サムライ8 八丸伝 第9話「ふたりで…」感想⑤
「そうかなら…」(葉芽道)
<スッ>(達麻)
「?」(葉芽道)
「八丸に行かせよう」(達麻)
「八丸
地中に埋まっている
ロッカーボールをアン姫と一緒に
掘り出して来い」(達麻)
「え~~~~!?
オレがァー!?
訓練中だぞオレ!!」(八丸)
「お前がアンを守る役だろ?」(達麻)
「…いや…
オレはいいけどさ…
アンがさぁ…」(八丸)
「何だ?」(達麻)
「オレ……
アンに嫌われていると思います…はい」(八丸)
八丸の…このオドオドした感じ…これは傷付くことを恐れているんですねー。分かります…よく分かりますとも(笑)。八丸はこれまでパパの分厚い庇護の下、生命維持装置(←本当に生命を維持する為に繋いでたんかね…点滴は腕に針刺してたけど、八丸に繋がってた太い管は何だったの?って疑惑が…)にも守られ、パパ以外の誰かと交わる事もなく生活して来ましたから、傷付くなんて経験してないんです。ましてやアンちゃんみたいなめんこい子にフラれるとか間違ってもなかったから…。
その上、八丸は他者の気持ちに対する感受性に乏しいので、アンちゃんが何を考えているのか全く分からない訳です。物語を傍観する僕らにしてみれば、アンちゃんが八丸に吝(やぶさ)かじゃない風なのが見て取れるのに、八丸は尚も疑心暗鬼の中に居るのです。運命で繋がってる…って聞いてたのに全然イージーじゃないじゃん!!という具合に…先入観が入り口を違わせてから、八丸はアンちゃんの反応の全てがネガティブな感情に支配されているんですね。だからこんな小声なのね(笑)。
でもね…八丸はここで一つ学ばねばならんのですよ。人生とは「傷付き、気付き、築く」のだという事を。人は何かに傷付いて、何かに気付き、その気付きが何かを築(きず)かせるのです。一度も傷付かずに何に気付けましょうか!?何かに気付けない人が何を築けましょうか!?だから、失敗を恐れずに挑戦するべきなのです!!達麻はここでそんな弱気な八丸をアンちゃんと2人きりにしてみるべきだと感じたのでしょう。若干、業を煮やした感は否めませんが、間違ってはいないでしょう。
一つはアンちゃんが八丸に対して好意を示している点を達麻は重視しているのでしょう。アンちゃんは八丸よりも数歩先を歩く女子ですし、余りにも規格外の八丸に戸惑ってこそいますが、アンちゃんは八丸に確実に傾いています。ただアンちゃんは出力…表現に問題を抱えていますから、その気持ちを素直に表現できないだけで、本心はもうオKでヨカなところまで行ってると思います。あとは八丸の体制が整えば直ぐにでもアメリカンバッファローの大群が押し寄せて来る手筈です(笑)。
達麻はそれを踏まえた上で、八丸をアンちゃんの掌の上で転がしていい頃だと踏んだのだと思います。若干、賭けの要素もあったでしょうが、アンちゃんや八丸の邪気のない素行の良さ…と申しますか、好ましい育ち方を遂げた子らを達麻は信頼したのです。多分、2人の動向は遠くからでも感じ、何か事が起これば鬼神の如く駆けつければいい。それよりも、八丸に先ずは小さな失敗を積み上げさせて、その都度、何かの気付きを得させねば…という親心が達麻の背中を押したんじゃーないかと、僕は思います。
本当に後は八丸がアンちゃんの言う事を最後まで落ち着いて聞いてあげればいいだけなんですよ。作家の石田衣良さんが何かで言ってましたけど、モテるには話す必要はない…との事。只々、女の子の言う事に「うん、うん…」と頷いていれば良いそうです(笑)。女の子は自分の話を聞いて欲しいんですって。それに対する意見とか、ましてや助言なぞ!!これっぽっちも必要ないんですって!!それ知ってからケルベロスは見事なまでの宇奈月星人になりましたもんね。ま…お持ち帰りはついぞありませんでしたが…。
ま…冗談はさておいて、八丸がこれまで達麻が伝えた内容をちゃんと肝に命じて実行できていたら今頃は「後はお若い2人で…」の襖開けてからの一つの布団に二つの枕…その上、アンちゃんの着物の帯を八丸が引っ張って…からの〜グルグル回るアンちゃんの「ア〜レ〜ッ!!!」が聞けてたのに…(笑)。八丸は入力が苦手な子なので僕らもじれったいっスけど、もう少しで「そんなの無理〜ィ!!」なシーンが拝めると思いますんで、煩悩が鎮まらない同胞よ!!暫し待たれよ!!(ウソ)
続きまーす!!