サムライ8 八丸伝 第4話「親子ゲンカ」感想①
「アンタが持ってたか……
見つからん訳だ」(パパ)
「ソレの重さが
分かるアンタこそ
ただの侍じゃない
ソレに見合う
いい柄骨も持っている」(パパ)
「質問に答えろ
お主と八丸は何者だと
問うている」(達麻)
「節義をふまえた侍なら
先に名乗ったらどうだ?」(パパ)
「……」(達麻)
<ガチャ>「金剛夜叉流 免許皆伝
名は達麻 それが拙者の本性だ」(達麻)
「その鍵に付いた免許の印籠…
それ…本物か…!?」(パパ)
「そうだ」(達麻)
「では……
アナタがあの夜叉流の一匹狼…
…あの魔噛みをホルダーに据えた…
千人斬りの…伝説の侍—
達麻!?」(パパ)
「そのナリで……?」(パパ)
<ガチャ>「その反応…慣れておる」(達麻)
八丸んちの縁側でお茶話にしては重い話をする達麻と八丸パパ…。第3話の最後で達麻が右前腕の内側を<ガチャ>と開いて出したのが「柄骨」と呼ばれる刀の柄(つか)に当たるパーツで、第一部で八丸にやられた浪人も前腕内側から取り出してるので侍の一般的な装備品なのだろうと思います。八丸パパの見立てによると達麻の柄骨は「いい…」とされているのでいろいろとランクというか格付けが存在しそうです。達麻と浪人の柄骨を比べてみても外見が全く違ったりします。
よく「弘法筆を選ばず」とは申しますが、実際は字の上手な人(弘法)こそ筆は上質(=高級)なものを好むそうです(笑)。侍魂って丸い玉ですし、そこから刃が伸びて刀の体(てい)を成すので、恐らくそれを侍と繋ぐ為のインターフェイスとして柄骨が必要になるのでしょう。それと、ぱっと見…柄骨と侍魂が物理的に接合されていないみたいですが、少年誌的には問題ないでしょう(笑)。侍魂・宝刀が戦場における侍の主力武器なのでしょうから、侍ならば柄骨には拘りがあって然るべき!!
弘法が筆を選ぶように侍は柄骨に意を払い手入れを怠らなかったでしょう。また八丸パパが達麻の侍としての感性を高く評価したのも、高綱の侍魂を達麻が理解した事実と合わせて、達麻の愛用する柄骨に対する目利きに拠るところが大きでしょう。僕がもしも侍だったら柄骨は常にメンテナンスしてただろうし、きっと自分好みにチューニングして、いろんなカスタムを重ねていたでしょう。特に達麻の柄骨の人差し指が入るループなんかはカッコいいデザインだなーと純粋に思います!!
柄骨がどんな風に作られるのか?よくわかりません。そもそも侍の身体がロッカーボールから生成されるのも<ズズズズ>とロッカーボールが変形してチャチャっと作られたので流してましたけど、その理屈はまだ正式には提示されていません。また、八丸のキーホルダーである早太郎の再生においてもロッカーボール以外の移動式生命維持装置をリソースにしていましたが、ぶっちゃけ理屈はよく分かりません。漫画に理屈を求めすぎるのは野暮かも知れせんが一応、それが考察の第一歩なもんですみません(汗)。
たとえばロッカーボールに大量のナノマシンが搭載されていて、それがいろんな金属や素材と融合してその形を変えて侍やホルダーを構成すると考えるのが少年誌的には自然かなーと、僕は思います(笑)。また、肉体(サイボーグの身体)の欠損は自動で再生される描写がありますから、柄骨などはその侍の前腕の尺骨(しゃっこつ)や橈骨(とうこつ)…或いは、達麻の柄骨の形状からは上腕(二の腕)の上腕骨を抜き出して元にしている可能性があったりなかったり…(これはこの後違うと分かりますが)。
もっとも、八丸の左手のパパがくれた仕込み杖のギミックが侍になった八丸に反映していた描写(元々の八丸はキーユニットとなりロッカーボールに格納されたので八丸の元の身体は一度更になっています!!)や、早太郎の再生においても八丸は手のひらを早太郎の亡骸に当てて強く念じて造形しましたから、侍の強い願いによってホルダーみたいな複雑なロボットを再構築できるんですから、自分好みの柄骨の製造なんてのは比較的簡単な作業ではないでしょうか?
