サムライ8 八丸伝 第34話 免許ダウンロード 感想④
「今日も天気いいね」
「おはよう!」
「おはよう!」
「ママ私の端末は?」
「ホラ!早く!
もう行かないと遅刻よ!」「今日をボク達にとって
最高の日にしよう」「ずっとアナタと一緒よ」
昼下がりのカフェテラスでお茶を楽しむ老夫婦。早朝、登校する子供達や家で携帯を探す女子。今まさに結婚式の真っ最中の新婚カップル…これは縁起物は早い内に…との習わしから午前中かな(笑)。これがこの星の日常の風景なのでしょう。いろんな人が暮らしていて、いろんな幸せがある…それをどう描くかは難しい作業だったろうなーと思います。漫画家さんによっても様々なアイデアがあって、岸本先生はこういう情景を描く事でこれから失われてしまうこの星の大切な時間を切り出したのだと思います。そして、その時間の中に苺ちゃんも居る…このペラを読者がどう受け取るか?ですかね。
僕はこの表現は無駄ではないと考えます。意味不明で噛み合わない苺ちゃんと苺ママの会話。でも苺ちゃんとしては苺ママと生き延びたかったから「宇宙船(を)買って」なんて言ってた訳で、苺ママだって只々苺ちゃんを精一杯に育ててた…二人とも愛し合ってた訳です。そういう個と個の繋がりが平穏で幸せに満ちた日常を形成している様をここで見事に表現されていると思います。こういう提示があるからこれからこの星に訪れる悲運も際立ち、唯一人助け出された苺ちゃんの涙の意味が僕らに伝わるのです。苺ちゃん登場の2.5頁のこのペラ部分が僕は嫌いじゃないよー。
「誰…?」(苺)
「見つけました」(五空)
「撃て」(アタ)
『了解』(解析AI)
…っと、上げた直後に下げるのもアレですが、五空の「見つけました」とアタさんの「撃て」がシンクロしているけど、全く関係のない描写です(笑)。初見で五空がアタさんの手先?に見えたのですが、よく読み込むと五空は花一さんに報告してるんですね。アタさんは自分の艦(=龍ちゃん)に命じてて、それにちゃんと解析AIが『了解』と答えています。それで龍ちゃん(←これも横綱級キーホールダーなんでしょうね)は角弾頭を3発も一気に発射してますもん。でも、この表現にどんな意味があるかというとあまりない…先の苺ちゃんの住む星の状況をうまーく表現した描写と比べるとよく分かります。
これは読者を惑わせるだけの薄っぺらい仕掛けに過ぎません。外連味があると言えばいいのでしょうか?岸本先生が「僕はこんな表現ができるんだぞ!!」っていう自己提示をしてる風にしか僕には映らんのです。これは技術云々のみに関わる表現なのですよ。僕はこの表現は無駄だったと思います。読んでて流れを阻害されたという意味においては邪魔(余計)ですらある。岸本先生はこういう表現のテクニックに拘り過ぎなんじゃないでしょうか?これだと「おばけだぞ~ッ!!怖いぞ~ゥ!!」と弄られる子供の気分で、僕が大蛇丸だったら「ガキをあやすような物言いは止めなさい…」と窘めたいとこですわ(笑)。
<ドドド>
「急げ五空!!」(花一)
「キャ!!ママッ!!」(苺)
「苺!!」(苺ママ)
「助けてェ!!」(苺)
「乗ったらすぐ飛んで下さい!!」(五空)
白兎に搭乗してるのは花一さんで、苺ちゃんを連れ出したのが五空。これが千ちゃんが捕まえるって言ってた「猫侍と箱の鍵の侍」だと思います。けど、フードを被ってて五空の体がどうなってるのかがよく見えないんだけど、見えるとこからは侍っぽくないんですよねー。若干、おデコに墨筆でいたずら書きしたようなモンモン(タトゥー)が入ってるようですが、普通に色黒の青年です罠。この色黒がアタさんのそれとシンクロして烏枢沙魔流をミスリードさせちゃう仕掛けだからタチが悪い(笑)。ま…でも竜だって頭ガチャガチャ開けないし顎に変な線入ってないけど侍なので五空もきっと侍なんだよー(適当)。
それに五空で数字持ちだから「箱の鍵」としての最低要件は満たしてますわー…って僕が勝手に決めたルールですません(笑)。でも八丸に三打…と来てて、それに鹿侍の「四華丸(仮)」(しかまる)も姫持ちで登場して「四」を埋めてるし(仮)、LGBTQのナナシもきっと「七」の空席を埋めてくれると思ういます。そこに五空と来たらビンゴ(笑)。微妙に苺ちゃんが元服可能で実は「一護」で「一」をコンプしちゃったらどうしようか!?と(笑)。これで竜の本当の名前が「六残」(むざん)とか「二玄」(じげん)だったりしたらテンパイですもんね!?「箱の鍵=ナンバーズ」が前提でアレなお話ですが(笑)。
しかし、烏枢沙魔流が角弾頭を通常配備してるんだったら、攻撃される側はそれを踏まえて防空監視体制を敷いてないとマズイですね。具体的には鬼若丸が見下星で使用したステルスフィールドを展開するシステムとか、広範囲過ぎて無理なら急速展開できる盾を衛星軌道に配備するとかしてないと撃たれたらお終いですよね。バトルロイヤル編でも角弾頭をモブさん達も知る極々一般的な兵器でしたから、角弾頭を想定した防衛構想がないのはおかしいと思います。襲われた苺ちゃんの住む星が辺境で平和な星だったのかな?それにしてもやはり銀河の危機が迫ってる雰囲気はないですよね。
ところで、苺ちゃんの存在が世界とどのような関係があるのか?不明ですけど、少なくとも花一さん達は苺ちゃんだけを狙い撃って救出しています。そして、それが結果的にではありましたが烏枢沙魔流の意向に半目する行動でありました。これだけ見ると花一さん達って反・烏枢沙魔で親・金剛夜叉のように思えます。しかし、そんな花一さん達を千ちゃんが捕まえたい!!っていう事は千ちゃんってもしかして烏枢沙魔寄りの勢力だったりしませんかね。千ちゃんは銀河球連邦の精鋭特務隊長とされていますが、それもモブさん達が吹聴してただけで正式に身分を証明した訳ではありません。
何と言っても三打が弁形からガメた10億円を千ちゃんがスルーしてるのも何だか変だなーと思えます。警察機構に関係のある人がそれを見逃す筈はないッーつーの(笑)。あと、達麻と接触したのに千ちゃんが達麻にグイグイ行かないのも、白く輝く刃を覚醒した八丸に淡白(銀河球連邦が「箱の鍵」に消極的なのも解せませんけど…)なのも不自然です。そしてその千ちゃんが八丸達の艦(ふね)に乗って旅を始めるって何か不安でしかない!!でも裁判官や判事らと対面してたからなー。花一さん達を捕まえようとしてる罪状(根拠)が分かればもう少しスッキリするかも知れませんね。これは様子見だなー。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第34話 免許ダウンロード 感想③
「行きます!」<ザッ>(五空)
「急げ!」(花一)
<ザザッ>
「星にも寿命があって
最後は爆発して死ぬの
アタシ達を巻き込んで死ぬの
それが光って見えて夜空の星になる
アタシも星になるの」(苺)
「それがアナタとどういう関係があるの!?
アナタは学校に行けばいいの!!」(苺ママ)
「爆発して死ぬのに?
意味ないよ」(苺)
「それはう~~んと遠い別の星も事だ…
それに星の寿命は君の何万…何億倍だよ」(先生)
「それが…今日だったら?」(苺)
「うん…」(先生)
「どうしたらいいんでしょう先生?
ずっとこんな調子なんです!」(苺ママ)
「ママ宇宙船買って」(苺)
「学費だけで手いっぱいなのよ!
