サムライ8 八丸伝 第3話「戦車入刀」感想③
「ナナシ!
お前侍になりたいんだろ!?
あいつみてーな!
ならあいつを助けに行け!
あいつがお前の刀を持ってる!!」(右手)
「む…無茶だよ
右手くん!
ボクなんかが…
……
ねェ左手さん
いつもみたいにボクに…」(ナナシ)
「いえ!
今回ばかりはアナタの見方はできないわ!!
八丸の事…アナタは
気になってるんでしょ?
天からアナタの為に遣わされた
友達がピンチなのよ!
助けに行けるのはアナタしかいないのに!」(左手)
第2話でナナシの居室に墜落した時に八丸の脇差とナナシのそれが入れ替わってしまっていたようですね。ナナシの前にディスプレーされていた日本刀はこれの為の伏線だったんだ…。ナナシは自分の刀だけどそれを抜いた事がないので頓着しなかっただろうし、八丸も混乱してて、まさかその刀が生体認証ロックの掛かった本物だったなんて…気付かなかったんでしょう。それが豚さんの強襲でアダとなって今まさに大ピンチの真っ最中なワケだ!!
しかし、やっぱり第2話で八丸がナナシの「しゃべりが変だ」と言ってたのはパペマペ状態だったからなんですね。それに侍ゲーのコントローラーなんか関係ないし(汗)。あの喋りはAIでもアレクサでも何でもない!!そのクセ、右手と左手で口調や声色が違うようなので、一緒にいたら相当危ない子だよ…ナナシは(笑)。きっとこれを普通の子に見せたら気持ち悪がって相手にしなかったでしょうが、八丸も幾重もの不遇を抱えていた子でしたからうまく受け入れられたんでしょう。
八丸の万事…ニュートラルなところがナナシには喜ばしかっただろうし、用心深いナナシの心に極めて不用心な八丸が染み込んで行ったのも(やや強引ながら…)納得できそうです。そして、そこで芽生えた気持ちが八丸の大ピンチに際してもなお尻込みするナナシを大いに奮い立たせようとしているのも自然に感じられます。この件(くだり)は右手と左手と自分と三つの人格に分裂していた群体のナナシが単体のナナシに統合される非常に重大なエピソードなので、岸本先生もかなり苦労したんじゃないでしょうか。
誌面の都合もありますし、これ以上は何も申しますまい(笑)。しかし、アイデンティティの獲得とは一生掛かるかも知れないイバラの道…。或いは、人生とはアイデンティティを探し求める永い永い旅の様なもの…。なので、一朝一夕に済むものではありませんが、八丸に出会えたナナシの…これが「一期一会」でありましょうから、ここはナナシの頑張りを見守りましょう。もっとも、これが成されないことにはナナシの元服(=不動明王の試練)もないでしょうから避けては通れぬ道なのだ!!と、僕は思います。(きっとナナシは天女・羽衣か弁天様みたいなるのよ!!)
「か…彼とは会ったばかりだし
彼が友達な訳ないし!
それにボクなんかの事…
やっぱり外なんかに
出るべきじゃなかったんだ…!」(ナナシ)
「…お前はいつもーー」(右手)
「アナタはいつもーー」(左手)
「傷つかねェ安全なとこに隠れて
何もしようとしねェ!」(右手)
「自分で自分を消す
それ自体が一番自分を傷つけるって分かってる?
