ハチマル

週刊少年ジャンプで連載中の『サムライ8 八丸伝』を考察するブログです。

サムライ8 八丸伝 第9話「ふたりで…」感想②

「……」(アン)

「いや最初は
ドブ食わされんのかと思ったけど
アレ食った後から
調子よくってさぁ!」<ガチャ>(八丸)

「ドブ?」(達麻)

<プイ>「ど…ど…どういたしまして…!
わ…わたしやっぱり赤木城へ…か…帰ります!」(アン)

「ドブ」って例の<ボコ><ボコ>してたアンちゃん料理ですよね。でも、見た目はアレでも実際食べたら美味しかったのに、何でこんな事を八丸ワザワザと口にしたのか?よく分かりませんが、実際、それを八丸に訊いても「え!?」といった感じの答えしか得られないでしょうね。そもそも八丸悪気なんてのもなければ、こういう発言をする理由そのものがない筈です。多分、その時のとか、心の片隅にあった言葉がふと口をついた感じで、何気無しに喋っているのだと思います。

八丸は自分の置かれた状況とか、周囲の人の気持ち推し量る選択肢を持ち得ないのです。だから、自分の放つ言葉が他者にどう影響するかを考えられないでいます。八丸聴く力が決定的に欠乏しています。それに対して吐き出す力のみが突出している…能力の分布なのであります。凸凹なのです。アンちゃん八丸とは真逆聴く力充分にあるのに吐き出す力問題を抱えています。ここで描かれるもどかしさとは、そんな二人の悩み反映しているのだと、僕は思います。

しかし、よく考えるとだって八丸のように不用意な言葉を放ち、一緒にいる人を不愉快な想いにさせた事はありますし、それが元で失ったモノがたくさんあったと思います。だから、今は何か話す前や話している最中に、これを僕が言ったらこの人はどう思うのだろう?と考えるようになりました。誰しも自然に自分の過ちに気付いて、そのフィードバックから自分の言動修正して行くものです。ただ、八丸入力問題があり、フィードバックができないので自分の言動の制御覚束ない。

僕はが好きでズーッと生活していますが、中には「甘噛み」ができずにかなり本気で<ガブッ>とやっちゃう子もいました。本当に痛いので、そういう事があった時には、噛んだ部分鼻っ面に押し当てて「痛い!!痛い!!」と教えます。事の直後にやらないと入らないので、その瞬間だけしつこく教えます。そして、同じ事があった時に同じように繰り返します。それを繰り返しているとだって段々と理解してくれます。「ああ…これはいけないのだ」ってするようになるもの。

人間の子を一緒にしちゃーいけないけど、として大切な事ってあると思うんですよ。例えば、「自分がされて嫌な事は他者にしない」とか、そういう事はその都度気付いた時に後に回さないで教えてあげるべきだと思います。呪文のようでもいいので、何度も繰り返して子供らに根付かせるのは一緒にいる大人の責任じゃないかと、僕は思います。そういう人としての最低限の要件を満たした上で経験を積めば、それよりも上位の要件は後々自力でも獲得できると思うんですよ。

八丸も決して悪い子じゃないと思うんです。普通に空気が読めないだけのクソガキなだけで、悪気皆無です。だから手を焼くというのも確かにあるんだけど、やっぱアンちゃん決定的な破局を迎える前に、一度きっちりと教えてあげた方がいいかなー…とは思います。恐らく、そのタイミング達麻が伺っているのだと思いますが、八丸聴く耳がないのが痛いです(笑)。きっと、達麻岸本先生も同じように心を痛めているのだろうと思います。僕も八丸苦手なタイプなので分かんねー!!(←冷たいぞー!!)

「ロッカーボール感知引力をきたえるには
自分の侍様が近くにいた方がいいの!」(ウーン姫)

「……」<ザッ…>(アン)

<クルン><ザッ><ザッ>(アン)

「何?」(八丸)

「べ…べ べつに!」(アン)

<ガチャン>(八丸)

<スッ>(アン)

「……?
もしかして…オレの事
気にかけてくれてんのか?
…でもなんで急に?」(八丸)

(イヤー深く考えるな八丸!
オレは昔とは違う侍なんだ!
そして目の前のアン

オレ運命の姫!!)(八丸)

「アン
これからオレ達さァ…」(八丸)

「す…すみません!!
じゃ…邪魔しないでくれ…ま
ますか!」(アン)

(はい
またフラれました!
もーよく分からん)(八丸)

デリカシーの乏しい八丸の言葉にブチ切れそうになったアンちゃんですが、ウーン姫教えが過ぎります。それで八丸に近付いてロッカーボール感知を試みようとするのですが、八丸にはアンちゃん気持ちを感じるという選択肢すらないので、近寄るだけで自分に気がある勘違いしてしまいます。そもそもがアンちゃん傷付けている自覚すらないので、アンちゃん接近が自分への好意短絡してしまう。そして、そんな態度がそのまま相手に伝わってしまい更に相手の気持ち逆撫でする…。

そんな負のスパイラルが延々続く訳です。しかし、アンちゃんがもしも八丸への嫌悪感で満たされてしまっていたら、ウーン姫教えアンちゃんがどれだけ大切にしていようが、こんな風に八丸には近付かなかったと思います。事実、時折優しい表情アンちゃん八丸を見ています。それに、アンちゃんロッカーボール感知を思い付いたのは八丸近付く為口実であった可能性すらある。何故なら、アンちゃん八丸と出会った瞬間から好きなのです。だって、それがというものでしょよ。

しかし、斯様に複雑な女心など八丸には無縁であり、その前に人としての最低限の配慮すらできない状態です。出力だけで入力がからっきしの八丸と、入力は大丈夫なのに出力問題があるアンちゃん組み合わせにしばらく僕らはハラハラしないといけないのかな?(笑)こんなにも大人しい僕であっても、いっその事、二人を足して2で割れや!!とか騒ぎ始めるかも知れませんが(笑)。ここは達麻もそうだけど、葉芽道にも是非頑張って貰って二人ゴールインさせて欲しいですね。

 続きまーす!!