サムライ8 八丸伝　第18話　ご利用は計画的に　感想⑤

「シャアアアー！！！！！おかしいのはァァ
お前の金銭感覚だァーーーーーーーーーー！！！！」（達麻）

＜ガパッ＞「八丸ゥウウーーー！！！」（達麻）

「ええっーー！！？」（八丸）

＜ドーン＞（達麻）

「くっ！」（コツガ）

「ぐわぁぁぁーーー！！！」（コツガ）

＜グラ＞＜グラ＞

＜ブウウン＞

「キャ！」（アン）

「うわっ！」（八丸）

＜ゴゴゴゴゴ＞

「ひえ～～～～～！！」（バーテンダー）

＜グラ＞＜グラ＞

「何だ！？揺れてるぞ！」

ここもちょこっと拾っておきます。八丸の桁違いの買い物にブチ切れた達麻が＜ドーン＞という轟音と共にコツガとリュウを吹き飛ばしています。よく見ると達麻の鎧が吹き飛んでいるようなんですよ。『NARUTO -ナルト-』で六道の忍術で「神羅天征」や「万象天引」というのがありまして無双でしたが、侍も素粒子間の引力をコントロールできますから、それと似た事が実現できるのだと、達麻の爆発を見て思いました。例えば自分と鎧の引力を強烈に高め、それを＜プツッ＞っと切り離すとか…重力（引力）としての斥力は存在（が確認されていない）しないので反発力を生み出すのは結構面倒です。

しかも、侍の場合は効果範囲がペインのように遠隔ではなく自分に接する範囲に限定されるのではないかと思います。達麻は自分に接するアイテムである鎧を吹き飛ばして、そのとき発生した衝撃波で周囲を吹き飛ばしたと思います。リュウが侍魂をヘリコプターのように回転させて飛んだり、恐らく生身のコツガが活動できている事などを勘案すれば周囲に空気がありますから、急激な鎧の破裂が周囲の空気に影響したと考えれば可能だと思います。でも、なんかしっくり来ないんです。もっと痛快な理論が欲しいです。だって少年誌の活劇なんすからッ！！！

アタさんが八丸を袋叩きにした時にパパの反撃をくらい弱った所為で斬撃を飛ばせなくなった描写がありましたけど、あれも普通に描かれてましたし、少年誌的には別に珍しい事でもないのでスルーしてますが、侍魂が引力を斬り、鍵（キーユニット）が繋ぐ…という侍の斬った貼ったに関する理論がどんな風に適用されるんでしょうか？多分、達麻の＜ドーン＞もきっとアタさんの斬撃飛ばしと同列の侍スキルだと思うんです。しかし、それをチマチマとした理屈で苦しそうに説明したくない…というか、ここは「もうひと押し！！」のプラスαが欲しいんです！！

…と申しますのは、侍の構成要素として「心・技・体」を考えてみましょうか！？ホントはこれが「三位一体」なんですけど、『サムライ8 八丸伝』では「侍・キーホルダー・姫」の「三身一体」なのでややこしいです（汗）。それでも一人の剣士として個別に吟味するにはやはり「心・技・体」が大切です！！＜キリッ＞しかし、それで考えると、『サムライ8 八丸伝』の場合は「体」がサイボーグで、「技」がソフトウェアのダウンロードで済んでしまうんです。これはある意味…「標準化」であって、基本的に個体差というものが発生しないんじゃないでしょうか？

例えば「ベルセルク」の「覇王のベヘリット」みたいな感じの特別なロッカーボールが存在して…というような提示があれば別ですが、これまでの描写ではロッカーボールの個体差は確認できていません。また、ほとんど修行を積んでいない八丸であっても免許皆伝の印籠を所有する達麻に接続すれば「星砕き」の大技が発動できるんですから、ソフトウェアのインストール（ダウンロード）さえできれば誰でもあの程度の剣技が出せる訳です。問題は「免許皆伝の印籠」というハードウエアの有無であり、それはもう許認可の問題と言ってもいいでしょう。

つまり、侍の「三位一体」（があるとすれば…）の二つまでがロッカーボールの承認を受けた人間に依存しない可能性があるのです。侍の姿形が生前（切腹して死ぬ前）を踏襲する設定や「運命」という不確定要素はあるものの、達麻なんて猫型ロボットで飛行すらしています。侍も全身義体のサイボーグなんですから内部的に何とでもなる筈ですから、現状の情報から推察すれば、個体差が期待できるのは「心」（しん）の部分だけなんですよ。「心」（こころ）というと大脳生理学的には「脳の機能」であります。具体的には「思考力」や「記憶」と考えられると思います。

それに加えて霊的な「心（＝記憶）」というものもある筈で、僕はそれが「魂」だと考えていまして、『サムライ8 八丸伝』ではロッカーボールの儀式において、「脳の機能」を「鍵」（キーユニット）が、「霊的な記憶（心）」…つまり「魂」を「侍魂」がそれぞれ受け継いでいると、その描写からは推察できます。そして、これら二つのアイテムが「引力」のコントロール（侍の斬った貼った）に関わっている設定もうまく符合して気持ちがいいです（笑）。そして、この設定のみロッカーボールではなく人間由来の能力という点に個人的には激しい賛意を感じます（笑）。

恐らくは、引力をコントロールする「鍵」（キーユニット）と「侍魂」の強さ、或いは個性というものが侍の強さに大きく関係していると、僕は考えておりまして、この二つのアイテムが達麻の＜ドーン＞やアタさんの斬撃飛ばしに関与しているのではないかと思っているんです。それを理論的に説明するのに「引力」だけじゃー足りないんです！！もっと…こうインパクトのある「何か」がないと少年誌的にその気になれません。だから是非とも、岸本先生にはもう…「もう一押し！！」して欲しいんですが、達麻の＜ドーン＞が単なるオチャラケネタだったなら、この話…お忘れ下さい（笑）。