サムライ8 八丸伝 第41話 侍・七志 感想⑤
「それより大丈夫?
宇宙で会う約束したけど
いきなりノーパンで
ピンチなんて…」(七志)
「…は?」(八丸)
「刀を持ってないのは
パンツ穿いてないのと
同じだって
前に…」(七志)
「ああ……
……
パンツどころか
全部アタって奴に取られちまった…
……
大切な姫も攫われて――」(八丸)
「……」(七志)
「烏枢沙魔流の事は
葉芽道さんから聞いたよ
アン姫の事も……
君の――お父さんの事も」(七志)
「今度は
ボクが君を助ける番だ
ここを一緒に出て
アン姫を助け出そう!」<スッ>(七志)
「……
背中を見ろ…
オレはここから出られねーよ」(八丸)
「……
もう引きこもるなんて――
うんざりのはずでしょ!」(七志)
「分かってる!
諦めてなんかねーよ!!
けどオレをここへ閉じ込めた奴は
伝説のオレの師匠ですら
勝てなかったような奴だぞ!
簡単にここから逃げ…」(八丸)
<スッ…>「君が言ったんだ」(七志)
「?」(八丸)
「……」(八丸)
<ス…>(ナナシ)
「刀を鞘から抜かない事には
切れ味は分からないって」<ズッ>(七志)
<ギン>(七志)
「!」(八丸)
八丸はナナシの存在を忘れていたばかりか「パンツ」のネタすら忘却の彼方で、七志が満を持して放り込んだのに「…は?」だもんね(笑)。ココ…ホントは七志が八丸の言った事を全て覚えてて一時だって忘れなかったよ!!っていうメッセージなのに、物語でもネタとしてもあれっきり使われて来なかったし、八丸が忘れてた…と言うよりは岸本先生が忘れてた臭い(笑)。「パンツ」のネタ振りが継続してたら七志と八丸の掛け合いがも少し盛り上がったのに勿体無いお話です。そう言えば八丸の「いざっ!!」だって近頃は聞かないし、岸本先生は天丼(お笑い用語で同じギャグやボケを二度、三度と重ねる手法)が下手杉。
全部覚えている七志と殆ど忘れてる八丸のコントラストが人としてのレベルを如実に示しているんだと思いますが、七志に関しては八丸との出会いが人生の大きな転機になり得たのもまた事実であります。LGBTQの引き籠り…。そんな七志を外に連れ出したのは確かに八丸であります。突然空から降って来て天井を突き破って現れた八丸と最後には戦車を刀で真っ二つにしちゃうなんて大冒険を経験して七志は大いに刺激を受けたんですね。そして、師匠・達麻のほぼ100パー受け売りで八丸の心に根付かないものでしたが、そこで八丸が投げ掛けた言葉の数々がそれ以降の七志の人生に多大な影響を与えた訳です。
八丸は右の耳から左の耳に抜けるタイプなので、偶々七志と行動を共にした時点で頭の中にあったセリフを何の考えもなく喋っただけだと思います(笑)。だから七志の渾身のオマージュが八丸には意味不以外の何者でもない訳です。しかしながら、いい加減の極みとも言える八丸みたいなアンポンタンとの出会いであっても七志にとっては人生の一大イベントでありました。これを見ていると七志の心構えの大切さがよく分かります。どのような案件であっても、それを「一期一会」に変えるのは受け手の問題なのです。その出会いを価値あるものにするか?そんな事もあったなーで終わらせるのかは貴方次第なのであります!!
七志の場合は、八丸への憧れを糧として日々精進し、侍になる為に努力を重ね、見事に侍になった後は侍としての精進を絶やさなかったのです。だから自性輪身なんてややこしいスキルが扱えたり、侍魂の真剣化も勿論できる!!ただ、侍魂の真剣化は切れ味が悪い!!(笑)八丸が達麻のアジトを守ってた門番ホルダーの外皮を試し斬りしてましたが、七志もその程度ですからね(笑)。きっとこれは自性輪身のトレーニングに重点を置いた所為じゃないかと思います。七志はこのタイミングで八丸を救出するミッション(仮)があっていろんな訓練をしながらここまでやって来たと思うのでいろいろと足りないのは仕方ないです。
まー…それにしても八丸なんていい加減なDQNであっても、七志がそうだったように…その出会いをどのように自分のものにして行くか?で人生とはこんなにも大きく変わるのだから、子供らの側に居る大人としては心せねばならんと思います。自分のちょっとした言葉や行動が近くにいる子供に多大な影響を与える可能性があるからです。何気ない言動が子供らの人生を変えちゃうんですよ!!子供らにそれをフィルタリングする能力がないのだから、大人が気を遣わないといけません。でも、将来目の前に現れた青年に既に忘れてた自分の与えた「一期一会」を感謝された時に僕も八丸みたいな反応しちゃうかも…(笑)。
或いは「おやじ狩りかッ!?」と身構えたりして(笑)。でも、少年少女もこれから経験する出会いは大切にして欲しいと思います。どんな物事も受け手次第なのです。不動明王の語録だと「どう見えるかだ(まだまだ心眼が足らぬ)」です(笑)。『NARUTO -ナルト-』でも波の国編において、「白」という少年に出会えたナルトと出会えなかったサスケはその後の人生を大きく違(たが)えました(「白」に関する考察参照)。人生は出会いと別れという「取捨選択」の繰り返しです。その中で大切な何かを必ず見つけられる!!必ず出会える!!それをどうにかして掴み取って欲しいと僕は思うのです。「一期一会」…それを忘れてはいけない。
続きまーす!!(「白」に関する考察は僕が一番最初に書いた考察…)