繊細なくせに!」(左手)
「……ボクはどうしたら…?」(ナナシ)
「お前は右手でも左手でもねェ
お前だ」(右手)
「右手も私もアナタの事が好きよ…
だから何も文句は言わないから…
そろそろアナタ自身で
答えを出してみたら…?」(左手)
ナナシは八丸に恋する乙女なのですねー。生まれ持った身体は男性だったけど、その中に収まる魂は女性だった…。その違和感にこれまでナナシは苦しみ悩んでいたのでしょう。苦しかったろうな。僕も子供の頃、とても変わった子だったので「みんなと同じ様にしなさい!!」なんて言われてもピンと来なかった記憶があります。「みんな」って誰(何?)なんだよーッ!!ってね(笑)。しかし、僕の場合は性的には同一性が保たれていたので、そういう意味ではシンプルで混乱はなかった…。
ナナシの場合は肉体と魂の性別が違っていたので、ナナシは先ず自分の存在すら認識できずにあの部屋に閉じこもっていたんですね。しかし、それができるナナシはまだ…幸せです。ゲーム三昧で何不自由なさそうなナナシの引き篭もりは贅沢ですよ。普通はナナシみたいな停滞を許されずに世の中に放り出されるし、その中で何とかして生きて行くものです。どう考えてもナナシは経済的に恵まれた裕福な家の子でしょう。逆に…そんな状況がここまでナナシの人生を拗らせさせた原因の一つでもあると言えるけど、何が良いか悪いか分かんないよね…人生って。
しかし、ナナシのアイデンティティが確立されてナナシが自分の人生をしっかりと歩む様になり、その上でナナシが侍を目指すとして、ロッカーボール の承認さえ為されればそこで一旦、今の肉体がリセットされますんで、ナナシはきっと自分の望む肉体を得られる筈です。ここでもの凄く余談でアレですが…サイボーグの身体という事で性的な快楽を求めたりしないんじゃないかと、僕は考えていたんですね。ただの戦闘マシン的な中性の人型が僕の侍像だったんです。
しかし、第2話の冒頭で八丸がタコ焼きに舌鼓を打ってましたよねー。あの時、きっと侍になっても人間の欲する悦楽を否定しないんじゃーないかと思いました。また、八丸もナナシの性的な話題の中で「生えてりゃ男じゃねーの?無きゃ女で…」って言ってたように八丸はその元服(=ロッカーボール の承認)に際してあるべき自分の肉体を念じた筈ですので、恐らく今も生えてる!!そして旺盛な食欲を残した様にきっと性欲だって!!こうじゃなきゃアレだァ!!面白くない!!…ですよ(笑)。じゃなきゃ!!姫だって浮ばれません!!
サイボーグの身体に入るキーユニットと成り果てようと人は人であります。ただ剣術に長けた銀河の守護者として侍が存在するのって味気ないよなー…と僕は心配していたので、いろんな「欲」を持った存在が…それでも戦う!!っていうのがいい!!…っていうか、それがサイボーグの肉体に「鍵」として宿る人の役目でしょう!!だから、侍だって美味しもので腹を満たし、恋する気持ちで胸を一杯にしていいんだわ!!つまり、ナナシは八丸を好きになっていいんだよ!!
「欲」って言うと何か悪いイメージあるけど、全く欲のない生き物って気持ち悪くないですか?…ってかいないよねー!!「欲」…それは生きる目的に等しいものじゃないかと、僕は考えています。また、そういう雑味が人には多くあるから面白いんですわ。でも…ナナシ君。女の子の…を知ってるんですかね?ロッカーボール の承認で、ある程度オートに肉体が再構成されるけど、その際に宿主のイメージが要求される筈なんです。八丸も在りし日の再現がかなり忠実でした!!個性は確実に継承してましたよね。そこで…各部の詳細なディテールが…
大きさとか形とか(あと内部構造ね)…もう…どんだけー!!(汗)
きっと僕だったら欲張って、今の…その…何と言うか…みすぼらしい…その…アレとは違って…そりゃもう立派な一物を所望すると思います。或いは有名どころのAV男優を名指しにする勢いで!!(←コ、コラーッ!!)同じ様にナナシがどうするのか?それを週ジャン的な倫理規程の中でどういう風に岸本先生と大久保先生は描かれるのか!?ナナシももしかしたらネットのエッチな動画を見てた可能性もあるけど、少年少女はそんないかがわしいサイトには行きませんよね!!(笑)
ケルベロスはもうおっちゃんで枯れてるし、運転免許も持ってるのでそういうところに行っても良いんですけど(笑)。きっとナナシの元服ではソフトに再現されると思いますよ。だって少年誌だもん!!…ということで、どうか…絵の上手い同人の方にそれとは別にしっかりと創作してもらいたいなーと思います(笑)。しかし、少年少女がそれ見ようとしたらアメリカンバッファローの大群が突然<ドドドドッ!!!!>と押し寄せて見えなくなるんだよなー!!(笑)
続きまーす!!(←脱線し過ぎてm(_ _)m