何を訳の分からない事を!」(苺ママ)
「お母さん……
少し2人だけでお話できますかな」(先生)
場面変わって別の惑星。土星のような環(輪っか)があって大陸と海が存在する星のようです。その星にウサギのような艦(ふね)が着陸しています。花一と五空が乗る艦ということでこれも恐らくはキーホルダーでしょう。大きさからしてウミガメちゃんの洋犬と同程度ですので横綱級と思われます。脚がソリのような形になっていまして、早太郎や大鶴ちゃん(センちゃんのキーホルダー)のような脚がないので侍と共に戦闘するというよりは広大な宇宙空間を航行したり巨大な侍の鎧(MS/MA風)を供給する役割を帯びているのでしょう。それでキーホルダーではなく敢えて「艦」と呼ぶのです。
色は分かりませんが「不思議の国」のお話なのでこの艦(ふね)を仮に「白兎」と呼びましょうか(笑)。ところでこのサイズの艦はどういう風に建造されるんでしょうか?侍がキーホルダーを創る描写は第1話で八丸がホルダーの介護犬からキーホルダーの早太郎を創り出したのがありましたが、侍のイメージ力とロッカーボール テクノロジーがホルダーという知的生命体に周囲のリソースを取り込んで再構成するものと思いますが、艦(ふね)程のサイズともなると大仕事です。それに横綱級のキーホルダー=艦(ふね)は特務隊隊長の千ちゃんですら所有していない事から希少性が高いと思われます。
裁判の件(くだり)の「秩」でも思いましたが。裁判官や判事らも人間ではないようでしたのでやはり侍なのでしょうか。若干、ペッパー君臭もしたのでアンドロイドの可能性も残しますが、この世界の社会構造が侍の自治社会っぽく感じるので、侍に多彩な職業が存在するのではないでしょうか?また侍を単なる戦士ではなくロッカーボールテクノロジーの運用者(生産者)として捉えれば、ぶっちゃけ錬金術を扱えるに等しいですからとんでもなく高度な製品を生み出す事だってできるでしょう。8パパがかっ飛ばしてたエアスクーター等の高度な工業製品ももしかしたら生産専門の侍がどこかの工房でシコシコ造ってたんですよ。
そもそもこの世界で高度なテクノロジーに対して文化や文明のレベルが低すぎるのが疑問だったのですが、それらが人々の努力と英知の積み重ねによって成し得たのではなくロッカーボールテクノロジーというブラックボックスで生み出された製品であれば、この世界の市民は何も考えずに与えられた物資を消費して生活を享受できます。この世界の社会基盤を侍の生産技術のみが支えていれば学問や科学技術が育たないのも理解できます。ちょっとお話が逸れましたけど、造船所みたいのがあって、そこで生産技術に長けた侍が多数在籍して大きな艦(ふね)を建造るんじゃーないでしょうか。
…であれば、この世界の市民が劣悪な社会福祉とか子供らの悲惨な生活環境も甘受するのも理解できるなーと思ったんです。宇宙を自在に飛び回り星間移動ですら個人レベルで実現できる技術水準に対する社会基盤整備や生活水準が不釣り合い過ぎで、何か理由がないと尻の座りが悪くていかん(笑)。でも、ま…色々考えてるとロッカーボールテクノロジーがこの社会を不自然な形で均衡させているように思えます。だから、それを正す為に不動明王がロッカーボールテクノロジーを無に帰すようなプログラムとして「マンダラの箱」を残したんじゃないのかなと、僕は考えています。
さて、お話が明後日の方向に行ってしまいましたが、新キャラの苺ちゃん。幼い女の子でいいんでしょうか?明らかに預言者…というか予知能力がありますよね…この子。ところで侍って男子じゃなきゃられない設定とかありましたっけ。これまで女剣士は登場してませんし、逆に姫様は女子のみ!!の不文律もありますけど、女の子がロッカーボールの切腹刀で切腹して承認されたら侍に成れるんでしょうか?昨今の男女平等の風潮や近々にニュースになった有名医科大の入試の男女差別のように、何かとセンシティブな話題です。そもそも苺ちゃんが女の子っていうのも根拠ないですーッ!!(笑)
でも何で苺ちゃんを女の子だと僕は感じたのだろう。めんこい顔か髪型?微妙にスカートみたいな服装だったりして。でも誰も苺ちゃんを女の子だとは示していません。僕がそう思ってるだけですし。それとは別に侍に成れるのは男子のみという設定も提示されていないと思うので、苺ちゃんの性別がどうあろうと関係ないかも知れませんが、この先、苺ちゃんが物語にどうんな風に絡んでくるのか?を考えているとその辺が気になって仕方ないです(笑)。ま…人が普通に抱く先入観を岸本先生は上手く突いてくるなーとは思います。そういう雰囲気を感じながら乗せられるのもまた一興かと、僕は考えています。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第34話 免許ダウンロード 感想②
「あ…あの任務ってどんなの…で…ですか?
私たちにもやらなきゃならないも…目的があるんです」(アン)
「そうだった!←忘れてたのッ!?
パンドラの箱の鍵を持つ侍を探さなきゃなんない!
銀河の運命がかかってるって師匠が…!」(八丸)
「なら我々の目的も同じだ
途中まではな」(千)←何でッ!!??
「え?」(八丸)
「私の任務は「花一」通称猫侍と呼ばれる侍と
その弟子である箱の鍵を持つとされる若い侍
この2人を捕まえることだ!!」(千)
「…さぁ
君らの船に乗せてくれ
すぐに出発だ」(千)
いやー!!ここが全く意味不明で入って来ませんでした。一応、三打や竜を含む八丸達は犯した罪を償う為に社会奉仕活動(慈善活動)として千ちゃんの任務をお手伝いする…というのは飲み込めますが、八丸達が銀河を救う為に「箱の鍵」を集めたいとするのに対して千ちゃんの「途中までは(同じ)」つーのは何でしょうか?!(笑)千ちゃんは「花一」という猫侍を探してて、その弟子が「箱の鍵」を持つとされている侍で、この二人を捕まえるミッションを抱えてるんですよね。弟子も捕まえるんだから、そこで千ちゃんと八丸達の利害関係が競合するんじゃーないですか?その時、千ちゃんはその弟子を達麻の保護観察下に置いて放免するんでしょうか?
…って言うか千ちゃんが何で「箱の鍵」の存在を知っているのに「箱の鍵」を探している八丸達に千ちゃんの任務を優先させて手伝わせようとしてるのかが分からないです。銀河球連邦に所属(=精鋭特務隊)してるんなら、銀河の運命がフツーに考えて最優先になると思うんだけど、僕の考え方が変なのかな?何で千ちゃんは八丸達の目的を積極的に支援して「箱の鍵」を集めて「銀河を救おう!!」と言えないのか?が分かりません。逆に何で金剛夜叉流が単独で「箱の鍵」を探しているのかも分かりません。連邦なんて連合国家が存在するのにそれに働きかけて全世界で協力してこの任務をコンプリートしようと何で考えないのか?
そう考えると何だか金剛夜叉流が胡散臭いんです。夜叉さんは達麻一人に「箱の鍵」を集めさせてるけど、ホントに銀河の危機が差し迫っているんだったら少なくとも金剛夜叉流が一致団結して事に当たる筈だけど、(末端の雑魚かもしれないけど)葉芽道も達麻の任務に関しては全然知り得ないみたいでしたし、金剛夜叉流から「箱の鍵」に関する何某かの通達があった様子は微塵もありませんでした。軍荼利流の千ちゃんにしても「箱の鍵」の存在やそれに付帯する知識はあったけど、それを積極的に探したり銀河の危機を危惧する機運は出会ってから今まで一度たりとも見受けられませんでした。
アタさんの自性輪身に一方的に蹂躙された星位大将軍・ムジンさん以下の守護侍部隊にしてもあの星を守護していただけで銀河の危機を食い止める!!とするような気概も感じませんでした(もしあっても何の役にも立たないくらい弱かったけど)。そういう情報を吟味してみるとどうしても金剛夜叉流のトップである夜叉さんが本気で銀河の危機を何とかしようとしていないんじゃーないかと思えてきます。それ以前にホントに銀河の危機なんて存在するのか?から怪しく思えてきます(笑)。ま…現にアタさんらが各所で悪さをしてて星を粉々にしてるから、危機があると言えばあるんでしょうけど。
その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要がある…で、そこんとこを詳しく説明してくれればこんなに悩まないんですけど、銀河の危機に対して銀河球連邦が立ち上がらない…何らかの理由があるのかも知れません。例えばテロ国家っぽい烏枢沙魔流以外にも降三世流か大威徳流が危険分子だとか?(軍荼利流は千ちゃんでセーフ)で四流派が必ずしも一枚岩でない事情があるとか。その前に銀河球連邦に四流派全てが加入してるのか?も分からないのですが、どっちにしても夜叉さんの意向が何で達麻だけに一任されてこんなに細々と行われてて、世界的な気運でないのは甚だ疑問です。
しかし、ここは千ちゃんの心意気と申しますか、好意的な計らいで、三打や竜を含めたスペシャルフォースのミッションが微罪とは言え何らかの処分で行動を抑制されるところを、千ちゃんが八丸達を自分の管理下に置く事で継続して活動できるようにしたんだという事で飲み込んでみようかと思います。ここで八丸達のミッションを「銀河球連邦も全面的に支援する!!」なんて千ちゃんが言ったりしたら八丸なんか思い上がって盛大に熱(いき)り立つのがオチですからね。そうならないように千ちゃんが気を使ってくれたんですよ…きっと。でも「君らの船に乗せて」は貧乏くさくて引きましたけど(笑)。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第34話 免許ダウンロード 感想①
「角弾頭の件が高くついたな
向こう200年くらって以後も監視付きだ
つまり自由はない」(秩)←弁形の判決(笑)
「うるせェーーーよ!」(弁形)
「八丸や竜はオレと違って
騙されてここへ来ただけだ
罪は軽い
だからオレとはしばらく
ここでお別れだ」(三打)
「オレ達も罪になんの!?」(八丸)
「こんな祭が許可されると思うか?」(三打)
「君たちの判決も出た」(千)
「君たちは私の保護監察下に置かれる
また私に課せられた任務を手伝ってもらう
いわゆる慈善活動だ
君らの船も借りる」(千)
「で…オレは?」(三打)
「三打 君もだ」(千)←三打の判決
「……」(三打)
「ハハ!よかったな三打!」(八丸)←か、か、軽ッ!!
