訪問者」)と、豚さん一味に呼ばれて、恐れられていましたね。しかし…葉芽道がシャープでカッコいいなー…。
葉芽道たちはケーキ戦車の斬り口…しかも、侍魂ではなく鈍(なまくら=実体剣)で斬られた…から八丸の力量を吟味しています。鈍(なまくら)で斬った…というのは目撃者が居たのでしょう。「ルパン三世」の五右衛門が持つ斬鉄剣に僕らは慣らされているので、刀身の長さよりも遥かに大きな対象を真っ二つにする事に些かの疑問も感じませんが、この世界においても侍ならば、かなりの腕…侍の力をしっかりと発揮している…がなければ鈍(なまくら)で切り果(おお)せないと判断して、未知の侍である八丸に危機感を抱いているのだと思われます。
しかし、八丸が達麻に師事していますが…取っ掛かりの侍魂の刃化で手を焼いている始末。八丸は自身の腹に収まる侍魂を取り出し、それを柄骨にセットし刀身をイメージして侍魂を刀剣のように造形しようとしますが、フニャフニャで全くダメ。明らかに八丸には達麻の要求する水準のレディネスが整っていないので、達麻もそりゃ苦戦する罠。そんな八丸が葉芽道達が危険視するような刀身よりも遥かに大きな超硬度素材装甲戦車(第3話「戦車入刀」)を鈍(なまくら)で斬る事が出来た!!と正直、僕は信じられないでいます。ま…彼らが実際に斬ったとこ見ましたが(笑)。
でも、あの時、生体認証ロックの掛かったナナシの真剣が抜けずに八丸は困ってて、ナナシが柄を持つ事で鈍(なまくら)が抜けて、その後もナナシはその柄から手を離そうとはしませんでした。それは生体認証ロックが抜刀後も活きているからだとは思いますが、ナナシは大好きな八丸と一番最初の共同作業をどうしてもやっちゃいたかったんですよね!!(笑)そして、その時、ナナシは何を考えてたかと申しますと、只々、八丸を守りたい!!と、その一念に突き動かされて引き篭もりで燻り続けて、存在感ゼロのナナシがありったけの想いを振り絞って鈍(なまくら)を八丸と共に振り下ろしたのであります。
そうなのよ!!ケーキ戦車を真っ二つにしたのは、八丸も頑張ったけど、その主体になったのはどう考えても想いが迸(ほとばし)るナナシだったと、僕は思うんですよ!!確かに八丸だって自分の模造刀で湯のみくらいは斬れたけど、今の修行を見る限りあの大きなケーキ戦車を斬れるとは思えないんです。そりゃ火事場の馬鹿力っつーのもあるでしょうが、それ言うなら、ナナシの方が鬼気迫ってたじゃない!!あの正念場でモチベーションが高かったのはどう考えても八丸よりもナナシでしたよ!!ナナシだけでもあれはできなかったろうけど、想いの配分でいうと断然ナナシだと思うんですね。
あの時、既にナナシは八丸の嫁になりたい!!(その為のケーキ戦車だからね!!)という崇高なモチベーションで満たされてましたから、八丸が握る柄から手が離せなかったのであります。そうなんですよ!!達麻が八丸に教えたいのって、つまりはそう言う事だと思いませんかー…ッ!!??ナナシは頑張ったんだよ!!それでナナシが八丸を想う気持ちが「勇」を練り上げさせたんじゃーないでしょうか?今の八丸を見る限り、相当な手練れの葉芽道らが危機感を覚えるような斬れ味を鈍(なまくら)で生み出すには明らかに足りないですよ。あれはナナシの想いがあったからこその奇跡だったのよ!!
…と、僕は考えるのだけど(汗)。描写ではケーキ戦車を真っ二つにした後、村の少年達に八丸とナナシが囲まれて賞賛されてましたが(第3話「戦車入刀」)、村の少年達はナナシを全く意識していませんし、ナナシも自分の存在を主張しないので、村人達の伝聞が頼りの葉芽道達には全てが侍・八丸の仕業だと映ったのではないでしょうか。しかし、「勇」を創り出す要素が圧倒的に不足している八丸と、まだ侍でも何でもない引き篭もりの少年ではありますが、恋するナナシの想いを達麻の説法に照らせば、自ずと「勇」の在り処(←ココ…凄く重要なポイントですよ)が見えてくるというものです。
「もうちょいこしあんにした方がいいかな…
もち米とあんこがミスマッチね」<ガッ><ガッ>(ウーン姫)
<スッ>「ウーン姫!
