サムライ8 八丸伝 第16話 星砕き 感想③
<ガチャ>(達麻・八丸)
「はい!」(八丸)
<ズズ…>「金剛夜叉流・大気剣」(達麻)
<ズズ…>(八丸)
「拙者の大技だ」(達麻)
<ズズズ>「!!?」(八丸)
「……だが…
この猫の姿では
本来の力を発揮できず
星を砕ききれぬ…」(達麻)
「え!!?
まさか…アレを…壊すの!?」(八丸)
「あの割れた星を!?
そんな…無茶な!」(八丸)
<ドウ><ドウ>
「八丸…
お前は侍の体を持ち
早太郎の柄骨を手にして
姫の加護を受け…
「勇」を腹に構えた!
お前はすでに
三身一体を成しえたのだ!」(達麻)
「……」(八丸)
「下の星を守りたいか?」(達麻)
「……」(八丸)
「大気圏」について、少し調べてみました。地球における大気圏ですが…高度や温度変化によって五つの層に分かれているそうです。対流圏→成層圏→中間圏→熱圏→外気圏の順に高度が高まっていきます。対流圏が高度12km程度までで、1km高度が上昇すると気温が6.5度下がります。僕は趣味に登山をするんですが、例え1000mの山でも山頂は涼しかったりします。次に12〜50kmの範囲が成層圏です。そこからどんどん高度が上がって行って熱圏→外気圏が1万km辺りまでで、国際的な取り決めでは高度100km辺りからを宇宙と呼ばれます。人工衛星が行き交うのは熱圏です。大気圏は地球を断熱したり電磁波から守ったりとても大切な自然です。
今、無雲の先端が燃えていますから、そこから無雲の現在の高度を推察すれば、おおよそ200km程度でしょう。これは大気の密度がある程度あって断熱圧縮による発熱で隕石が燃える高度です。この時、岩石に含まれる分子や原子がプラズマ状態になり発光します。これが流れ星です。宇宙から突入する異物は大抵、大気圏で燃え尽きますが、大きいものは燃え尽きずに地表に届きます。それが隕石ですが、無雲はとんでもなく大きいので燃え尽きるどころか地球(仮)が今度は衝突の衝撃で真っ二つに割れます(笑)。それは冗談ですが、被害甚大で巨大な衝撃により生物が生きられる環境ではなくなるでしょう。それを達麻たちは阻止しようとしています。
…という事なので、(大気があるから無雲が燃えているので)心配していた大気は存在しますので、充分に大気剣が使える環境です。ま…金剛夜叉流の剣技の根拠が知れませんのでアレですが、大気剣というくらいですから大気を刃(剣)にする技なのでしょうから、大気がない事には話になりません。基本的に大気の渦…つまり、低気圧=台風や竜巻を作り出して対象をやっつけるんでしょうから。でも、先週の達麻の口振りだと、もっと他に大技があると思ったんですけどね(汗)。そもそも宇宙で戦う侍なんですから、大気がないと使えないんじゃー困るでしょ。それに大技=大気剣ならば、勿体ぶらずに大気剣って言えばいいじゃん!!と思います(笑)。
ところで、達麻は八丸のキーユニット(鍵)と有線接続する事で八丸に剣技をトレースさせていますが、大気剣の出力は八丸一本に絞っています。大気剣のタネになる獣(狼?)のイメージが八丸の侍魂からのみ形成されています。そのタネを生み出す管も八丸の腕からだけ伸びていて達麻は変化していません。これは達麻も言うように「猫の体」だからでしょう。以前、達麻は自分を「猫のロボット」と言ってましたから、正確には「侍=サイボーグの身体」から外れた状態で、本来の剣技の効果を出す要件を満たしていないという事なのだと思います。これは侍の力や金剛夜叉流を含む各流派の部式(剣技)の一端を探る描写かも知れません。
大気剣の出力が八丸に全振りされているという事は、①サイボーグの体を持つ②キーホルダーが提供する柄骨で侍魂を刀剣化する③姫の加護(=祈り)を得る④勇を腹に携える…以上が「三身一体」の要件のようです。これにソフトウェアとしての金剛夜叉流が合わさって本来の星砕きが成る訳です。①と②はある程度早い段階で八丸も獲得できていましたが、アタさんの戦いで④の勇を見出し、アタさんを何とか退けた(達麻がやっつけたけど)のですが、ここで星を一つ丸ごと吹き飛ばす!!みたいな大技を発揮する為にはやはり③の姫の加護(祈り)が重要だと思われます。アンちゃんの祈りがなければ無雲は退けられないのです。
…ということは、乱暴な言い方をすれば金剛夜叉流の剣技(部式)とは姫の加護(祈り)を何らかの力に変換するスキル(技能)に当たるのかも知れません。しかし、達麻が姫の加護も受けずとも普通に戦える描写や、規模はどうあれ金剛夜叉流・大気剣で強敵アタ(自性輪身)を退けた事実とも若干抵触しますが、「本来の力」を発揮する為の要件という点で、達麻やアタさんはレベルが違うから基礎部分からして高位と考えるべきでしょう。それが何割かの力を発揮してるだけで、これが万全であれば凄い筈です。それに、物理的な剣技の威力もありますんで、型(刀捌き、体捌きなど)の合理性やフィジカル(膂力、脚力など)も無視できません。