扉頁のアオリが『いざ新章へ!!』となってまして、先週の最終頁の『次号より新展開へ———!!』は何だったんだよーっていう(笑)。『サムライ8 八丸伝』の考察をしてていつも思うんですけど、言葉の使い方が無責任というかテキトーです。特に『新展開』と『新章』では週刊誌的なニュアンスが全く違いますから、ちゃんと使い分けて頂かないと困ります。一事が万事と申しまして、この作品では言葉に対する繊細さがなくていけない。それに表記もいろいろと怪しいですし、統一感に乏しくて、ホントに校正してらっしゃるんですかー!?と感じることも屡(しばしば)。内容以外にもツッコミどころが満載ですな(笑)。
さて本編ですが、サクッと(裁判が終了していて)判決が下っています。「AI陪審員裁判」ということで高速かつ効率化してるんでしょうか?しかし罪状の認否も答弁(弁明の陳述)もなく裁く方が一方的に量刑して判決だけが被告に伝えられても、裁かれる方としては罪の本質が理解できないんじゃーないでしょうか?それらの情報がうまく被告にフィードバックされる仕組みがあればいけど、三打を見てる限りそんな感じじゃないですね。裁判とは事の真実を炙り出して自分の犯した罪を客観的に見つめ直す為に行われるんじゃーないでしょうか?そうでないと人は自分の過ちに気付けないからです。気付けないと改められないじゃない。
失敗は誰にだってあるんです。大事なのは失敗したところからどうやって修正していけるかにあると思うんです。自分の何がいけなかったのか?それが誰をどれだけ困らせたのか?そういう細々した事を全て詳(つまび)らかにして納得しなきゃーやり直せないです。それをすっ飛ばして「保護観察」の宣告だけで済ましたら三打は何も反省せずに、逆に「こんなもんかー(笑)」でますます世の中舐めきってしまうんじゃーないでしょうか?最低でも千ちゃんが三打を叱るとかあればまだ救われたかも知んないけど、全てが軽過ぎて、大人のそんな姿勢が子供らの事をホントに大切に感じてないように映ります。
『サムライ8 八丸伝』では子供を大切に育てるとか導くという描写が殆どありません。別に親じゃなくても自分と一緒にいる子供が間違った事をしたなら、それを正して良き方向に誘導する冪です。もし必要であれば叱るという選択肢もあります。ホントにその子の事を思うならば、それこそ心を鬼にしてでも子供を叱る必要がある筈です。でもそういう描写がないのね。そもそも大人が正しき行いをしているのから怪しいですから、多くを望むのは酷とすら思えますが、テクノロジー(技術)に対するカルチャー(文化・教養)が余りにもアンバランス過ぎて未だに物語に没入できないでいます。
ま…三打の過ちもこれから千ちゃんが道行きの中で正して行ってくれる事を祈ります。ところで三打の事ばかりですが竜も千ちゃんの保護監察下に入るんですよね。つまり三打と竜が八丸達の仲間になったのですよね。千ちゃんも鶴姫と一緒にパーティに参加するからアンちゃんも姫友ができて良かったなーと思います。鶴姫にはアンちゃんが「斯く在りたい」というような大人像を見せてもらいたいもんです。同じように千ちゃんには八丸達の目標となるような存在になって欲しいんですが、三打の扱いとか見てると不安(笑)。達麻がイケメン侍のままで居られないのが悔やまれますなー。
ところで、義常の鍵はどうなったんでしょうか?角弾頭阻止作戦のクライマックスで干し大根のようにしなびたキーユニットを八丸が持ってたような…。一応、義常は「箱の鍵」という触れ込みで当初話題に挙がってましたから、違うなら違うと提示が欲しい。第1話の侍ゲーのムービー(不動明王の試練)で散体してキーユニットだけになった「鍵」を達麻がピックアップする描写がありましたので侍の生死に関わらず「箱の鍵」を一個ゲットしている可能性もあります。じゃなきゃあのムービーは何なんだ!?とも思いますし、生きてなきゃ駄目なら三打を早いとこ侍にしちゃおーよ!!でしょ。
しかし、前話で三打が弁形からガメた10億円といい、義常の鍵(箱の鍵?)といい、めちゃくちゃ大事な案件を何でスルーして次行こうとするんかね?この作品は…。弁形の10億円も千ちゃんの監察下に入るんなら八丸達がそのまま懐に入れるとか無理だけど何事もなかったようにお話が進んでいます。あれは弁形の犯罪の被害者に還元される冪ものです。もしも公務の為に流用するにしても、それにはちゃんとした手続きが必要になります。ましてや千ちゃんは警察機構の一員ですよね。それが何も語られずなーなーで済まされるとかリアリティもクソもあったもんじゃーないのでもっと真面目にやって下さい(笑)。
続きまーす!!
