サムライ8 八丸伝 第24話 八丸VS竜、再戦!! 感想③
<スパ>(勝利)
「よし!!勝った!!」(八丸)
<ピロリン>
「お!対戦相手からメールだ
フレンド申請かな!?」<ピッ>(八丸)
「お前の通信ラグいぞ!!どこの田舎住みだよ!?
通信設備ちゃんとやってから入って来い!!
そのくせ何時間もログインしやがって!!
どうせ独りぼっちの引きこもりゲーマーだろカス!!こんなゲームで強ェーからって何なんだ!?
お前みたいのはここ以外じゃどーせ負け犬だろ!?
勝手に喜んでろ負け犬!!」
「……」(八丸)
<コッ>
<ピッ>(図星だった)(八丸)
<ドロ~…>
八丸が侍ゲーで快勝した直後に届いたメッセージ。八丸は一瞬、フレンド申請かと思ったんだけど、どっこいヘイトメッセージで、それがかなり図星の内容でで凹んだみたいです(笑)。でも、これはあまり気にしないでいい…と言うか、喜んでもいいと思うんです。人の気持ちって数学や物理で習う「ベクトル」みたいなものなのです。簡単に言うと線分(スカラ)に指向性(方向)を帯びた概念なんですよね(違ってたらごめんなさい!!笑)。メッセージとかメールって結構な手間だから、こんなの寄越す人ってそこそこ気持ちがある訳です。そう…ベクトルがあるんですよ。
それが単に「嫌い」とか「ハラ立つ」とかネガティブな気持ち(方向)だったりするだけで、それがベクトルの指向性の部分…つまり方向が何処向いてるか?というだけなんです。本当に悲しいのは「何にも思わない」とか「どうでもいい」でして、それってスカラ(線分の長さ)がないんです。つまり、気持ちがない。それがマザーテレサさんが「愛の反対は無関心」と言ったのと同じで、自分に向かう想い(気持ち)が「0」(ゼロ)っていうことです。関心がない。それは愛がないのと一緒という意味。それに愛と憎しみは正反対の気持ちではないんですよ。僕らが思うよりも位相が少ない。むしろ似ています。
このメッセージの主さんだって八丸に対する気持ちがあるんです。だからこんなメッセージを八丸に送ったんです。自分の心の中にある気持ちを文章に出力して送信ボタンを押したんですよ。充分に気持ちがあるじゃない。そこそこ時間を八丸の為に費やしたんですもん。関心がなければログアウトするとか次の相手を探しに行きますから。その気持ちがポジティブかネガティブかだけ。それは方向が違うだけ。全然何もない状態よりは嫌いの方が無限大に大きいのです。ゼロに何を掛けてもゼロでしかない。人の気持ちって数学や物理にすごく似ています。
だからこのメッセージは喜ばしいのだと、あの頃の八丸に教えてあげたい。ふと、僕はそう思いました。多分、八丸のゲーマーとしての才能に嫉妬したんじゃーないですかね。八丸に負けたのが悔しかった。何度か戦ったのかな。それでも全く勝てなかったとか。大切なのは気持ちがあるかないかです。ガッコの先生がよく言ってましたが、告って一番悲しいのは「嫌い」とか「無理」ではなくて「アンタ誰?!」なんだって(笑)。たとえそれがどんな気持ちであっても無いよりはある方がいいから頑張れと言われましたが、嫌いが嫌いのママだったというオチが僕の古傷です(笑)。
「ゲームで勝ったところで…かぁ…
……早太郎
オレ外に出られるかな?」(八丸)
「ニャン?」(早太郎)
「自由に空を飛んでって
色んなとこのおいしいものいっぱい食ってさ
んで!旅先で可愛い娘と出会っちゃったりして!その娘が悪漢に襲われたところへ…!
オレが颯爽と登場してそいつらをやっつける!!それ見た侍のマスターが言う!!
