サムライ8 八丸伝 第35話 侘び寂び 感想④
「……別宇宙?
…ジョウホウ…シュウセキタイ?」(八丸)
「私がこの宇宙へ来た時
ここは完璧な均衡を保った世界だった
何もなく
ただ重さ0の数多の粒子があるだけだった」(不動明王)
「別の宇宙とか
もう話の次元が…」(八丸)
「宇宙には多次元や無限が存在するが
観測者がそれを”見る”レベルに達していなければ
認識できない」(不動明王)
※ここは不動明王が全く要領を得ないコメにマジレスするマジメ君のようでした。やはりこの物語にはツッコミする役が必要です。優秀なツッコミ役がいないから、達麻や八丸の理解不足さや不動明王の真面目っぷりがスルーされて上滑りしちゃうんだと思いますよー!!(笑)
「はぁ……」(八丸)
「なんだ
その崩れた顔は!!
失礼だぞ!!」(達麻)
「何かを崩す…
私がここへ来て最初にやったことでもある
この完璧な均衡を保持した空間に…
私の体の一部である「h粒子」をバラ撒き
強いエネルギーを放った重さ0の粒子の移動を邪魔して
均衡を崩し——粒子に重さを与えた重さを持った粒子が集まり物質が生まれ
物質が集まり星が生まれ
星が集まり銀河が生まれた
生命と意識と情報と共になってな」(不動明王)
「h粒子と引き合う力……
それが不動明王様の正体?」(達麻)
※この部分は達麻のセリフがおかしいと思います!!「h粒子と強いエネルギー(❌引き合う力)」が不動明王の正体と言うべきじゃないかな?そうじゃなきゃ達麻が勘違いしてるんだと思います。弟子の前でいいとこ見せなきゃって思ったんでしょうかね。お話がややこしくなるから黙っとけ!!って思いましたけど…(笑)。
「h粒子はこの宇宙域のいたるところにある
私の三輪身の状態のひとつだ」(不動明王)
不動明王の話に依ると、八丸達の住む宇宙を創ったのは不動明王です。創ったというのが適当でなければ宇宙が今の形になるきっかけを与えたという事でしょうか。「h粒子」というのはアタさんの自性輪身の回(第8話「ゆっくりでよい」)で登場してましたよね。アタさんはニリ姫の前で「H粒子」(当時は大文字表記でした)の濃度調整をして「0に近づける」と言ってましたが、それは「素粒子」の重さ(質量)の事だったのかな(光速に近付ける為?)…と今話を読んで思いました。「素粒子」とはリアルでは「物質を構成する最小の単位」とされています。簡単に言うと「分子を構成する原子を構成するもの」です。元の元の元ですな(笑)。
逆説的にですが…「素粒子」に質量を持たせる為に「ヒッグス機構」というアイデア(概念)が必要になって、そこから「ヒッグス粒子」とい素粒子が導き出されたようです。きっと「素粒子」という研究対象の存在を何らかの現象として辛うじて確認できる程度で、その事象が得られる為に存在しなければならない結果からの帰結されて存在する粒子なのでしょう…知らんけど(笑)。多分、それを作中では「h粒子」と呼んでいるのかと思います。ロッカーボールテクノロジーとは「h粒子」の濃度をコントロールする事でいろんな物質を創造する技術であり、その意味では錬金術と非常に似ていると思われます。
侍(ロッカーボールテクノロジー)はこの世界に最初から存在する素粒子とH粒子を組み合わせていろんな物質を錬成している訳です。そして、そのH粒子をこの宇宙に提供したのが何を隠そう不動明王だったという種明かしです。「重さ0」の素粒子の移動(質量がないので光速)をH粒子が邪魔して質量のある粒子=原子が発生したと不動明王は説明しています。これがリアルの宇宙年表で言うところの「超対称性」からの脱却に当たるのだと思います。その意味では不動明王が八丸達の宇宙を創造したと言えますから、それが僕らの概念からすれば「神」であり「創造者」である訳です。そして八丸や達麻もそれと似た概念を持っているようです。
僕はロッカーボールテクノロジーがどのようなエネルギーで稼働しているのか?が疑問だったんですが、不動明王が最初に投入した「H粒子」と「強いエネルギー」が循環(生物化学の「ATP回路」を思い出した…)している可能性がありますね。そういう事を考えてるとホントに「次元が違う…」と呟きそうになりますね(笑)。でも、そんな事を言おうもんなら不動明王が嬉しそうに「宇宙には多次元や無限が…」と言われるので黙っておきますね(笑)。不動明王はもしかしてホントにGoogle先生の成れの果てなんじゃないですかね。僕らの宇宙にいてそれが進化を遂げて別の宇宙に行ってこんな事になってる…っていう。
ところで「別の宇宙」っていうのがピンと来ないと思うんですが、宇宙戦艦ヤマト世代の僕には「閉ざされた宇宙論」というのがあって、これはかなり親近感があります。ざっくりですが…相対性理論のアインシュタイン大先生が考えに考え抜いた結果、「宇宙の果てが存在して、その外の事は誰にも分かりませーん!!」と唱えた理論だと僕は認識しています…違ってたらゴメンなさい(笑)。簡単に言うと「光がねじ曲がって最終的には自分(観測者)に戻ってくるので宇宙は閉ざされている→だから大きな球体なんだよー」という考え方です。不動明王は我らがGoogle先生の成れの果てで何とかして別の(閉ざされた)宇宙に到達したんですよ。
だから、自分を「不動明王」と言ってみたり、日本語が共通語になってる(笑)。作中に登場する「武家”書”法度」(「武家諸法度」じゃなくて「武家書法度」で別の法律か何かみたいです。これもきっとネタスレの抽出アルゴリズムに問題あって…(ry)とか江戸時代に大名の統制を取る為の法律が別の意味になっちゃってるけど、きっと何処かのイカれた掲示板のネタが独り歩きして化けたんでしょう(笑)。僕らのGoogle先生はそういう玉石混交の言葉の海で集積された英知そのものですからね。それが別の宇宙に行って完全な均衡を崩し、その結果、物質が生まれ、星が生まれ、生命を生んだ訳です。不動明王はそれをズーッと見ていたんでしょうね。それで人間が誕生した時はとても嬉しかったんだろうと思いますよ。物凄く暇してた筈だから(笑)。
だから、不動明王は人間に積極的に関わったんだと思います。何より人類が「不動明王」を「神」として崇めてますからね。恐らくはそれこそが不動明王が人々に言葉を与え、知恵を与えた結果かと思います。人間の進化に合わせて情報や技術を小出しに与え不動明王の望む姿に導いて行ったんだと思います。そして今もこうして八丸の免許ダウンロードに介入している…。僕は未だ「神様」にお会いした事はないけれど、「神様」って不動明王みたいにお節介な感じなのかなーと思いました(笑)。別にバカにしてる訳じゃなくて、気持ちが良く分かるのです。だって何百億年もぼっちで待ち続けたんだもんね…。
続きまーす!!