サムライ8 八丸伝 第3話「戦車入刀」感想④
「とどめだ!!!侍!!!」<ドン>(豚ボス)
「!!」<ズズ…>(八丸)
<カチ><カチ>(やっぱ抜けねェ!!)(八丸)
<ガッ>(八丸)
<シュカ…>
<ズッ>
「!!?」<バ>(八丸)
<ドッ>
<ドン>
「!!
ナナシ!?」(八丸)
「今…自分にビックリしてる!
このままボクの手を引っ張って八丸!
君となら…」(ナナシ)
勇気を振り絞ってナナシが下した決断。それは八丸と共に目の前の敵と戦うことでした。ナナシが生体認証ロックの掛かった刀の柄を握り今まで鞘から抜いた事のない刀をナナシは初めて抜いたのです!!その刃が二人に向かう大砲の弾を真っ二つにッ!!早太郎はその前の豚さん達の攻撃を凌ぎ切り、現在再生中だったのでギリギリのセーフでした。八丸も砲撃で無くした仕込みの左手を再生しようとしていますが、豚さんのとどめの一撃には間に合いませんでした。
二人の最初の共同作業で最大の難関を乗り切ったんですね。ここで味気ない事…言うのもアレなんですが、刀が抜けた後のナナシって必要なんですか?鞘から刀を抜く為に生体認証ロックを外さねばならんので、その時にはナナシが必要だったろうけど抜けちゃえばもう関係なくなるんじゃないかと、僕はふと思うのです…が(汗)。それに、ナナシは普通のフィジカルの人間で恐らく全く訓練してない筈なのでサイボーグの肉体の八丸の足手まといなんじゃないでしょうか?
でも、ま…ナナシは八丸の事が好きで(恋してしまった!!)ので一緒に居たいのです。今までできなかったこんな事やあんな事も八丸となら出来そうな気がする〜ッ!!てなもんで、この場合は堅い事を言うのはヤボというもの(笑)。それに実は生体認証ロックは鞘から刀を抜いた後も必要で、本人以外が使用できない様に柄(つか)からトゲトゲがでるとか高温に発熱するとか何らかの妨害措置が執られるのか知れません。これは武器の鹵獲による二次使用防止に非常に有効でしょう。
まぁ…そうでないとナナシが八丸の機動の足手まといになるのが分かってて、それでも柄から手を離さない必然性がないです。そして、二人の初めての共同作業でケーキみたいな戦車を二人は真っ二つに!!僕らは既に「ルパン三世」の五右衛門の斬鉄剣で慣らされてるので全く問題なく受け容れられますけど(大汗)、刀身の長さ…足りませんよね(笑)。それでも刀身よりも遥かに大きな超硬度素材装甲戦車を真っ二つ!!にできる理屈をきっちりと描写して行って欲しいと、僕は考えています。
例えばブレード(刃)が実は超振動してるとか、ブレードの素材が剣気に呼応して伸びる特殊な金属だとか…のとんでも技術やとんでも理論でいいので描写が欲しいです。追々でいいので(笑)。しかし、戦車を真っ二つに斬った描写を物理的な現象として説明してしまうと、剣術における「間合い」と言うものが完全に無効化されてしまいます。剣士には自分の間合いがあって相手より先にそこに入る為に苦労するっちゅーか、ぶっちゃけ間合いの取り合いがチャンバラなのです。
それを刃が何の代償もなく都合よく伸びるとか、刀身に見えないレーザーとか高密度の圧縮空気とかが纏われて刀身の何倍も切断範囲が伸びます!!とかなっちゃえば先に斬った方が勝ちになって侍とか必要なくなってしまいます。『NARUTO -ナルト-』の場合は「チャクラ」という概念が存在してそういう荒れた理論体系をうまく均してくれていましたから、『サムライ8 八丸伝』でも「機動戦士ガンダム」における「ミノフスキー粒子」の様な何らかの理論の提示が必要です。
例えば「勇」という言葉がすでに示されていますが、これが剣気に乗り刃の斬れ味を上げる!!とか…ね。しかし、その「勇」は相手の「勇」で中和されるので刃の物理的な攻撃が必要になる…みたいな状況があれば侍が存在する必然性が保たれると、僕は思うのです。そもそも剣術の流派が存在するからには剣術ありきの強さなんでしょうし、きっと刀捌きや足捌き(体捌き)などの機動が対侍戦では重要で、それがサイボーグの肉体の侍が五体満足の人型である必然性に繋がる筈です。
もっとも侍の五体満足も流動的で、この先に予想される三輪身の身体の変移(如来→菩薩→明王)で腕が増えたり頭が三つになったりはあろうかと思われます(笑)。しかし、現状で武士が侍を目指し剣術修行に励み、戦車が存在するにも関わらず、それでも侍が主な戦力で銀河を守護する存在なのですから、それが成り立つ世界観の説明がきっと今後の描写であると思います。何たってとんでも理論やとんでも技術と実際の科学や現象がいい塩梅にバランスするのが岸本先生の作品の魅力ですから!!
続きまーす!!