犬飼いの一分(200119)
もう十年くらい前になるでしょうか?ケルベロスは10日あまり手術入院しています。ゆっくりと暗い水の底に沈んで行くような麻酔の感覚を初めて体験しました。病院のベッドで過ごす楽しみは小さなテレビを観る事くらいでした。廊下にあるプリペイドカード販売機で購入したカードを差し込んで観るアレです。その頃、ちょうど最終回を迎えたのが『犬飼さんちの犬』(TVK)でした。小日向文世さんが主演してある犬との交流を描いた作品です。犬が苦手なんだけど「犬飼」という苗字の出落ち感はさて置き、登場する犬がうちの犬と同じ犬種。最終回は消灯後のベットの上で観たように記憶しています。
お話は何て事なく、特別面白くない作品でしたけど(笑)。ところで「犬飼」とは「犬飼部」という官職に由来するそうです。諸外国に比して日本の苗字は官職(職業)に由来する名前が少ないとされています。例えば「服部」が衣服を作る職業部だったり、「矢作」が矢を作る職業部と、まあ分かりやすいですね。それで「犬飼」も特にひねりもなく犬を飼育して狩猟や番犬として活用した職業部にその源流があります。昔から人と犬の関係が密であった事を伺わせますね。僕も今まで1日たりともも家に犬が居なかった記憶がなくて犬と共に歳を重ねておっちゃんになった…犬を飼う人でやはり犬飼いさんなのであります。
僕が人として唯一守らねばならんと厳に自分を戒めるのは「自分がされて嫌な事は他人にしない」であります。同じように犬飼いとしては「全ての人が犬を好きではない」を常に心の中心に据えて行動しています。僕が犬を好きだから他の人が犬を好きだとは限りません。当たり前だけど当たり前の事が分からなくなるのが「好き」という魔法なのであります。この世の中には犬がすごく怖い人だって居るし、犬が大嫌いな人だって普通に居ます。でも自分が犬を好き過ぎるとそれが分からなくなってしまうので、僕は自分を戒めているのです。これは自分と他者の境界線に対する認識でもあります。
当たり前ですが、自分と他者は違います。しかし、これは当たり前過ぎて逆に伝わらないので「自分と同じ考えなのは自分だけ」という風に説明しています。これを先の犬の話に当てはめればよく分かると思います。僕が犬を凄く好きだから他の人も皆んなそれと同じだと思ってはいけないのです。偶々、僕と同じように犬が好きだという状況はよくあるけどそれが全てだと思ってはいけないと、僕は考えています。だから、僕らからは決して他者に近付かないです。それがどんなに犬が好きな人であろうと、当方に対して明確な意思表示がなければガン無視で通り過ぎます。なので何処かですれ違ったとして失礼があってもそうお含みおき下さい。
それが僕の犬飼いの一分(いちぶん)なのであります。
ハチマル ケルベロス
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想⑧
「このデカブツを見下星に付けて
ステルスフィールドを解くぞ」<スッ>(千)
<ゴゴゴゴ>
「連邦艦隊に目視出来る様にな」(千)
<ゴゴン…>
「ステルスフィールド解除」(千)
<ズズズズ…>
「今まで…
これを隠れ蓑に散々好き勝手
やって来た様だが
悪い計画はいずれバレるって事さ
これにて一件落着だな」(千)
えーっと…最後の見下星の仕掛けですけど、三打が竜に対してやってたウィンクのアンサーなんでしょうね。三打(骨河)のウィンクが左目で「いい計画は秘密(=バレない)」で見下星のウィンクが右目だからその逆で「悪い計画はバレる」って事なのでしょう。でもこれには…ハイハイ…バレた、バレました!!で…(それが何の役に立つ?)程度の感想しかこの体の何処をどう締め上げても出て来ません(笑)。こんなの伏線(と回収)でも何でもないですー。それに2頁も費やしておまけに時間とエネルギーもつぎ込んで何やってんですか!?こんなのが見たくて週ジャン買って読んでませんからー(波田陽区風)。
この仕掛けをどうしても使いたいんであれば、竜にこの景色を見せるように工夫しないと。例えば連邦の移動法廷艦に乗り込んだ竜が小さな小窓から見下星のステルスフィールドをが解かれる様を見て、三打のウィンクと重ねて「悪い計画はいずれバレるって事か」と呟いて閉じなきゃダメでしょ。三打と絡みの少ない千ちゃんがこのセリフ喋っても何の感慨もないです。これには竜の記憶が怪しいっていう設定が邪魔をしてて、そんなの覚えてないだろーって突っ込まれるのを嫌って千ちゃんにズラしたのだとは思いますけど、全然関係ない人が回収したら、それはもう伏線じゃなくてゴミですよ!!ゴミ!!
そもそも三打の計画とか、それ…計画と言っていいの!?ってくらいの小手先の嘘だったように思いますし、三打なんかその場その場で自分の利益のみを求めてフラフラしてただけで、問題なのは三打の動向が物語とそんなに深く絡んでなかったとこね。別に三打がどっちに着こうがお話の趨勢に全く影響ないから、それをわざわざ最後に取り上げてみたところで何も感じません。三打のネタで落としたいんだったら三打をもっとちゃんと掘り下げてその行動でキャラを立たせて、読者が三打を応援したくなるように描かないとダメです。三打がたとえ過ちを犯したとしても、それを許せるくらい愛せないとダメです。
それが悲しい過去がありますー…とか、弁形に騙されてたー…とかチョロッとでたけど、お話の中の三打の人間性がクソ過ぎて全く応援したいと思えません。だから三打が弁形の首を刎ねたところで別に何の感慨もありませんでした。弁形にしても三打に対する愛などなく、単なる欲しがりのクズでしかなかった訳で、単にクズがクズの首を刎ねただけだった…何だそれ!!でしかないのです。どうしようもないクズが集まってどうしようもない事をしてるのをお話しにされても、仕方ないですねー…。僕らの情緒に語りかける要素がない=カタルシスがない。登場人物の誰一人としてまともな人がいないってもの珍しいですよ!!
八丸だって好きになれる要素が何一つない主人公だし、ほとんど何もせず他のキャラが何かするのに合いの手入れてただけですからね。そして、その相方のアンちゃんなんかもうほとんど空気になってて存在感がゼロ。早太郎もたまに「にゃん」と鳴くだけで、元祖早太郎は明らかに邪魔してるしー(笑)。このメンツで「どうしろと仰るか!?」と思ってたら『次号より新展開へ——!!!』の煽りがドンッ!!これって連載が継続する場合は『新章』とするのが連載漫画のお約束です。そして『新展開』からの…数話での『打ち切り』というのが有り勝ちな…所謂『打ち切りフラグ』であります。
逆にアニメ化が決定していて打ち切られないとする説もあったり…します。打ち切られない場合はアンケの評価が悪い(=人気がない=面白くない)ので週ジャンでは連載が叶わず別媒体に移籍して連載が継続されるそうです。それはそれでゾッとする展開ではある…アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ…。ホントに「武神に見放されない限り死なない」っていう設定はこの為にあったのか!?と思えて来ます(笑)。「打ち切りかどうかオレが決める事にするよ!!」でも一緒かー。これじゃー侍じゃーなくてゾンビじゃん!!僕はこの作品で「死なないのは生きてないのと同じ」という事を教わった希ガス(笑)。
それと『新展開』だけど、思い切って10年とか20年後の世界を描けばいろいろと整理されるんじゃないでしょうか?いっそ突き抜けて500年後でもいいけど。そしたらアンちゃんとか死んでるだろうし、三打も侍になってなきゃー居ません罠。竜は豆腐の角に頭打(ぶ)つけて記憶が戻ってるとか。達麻はオビワンみたいな解析AI化されて八丸の鍵に格納されてます。八丸も一端の大人になってて候剣の傷でドスが効いた風貌になってるとかね。ちょうどリアル達麻(カカっさん風)の雰囲気。早太郎も魔改造されて魔噛みっぽく仕上がって人間の言葉喋りましょう。それでダメだったらもう皆んなで全力坂でオK。
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 ハチマル ケルベロス 了
業務連絡(200114)
ハチマルのケルベロスです!!全てのアクセスに心より感謝致します!!
愛犬と歩くのが楽し過ぎてやってしまいましたー。エネルギー切れになって脳が休めと申しております(笑)。…という訳で、感想は明日アップさせて頂きます。ホント…すみません。最後まで一気に<ザザザー>と書きたかったんだけど、寄る年波には勝てませんね(汗)。もし僕に主治医がいたら「年寄りの冷や水」と診断されるかと思います(笑)。酒量も年明けから極端に抑えて炭酸水ばっか飲んでるんだけどね。
ところでハチマルを始めて半年あまりを経過しましたが、先日、アクセス数が普段の10倍にも跳ね上がって思わず目を<ゴシ><ゴシ>とやってました。恐らくは「グーグル砲」かと思われます。真面目に書き続けて良かったー。でも、グーグル砲って効果が継続しないようで徐々に元の水準に戻っていくみたい。僕は地道に書き続けるだけ。皆さんのアクセスが僕のガソリンなんだとしみじみと感じておりますので。
ホントにありがとー。
では、明日の定刻に又。
ハチマル ケルベロス
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想⑦
「!
