サムライ8 八丸伝 第7話「出会い」感想⑧
「八人目の子…
やっと見つけたわ
後はアナタの番よアタ…
連れて帰って来てくれる?」(アタの姫)
「バラして
持ち帰ってもかまわんな」(アタ)
「ええ…」(アタの姫)
いきなり場面が変わって怪しい侍と姫らしきカップルの登場で今回のお話は閉じます。無機質でシンプルなデザインのお城?でしょうか。ここも宇宙空間なのか?暗い空が一面に広がっています。非常に謎めいた感じであまり情報がありません。ギリシア神話のメデューサのような御髪(おぐし)が姫なのかなー…と思われます。黒い肌の鬼侍は八丸パパがフラッシュバックしてた強面さんと同一人物じゃーなかろうかと思います。名はアタ。腰に鈍(なまくら)4本と侍魂を5つ従えた重武装。頭に角。手甲も凝ったデザイン。
姫の左腕が長くて太いチューブみたいのに今まさに繋がろうとしてるように見えます。或いはこれが彼女の腕なのかも知れません。そして、姫の眼が描かれていない…というか、瞼が閉じられているのか?タトゥーっぽいプリントなのか?判別できませんが、視覚が特殊そうです。サ姫も千里眼を持ってましたが、そっち系の能力者の可能性がありそう。そして二人の後ろにいるのが、キーホルダーなんでしょうか?どう見ても龍…ドラゴンです。左手に丸い玉を持っています。ロッカーボールにしては少し小さいです。
姫が言う「八人目の子」って八丸の事でしょうかね。侍の誕生に関してはサ姫とムジンが掌握してるらしく、最近、侍になったのは八丸だけみたいです。お話の流れ的にもメデューサ姫が八丸を見つけた…と言っていると考えるのが妥当でしょう。しかし、「八人目」って、達麻も第1話で同じ事…八人目でやっと見つかったようです…を言ってましたよね。姫の言う「八人目」が達麻のそれと一緒なら、アタが達麻の邪魔をし続けていたのでしょうか?しかし、八丸がやっと見つけた「1つ目の鍵」=本物の鍵だった筈。
しかし、少ない会話の流れから、これまで七人はアタが連れ帰ってるらしいです。ここで「バラして持ち帰っても」っていうのは、馬侍のようにロッカーボールとキーユニット 、それに侍魂とキーホルダーにして…という意味に取れます。つまり、一度、元服して侍になった少年を殺して連れてくるってそういう事なのかと思うのですが、これが全く別の「八人目」で、普通の人間の子供だったら、バラバラってあーたッ!!(もしかしてアタってそういう意味?)酷すぎるじゃないですか!?そんな鬼のような…ってアタの外見が如何にも鬼侍だから別に変でもないか(笑)。
第4話「親子ゲンカ」の回想で、パパがフラッシュバックした鬼侍が「いつか必ずつかまえてやる」とパパに言い残しています。あれはパパの記憶でしたから、勿論、八丸が侍になる前の筈ですから、パパの恐る鬼侍とアタが同一人物という前提で、怪しい二人が言う「八人目」は侍を感知したのではなく、八丸の居場所を特定した…という意味に限定され、これまで達麻が巡り合った侍候補?と同一であると、ここでは断定できません。ところで、八丸の元服はかなりイレギュラーで、何せ姫と出会う前に偶然侍になっちゃんだもの!!
ここで怪しい二人と達麻の「八人目」が同じだと仮定すれば、達麻の言葉を尊重するなら、これまでの7人は多分、侍になる前…元服する前にアタが連れ去るか殺しちゃったんじゃないかと思えます。その前にアタと姫の…この怪しい二人の目的が分かりませんから、何とも言えませんが、アタが「バラして」というからには侍の構成要素の内の何かが最低でも必要なのでしょう。だとすると、八丸以前の7人は何の為にアタ達が関与したのか?が繋がりませんから、「八人目」が全く別の可能性も残ると、僕は思うんです。
でも、描写の流れを重視するなら、金剛夜叉流の達麻のミッションを烏枢沙魔流のアタが邪魔しようとしている…と考えるのがシンプルですかね。しかし、それだとこの銀河を守る侍の大義を侍同士が反故(ほご)にしてる事になってしまい、侍の存在意義がグラグラと揺らぎます。それで、もしかしたらなんですが、不動明王とは別に同性能のロッカーボールを遺していて、そっちでも別に侍を生み出すシステムが存在するのではないでしょうか。それが烏枢沙魔流の源流であり、金剛夜叉流の夜叉さんが抑え込む敵の正体なのではありませんか?
僕は不動明王のみがロッカーボール(←承認に「義」が関係している筈なので)を遺したと思い込んでいましたが、不動明王に比肩する侍が別の「義」を掲げ、それが同様のテクノロジーで、別の「義」の侍を生み出して戦うシステムが在るなら、「侍の敵は侍」であり、「銀河が消し飛ぶ!!」なんて一大事を前にしても尚、侍同士が争う不合理がうまく均されます。同時に如何様にもデザインできそうなサイボーグの身体の侍が通常の人型に固執し、剣術を含む武式一式を主戦力にする設定が受け入れられそうです。
第7話「出会い」 ケルベロス 了