サムライ8 八丸伝 第8話「ゆっくりでよい」感想④
「な…な…名前は——
ア…ア—————
——————…ン」(アン)
「アンか……
阿吽が由来の名だな
”ア”は始まりの言葉…
”ン”は終わりの言葉…
万物の全てを表す良い名だ」(達麻)
「あ…あ…ありがとうございます!
で…でも わ…わたし自分の名前が
い…一番い…いい…にくくて」(アン)
<スッ>「師匠って
ちょっとうんちく説明して
師匠ぶるめんどくさいとこあんだ
ごめんな
で…オレに何の用?」(八丸)
アンちゃんがだいぶリラックスできたようですね。多分、アンちゃんは何事にも感じやすい傾向が強い子なのでしょう。また情報の入力と出力におけるバランスに不均衡があるタイプとみました。描写を見る限り、入力は特に問題がないようですね。それに対して出力に問題を抱えています。入力に対する出力が極端に弱いから相手はアレッ!?と思ってしまい、それを感受性や共感力が高いアンちゃんは感知してしまい焦るという悪循環が発生してしまい、ただでさえ不得手な出力が更に渋滞してしまうんですね。
要は偏差の問題で、アンちゃんのような性質の子は一定数存在します。逆に入力がからっきしだけど出力はバッチコイ!!っていう八丸みたいな子もやはり一定数します(笑)。こういう感じにアンちゃんや八丸の存在を認識できるようになって、子供の頃、よくわからなかった「みんな」というのが、入力も出力も標準的で分布が多い層を指していたんだなーと理解できました。でも、何が何だか分からなくて混乱してる子供にそんな漠然とした指示を平気でするのって冷たくないですか?冷たいよ…絶対!!
今でこそインターネットなんて、ある種…人類の叡智が存在していて、無限とも思えるアーカイブに誰でもアクセスできますが、僕が子供の頃なんてそんなのなかったからね。だから、専門的な知識でもない限り適切な対応は難しかったでしょうが、今は子供らにも検索で情報(←その真贋には注意を要しますが)を得る事が可能です。ましてや大人がただ漠然と子供らに接するような無策はいけないと、僕は思います。それと似た配慮をもって八丸やアンちゃんに接する達麻の態度というものは非常に好感が持てます。
達麻のうんちくも、八丸はバカにしていますが、それが一体どこからもたらされているのか?八丸には考え及ばない事でしょう。また、物事の真贋(しんがん)を見抜ける目…心眼が何で達麻には備わっているのか?というところに結果のみに注目していては辿り着けない筈です。きっと、八丸の修行に関しては実技以外により多くの時間をそれら物事に対する認識や思考の開発に費やす必要があると思われ、しばらくは平板な展開が続きそうです(汗)。子供らにとっては至極大切な過程故、致し方ないかと。
全ては子供らの流す見えない涙を見出し、子供らの発する声にならない悲鳴を聞き届けられる大人の存在に尽きると思います。大人の無知こそ罪であると、僕は思います。子供の時はどれだけ不自由であっても、それをただ受け入れるしかありません。問題の原因を究明し対処する…といった一連の行動がまず選択肢として認識されません。そこまでの能力がまだ開発されない段階ですから、大人の庇護が必要な存在なのです。だから大人がしっかりと意識して学んでいかねばならんのです。心せねばならんのです。
「素性に問題はなさそうだ
お前を我が武士隊にまねき入れたいと
思ってな」(葉芽道)
「うおお!!
ナナシのとこか!!?」(八丸)
「猫の侍よ…
この子をあずかってゆくがよいな?
お主が何者かは知らぬが
この子にとってもちゃんとした師が
教えた方がためになる」(葉芽道)
「ほう…ちゃんとした師か…
ならその師となるお前にも
師を付けるべきだな
心眼でものを見ておらん」(達麻)
「どういう意味だ?」(葉芽道)
<ガチャ>「同門のお前には
これで説明はいらんな」(達麻)
「!!!?
…ま…ま ま……まさかっ!!?
金剛夜叉流 免許皆伝!!!
千人斬り流離の一匹狼!!!
星砕きの犬侍!!!
魔噛みの……ダ…」(葉芽道)
「達麻だ!」(達麻)
<スススス>「さ…
先ほどの御無礼
誠に申しわけありません!!!
死んで詫びる覚悟!
若輩者ゆえ心眼を持たず———」<ズザッ>(葉芽道)
「…師匠って
実はめちゃすげー人なの?
ワンダフル
ファンタスティックどころじゃないじゃん…」(八丸)
「?」(アン)
<ガチャ>「まぁな…」(達麻)
よくあるTV番組で海外のヤバイお寿司屋さんに日本の一流の寿司職人が潜入してとんでもない実情を実際に見た後、マスクをつけて寿司を握るのとか、おじいちゃんやおばあちゃんだと思ってた人がいきなりバク宙とかしてびっくりする的なのと、葉芽道の手のひら返しの反応はすごく似てますね(笑)。僕はこのまま葉芽道が達麻に師事すればいいのになーと思っています。葉芽道は見た目と中身のギャップが甚だしいけれど、達麻みたいな立派な師から学び直せば大化けする可能性があると思うんです。
何より葉芽道は真面目です。案外、傾向的には八丸により近いと思われるので、取り敢えずの八丸の目標になるでしょう。また、葉芽道の存在は余りにも境地が異なる達麻と八丸の間を埋めるよき存在となる筈です。きっと葉芽道はまだまだ子供の八丸のよき道しるべとなる事でしょう。そして、そうする事で葉芽道もより高い境地に進めるのであれば喜ばしいではありませんか?『NARUTO -ナルト-』でいうとシカマルにとってのアスマみたいのが、僕としては理想なんですが、どうなりますかね。
しかし、達麻の異名がどんどん増えて行きますね。そのうち、落語の「寿限無」(じゅげむ)みたいになったりしてね(笑)。ところで「星砕きの…」ですけど、サブカルで「星斬刀」はポピュラーですが、やはり侍の剣技によって星がどうこうなるレベルまでありそうですね。第4話「親子ゲンカ」で達麻が八丸パパに「何もしなければここら一帯の星々は近々消滅する」と言ってましたから、夜叉さんや夜叉さんが抑え込む敵の力の提示とすれば、達麻の「星砕き」よりもさらに強大な脅威があるでしょう。
youtu.beま…お話を戻しますと、見事な葉芽道の土下座を前に達麻も面目躍如といったところでしょうか?これで少しは八丸が達麻を敬えばいいのですが、八丸はアンちゃんとは逆に入力が苦手なタイプなのでどうでしょう(笑)。しかし、そこを葉芽道が上手くフォローできれば好都合なんですが、葉芽道もルックスの割にズッコケたところがあるので…(笑)。でも、ちょっと歳の離れたお兄さんみたいでいいじゃないですか!?このまま八丸と葉芽道がいいコンビになって達麻の下で学んでいけたらいいのにね。
続きまーす!!