何だコレ?」(竜)
「ケッ!!」(弁形)
「侍専用の拘束具・獄門玉だ
この箱の面に触れている限り
侍は再生できない」(スナイパー侍)
サイボーグの体の自動再生はキーユニットの頭部ユニット主導で行われます。しかし、頭部のコアをジャストで真っ二つにされたらどうなるんでしょうか?と疑問に思いますが、そこまでは考えてませんでした!!<テヘッ>と言われるのが怖いので突っ込みません(笑)。それで特に説明はありませんがキーユニットのコアの部分から再生されるので、頭部側(コア側)ではない方は素粒子の結合を解かれ霧散してしまうようです。体の再生に関しては大きさの如何は問わない訳です。ロッカーボールテクノロジーはほぼほぼ錬金術ですんでリソース云々を考えるのは野暮でしょう。デメリットは再生時間が長いか短いかの違いだけです。
しかし、何ぼ錬金術でもそれはハードウェアのみの恩恵である冪です。例えば体側(非コア側)と一緒に失ったキーユニットには何らかの情報(データ)が保存されている筈ですから、放棄したキーユニットに格納されていたデータまでは錬金術をもってしても修復できないと思うのです。しかし、キーユニットの欠損で記憶が欠落したり技が使えなくなったりした描写はありません。竜の記憶喪失はかなり特殊でそれらとは別の問題だと思われますのでここでは除外です(笑)。何より侍がキーユニットの一部を失う事に対して頓着していないです。八丸なんか自分で首を刎ねましたからね。達麻もそれを咎めませんでしたし。
それらを総合して考えると、やはりクラウドか何かのストレージが存在して、侍のデータ(記憶や思考)は常にバックアプされていると考えるべきだと思います。体の再生後、何事もなかったように行動が継続していますからリアルタイムでバックアップされているか、キーユニットのコア以外はアンテナみたいなものでクラウドにあるデータのみでの遠隔操作の可能性すらあります。そんな感じに侍の体の再生を追い込んで行くとクラウド(ストレージ)が必須です。質量や体積のないデータもそれを保存する為には物理デバイスが必要になるのです。そしてもしかしたらそれが…斬られても死なない侍の本当の泣き所なんじゃないかと僕は考えるのであります。
「オレは弁形の共犯者だ
だが竜は関係ない
見逃してやってくれ」(三打)
「ここや見下星に居る皆のデータは
銀河球連邦に通達済みだ
もう少しで移動法廷艦隊が
刑務所艦を連れて来る
AI陪審員裁判で審議は30分で終わる
一応答弁は認められるがあまり参考にされない
それでも出廷するか?」(千)
いや…連邦の判断なら信用できる
今まで竜が斬ったのは悪党の侍だけ…
大丈夫のハズだ」(三打)
この世界(球宇宙)では星間を跨ぐ広大な連邦(連合国家)によって管理されているので、犯罪に対しては司法機関が対象に出向いてそこでチャチャッと裁く方式の方が効率がいいのでしょう。ま…今回は弁形の手下が750人も居そうなので特別かも知れませんが、裁判をするという事はちゃんと法律が存在するようです。千ちゃんの説明では「AI陪審員」による裁判とのことなので、多様な思考を対立させて最適な判決を導き出すシステムが構築されているように思います。しかし、答弁しても参考にされない…っていうのは何で?と思ったのすが、全部お見通し!!みたいな監視システムが敷かれた社会だからなんですかね。
そう言えば、この世界では侍であろうが人であろうが思考にハッキングして情報を引き出せるので言葉など必要ないのかも知れません。裁判では三打もヘッドギアを被らされてチャチャッと裁判終了なのでしょう。そう考えると侍のクラウド(思考・記憶のストレージ)にアクセスできればそれは「神」みたいなものだなーという想いが湧いてきます。もしかしたら、それが「パンドラの箱」と言われるものの正体なんじゃーないですかね。「パンドラの箱」が全ての侍(ロッカーボールテクノロジーのクラウド)の記憶や思考を司ってるとすれば、それにアクセスできれば全てをコントロールできますもんね。
例えばクラウドにあるカーラさんとアタさんのデータ(意思)をデリート(消去)すれば活動停止に追い込めるし、当方に都合いいように書き換えるとか出来そうです。またそうであれば既に「マンダラの箱」を手に入れてその鍵の7/8までを手中に納めた烏枢沙魔流が「パンドラの箱」までも取りに来る意義も理解できます。ところで、ここで三打が裁判にかけられる運びのようですが、竜も勿論同じように裁かれますよよね。三打が弁形の共犯者ならば、竜も三打の共犯者ですから。ここで三打が千ちゃんにお願いしただけで司法の手から免れたりしたらゴーンちゃんがお金積んでお願いに来ますよ(笑)。
裁判というのは法律に則って罪を量る手続きです。それが大艦隊でお出ましなんだけど、その末端にいる千ちゃんの手続きに関する考え方がユルユルで信用が置けません。これも何処かの国で犯罪者匿って裏金貰って私腹を肥やす役人っぽくて、八丸達の10億円だって千ちゃんが横取りしちゃわないか?と心配なくらいです(笑)。それと千ちゃんがお探しの「猫と少年のコンビ」ってどうなったんですかね?いろいろと情報を投げっ放しで放ったらかしですね。「猫と少年」て…思いっきり達麻と八丸だけど、それは「違う」と千ちゃんが否定してますから、次号からの新展開で出て来るのかな?
続きまーす!!(残りは例の伏線回収?だけど…吠えちゃうかも・笑)
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想⑥
<スッ>(千)
<ブウウン>
<ズッ>
「チッ!」(弁形)
「コレって?」(八丸)
「…い…いち…じゅう…
ひゃく…せん…」(アン)
「約束の金だ
受け取ってくれ」(三打)
「す…すごい!
ホントに10億あるよ!!」(八丸)
「!」(八丸)
「親の仇を討たせてくれて
ありがとう!八丸」(三打)
「……お前も
オレと同じなんだろ?」(三打)
「!」(八丸)
「お前が仇を討つためなら
命をかけて助けてやる
覚えといてくれ……それと——
お前の事もいつか教えてくれ」(三打)
「……」(八丸)
⇦八丸は礼儀正しいクズ
<ペコ…>「ありがとう骨…
じゃなかった…三打!」(八丸)
弁形がでか過ぎて…の件(くだり)で千ちゃんの手にあるモノを三打が見て、そのサイズに合わせる為に弁形の首を刎ねたのだと僕は考えています。千ちゃんの手にあったモノは「獄門玉」という侍専用の拘束具なのですが、詳しくは次の感想でまとめますね。三打は侍の名家の出身なのでそれを知っていたのだと思います。それと侍の特性…鍵の(最)上部のユニットが起点になって再生が始まるから残すなら頭部…も知っていて千ちゃんが弁形にしようとしてた事を三打が斟酌したのですよね。また千ちゃんも三打とのアイコンタクトでそれが分かったから三打に弁形の処理を任せた筈です。
だから、千ちゃんが弁形の頭部を獄門玉に閉じ込めるのを至極当然に三打が見ていられるのだと思います。これはまだ成功した部類の表現でして、この作品ではもっと無理筋に結果ありきに無理くりねじ込む描写が数多くあります。それ…言いたいだけやろーッ!!と何度思ったことか(笑)。「義を見てせざるは勇なきなり」とか「義」と「勇」がこの世界の独自の用語なのにそこに無理やり「論語」をぶち込んで来て(恐らく語呂や言葉の響きだけなんだよねー)全く意味不明でポカンとなって…岸本先生mjd頭大丈夫!?と思いましたっけ(笑)。一事が万事、結果だけが存在して、それに至る理由や根拠が存在しない…。
ところで、三打が弁形からせしめた10億円ですが…この感じだと八丸達が何の躊躇いもなく戴いちゃうと思いますが、これって犯罪によって得られたお金ですよね。つい最近も強盗した金を横取りした外国人が逮捕されたけど、そいつの容疑も強盗致傷だったよなーと思います。三打が弁形に対してやった事も詐欺に当たるんじゃないでしょうか?立件が難しくて不起訴にはなると思うけど、それ以前に弁形が犯罪によって得たお金ならば被害者に返還するのが筋だと思います。通常は指名手配犯の弁形が口座を所有するなんてないので隠し口座か何かでしょうからこの場合は差し押さえでしょ。
それを千ちゃんをスルーして子供らだけで「やったー!!」とか無理無理!!…っていうか、千ちゃんは何してるの?警察機構の人ですよねー!?(精鋭特務隊でしたっけ!?)確かにお金は「その時持っている人のもの」の原則はあるにしても、弁形の場合は犯罪の被害者も大量に存在するんだから、これって千ちゃんの立場が危うくなるような状況だと思うんですけど、これだったら千ちゃんが実は悪い人で下心を隠してる…みたいなシナリオじゃないと説明がつかない流れです。でも、実際はそうじゃなくてこのまま八丸達が10億円を懐に入れちゃうと思うので、どうなってんの!?この世界は…なのであります(笑)。
悪人から奪ったお金だから大丈夫とか、どこの義賊ですか?八丸はこのお金でまたカツ丼セットでも食いに行くのでしょうか?お互いにお礼をし合って礼儀正しいみたいな雰囲気だけど、普通に刃物を持った危ない人達だからね。コレ見て子供らが「これでいいんだ!!」なんて思ったら集英社さんはどうするんですか?責任持てるんですか?!教育的観点からもこの作品はダメと思います。いつから『週刊少年ジャンプ』は子供の倫理観とか公徳心に悪影響を与えかねない有害図書になっちゃったんですか!?岸本先生も岸本先生だけど、編集部ももっとしっかりしなきゃダメだと思いますよー!!