描写を掘りまくって考えましたけど、どうみても八丸は達麻の剣技の出力先に過ぎません。それに姫・アンちゃんの祈りは確実に八丸にしか届いていません。それでも剣技の「本来の力」が発揮される…のですから、やはり、八丸の中に在るアンちゃんの祈りの何か(エネルギー?)が重要なのだと考えるべきでしょう。しかし、そうなると戦場に姫も同伴しないといけなくなるので、非常に危険だし、僕が敵なら厄介な侍ではなくてひ弱な姫をまず潰します。ちょっと酷いお話ですが、普通に勝つ事を考えて、自分達の被害を減らす上で戦術的にはかなり合理的です。そう言えばアタさんもムジンさんとの戦いにおいて先にサ姫を手に掛けていましたね。
ところで、儀式を経て侍となり、キーホルダーを従えるまでは、ロッカーボールに適合できるか否かの確率の問題です。そこから姫の加護を得て、「勇」をその腹に携えるまでも、簡単ではないけどそれ程ハードルが高いとも思えません。問題は免許皆伝でしょう。ここで考察した条件(要件)を満たせば星すら砕けるのですから、おいそれと免許皆伝の許可は下せません。師匠は弟子の人柄や倫理観を極めて慎重に吟味しなければなりません。それでもアタさんみたいな不肖の弟子が出てしまうんですし。ちなみに達麻はアタさんが「勇」を無くした…と言ってましたが、あれは自分達に利する「勇」を失ったという意味だったんですよね。
今回、金剛夜叉流の部式(剣技)一式がダウンロード可能なソフトウェアという事が分かりました。つまりは、それをインストールできるかどうかが「侍の強さ」を決めるという事になるのかも知れません。或いは、侍になった人間の生前の能力が侍になる事で増幅される可能性があります…例えば、八丸は動体視力が良く、それに的確に反応できる処理能力を持っていました…が、如何せん描写が足りません。各流派の部式(剣技)一式の道理(理屈)などもまだ全くと言っていい程提示がありませんので、このネタは継続審議という事で(笑)。先ず、そっから説明が欲しかったんだけど、岸本先生の焦らし行為なんですかね(笑)。
「頼みましたよ…
達麻様……八丸」(葉芽道)
「アンが…乗ってるんだって…!
アンの侍様も一緒に!」
「無雲の落下を…止めるって…」
「え!?あのアンが!?」
「やっぱり八丸って奴
ただ者じゃなかったんだな」
「サインもらっとくんだったな…」
「今そんな事言ってる場合かよ!」
「……八丸」(ナナシ)
<ゴゴゴゴゴ>
地上で自分らの命運を達麻達に預けて固唾を飲んで見守るにしては若干他人事のような地上の面々ですが、ウーン姫には祈りを捧げる侍が存在しないようです。同じように葉芽道にも祈ってくれる姫様がいない…。もしかしたら、ウーン姫と葉芽道が出来てて、人気のないところで祈り全開の可能性もありますけど、葉芽道に免許皆伝が足りません。しかし、どう考えても現状の八丸よりは葉芽道の方が強そうですが、八丸に達麻が肩入れするのは八丸が「パンドラの箱の鍵」だからでしょうか?そして、それが八丸の可能性というか、強くなる資質なのでしょうか?達麻の「心眼」が八丸に何を見出しているのかを、もっと詳しく知りたいです。
もっとも、ウーン姫と葉芽道が出来ていようと出来ていまいと、やはり「運命」で結ばれていなければダメなのかも知れません。多分、ウーン姫が見つけたロッカーボールで葉芽道は元服してないんですよ。また、葉芽道が侍になったロッカーボールを見つけた姫は死んじゃったか、誰か他の侍に加護(祈り)を与えてるのかも知れません。しかし、それならその侍がこの星を救ってもいい筈ですが、何処で何してるんですかね?でも、姫と侍は一対なんですかね。三身一体の説明でそこは触れなかったような…。一人の姫に複数の侍が繋がるっていうのはダメなのでしょうか?姫は複数のロッカーボールを見つけるから理論的に侍が余っちゃうんです。
アンちゃんが見つけたロッカーボールが馬侍を介して八丸を侍にしましたけど、そこに「運命」があるのだとしたら、アタさんが襲ってくる前に、八丸と一緒にアンちゃんが掘り出したロッカーボールに適合する侍とアンちゃんはどんな関係になるのでしょうか?それにもやはり「運命」は適用されるのでしょうか?そして、アンちゃんはそのロッカーボールに承認された侍にも祈りを捧げられるのでしょうか?あの時、達麻と葉芽道が八丸とアンちゃんの仲を気に掛けて、上手く行かなきゃ銀河が滅ぶ…とまで言ってましたけど、それを真に受けると、男と女のラブゲームがこの銀河の趨勢を占うみたいでかなり不安になります(笑)。
続きまーす!!