それに侍魂がその持ち主に依存せず存在できるのですから、それに見合う柄骨が必要でしょう。もしかしたら名のある侍の遺品としてこれも高値で流通している可能性もあるかも知れません。この世界にメルカリみたいなアプリがあったらいろんな出品があったりして(笑)。でも、第1話で浪人がやられ直後に浪人の身体がロッカーボールに逆戻りする描写があったので、柄骨が侍のサイボーグの身体に由来する代物であるならば解体されてロッカーボールに吸収されてしまうでしょう。
余談ですが、この時、浪人はロッカーボールを逆再生する形で飲み込まれますが、キーユニットは<ペッ>と吐き出されています。また、浪人の侍魂の所在ですが、特に描写はなかったのですが、高綱の侍魂が遺品として残されているので、恐らくキーユニット(浪人のソレは「ガリガリの折れたつまようじ」と達麻に揶揄されてました)と共に排出されたのではないでしょうか?ちなみに侍魂はロッカーボールにキーユニットが取り込まれるタイミングで生成されてそうな描写が第1話でありました。
それとまたまた余談ですが、柄骨で骨(骨格)に思いっきり引っ張られてしまいましたが、侍の身体がパカッと割れてキーユニットを露わにする描写があるように、侍のサイボーグの身体は基本的にはモノコック形式だと思われます。何たって柄骨が収納されているのは利き手(…と思われます)の前腕部で柄骨を出してしまえば空洞の筈です。なので、柄骨もきっと侍の身体の一部というよりは侍の強い願いが創造・造形する道具(=ホルダーと同義)の一つと考えるのが妥当なのかなー…と思います。
しかし、達麻って千人斬りの伝説の侍だったのね。僕的には千人斬りって言われるとアッチの方面を自然に想像しちゃいますけど(笑)。また、達麻のキーホルダーは「魔噛み」と言うんですね。偶然か或いは必然か、それって八丸パパの首にぶら下がってた「魔噛みの鍵」と関係ありそう!!侍魂を封じ込める特殊な鍵でしたっけ…しかし、何で今はその魔噛みを達麻は連れていないのか?それは達麻が今のナリに落ちぶれた理由とも何かしら繋がっているかも知れませんね。
- 第1話で浪人が魔噛みの鍵をペンダントにしてたパパに「狛犬…魔噛みの鍵だろ?」って言ってましたね。なので関係あり!!でFA
在りし日の達麻は第1話のムービーでは「狛犬のホルダー」を連れてるとされてましたから、「魔噛み」と言う名の狛犬のホルダーなんでしょう。それをバックに侍魂たる宝刀を構える達麻をパパはイメージしてますけど、左手にかなりの大きさのハンドガンを一丁携えています。飛び道具もありなんだー…って思いましたけど、そう言えば第1話で侍の鎧に苦戦する八丸の援護に達麻が飛び道具っぽい攻撃してましたね。もしかしたら達麻は今もこのハンドガンをどこかにパカッと隠し持ってるのかもね。
<スッ>「…拙者
猫を被り嘘をつくのは苦手でな…
正直に言うと…何もしなければ
ここら一帯の星々は近々消滅する」(達麻)
「……」(パパ)
「……
それを止める方法が——
ある箱に7つの鍵で
封印されているそうだ
そしてその箱を
開けられる鍵とは…
”侍の鍵”なのだ!
それも特別な侍の…
拙者はその箱と鍵を…
この銀河をかけまわり
探している
50年かけ探しまわったが
何一つ見つかっていなかった
だが やっと…」(達麻)
「……」(パパ)
「その鍵の一つが
八丸という訳か…」(パパ)
「そうだ」(達麻)
それでお話は僕の疑問の一つであった「7つの鍵」に及びますが、やっぱ八丸が「1つ目の鍵」だったようです。僕はムービーの侍がソレかなーと思ったりもしていたので、これでスッキリとしました。じゃあのムービーってフィクションだったのかな?そもそもそれが収録された侍ゲーは達麻がネットに配布したものだし、達麻が侍候補にアクセスし易くする為にマルウェアすら仕込まれてた可能性があるんだけど、達麻の「義」(=任務)を分かり易く広報する為に制作されたのかな?
よく考えると師・夜叉からの指示で「パンドラの箱」と「7つの鍵」を探す旅に出た時点で達麻は既に今のナリ(ダルマに似た猫?)に落ちぶれてしまってましたから、侍ゲーだってこの後に配布した筈なので在りし日の達麻の映像ってきっとCGよねー(笑)。だから、そこで手に入れたという「1つ目の鍵」もフェイク(イミテーション)のでしょう。しかし、その鍵を集める為に侍同士が戦ってましたが、八丸と達麻の関係を見ると別に二人が戦う必要はなさそうです。
そこから考えると、達麻が探す「7つの鍵」って「七人の鍵侍」ってところに落ち着きそうです。あのムービーでどうも腑に落ちなかったのは銀河を守護する為に存在する筈の侍同士が戦うところなんですが、あれは達麻の「俺強い!!」をアピールする為にワザワザ製作したんですかね(笑)。ま、でもこれで達麻が必死になって侍を集めてるのと、師・夜叉に命じられた達麻の「義」がリニアになったので良かったです。八丸もキーユニットだけにひん剥かれなさそうなのも良かった(笑)。
ところで達麻が言う「特別な侍」って何でしょうか?「1つ目の鍵」である八丸は取り敢えず「特別」って事なんでしょうけど、何せ「パンドラの箱」の鍵になる侍な訳だし、何が特別なのか?ってのは重要な部分です。確か八丸のは浪人から2億円でパパが買おうとしてたヤツだったけど、あれが「特別」だったのかな?いやー…そんな描写はなかったなー。それに第3話の最後で達麻が八丸に「引力」を感じてましたから、キーユニットの元たる人間が「特別」の根拠になろうかと思われます。
「ダメだ!!
