サムライ8 八丸伝 第15話 八丸の「義」感想①
「あのアタって奴……
元は師匠の弟子だって言ったよね
教えてもらえますか?奴の事…
…全部」(八丸)
「…その説明をする前に
今の銀河の状況を理解する必要がある
少し長くなるぞ」(達麻)
「…親の仇です
最後まできっちり…
聞かせてもらいますよ!」(八丸)
「……わかった」<ガチャ><ズズ…>(達麻)
「なら己の鍵を出せ
直接つなげる」(達麻)
<ガチャ>(達麻)
<ズズ>
<ズズズ…><カシュ>(達麻)
<パッ>
「!?」(八丸)
「拙者のデジタル意識に
お前を読んだだけだ
こっちの方が話しやすい
始めるぞ……」(達麻)
えーっ……困りましたね(汗)。週ジャンを手にしたら真っ先に巻末の目次を見て『サムライ8 八丸伝』の掲載頁を確認するんですけど、結構後ろの方ですな。先週号もかなり後ろだったけど、今週号もこんな後ろでヤバくないですか?僕の知る限りこういう状態が長く続くと、ついには「岸本先生と大久保先生の次回作に…」と見開きの最終頁のアオリが立ってどこか明後日の方向に主人公と仲間たちが走って行ってそのまま帰って来ないんですけど!!(笑)皆、どこ行っちゃうんですかね!?
そんな事を考えながら『サムライ8 八丸伝』の扉を注意深く見つけて(本文頁の途中から開いてしまうとセルフネタバレになってしまうので細心の注意で扉を探します。麻雀に例えたらテツさんの盲牌みたいな感じです…笑)、そろそろと本文に入ったと思ったら、いきなり「説明をする」と来て、しかもその前に「今の銀河の状況を理解する必要がある」と来たもんだ!!な…何なんだ!?この展開!?となったところに「少し長くなるぞ」と達麻がトドメの一撃をかましてくれたお陰で意識が遠のきました(笑)。
……それで僕は救急車で運ばれた病院のベッドの上に…(ウソ)。ケルベロスさん、お薬増やしておきますねー…アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ…って、あーたッ!!アタさんじゃない、アナタッ!!!!まだ、説明って言うかーッ!!!!と。その時、病床の窓の外に見える最後の枯葉がハラリ…と落ちて、僕のバイタルがフラット<ピーッ…>になって…(ウソ)。いやーこれはヤバイですよ。前回、僕は岸本先生がこの作品を誰の為に考え、何を伝える為に描かれているのか?が分かったと申しましたが、これだとその誰かがどっか行っちゃいますよー。
極めてデリケートなテーマに岸本先生は挑戦されていると思うんです。ややもするとそれは岸本先生が伝えたい少年少女には苦すぎるもんだからオブラートに包んで優しくお口に運んでくれているんです。だから、それがお薬だと気付けない可能性もありますし、何だか分からないから美味しく感じらなかったりもします。これは表現という行いの難しさでもありまして、僕だってこうして書いていて意識的に使わない「ワード」がありますもの。岸本先生が伝えたい相手が僕らおっちゃんやおばちゃんなら何も問題ないんですよ。
せめてオブラートにイチゴ味とかバナナ味みたいなバリエーションを付けてもいいと思うんですけど、岸本先生は結構一本気なところがあって、そういう小手先の技は使わないんですよね。でも、こんな説明、説明って続けたら、メッセージを届けたい少年少女の心が離れてしまいます。別に『サムライ8 八丸伝』が「おっちゃんホイホイ」で結構!!と言うなら別ですが、僕はこのお話こそ少年少女に届け!!と思うんですよ。だから、もう少し、その…構成とか進行を考えてみられては…<チラッ>
…と思うんですが、今や大御所の岸本先生にダメ出しできる編集者も居ないんでしょうね。でも、どんなにいいお話でも面白くないと読まれませんからね。これじゃーまるで岸本先生が「裸の王様」みたいじゃないのさッ!!って思うのは僕だけでしょうか?いやー前回のお話で僕的には一段落して、さぁ!!これからだぞッ!!と思って、月曜日が楽しみだったんだけど、何でここでその想いをぶった斬るかね!?こんなのお話の冒頭で無雲に異変が起こって、「説明は後だッ!!」でいいんですよ。
もっとお話を転がしてですねー…その流れの中で説明を挟んで八丸に理解させれば充分ですよ。行動と学習が一体になってないと言うか、今は座学の時間…みたいに動きが乏しい。だから、船を漕ぎそうになる…<コクッ><コクッ>ってね(笑)。これは船頭のお話じゃなくて侍のお話なんだから!!もうこうなったらレジュメを先に配って、それで済ませちゃえば!?って思うんですけど。おーい!!少年少女!!??大丈夫ですかー!!??『サムライ8 八丸伝』を読んでますか−!!??
それと、八丸に違和感がアリ過ぎる。父親の死で覚醒した…にしても、目つきとか立ち方とか、振る舞いまでもコロッと変わり杉。こんなに短時間で人は変われません。そりゃパパは八丸を大切に育てられたし、上手に導かれたんだとは思いますが、あの八丸が…前回のエピソードが如何に重大であろうと、こんなに短時間で人の性根は治りません。しかし、これが「本来の八丸の姿」なんだよ…というのであれば、パパが八丸を薬漬けにして前頭連合野の働きを阻害してた可能性すらあるから怖いです。
医学的、医療的に八丸の発達をパパが抑制してた…というのは、前回のいい話に泥を塗るような種明かしですよ。それにそもそも以前の八丸みたいな子には「ヒーローになる必要はないんだよ!!」と導くのが教育からでも医療からでも適切なアプローチだと思うんです。それが今話では八丸がもう全くの…別人になっちゃってて、薬抜けましたー!!としか思えなくて、それでもこれが「八丸の本来の姿」と言い張るなら、じゃ…以前の八丸みたいな子はどうしたらいいんだよ!!って、僕には思えるのでかなり悲しーんすけど。
続きまーす!!(たまに毒のように塩水を吐く磯辺のイソギンチャクだぞ…笑)