”見込みがある弟子になれ!!少年!!”」(八丸)
(当時オレを支えてたのは
杖とバカげた妄想……)(八丸)
「あ!」<スル>(八丸)
(脆い支えだ)<ドサッ>(八丸)
「……」(八丸)
「早太郎杖を――…」(八丸)
「……」(八丸)
<スー><スー>(早太郎)
仕込み杖は八丸がよく杖を落として困ってたのを8パパが気に病んで開発したんでしょうね。落とすなら腕に組み込んじゃえ的に設計して八丸の義手をアッセンブルで交換した。それが分かるって事は8パパはソーッと八丸の日常を見守っていたのだと思います。まるで親鳥が雛を自分の羽で包むように…。それが「育(はぐ)くむ」の語源だと教わった記憶があります(違ってたらごめんなさい)。先生が黒板に親鳥と雛の絵を描いて教えてくれました。とても下手くそだったけど温かいイラストだった…。それと似た感じの感情を8パパには感じていました。8パパは確かに八丸を愛していたと思います。
八丸の肉体はロッカーボールの儀式によってキーユニットに遷移しています。その時、何かを捨てた描写はないので八丸の左手の義手も八丸の一部としてキーユニットに収められた筈です。その後、ロッカーボールが八丸のあるべき姿をサイボーグの体で再現していますが、この時点で「八丸を支えてきたもののひとつ」として左手の仕込み杖のギミックを再構成しています。それが馬侍との決戦で決め手となり八丸は勝利できた訳です。しかし、単なる杖だった装備が仕込み刀に変更されてたんですが、そんな都合よく武器をいろいろと便利なサイボーグの体に収められるのは違和感はありました。
しかし、これは8パパがこの時点で八丸の出自に関しては黙秘していまして、将来八丸に訪れるであろう危機に備えて仕込み杖に武器としての能力を付加しておいた…仕込み杖と言いながら実は仕込み刀だったと…考える事もできますので、八丸が思い描いた自身の「あるべき姿」をロッカーボールが再現するという設定とは若干の齟齬が生じますが、一応セーフです(笑)。また仕込み杖と同じ理由…「八丸を支えてきたもののひとつ」…で八丸の元服後に残されたのが「メガネ」であります。恐らく、八丸の愛用していたメガネも8パパの愛の産物であり、ロッカーボールテクノロジーもそれを承認したのでしょう。
しかし、しかしですよ。それが宇宙に旅立つ直前のコスチェンで今のゴーグルに変更になったんです。いやーそれはイカン!!極めて遺憾です!!(笑)この描写だと8パパの愛と八丸の想いが繋がらんのですよ。以前のメガネも新調したゴーグルも戦闘時のルーチンとして分割されていたものが<カチッ>っとセットされますのでサイボーグの体の機能と考える冪です。ロッカーボールテクノロジーによって生み出されたアイテムであるならば、8パパがくれたメガネのデザインを変えたのは八丸の想いなので、八丸にとって8パパへの想いや恩義はその程度だったのかと八丸のクズさ加減に呆れました(笑)。
岸本先生は主人公にメガネやゴーグルをどうしても着けさせたいのでしょうけど、はっきり言ってカッコ悪いし、滑ってますよー(小声)とお伝えしたいです。僕らの世代だと思いっきり「仮面の忍者・赤影」ですからね。子供の頃はよく「赤影ごっこ」はやりましたし、勿論みんなが赤影になりたがるので赤影だらけでしたけど、八丸にわざわざそれさせなくてもなー…と思います。サイボーグの体になったのに近視とか乱視とかないでしょうし、一番大事な8パパへのリスペクトすらあっさりコスチェンで消えちゃったんだから、今やクズの象徴でしかないのでクズのヒーローを目指す以外は不要ですので(笑)。
「点滴の時間だ」<ズイ>(8パパ)
(そして点滴を打ちたがる父ちゃん…)(八丸)
「!」(八丸)
「さぁ!」(8パパ)
(それが唯一
オレにとっての強い支えだった
もし…そんな父ちゃんがいなくなったら
オレは這いつくばったままだと)(八丸)
「今度からコレを使え
伸縮自在の杖付きの腕だ」<カシャ>(8パパ)
(今を見てみろよ!!
オレは支えを何ひとつ――――…)<ガシャ…>(八丸)
<ズガッ>(失ってなんかいねェ!!
