サムライ8 八丸伝 第40話 支えの喪失 感想⑥
「……!!」(八丸)
「アンと早太郎は
…2人はどこだ!?」(八丸)
兄弟でもある一角たちの
姫とキーホルダーとして利用する
お前と二度と会う事はない」(アタ)
「今度からは
ボク達が君の侍となる」(○角)
「……」(八丸くん…どこ?)(アン)
「ニャー…」(早太郎)
「……
そ…そんなの
オレが許す訳ねーだろ!?」(八丸)
「娘を想うか…」(アタ)
「確かに白い刃を見せた
…前回と違いお前とあの娘の間は
強い「勇」と「義」で結ばれている
だからこそ役に立つ」(アタ)
「!?」(八丸)
「お前のように
一度強い「勇」と「義」を持った奴は
なかなか散体も出来ず
ここでずっと生き続ける事になる
試し斬りにちょうどいい素体だ
だがそのうち――」(アタ)
「!」(八丸)
「気の遠くなるような時間が
娘への想いを忘れさせ
「勇」も「義」も失わせる」(アタ)
「そんなわけあるかっ!!」(八丸)
「……それを聞いて
安心したぞ」(アタ)
「!?」(八丸)
「希望…
その不確定なものに
すがりついている限り
お前は死ねない」(アタ)
一個前の感想で書き漏らしたんですが「回復ソケット」というのは一角〜七角のキーユニットの「鍵ライフ値」が下がった時(大技を使用した時など)に自分のキーユニットを抜いて八丸の体に挿して鍵の回復を図る…と当初考えていました。「鍵ライフ値」はキーユニットがサイボーグの体に入っている時のみ回復するので余分に侍のサイボーグの体があると捗ると考えたけど、別にそんな面倒臭いことしなくてもコソッとカツ丼とウドンのセットを食べちゃえば済みます(笑)。八丸の接続が速いのは八丸の引力がべらぼうに高いからで、それは八丸のキーユニット由来の能力なので他の鍵を持ってきてもその鍵の能力が上限です。
しかも、八丸の鍵は一角〜七角に還元されるので抜け殻になってしまう筈なので、そうなれば当然べらぼうに高い引力も無くなってしまうでしょうから、その鍵を八丸を壁に縛り付けるチューブに繋いで八丸の回復能力をブーストする事もできないと思われます。いろいろ考えてみても回復は一角〜七角にもできるので、八丸の中身が空っぽで鍵が挿し易いだけのメリットしかありません。ここで言う「回復ソケット」とは八丸を試し斬りの素体として斬り刻んでから自分の元気な鍵を八丸のボロボロの体に挿し込んで八丸を再生させて挿し込んだ鍵を鍛えるトレーニングを示しているように思います。これには自分の鍵の「テロメア値」を下げる事なく再生効率を上げられるメリットがありそうです。
そうであれば八丸のオリジナルの鍵が出涸らしのようになってしまっても斬り刻まれた八丸の体は回復します。これにはもうプラスαの可能性があって、候剣で斬られた八丸の傷だって別の侍の鍵を挿し込めば回復するんじゃないでしょうか?例えば候剣で腕を斬り落とされたとして、斬り口の上流を非候剣で斬り落としても腕が再生しない(誰もやらないのでこれで回復しないんだと思います)ことから斬り口の問題ではなく候剣がサイボーグの体の傷を治す機能そのものにダメージを与える剣技だという事が分かります。サイボーグの体を治すのはキーユニットの「繋ぐ力」だと思うので、候剣は鍵にダメージを与えるプログラムなんですよ。
だから別の侍の鍵が八丸に入る状況ではその鍵には候剣のダメージがないと思われるので、八丸の欠損した両手両足が再生する可能性があると思うんです。恐らく、「候剣」と「テロメア値」は何らかの関係がある筈です。候剣で斬るとその部分のテロメア値を極端に下げて再生できなくするみたいな仕組みで、弁形が囚われた「獄門玉」もしかしたらそのメカニズムを応用して開発されたんじゃーないですかね。しかし、それだと達麻に候剣で斬られた傷を弁形が治し切らんかった…というのが「鍵大尽」の弁形らしくなくて難儀です(笑)。キーユニットコレクションが尽きた可能性もありますが、後から義常の鍵を繋いだからねー。
