サムライ8 八丸伝 第18話 ご利用は計画的に 感想③
<ガギィン>(リュウ)
<ズズ…>(リュウ)
「!!?」(2つ目!?)(八丸)
<パシィ><ズオオオ>(リュウ)
<キィン><ブン>(リュウ)
「!」(達麻)
<ガキ>
<ズオオオオオ>(達麻)
(柄骨の両脇に…!)(八丸)
<ギロリ>(達麻)
「……」(リュウ)
<ズオオオオ>「あいにく
この船は拙者のキーホルダーだ」(達麻)
<サッ>(リュウ)
「すでにお前たちは
袋のネズミ」(達麻)
<グルルル>
「!!?」(コツガ)
「くそっ!」(コツガ)
<カクッ>(リュウ)
<ズババッ>(リュウ)
<ガッ>(リュウ)
「うわっ!」(コツガ)
「…鎌になった?」(八丸)
<ギィーン>
<ズガ>
<ズボ>
<ギュルルル><ゴオオオオ>(リュウ)
僕は『サムライ8 八丸伝』でのチャンバラの描写で、構えでの刀の扱い…特に刀の角度がちょこっと気になっています。このお話の冒頭で達麻らとコツガとリュウが睨み合うシーンがありましたが、その時、青眼(中段の構え)だったんですが、双方とも切っ先が相手に向いていないんです。基本では相手の目、或いは喉元(喉仏)に切っ先を向かわせます。ただ身長差などもありますし、狭い室内という事もあり基本の構えから変化させたのかな?とも思ったんですが、狭いからこそ「起こり」は命取りになるのではないでしょうか?
「起こり」というのは静止した状態から攻撃に転じる…その予兆…予備動作と考えれば分かりやすいと思います。例えば、切っ先が一直線に相手の急所に向いていれば何もせず前に出れば刺さります。それが切っ先が明後日の方向に向いていたら先ずそれを修正して…という動作が必要になります。もし相手が万全で待っていたらその瞬間を見逃さず「抑え」に出るでしょう。これが「先の先」なのですが、達人クラスになればそれを誘う「後の先」というのもあるので達麻がリュウを誘っている可能性も微妙にありますけど…。
また切っ先を相手の目に向かわせる…というのは自分の持っている刀の長さを秘匿する意味があります。相手の手元から自分の目に向けて刀が構えられているのを想像してみればよく分かります。極端に言うと敵の刀が「点」に見える筈です。刀の長さとその剣士の踏み込みが「一足一刀」といって間合いの基本になります。相手の踏み込みの量なんて初見だと分かりませんが、刀の長さは見れば分かります。なので剣士としては絶対に怠れない情報収集です。そして、それを秘匿するのも剣士としての必須の戦術なのであります。
少年誌的によくある「下段」で柄を敵に向けて切っ先を一直線に従える構えとか、「上段」や「上段〜八相」に変わって同じように柄を見せて切っ先を遅らせたり、逆に切っ先を相手の目に向かわせて刀を一直線に構えるのも…ややこしくてスミマセン!!…視覚的に自分の刀の長さを相手に分かり難く工夫している訳です。ぶっちゃけ、剣士の戦いとは「間合い」の取り合いと申しますか、誤魔化し合いでありまして、どちらが先に自分の間合いを取るかであります。間合いに入れればほぼ勝負は決するのです。
ま…『サムライ8 八丸伝』では刀の長さが一定でなく、おまけに斬撃を飛ばせたりもするので「間合い」の概念がそもそも違います。それにサイボーグの体で人体の可動域の制約すらなさそうなので、こんなコマケー話はいいんだよ!!となりそうですね(笑)。それに剣術(各流派)の部式とはブログラミングの行使に当たるので人型の合理的な動きとしての「型」とは概念から違います。『サムライ8 八丸伝』の「型」は格闘ゲーのコマンドキーや矢印キーの複合的な連続押しに近いんじゃないですかね。
なので、リアルの剣術と同列に語るのはナンセンスにも思えるのでこのくらいにしますけど、この世界の侍が人型に拘っている点に注目すると、通常の剣術が人型を合理的に活かす方法論として捉え、それがプログラミングによる引力のコントロールを旨とするこの世界の部式といい感じに融合されれば作品の魅力が高まるんではないかと思います。多分、侍の体もこのまま人型を脱して、例えば阿修羅像のような形態に展開していくと思うんですけど、サブカル的な嗜好で理論と妄想の整合性が欲しくて仕方ないのであります。
いきなり脱線して申し訳ないです(汗)。話を戻すと、リュウはものすごくトリッキーな戦い方をするようです。また、侍魂の複数所持はこれまでも提示がありましたが、同一の柄骨で刀剣化が可能とか、また新しい提示があってワクワクしましたね。一瞬、SWの悪役のライトサーベルが脳裏を過ぎりました。リアルの武器好きとしては自傷の危険性を危惧せざるを得ない運用法ではありますが、そこは徹底的にプログラム管理…自分は斬れないとか、自分の刃が自分に絶対に触れない制限があるとか…された前提があるのでしょう。
ところで、このウミガメちゃんは達麻の「キーホルダー」で確定です!!その体内に賊として侵入したコツガとリュウは『NARUTO -ナルト-』の自来也の「口寄せ・蝦蟇口縛り」に遭った鬼鮫とイタチのようです!!あの時はイタチが「万華鏡写輪眼・天照」で妙木山岩宿の大蝦蟇の食道の肉壁に閉ざされかけた窓を破り辛うじて脱出できたんですが、今回はリュウの器用な侍魂の運用で結構簡単に脱出されました。同時に達麻が本気でこの二人を殺めるつもりで相手をしていない確証がえられた感もあり、実にいい流れです(笑)。
ここではリュウの機転の利いた動きが目立っていました。侍魂の刀剣化もアイデアが満載で、リュウの器用さが際立っています。八丸もそれを興味深く見ていましたね。ここで、コツガの四肢を絡め取ろうとしたウミガメちゃんの触手を咄嗟に侍魂の形状を鎌状に変更して刈り取りましたが、これは原子を構成する素粒子間の引力に干渉するプログラムを発動する為に侍魂の刃が対象に接する必要がある描写だったと思います。その為に人型の合理的な動かし方として剣術における「型」が重要になるならばすごく喜ばしいです。
しかし、そんな風に思った直後にリュウが双刀の侍魂をダヴィンチのヘリコプターのように使ってウミガメちゃんから脱出する時に、前腕をギュリュギュリュと回転させてドリル&ヘリコプターしてて、人型への拘り…全然なくなってますやんッ!!??となりましたが、このくらい…このくらい大した問題じゃないもん!!Σ(*゚Д`;)ア…ア…アッハァァァァァァァァ?!!ま…そういう侍のサイボーグの体を基準に各流派の「型」というものが構成されているんだろうなーと思いますので、あまり気にしない…気にしない…気にしない…(思いっきり気にしているぞー)。
続きまーす!!