八丸は外へは出させん!!」(パパ)
「……
この説明をしても
さほど驚かないところを見ると
お主も何か知っているな?」(達麻)
「……
オレは何も話す気はない!
そして…八丸をお前に
預ける気もない!
あの子は守られる側の人間だ!」(パパ)
「あの子の
強い引力が拙者を引き寄せ導いた
これは不動明王様の御導きだ
そして八丸は侍となった
この銀河を救う為に」(達麻)
しかし、そこで厄介なのが達麻が八丸やパパの素性を全くもって知り得ていない点です。それで今、この縁側の詰問(きつもん)がある訳ですが…。それでも達麻は八丸を「1つ目の鍵」と認定していますから、恐らく「引力=特別」なのだろうと思います。しかし、その上で達麻が八丸やパパの本性を知ろうとするのにも大きな意味があるべきです。それに八丸に行き当たるまで達麻は50年間も要した上、八丸の前に七人も失敗…ローッカーボールの承認を受けられずに死亡させています。
つまり、達麻は「引力」を感じて侍候補に接触はするものの、その情報だけでは完璧ではないのです。きっと、それがあるからパパに八丸の詰め寄り八丸の本性を知ろうと躍起になっているのだと僕は考えます。多分、八丸の本性が分かれば達麻は自分が感じる「引力」が重なる部分に「特別」の真の要件を見つけられる筈です。だからこうしてパパと膝を突き合わせて話をしてるのだけど、パパも口が固い!!(笑)しかし、明らかに何かしらの事情を帯びているのは感じられます。
パパが湯呑みをドンして「あの子は守られる側の人間だ!」と言ってますよね。これってもしかしたら八丸が高貴な家の出(いいとこの子)かも…と匂わせているようにも取れます。そもそも、パパと八丸って全く顔が似てません(笑)。もしかしたら奥さんに似てるのかも知れませんが、本当の親子なんでしょうか?勿論、愛がある家族だとは思いますけけど、実際に血が繋がっているか?に関しては僕はかなり疑わしいと考えています。ケルベロスは未だにイタチとサスケの血縁を疑ってるくらいですから!!(笑)
それに八丸の家に大層な生命維持装置を設置してパパがズーッと面倒見てて特に働いてる風でもないし、浪人からロッカーボールを購入する為に2億円を用意できたり、20億円は下らないという高綱の侍魂で八丸の心臓を動かしていたり、その資金調達力とか、パパが盗っ人だったら相当な大泥棒ですよ!!(笑)でもパパは人相は悪いけど悪人キャラではなさそうなので、それよりはお金持ちのタニマチ的な資金提供者なり八丸に由来する支援者が存在した方が自然に思うんです。
「…お前に何が分かる!
あの子はな———…」(パパ)
…と、パパが口を滑らせかけたところで運悪く八丸が帰宅してしまいます!!(笑)ここで話は一旦水入りしてしまいます…が、やっぱパパも八丸も訳ありっぽいですねー。それにパパも侍について詳しいのは確かそう。第1話の浪人とのやりとりで浪人が侍についてパパにレクチャーした時に、浪人がパパの首にぶら下げた「魔噛みの鍵」を一瞥して「アンタの方が詳しいはずだがな?」と嫌味ったらしく言ってましたっけ。それと浪人はパパが高綱の侍魂を所有してるだろう事も知ってました。
もしかしたら魔噛み繋がりで達麻とパパも過去に接近遭遇してそうな気もしますね。ちなみに高綱の侍魂って「名刀童子切」と呼ばれてて、「童子」とは鬼みたいですね。実在する童子切は平安時代の日本刀で国宝に指定されているそうです。何でも酒呑童子(しゅてんどうじ)を切った刀みたいですけど、この後のエピソードで鬼みたいな形相の侍だか何だかをパパがフラッシュバックさせてるシーンがあって、高綱の童子切と鬼侍が八丸の過去に影を落とすのですが…長くなったのでこの辺で。
続きまーす!!