サムライ8 八丸伝 第15話 八丸の「義」感想⑤
<バカ>(無雲)
「何っ!?
無雲が割れて落ちて来てるだと!!?」(葉芽道)
「こっちはもう大混乱です!
他の城と連絡を取り合って対処法を考案中ですが
間に合うかどうか!?」(ウーン姫)
「……」(葉芽道)
(達麻様がこの星に居たのも何かの縁)(葉芽道)
「一つだけ方法がある…」(葉芽道)
「なるほどな
アタの置き土産とはそれか……」(達麻)
「お願いします!」(葉芽道)
「いや!師匠
かっこつけてる場合じゃないでしょ!?」(八丸)
「ちょうどいい機会だ八丸!
拙者の大技を教えてやる!」(達麻)
<ゴゴゴゴゴゴゴ><グラ><グラ>
「!?」(アン)
「銀河を守る第一歩だ
まずはこの星を守る」(達麻)
<ゴゴゴゴゴゴ…>
「ついでにアジトを移動させる
乗り込むぞ!!」(達麻)
「!!」(八丸)
「!!」(アン)
いよいよ無雲ボムがこの星に落ちてきそうで大騒ぎですが、それを知っても尚落ち着いている達麻の様子から察するに何とかなるのでしょう。達麻が八丸に「拙者の大技を教えてやる!」といってますので『金剛夜叉流・大気剣』以上の剣技があるのです。それで例のアジトからウミガメ風の超大型ホルダー…ムジンさんのキーホルダーが横綱級でしたから、これは大関級ですかね…が出てきて、達麻らはそれに乗り込むようです。まさか、ウミガメちゃんに乗り込むから自分らは大丈夫!!という意味で達麻が落ち着いてたらヤバイですけど(笑)。
まさか…ね(笑)。きっとそうじゃなくてアタさんが『金剛夜叉流・黙斬り』で真っ二つに割った無雲がこの星に衝突するのを回避できる大技が達麻にはある筈ですが、達麻の口ぶりからすると、それは先に自性輪身のアタさんをやっつけた『大気剣』ではないでしょう。また、真っ二つに割れた無雲を粉微塵に斬り刻でも隕石群が地表を襲って大災害必至ですんで、以前、達麻が門番ホルダーの拳を退けた『金剛夜叉流・剣腕』のような鈍刀による刺突技で無雲を引力圏から追い出すとかしないと被害が避けられないと思います。
しかし、正直なところ金剛夜叉流の剣技の根拠というものが全く示されていませんので考察のしようがありません。ちなみに烏枢沙魔流に至っては流派名の詠唱のみで剣技そのものはまだ登場すらしていません(笑)。達麻は八丸を修行に誘う折に『黙斬り』を展示していますが、その時、「侍とは何事も自分で決められる者だ」(第4話「親子ゲンカ」)と言っていて、まさか!?それが「抜刀斬りから斬れるまでの時間を己で決めて斬る技だ」(第4話「親子ゲンカ」)の根拠になってるんならもうどうしようもありません(笑)。
いやー、もうホントに笑うしかありません(笑)。『NARUTO -ナルト-』の場合は、こういう通常の物理的な法則や一般常識としての道理から外れる現象を「チャクラ」の存在が上手く均してくれていたんです。そもそもこれは漫画作品なのでありますが、それでも納得できる世界観とそれを支える道理の存在がなければそこにリアリティは生じません。恐らく『NARUTO -ナルト-』の読者であれば螺旋丸の生成を試みた人が少なからず存在すると思いますが、金剛夜叉流の剣技を実際に試そうとは思いませんものね(笑)。
だって剣技の根拠とか理屈が示されてませんからね。その説明がないまま大技って言われても、どんな風に凄いのか?がイマイチ染みません。確かにアタさんを喰った『金剛夜叉流・大気剣』はカッコ良かったですけど、虎だか狼だか…分からないイメージの正体が説明できないので「星砕き」の一端であろう凄い剣技が勿体無いと感じてしまいます。『NARUTO -ナルト-』では早い段階で木登りの修行でチャクラコントロールの重要性を示されたから忍術というものに僕らはリアリティを感じれた筈なのです。
忍が何であんな高く跳べるのか?とか、何であんなに速く走れるのか?とか、スーッと腑に落ちる導入がお話の流れの中に丁寧に仕掛けられていました。それが『サムライ8 八丸伝』においては未だなくて、アレッ!?っと思ってる読者は多いんじゃないでしょうか?そう思ってるところに今話の重複した説明が押し寄せてきて、若干切れてしまってすみませんでしたΣ(*゚Д`;)ア…ア…アッハァァァァァァァァ?!!ホントにちょっとしたとこなんですが、岸本先生の作品に心酔する読者の一人として、それが決して譲れない一線なのであります!!
第15話 八丸の「義」 ハチマル ケルベロス 了