ハガミチ様が御見えになりましたよ!」(侍従)
「!!」<ビクッ>(ウーン姫)
「おはぎを隠してアウト!!
いけばなイン!!早く!!」(ウーン姫)
<スッ>(ウーン姫)
(あっぶなかった!
だらしない姿をさらすことだったわ~!)(ウーン姫)
「…事情は分かりました
サ姫様におたずねしてみます」(ウーン姫)
「かたじけないウーン姫」(葉芽道)
場面は変わって赤木城なのかな?そこのお姫様がウーン姫というお方らしいです。何気に姫が腹ばいに寝そべっておはぎをパクついているところに葉芽道が八丸の件で相談に訪れます。しかし葉芽道が来た事を知ったウーン姫が急にメスの顔に変わるんです。この感じ…ウーン姫も葉芽道も社会的(恋愛的)にフリーと、ケルベロスは見ました!!葉芽道はイケメンの侍で、ウーン姫も好き嫌いはあるだろうけど、フツーに美形女子でしょう。特にウーン姫の方は葉芽道に吝(やぶさ)かではない様子。咄嗟の取り繕い方が如何にもメス豚っぽくて分かり易くてよろしい!!(笑)
よく考えれば侍なんて斬った斬られたの非情な世界の住人でありまして、それと番(つが)いとなる姫も同様に危機にさらされているでしょうから、言ってみればいつ死んでもおかしくない立場にいる筈で、ウーン姫の番(つが)いの侍も今は亡き人…つまりウーン姫は後家さん?…になった雰囲気が漂っています。同じように葉芽道のノンケ(若干のガチ臭あり)な感じも、姫の存在を匂わせない。これがプレイボーイで遊び人の隠蔽力とするには葉芽道の真面目そうな雰囲気にマッチしません。あと…二人の微妙な距離感も何をか感じさせます。
葉芽道がどちらかと言うと優勢でウーン姫の気持ちを利用しているようでもあり、そうであってもウーン姫は喜ばしいと思ってそうなのが、悪くない。この微妙な距離感…ワクワクするじゃない。きっと、こういう関係にも「勇」を創る要素はあるんじゃないかと思うんです。そりゃ、もう運命が定めた相手と懇(ねんご)ろになるのがガチガチの鉄板なんでしょうが、結ばれてもどっちかが死んじゃったら仕方ないし、死んだってその人を忘れない!!忘れられないのが人の心です。そして、その想いを心の何処かに留めながら、逞しく生きられるのもまた人なのよ。
きっと八丸にはこういう関係性を味わえる選択肢を未だ持ち得ないのがいけない…と、僕は思うのです。彼は全くもって「恋」というものを知らないから。彼の口癖の「ワクワク」にもいろんな種類がある事をまだ知らない訳だ。ま…それはこれからアンちゃんが手取り足取り胸取り腰取りで教えてあげればいいとして…。やっぱ、侍を亡くしてしまった姫や、亡くなった侍が回帰したロッカーボールが数多く存在しそうですね。それに侍魂やキーホルダーの二次利用も既に描写済みですし、ロッカーボールとの適合の問題があるにせよ通常ルート以外の元服もありそうな気配。
それに「勇」が運命に結ばれた侍と姫によって創られる…という達麻の説明は八丸に向けたもので、フリーの姫や侍が事実として存在する以上、それだけではないようにも思います。要は…心の中に在るもの。何の為に強く在るか…という事なんでしょ…達麻師匠!!それを達麻は八丸に分かり易く説明する為に一番真っ当な事例で説明したのだろうと思いますよ。だから、ナナシの元服だって可能性あるし、ボンキュッボンのナイスバディへの性転換第一号の目もあるある!!その上で、ナナシの源氏名…ごめん…元服名が何になるか?すっごく楽しみーッ!!
続きまーす!!