そうだろ!!)<ズザッ>(八丸)
(仕込み刀!?これが…
八丸の秘密の手のうち!?)<ブウウン>(リュウ)
「早太郎ナイス伏せ!!
アンナイス祈り!!」(八丸)
「スカした首ギリギリで」(コツガ)
<ピッ>(2)
(拙者も託してみるか
更なる可能性を――)「拙者は」(達麻)
(点と点が繋がり
…線となりつつある!)「脱落する!」(達麻)
<ピッ>(1)
<ハァ><ハァ><ハァ>(八丸)
刀身の長さよりも遥かに大きなものをスパスパ斬っていたのに今度は紙一重でかわすとかは横っちょに置いといて、まあその見切りが八丸の動体視力があればこそ!!ってんなら1/120フレームでリュウの鋒(きっさき)を躱す描写が欲しいところです。またこの立会いで八丸が主導権を取っていたと強調したいなら、侍魂を持つ右腕を刎ねられた後、逆手で抜いた鈍(なまくら)はそれをリュウに足場にさせる八丸の読みだったとしなければ弱いです。『NARUTO -ナルト-』であればチャクラを流して鈍(なまくら)が地面に刺さる深度も調整した場面で、そこでのミリ単位の見切りが勝利の条件だった筈です。
この場面には金剛夜叉流・剣腕のスキルを応用したかったところですが、金剛夜叉流の部式(剣技)に関する説明がほとんどなされていないので不可能でした。他の下らない説明はあんあだけ繰り返したのに大事な部分の説明がないし、設定すらないかも知れない状態だからこんな事になっちゃう(笑)。そういう設定があって八丸が逆手で抜いた鈍(なまくら)がリュウに対する「誘い」であったなら、その前に刎ねられた右腕も八丸の意図したものとなり、八丸の決め手が「後の後の先」と認定されたんですよ。それであれば八丸の成長を感じられたのに…。若干、いつ覚えたのそんな技…とはなりそうですが(笑)。
そもそも「リュウVS八丸」の設定(3対1)がクズ杉て、達麻が八丸を見てしみじみと(八丸は少しずつだが成長している)と思ってて、あーッ…この人(猫)、ホントに目が見えないんだなーと思いましたっけ(笑)。それと同時に達麻の心眼にも疑義が…(笑)。で、結局八丸の決め手が「仕込み刀(杖)」だったんだけど、そんなの馬侍の時(第1話ですよ!!)と一緒ですから、どうみても全然成長してないっしょ!!!!!!!!(笑)読者だって何も新しい八丸を見せられてないし、奥の手とか秘密とかどんな物かと思って期待してたら仕込み杖とか、みんな知ってまーすッッッッッ!!!!!(笑)
そして、この一部始終を見ていた(ここでは見えてる…)達麻が(拙者も託してみるか更なる可能性を――点と点が繋がり…線となりつつある!)とか思ってて、やっぱこの人(猫)見えてないわー…と思いますた(笑)。これ見て少年少女が勘違いした方向に成長してしまわないか心配です。ホントに有害図書扱いされても仕方ないレベルです(笑)。八丸のホントの成長ってメガネも仕込み杖も必要ない!!もう自分の目で見れるし、自分の足で歩ける!!ってとこじゃないの!?それが意味不なゴーグルして未だに仕込み杖に頼ってるってズレまくってるのにいい加減、気付こうよ!!(笑)
でも、大久保先生の作画はホントに良かった!!現在の週ジャンで屈指じゃないですか?!特に戦闘シーンはダイナミックで息を飲みました。また、静かなシーンではキャラの表情が豊かでその時々の気持ちがよーく描かれていたと思います。目線のニュアンスも全盛期の岸本先生を想わせるもので懐かしくも感じられました。これでストーリーとセリフが良ければ間違いなく週ジャンの看板作品ですよ!!(笑)今回は泥舟に乗ってしまったと諦めて、逆にここでやらされた事を一切しなければ必ず成功するんだからいい経験になりましたね。大久保先生の次回作には期待するし応援させて下さいね!!
続きまーす!!