サムライ8 八丸伝 第20話 相棒 感想④
<ゴオオオ>
「記憶喪失…?
何も思い出せないのか?」(八丸)
「あぁ
オレはただ自分が何者か
知りたくて旅をしている」(リュウ)
「何でこんな口が悪い奴と
一緒にいるんだ?」(八丸)
「余計なお世話だコノヤロー!!」(コツガ)
「骨河はいい奴だぞ」(リュウ)
「なっ!分かったろ
姫ちゃんオレとでーとしない?」(コツガ)
「お…お…お断りします!」(アン)
「…竜
お前の姫やキーホルダーは?」(八丸)
「チッ」(コツガ)
「姫…キーホルダー?」(リュウ)
「…しかしお前もしつけーな!
誰でも言いたくねェ秘密の1つや2つはあるもんだろが
会ったばかりでベラベラ身の上話する奴なんかいねェ
記憶なくしてなくてもな」(コツガ)
「……」(八丸)
「今までの自分が不幸だと思ってたんだ
だからアンに嘘をついて隠したんだ昔の事…」(八丸)
「それに……
…時には自分から忘れてしまいたい事もある」(コツガ)
「御免…」(八丸)
「お前もいい奴だな」(リュウ)
人それぞれにいろんな事情があって、その人なりに思うところもあります。人生はいろいろなのであります。僕は僕と関わる人のあれこれをできるだけ詮索しないようにしています。その人がどんな人生を歩んでいても気にならないのは、その人の人生と自分の歩んでいる人生を決して比べないからです。どんな大富豪だろうと、どんなに人気者で有名な人だろうと、僕にとってはタダの人間でしかない訳です。子供の時にお母さんが言ってた魔法の呪文…あなたはあなた。あの子はあの子…を、僕は子供の頃からズーッとそれを噛み締めながら人生を歩んでおります。
その人がどんな人かは一緒にいれば分かる事です。逆に、どこの学校を出たとか、どんな会社で働いてるとか、お金持ちとか、家柄がどうとか…そういう情報がその人を知る妨げになったりもします。人の本当の価値…というか魅力は、肩書き、地位、富、家柄…なんて関係ないんじゃないでしょうか?ま…そういうものがその人を作り上げるというのもありますけど、沢山ある中の一つの要素であって全てじゃないし。確かに見た目は第一印象に大きく影響するから大事っちゃー大事だけど、それよりもその人の中身…人間性が重要なんじゃないでしょうか?
見た目は慣れますからね。また、見た目だってその人の中身を反映するものです。人間性って、その人の味みたいなもんだと、僕は思うんですよ。だから、人間味っていうじゃないですか!?長く一緒に居れる人、付き合える人って、きっと自分にとって美味しいんですよ。それで…甘いのか塩っぱいのか、美味しいか不味いかを感じるのはやはり自分に依るんです。その人の人生の味ですからね。すっごい複雑な味わいなんでしょう(笑)。でも、その味を吟味して人は人と繋がって行くのだと僕は思います。勿論、相手もこっちを吟味してますけどね(笑)。
その意味で、コツガの言い分というものは、僕はすごく共感できるんです。また、リュウのすっごくニュートラルな感じはすごく好きです。仕事以外のプライベートな人間関係って突き詰めたら「好きか嫌いか」ですからね。それはその人がどんだけ美味しいかという事なのであります。見た目やスペックに騙されず、その人の味わいを知る。その人の人間味をちゃんと味わえる舌を持つ。それは自分の人生を歩む中でよき友を見つける為に非常に重要です。…と偉そうに語ってはおりますが、僕は友達が少ない…はがないのケルベロスではあります(笑)。
お話が横道どころか…Σ(*゚Д`;)ア…ア…アッハァァァァァァァァ?!!でも、ま…リュウを詮索した八丸もその愚かさに気付き、八丸の素直な謝罪をこれまた素直に受け止めたリュウも、僕はいい奴だと思います。即ち、それは「好きだ」という事であります。それが言い過ぎだと仰るなら「嫌いじゃない!!」でもいいじゃない。「好きか嫌いか」で言えば「好き」なのですよ。八丸の味。リュウの味。お互いがお互いを味わい合って人間関係というものは深まって行くのです。この先、八丸とリュウがいい友達になれればいいなと、僕は思います。
それに対して若干の邪気を孕んだコツガの存在が僕は気になっています。今回、コツガの描かれ方がいろいろと意味深なのです。それとコツガは目の芝居が多いですね(笑)。岸本先生の作品は特に目の描写が繊細で、そこがすごく味わい深いんですよ。ま…コツガにはコツガの人生があって、いろいろと抱える事供も多いのでしょうが、ノーブルでイノセントな雰囲気の漂うリュウに対して、コツガは邪(よこしま)でアナーキーな感じがします。でも、そういう外身ではなくてコツガの中身…人間味を賞味することが大事なのだと、きっと岸本先生は仰りたいのではないでしょうか。
続きまーす!!