ハチマル

週刊少年ジャンプで連載中の『サムライ8 八丸伝』を考察するブログです。

サムライ8 八丸伝 第2話「空からの訪問者」感想②

「いよいよ大冒険へ出発だぁ!!

いざ!!」(八丸)

「早太郎を連れて近場で散歩するだけだぞ

大げさな!」<ズズッ>(八丸パパ)

「…父ちゃんのせいで 雰囲気台無し…」<ガクッ>(八丸)

「刀を持たぬ侍は パンツを穿いていないのと同じだ いかなる時も携えておけ」<テク><テク>(達麻)

「…でもそれ模造刀だけど…」(八丸)

「拙者はこれで湯呑みを斬っただろ」(達麻)

<スパッ>(八丸)

「やったァ!!斬れた!!」(八丸)

「侍とは『行動の人』

決めつけて何もせん侍は パンツを被っているのと同じだ」(達麻)

「…パンツ以外で喩えてよッ 分かりづらくなってきたから」(八丸)

「刀を鞘から抜かないことには斬れ味は分からん

そういう事だ」(達麻)

いつもの癖でネトゲに手を伸ばす八丸でしたが早太郎に促され散歩に行くことに…。よくよく考えてみればこれは立派な大冒険です。だって昨日まで八丸は家から一歩も出たことがなかったんですから!!それを八丸のパパ揶揄(からか)っていますが、今まで八丸の世話をして何とか外出できる自由を与えようと頑張って来たんですから、本当は八丸よりも喜んでいる筈です。しかし、八丸に同調して浮き足立っていてはいけない。それがオトナの分別なのであります。

八丸ネトゲでの経験はありますが、箱入りの引き篭もりでしたから世間知らずですから、侍になり三輪身の力を身につけたとはいえ、八丸の初めての外出がパパ心配なのです。それを察する達麻八丸模造刀を持たせるのも、八丸ではなく八丸パパ安心させるためだったのかなー…というところに気付けると物語の味わいがグッと深まります。岸本先生の作品の描写の流れの中にいろんな風味が隠されていますから、面白い小説を愉しむように行間を読む力を養ってくださいね。

少年少女にはその曇りなき眼で物語の奥底に潜む事供を探し求めて欲しいとケルベロスは思うのであります。それは少しずつ少しずつ皆さんのに溜まって行く筈です。その中は花々の種のようなものがあって、それらがいつしか芽生え、そして大輪の花を咲かせる!!と、僕は信じています。歩き始めたばかりの八丸と同じように少年少女の心の中にはまだまだ蓄積が少ないです。だから、ゆっくり焦らずに心の中にいろんなモノを取り込んで育んで欲しいのです。

そうしているとケルベロスがいろいろと脱線しながらもつまらない記述を続ける姿にも何をか感じてくれるかも知れません(ただの拗らせたヤバいおっちゃんで在る可能性も否定できませんが……アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ…)。そして、その根底にある何かにいつか気付けると思うんです。老婆心ながら、僕はそのお手伝いがしたくてを蒔いておる次第です。あー…また脱線しちゃったけど、「鰯の頭も信心から」と申しますれば、夢夢忘れることなかれ…。

しっかし、八丸達麻のように模造刀で湯呑みを真っ二つにしちゃいましたね。しかも居合抜きで!!完全な脱力からの一瞬一閃に全てを込める超高度な剣術の筈です。例えば徒手格闘ですが、構えからインパクトの直前までほとんど力が入っていない状態からインパクトの瞬間に握力が最高になるのが理想で、素人は初めから拳に力を込めるから拳速が鈍くなるんです。居合もそれと同じで完全な脱力から一気に剣速を上げて刃が対象に触れる瞬間にギュッと拳に力を込める。

だから鍛えていない(刀剣の錬成についてはその内詳しくやりますね)模造刀きっと八丸侍の身体はそれが自然にできているのでしょう。このお話の後の方で出てくるけど八丸って凄腕のゲーマーなんですよね。そして八丸の精神はキーユニットとして侍の身体の中にあって、それが発するコマンドを最も合理的に出力できるような仕組みになっているんだと思います。達麻がネットにばら撒いた侍ゲーサブリミナル八丸剣術修行になってたのかな。

第一話八丸が浪人を懲らしめたのも達麻1つ目の鍵を手に入れた件(くだり)の剣技を完コピした結果でしたし、きっと他にもムービーが何種類もあって金剛夜叉流剣捌き(太刀筋)刷り込みが行われていたんじゃないでしょうか。あるいは純粋にコマンドの習得がそのまま侍の身体の動きに変換される可能性もあり、在りし日のフィジカル(身体能力)が全く必要ない引き篭もりにはもってこいのシステムと言えるけど、ちょっとズッコいよね(笑)。

しかし、その意味で八丸伝「侍システム」って昨今話題になっている「eスポーツ」に似てますね。達麻が撒いた侍ゲーのインターフェイスがいまいち分からないけど、VR風のゴーグルがあったり、コントローラーレスで指の動きと連動してそうな感じなので、やっぱり侍の身体キーユニットの関係を前提にしたものだったと考えるとしっくり来ます。ちょっと余談が多くて長くなったので一旦切って後半の感想に続けますね。いやしかし、凄い雨風ね。

 続きまーす!!

  ケルベロス