続きまーす!!(ほぼほぼ愚痴だった…っていうね)
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想⑤
[今ここで……
オレに10億を寄こすなら
助けてやる]<スッ>(三打)
[やっぱりお前はいい奴だぜ…
相棒](弁形)
[コードを持て(打て?)](三打)
<ピッ>(弁形)
<コソ><コソ>(三打・弁形)
「!」(千)
「コソコソ何をやってる!?」(千)
「え!?」(八丸)
「ま…まさか―――!
お前ェ!!?」(モブ3)
<スッ…>(三打)
「!!?」(弁形)
<ズバッ>(三打)
「は?」(弁形)
<ドサッ>「なっ!?
骨河てめェ!!騙しやがったな!!」(弁形)
「お前はオレの事を何も知らねーな弁」(三打)
「悪ーけどオレはそう
いい奴じゃねーんだよ
それに完璧でもねェ
けど秘密の多いお前の事だが
これだけは分かった
お前に
本当の相棒はいねェ」(三打)
三打が弁形に近寄るコマで弁形が微妙に嬉しそう…と言うか、「受け」っぽい雰囲気を僕は感じました。千ちゃんに踏みにじられた格好にはなったけど、弁形には弁形の考えがあって頭が空っぽの義常から本気で三打を救わねば!!という気持ちは本物だったんじゃーないかと、しつこいですけども僕は思います。義常とママを殺した時点で弁形にとって使える道具(牛若丸と鬼若丸)ではない三打のような手の掛かる幼な子を育て上げて腹心の部下にするにしても弁形にはもっと手軽な選択肢(人型ホルダーやNPC侍など)が存在しましたから殊更、弁形が三打を引き取る理由はないからです。
そうしてもう一度、弁形を見ると何だか…ウォームアップからの〜準備万端のベッド上で彼氏さんを待ち受ける女の子のような表情で「乙女ーッ!!」じゃないですか!?(笑)もしかして弁形は牛若丸共々千ちゃんの鶴(キーホルダー)に拘束されてて身動きできない状態のまな板の上の鯉ですんで、藁にも縋りたい気持ちも手伝って乙女化しちゃったんですかね(笑)。ま…真実は弁形のみが知っているのですが、弁形の弱り目に三打はうまくつけ込んでいるようです。きっと弁形と組んで仕事をする中で鍛えられた三打のコミュ力の為せる技で、その意味では弁形は三打を真面目に育てた証拠になろうかと思います。
それで三打は小さなデバイスを取り出し弁形と交渉します。この世界の通貨はキャッシュレス化されてて、八丸もそれで目の飛び出るような高額の反物を決済してしまい金欠になったのは記憶に新しいです(笑)。ちなみに星間規模で共通の通貨が存在する事から千ちゃんの所属する銀河球連邦がEU(欧州連合)におけるユーロ(€)のような通貨を管理してるものと思われます。そして三打の取り出したのはこの世界の通貨(円なんだよなー)を決済する端末のようです。ここはスマホみたいな汎用端末の方が合理的だと思いますが、セキュリティ等の関係で専用機が必要だと考えて受け入れます(笑)。
その端末を弁形に差し出して「コードを持て」と三打が告げたのですが、これは「コードを打て」の間違いかなー…と思います。描写中、コード(有線)を弁形が握った(持った)風でもありませんし、ここはコード(=暗証コード)の方がしっくりきます。三打は「その(暗証)コードをこの端末に打ち込んで決済しろ」と弁形に持ちかけているのだと僕は読み込むことにしました。単行本でここが修正されるかちょっぴり楽しみです(笑)。でも、僕は『サムライ8 八丸伝』の単行本は購入しませんけどね。本棚に入れるコミックスは厳選してまして、仁義として毎週週ジャンを購入するだけで勘弁して貰います(笑)。
しかし、弁形は三打の提案を鵜呑みにして10億円もの金子(きんす)の要求に応えたようですが、本気で三打がこの難局を打破して弁形を逃がせると思ったのですねー。でもこれはどう考えても三打にそんな権限はないし、武力で千ちゃん達を圧倒して…という線も排除されるのでちょっと無理筋ですね。お話の取って付けた感が半端ないです。この筋で押したいならばここに至るまでに相応の準備が必要だと思われます。例えば弁形と三打の間の信頼関係の描写や、弁形は本心では三打を愛していて大切に育てた…なんていうエピソードでもなければ弱い。だから、<コソ><コソ>がコントっぽく見えちゃうんですよ。
それを駄目押しするかのように千ちゃんが「コソコソ何をやってる!?」って言うのがツボにハマった人もいるんじゃないですか(笑)。僕はプロット(物語の筋)がめちゃくちゃ過ぎて既に「笑わない男化」してて大丈夫でした(笑)。それで…結局、弁形に10億円を入金させた直後に弁形の首を<ズバッ>と刎ねてしまいますけど、なかなか綺麗な太刀筋でした。しかし、弁形は三打の太刀筋が義常にしごかれた結果だと認識できているのでしょうか?誰しも完璧にはなれませんが、完璧を目指して努力する事は尊いんですよ。勿論、義常はそれを期待して弁形や三打をしごいたのだと思います。
ところでここに来て「完璧」というワードを弁形と三打のセリフに入れ込んでいますけど、これもちょっと無理筋に感じます。何と申しますか、尺とは関係なしに着地点ありきで何の工夫もなくぶっ込んで来る作風を何とかしていただけませんかね?!バトルロイヤル編がここで仕舞うから、別にネタ振ってないけど詰め込んでるのがバレバレで鼻について仕方ないです。それに別に「完璧でなくていい」というメッセージをここで入れる必要はない。はっきり無いと言えます。だってここでは誰も完璧なんて目指してないもの!!侍ってそういう設定じゃん。誰も努力なんかしてないじゃん!!
ロッカーボールに承認されて侍に成れれば斬られても死なない。技はダウンロードすればいい。それが侍の設定なんだから、素振りするのが滑稽に思えます(笑)。ロッカーボールの承認も「志」の有無どころか、善悪(倫理観)の見境すらなくて、血液検査で判別できる程度の遺伝的素養に依ります。侍に成った後も容量云々でヒエラルキーが生じますが、それも遺伝的素養に左右されて努力や精進とは無縁の世界観です。そんな中で自分の貧弱な鍵に強者の鍵をゴテゴテと繋いで能力を得ようとした弁形は唯一努力してたなー。しかし、その努力すら努力と評価できないのが悲しいかなこの世界(=達麻)である訳です。
これが絶望じゃなかったら何なの!?っていう世界でこの子らは生きているのだから、こんな世界は終わらせてやり直そうと考えるのは酷く真っ当に思えます。だから僕はカーラさんやアタさんを支持しております。ちなみにアタさんが言う「銀河のあるべき姿」というのはロッカーボールテクノロジーのない世界だと僕は考えていまして、「マンダラの箱」を開くと全てのロッカーボールとロッカーボール由来の存在(侍とキーホルダー)が無に帰すのではないかと夢想しています。お話が逸れてしまったけど、侍に成れた時点で全く努力しなくていいという設定がある以上、このお話は詰んでおりますので。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想④
「アンタは…父の
信頼できる弟子だった
なぜ…父と母を?」(三打)
「…義常は
オレに無いものを
全て持ってやがった!
だから欲しかったのさ
人は完璧を求める
己にも他人にも
誰しも欠点を秘密にして
完璧を装い合う」(弁形)
「そら強かったのよ!
道場の仲間からは神童なんて
呼ばれちゃってさ———!」(八丸)←このカットは要らんわ
「義常は自分だけじゃなく
オレ達に完全を求めた
分かるよな?
奴の下でしごかれた仲だ
もしお前が侍になっていたとして…
いずれ父親に潰されていたはずだぜ
そうなる前にオレがお前を
救ってやったんだ」(弁形)
「また都合のいい解釈だな」(千)←これはもっと要らん!!
「ホントにそう言いきれるか?
義常をよく思い出してみろ!