さて…本編の方はと申しますと、アンちゃんと早太郎を一角〜七角が使い回すようですけど、アンちゃんと八丸は「運命」で繋がってたから良かったけど、それがない状態で「契り」が可能なんですかね?早太郎の場合は馬侍の黒馬ちゃんの例がありますから柄骨を自分の腕(ラゲッジスペース)に仕舞えば契約完了だけど、侍と姫の関係で「今日からお前はオレの姫な…」でオKなのでしょうか?幸いにも一角〜七角は八丸に似てますから亡兄・七志に似てるのでアンちゃんが「シュき〜ッ!!♡」ってなるかもですが、アンちゃんの浮かない顔には未だ「八丸ラブ」が感じられるのでこのNTRには少々時間が掛かりそうですね。
でもアタさんの人柄や一角〜七角の落ち着いた雰囲気から察するに実際に付き合ってみたら八丸よりも余程まともでいい感じになったりしたら、その時は八丸も散体していいんじゃないでしょうか(笑)。今度生まれてくる時はちゃんとした教育を受けられるように祈ってますよ。そして、願わくばもっと子供を大切にする世界に生まれて下さい。侍なんかいない世界に…。アタさん達がこれから「マンダラの箱」を開けるので、そしたらきっと何もかんも無かった事になってスッキリすると思います。それがどんな世界になるか?は分かりませんが、八丸の世界と比べたら何だって素晴らしいでしょう(笑)。
アタさんに囚われた八丸に僕は『ベルセルク』(三浦建太郎先生)のグリフィスを想い出していました。グリフィスと八丸を比べたら各所から叱られそうですが(笑)。グリフィスがお城の姫様にちょっかい出して王の逆鱗に触れ地下牢に幽閉された件(くだり)です。そこでグリフィスは変態拷問ヤローの手に掛かり…の読者は阿鼻叫喚の地獄絵図を見せられましたー。それと八丸の試し斬りも似たようなもんかと(笑)。キレーなグリフィスが情け容赦なく蹂躙されて行くところが何とも堪らなくて悶えていました。そんな気持ちが最高潮に達したところで、ガッツがあの大剣で<バサーッ>で吹っ飛ばして読者の心の澱みを浄化した描写はほんに見事だった罠。
その後、廃人状態のグリフィスは「覇王の卵」によって転生を遂げます。八丸も両手両足を斬り落とされ、ホントのホントに手も足もでない状況です(笑)。おまけに人格形成が未熟で教養までありませんから、もう生まれ変わるくらいしか一発逆転の目がありません。しかし八丸は既にこの世界の「覇王の卵」とも言えるロッカーボールを消費してしまいましたから転生のしようがありません。一度「切腹の儀」で侍になってしまったら、それに重ねて切腹しても傷が塞がって切腹できませんから、二度目の「切腹の儀」は望めません。『魔界転生』(石川賢大先生)では「二度漬け」できたのにね(笑)。
僕は八丸の起死回生に関して「回復ソケット」による候剣の痛手を再生しちゃう案に微妙に期待しています。アンちゃんを諦めさせる為に○角が八丸を試し斬りで慰み者にして「回復ソケット」に自分の鍵を挿し込んで八丸が回復したところで上手くして八丸が脱出する展開があればいいなと思います。しかし、どう考えてもそれには尺が足りないのでもっとお手軽な八丸の逆転満塁ホームランと言えば、もう八丸がホントは「パンドラの箱でしたオチ」しか残されていないので、苺ちゃん〜ナナシまでのナンバーズが「一気通貫」してアタさんとこに乗り込んで「パンドラの箱」として覚醒した八丸を<パカッ>と開けて…アガリましょうか!?(笑)
続きまーす!!(侍の二度目の切腹は個人的にすこ)