お前の本当の味方はどっちだ?」(弁形)
「……」(三打)
弁形がでか過ぎて運ぶのが大変だー…みたいな流れの中で三打が銀河球連邦の千隊長を制して弁形ににじり寄ります。おかしいなーと感じるのは、三打も千ちゃんから見れば犯罪者なのに刃物(侍魂)の使用を許してるとこですかね。その上、凶器を所持したまま苦労して捕まえた容疑者に接触させてますけど、いつの間にか三打が仲間になっちゃってるのね。ウミガメちゃんに忍び込んで居直り強盗になった時も同じように拘束具も直ぐに外されて気が付いたら仲間になってて、それが実は弁形の手先でしたーってなったのにね(笑)。結局、三打は人型ホルダーを操って八丸達を殺そうとしたの忘れてる?!
そんな三打が実は弁形に騙されて→両親を奪われ→弁形の手先として悪事を働かされていたのだとしても、それはちゃんと取り調べた後に裁判等の然るべき手続きを踏んでから正されるべきだと思います。三打の扱いがこんなだから三打は自分の仕出かした事の重さを感じられていないように僕は思います。その前に何でもかんでも弁形の所為にして自分を正当化するまでありそうで怖いです。そして、そう言う状況を警察機構に相当する組織のある程度の立場役割(精鋭特務隊隊長!!)を有する千ちゃんが容認してるのが、僕にはどうしても看過できません(笑)。どう見てもこの時点で三打は許されてまーす。
「女に甘く大それた犯罪もできねェ小心者で」(弁形)
この少し前に弁形は三打をこんな風に評価していました。これはきっと三打は大した犯罪はしてないよー…っていうネタ振りだと思われますが、微罪であれ罪は罪という認識がないのはおかしいです。特に千ちゃんは連合国家(=連邦)の実力組織(=軍隊や警察)の一員なんですから、それを曲げて三打に好き勝手させるのはどう考えてもおかしいです。これは下手したら千ちゃんが処分されるような判断ですから、こんなのが罷り通ってる時点で銀河球連邦なんてガバナンスもコンプライアンスもガバガバでどうしようもないガバメント(笑)なんだろうなー…と思います。ちょっと硬いけど真剣に読み込むとそんな評価ですかね。
ま…千ちゃんは侍の端くれとして義常という剣豪をリスペクトしていて、自分の手がけた案件で縁あって義常の子が絡んできて敵討ちをアシストできる僥倖(ぎょうこう)…なんて考えてるのかも知れませんけどね(笑)。そういう間違った優しさが三打の気付きを阻害していると認識できないところに千ちゃんの頭の悪さが伺えますね。ぶっちゃけこんなの優しさでも何でもなくて緩いだけです。そして、この光景を目の当たりにして誰一人として声を上げない不思議(笑)。もう倫理観とか道徳とかいろいろとダメ過ぎて、この世界で生きてる人々の不幸に対しては心からお悔やみ申し上げる(笑)。
「人は完璧を求める
己にも他人にも
誰しも欠点を秘密にして
完璧を装い合う」(弁形)
三打の詰問で弁形は「だから欲しかったのさ」と動機を語った後、「人は完璧〜装い合う」と唐突に語り始めますが、これは弁形のセリフですよね?何だか脈絡がなくて分かりにくいですが、弁形が三打に語り始めたー!!という風に僕は解釈しましたけど、それが結局、三打が義常に潰される前に助けたんだよー…っていう弁解に繋がっています。これは苦し紛れの言い訳のようでもあり、弁形の本心の吐露でもあり、弁形の行動の本質に三打に対する「愛」を探し求めた僕としては若干<グッ>っと来る場面だったのに、それを千ちゃんが「都合のいい解釈」と水を差すのに軽ーく殺意が芽生えました(笑)。
ぶっちゃけ…弁形のそれも千ちゃんのそれも大きなお世話なのですよ。アンタらちゃんと三打の気持ちを考えてるんですか?!って僕は思います。弁形もホントに義常から三打を救い出したかったのなら横から詰まんないチャチャを入れる千ちゃんをもっと窘めなきゃ。千ちゃんなんか三打に芯から反省する機会を与えていない時点で三打の事なんかどうでもいいと思ってるのバレバレなんだから発言する権利なんてないのだし。まったく…この作品に出て来る大人って子供らを余りにも大切に思ってないのがホント嫌なんですよ。ここで弁形の真意を三打が理解しないんだったら弁形は本気だして叱れよ!!って僕は思うのよ。
この作品では大人が子供を叱るシーンが極めて少ないです。若干、アタさんが礼儀知らずの八丸を叱責したのがありましたが。それに合わせて葉芽道とウーン姫が不動明王のお堂で傷だらけの七志と対面した時に1ミリもその傷に違和感を感じず頓着しなかった描写があったように、この世界の大人が子供らに無関心なのが、僕には極めて遺憾なのであります!!関心があれば子供の間違いにも気付く筈。そしたらそれは違うと叱る筈。それがないこの世界って何なの!?「愛の反対は無関心」(マザーテレサ)と申しまして、全ては子供達に対する大人達の「愛」が無いところに収束しちゃうのが極めておかしいのさ。
続きまーす!!
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想③
「さて…
このままじゃ…身柄を移送するのも大変だな
でか過ぎる」<スッ>(千)
「!」(三打)
<スッ>(三打)
「!」(千)
「オレに…」(三打)
「……」(千)
<コクン>(千)
「!」(弁形)
「オレをずっと騙してたな…」(三打)
「オレはアンタを信用してたのに」(三打)
「そこがお前の欠点だ
女に甘く大した犯罪もできねェ小心者で
騙されやすい」(弁形)
「フッ…
お前はいい奴だからなァ」(弁形)
「ああ…お前も分かってたか」(竜)←正直、要らねー!!!
「そこは母親譲りだな」(弁形)
「あの日オレは…
お前の母親に
『義常が錯乱し息子を殺そうとしている』
とけしかけた
そしてあの女は身を投げ出して
お前をかばった
まるで――――
そっちが侍のようだった
いい奴の行動はつかみやすく
騙しやすい」(弁形)
達麻が弁形の記憶にハッキングして得られたデータが八丸に託されたお陰で三打は弁形'sビューで自身の父・義常と母の死の真相を知るに至りました。弁形はこの一件で義常の鍵(キーユニット)と侍魂、それに牛若丸(キーホルダー)と艦(鬼若丸・キーホルダー)を得た訳ですが、遮那家ばかりか侍としてのキャリアを放棄して犯罪集団の頭になって裏社会で生きる道を選んでいます。きっとそのまま侍を続けていても芽が出ない諦めみたいなものが弁形にはあったんじゃないかと僕は考えていまして、それはそれで弁形が自分の能力や適正をよく理解した正常な行動だったのかなー…と思います。
弁形は達麻の指摘でもあったように鍵が貧弱(容量が少ない?)でしたから、他者の鍵を奪い自分の鍵にゴテゴテと継ぎ足して能力を拡張せざるを得なかったので、表社会で真っ当に剣技をダウンロードして侍として生きて行く道が閉ざされていた…と、誰あろう弁形自身が納得していたんですね。ぶっちゃけ弁形は自分に絶望してた…と申しますか、丸っきり自信がなかったんでしょうね。だから、強者・義常のキーホルダーと恐らくそれをコントロールする為に必要になる義常の鍵(キーユニット)がどうしても欲しかったんのだと思います。逆にそれくらいしか利用できるものがなかったのでしょう。
それで策を弄して義常を散体に追い込むんですが、ママまで殺す必要はなかったんじゃないのかな?と僕は思うんです。実際、ママが息をしてない…と告げられただけで義常は散体しちゃったヘタレでしたし、自分の目でママの生死すら確認せずに散体してるんですよー義常って(笑)。多分、これまでに登場したキャラの中で屈指の頭スカスカちゃんなので、何もママを殺すまでしなくても良かった筈なんですよ。でも、弁形はママを殺しちゃった…。それは弁形がママを殺したかったからなんじゃーないかと、僕は思うのです。弁形がどれ程足掻こうとママは手に入らない存在だったから。
「そこは母親譲りだな」(弁形)
記憶の怪しい竜が弁形の「三打はいい奴」に気持ちの悪い合いの手を入れたのに、弁形はこんな風に返しています。僕はこの言葉に弁形のママに対する明確な好意を感じました。それと似た感覚が弁形から三打にも向かっていて、弁形が別に引き取らなくてもいい三打を骨河として引き取った理由が見え隠れしているように思うのです。弁形はママの事が好きだったんじゃーないかと、僕は思います。しかし、ママにその気持ちは受け容れられる事もなく、それ以前に弁形のママに対する好意が知られる事もないくらいの間柄だった事が弁形のママに対する殺意を助長したのではないかと思うのです。
義常の鍵がなくとも最悪柄骨の授受で利用できる可能性のあるキーホルダーなんかとはママはレベルが違ったと思うんですよ。何せこの世の中で一番難しい「女心」で、どんなに努力しようとも手に入らない※でありますから、手に入らないのであればいっその事自分の手で亡き者にした方がマシ…相手の命を奪う行為が「究極の権力の行使」であると『名もなき毒』で宮部みゆき大先生は訴えていらっしゃいますが、弁形がママを殺しちゃったというのがそれに当たるのではないかしらと…。同時に弁形が三打を引き取ったのはママでは果たせなかった想いを代償しようとしてんではないかと思えます。
弁形が引き取った三打に骨河という名前を上書きしたのとか、三打を自分色に染めたい気持ちが透けて見えます。それでも尚、自分と骨河(三打)の関係が「シンプルに金で繋がる」としたところに弁形の自信のなさが際立っていて、弁形の持つ悲哀を感ぜざるを得ないのであります。そう考えると、やはりそこには弁形が抱いていた何かしらの「愛」が描かれるべきだったと、僕は悔しく思うのです。若かりし日の弁形にあった角(つの)だって切り落とされてたりしますし、例えば弁形の心に渦巻く愛憎が鬼族が抱く人間(族)に対する憧れとして発露してたエピソードでもあればお話に厚みがでたのにね…。
『NARUTO -ナルト-』ではホントにこれでもか!!ってくらい「心の襞(ひだ)」を描かれてた岸本先生が何でこんな事になっちゃたのか?が不思議でならんのですよ。これまでのお話を読み込んでみても「ああ…これは!!」(人生幸朗師匠風)と心に響くエピソードもありませんし、逆に登場人物が悉くクズという要らないおまけ付きで、mjd岸本先生じゃない何処かの馬の骨が描いてんじゃーないのと疑うほどです(笑)。伏線の提示と回収もお座なり過ぎて心底悲しいです。岸本先生には「あの時…泣いてた」を思い出せやー!!と、ここは心を鬼にして訴えたい今日この頃であります。
続きまーす!!(ポケベルだったら”84080”と流すとこですわー)
サムライ8 八丸伝 第33話 相棒 感想②
「おい……アレ…!」(手下①)
「発射口が閉じていく…」(手下②)
「た…助かったぁ!」<ドサッ>(手下③)
『こちら銀河球連邦だ
弁形を捉え艦・鬼若丸を抑えた…!!
連邦の艦隊も召集済みだ
これ以上の悪あがきはよせ』(千)
「こいつ…確か特務隊の…千だ!」(手下②)
「ケッ!
遅かれ早かれ
いずれこうなると思ったぜ」(手下①)
「じゃあ俺たち逮捕か!?
助かってねェーぞ!!」(手下③)
弁形の手下と思(おぼ)しき侍達ですが、彼らにはしっかりとした自我があります。当初、僕は彼らがRPG等に登場するNPCに相当する存在ではないかと考えていました。だから鍵侍を見つけたらお決まりの喋りで斬り掛かりバトルロイヤルを盛り上げる役割を担っている程度に考えてたんですが、実はめちゃくちゃ自立していて、個別に考えて行動しています。手下の侍達はバトルで捕獲した侍と侍に付随する資産(侍魂やキーホルダー)を提供する対価として弁形からお金を貰う関係のようなのです。つまり契約によって両者の関係は成立している訳です。しかし、全くの自由意志に依るかと言うとかなり疑わしいと僕は考えています。
ところで弁形はどのようにして手下の侍達を創り出したのでしょうか?その辺の描写が一切ないので想像するしかありませんが、これにはやはりお話の流れからして弁形のキーユニットコレクションが関係しているとしか考えられません。弁形のコレクションはこれまで弁形達が喧嘩祭りの賞金を餌に侍をおびき寄せて奪って来た侍達の成れの果てと考えられます。ちなみに侍は散体するとロッカーボールに逆戻りしてキーユニットと侍魂を残します。実際、弁形はそれらのキーユニットを自分のキーユニットに無数に接続して自分の機能を拡張し、他者が習得したスキル(四流派の装)を使用していました。
しかし、散体=侍の死として、散体してしまった侍のキーユニット(鍵)にその侍の人格や記憶が残っているかというと、それだとその鍵(キーユニット )をまたロッカーボールに刺したら侍が復活してしまいそうなので、武神に見放され散体に至った場合、キーユニットの侍の人格や記憶…つまりその侍の心は消失(デリート)され鍵と侍魂が残されると考えるのが妥当かと思います。それとは逆に弁形が他者の鍵を自分の鍵に繋いで機能を拡張できたのは、侍の死によって消去されずに残されるデータも存在する事を示しているでしょう。恐らくそれは侍になった後にダウンロードしたデータではないかと僕は考えます。
侍の剣技がダウンロード可のソフトウェアであることから、免許皆伝を頂点とする上位の剣技に関してはセキュリティが手厚く施されてる筈で暗号化や印籠などのハードウェアキー(ドングル)を要求されるでしょう。だから、比較的下位と思われる各流派の「装」を弁形が達麻にひけらかしたのだと思います。それとハードウェアとしてのキーユニットを大量に自分のキーユニットに繋げば単純にメモリーやHDを増設した効果も期待できるでしょう。達麻は弁形の鍵を「免許のダウンロードすらできない貧弱な鍵」と蔑んでいましたように、侍個々に個別のパフォーマンスの違いがあるようでした。
弁形はガタイは大きかったけど、キーユニットの容量には恵まれていなかったのですね。だから、それを何とか克服しようとした弁形を僕は評価した訳です。たまたま才能に恵まれた誰かさんとは違って弁形は努力したんですから。弁形は容量不足の鍵を補う為に必死に勉強した筈です。恐らく相当なハッッキングかIT土方スキルを身につけていたと思われます。そして、徹底的にキーユニットの仕組みを調べ上げ、ロッカーボールテクノロジーの深層にもその手は及んだ事でしょう。きっと弁形の手下の侍達の創造に関してもその技術の延長線上にあるのではないかと、僕は考えています。
よくよく考えてみればロッカーボールとは人間からキーユニットと侍魂という二つのハードウェアを創出するシステムであります(正確にはホルダーをキーホルダーに昇格させるのもありますが、ややこしくなるので割愛です)。それは同時に人間(の心と魂)をソフトウェア化するという事でもある訳です。その部分を推し進めて行くと最終的に不動明王はロッカーボールを使って人間を元に侍魂を作りたかったのかな?(人間を侍魂に変換する)と僕は想像しましたが…これもややこしくなるのでここでは割愛しまーす(笑)。ま…多分、この世界では人の心(思考や記憶)のソフト化に実現してるのでしょう。
その技術で弁形は散体で残されたキーユニットに擬似的な人格をダウンロードして手下の侍達を創り出したんだと、僕は考えます。バトルロイヤルの開始直後に襲ってきたサーベルタイガー侍達(6人組だっけ?複数いて同じ外見だったので即座にNPCを疑いましたね)やガスマスクさん達の架空の人格を弁形が作り上げて自分の配下に加えて行ったんじゃーないですかね。ある意味、弁形は「神」のような存在だったんだけど、それに見合う動機がなくて何なんだーよッ!!って思っちゃうんです。この作品は万事がそういう感じで「結果」だけがあってそこに至る「理由」が希薄過ぎるんですね…。
だから弁形がこんなに凄い事をしているのに全く評価されないんです。弁形はちょっとしたマッドサイエンティストなのにね…。それが大勢の部下と大層な武器や艦を持っているのにやってる事が余りにも情けない…訳で、結局、お前は何がしたかったんだーッ!!??ってなっちゃうのです。一応、そんな弁形がバトルロイヤル編の大ボスなのにそんなだからお話が落ちないのです。それは落差がないからであります。本当は弁形には愛があって骨河を救い出した方んだよーってんならまだ良かったのに、単なる欲しがりのクズでしかありませんでしたー!!<テヘッ>っていう結末の救いのなさと来たら…。
続きまーす!!